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長編小説集

84かたるパフェ:2015/07/24(金) 08:32:27




バスは美希が座る左手に海が見える。バスの外の空は真っ暗だ。
東名高速・名神高速・中国高速自動車道の間の中で唯一長い間 水平線が見える場所だ。
夜の海の水平線は昼の海の水平線と違い雰囲気が違う美希「あっ静岡の海だぁ まだ美保の松原じゃないか?御前崎でもなさそう・・・」
隣のまりあはもういつの間にやら寝ている。
美希「二万人ライブ不安だなぁ・・・上手くできるかなぁ・・・ここから飛び降りて実家に逃げたいなぁ」先程まで饒舌雄弁だった美希が弱気の虫に少し苛まれた。二万人ライブで不安がる事はまずないのだが・・・美希にとってバスの行き先で不安になるのは別の事なのだが、そんな事は露と知らない美希だった。
昼の海の水平線は希望を抱かせてくれるが 逆に夜の海の水平線は先の分からない不安を抱かせる観念に陥る。
美希が見つめる夜の海はただっ広い静岡の海、雄大な太平洋の水平線。同じ夜の海ならこじんまりとしているがネオンきらびやかな東京湾みたいな埠頭沿いの海のほうが希望を抱きやすい。高速を走る時速100キロのバスから飛び降りて実家に逃げたとか危ないだろ?と思うが・・・不安になるとその危ない行為より不安から逃げたいみたいな気持ちをつい優先させがちだ・・・。
美希「おっとこんなとこから飛び降りたら危ない危ない し 大変な事になっちゃう!私は逃げたくない 出来なくてもライブはやりとおすぞっ」と美希は我に戻った。
みずきはファッション雑誌に顔を被せ寝ている が寝たまま首を上げて生田の肩に寄り添った。
電車で居眠りして見知らぬ隣に座る乗客に寄り添ってしまうよくあるケースだ。みずきが隣の男性客に寝たまま寄り添うのは構わないが いい歳こいた男性がみずきくらいの年齢の女性に同じ行為をすると大顰蹙だ。
生田「もう食べれーん、ムニャムニャ」
生田は食事中の夢でも見ているのか「食べれん」と寝言を言った。
その後生田はどんな夢を見ているのだろうか?手でみずきの頭を軽く叩いた。その後みずきは一度「はっ?」と首を上に上げて起き上がりまた寝た。
夢のストーリーなんて支離滅裂だからそれも仕方ないのだろう・・・。


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