小説スポットライトヒロイン - 1430766911

1：かたるパフェ：2015/05/05(火) 04:15:11: ・カラフルな色彩が交差するステージの上でモーニング娘。１５メンバーは歌い踊っていた。
それをひたすら真剣に見入る研修生たち。
一人のメンバーは小田さくらと牧野まりあのダンスを食い入るように見詰めていた。
まりあがメインになる見せ場ではピンクの証明が眩い。
モーニング娘。１５は色彩感を強調しているだけある。
｢小田さん・・・まりあちゃんは遠くの世界に行っちゃったみたい・・・｣
一人の研修生のメンバーは呟きながらまりあのダンスを見詰めていた。
メンバーはダンスを見るのに夢中になりステージ裏に置かれた照明器具にどっかとお尻を乗せて座った。
2：名無し募集中。。。：2015/05/05(火) 04:29:24: ライブは休憩を挟んで照明器具の交換もしている。
研修生の一人が座っていた照明器具はライブ中に交換するものだ。

ライブ二部になりチキブンを歌っているメンバーたち。
グラデーションライブらしく各々のメンバーカラーが照明器具によりライブ中交差をする。
顔色悪くクールな鞘師がメインで歌う時は照明により真っ赤になる。
クールな鞘師のイメージと燃えるような赤色のギャップコントラストが絶妙だ。さくらが歌っている時に照明器具がミシミシッと妙な音がした。
聖｢小田ちゃん危ない！！！｣
ナマタ｢小田！！！！危ない！！｣
咄嗟にナマタはさくらを力ずくで脇に押しやった。
数秒後にガッシャーンと照明器具がステージ床に落ちる音が・・・・。
モーニング娘。１５メンバーは勘も鋭くなる訓練をしている為に危険になる数秒前に照明が落ちる危険を察知して落ちた照明の真下にいたさくらに直撃しかねないと咄嗟の勘で察知した聖とナマタはさくらをステージ脇に追いやったのだ。
流石リーダー＆サブリーダーだ。
照明落下はそこまで悲惨ではないが１９８７年六本木ディスコの惨事を思わせる・・・・。
3：名無し募集中。。。：2015/05/05(火) 04:30:49: 続けろ
4：かたるパフェ：2015/05/05(火) 04:47:48: 照明落下に驚愕や恐怖を覚えながらも元に戻り何事もなかったかのように歌うさくらのプロ意識は流石だ。入って間もないあかねは足が震えながらダンスを踊っていた。

ライブ終了後。
スタッフ・事務所職員は会議をしていた。
真っ青な顔をした照明スタッフと事務所職員は現場確認を行っている。
ライブにはマスコミも来ていたが落下して怪我人が出ていないので大事故ではないので警察による現場確認までには至らなかった。
マネージャーの一人は取り替える照明が置いてある場所はいつも研修生が観覧したり場合によりはしゃいだりしている場所でもあると悟った。
マネージャー｢研修生至急集合！｣
研修生が集まりだした。
マネージャー｢全員集まったねじゃあ目をつぶれ｣
研修生は全員目をつぶった。
研修生の一人は目をつぶりながら一瞬ゾッとした。怪我もなかったがさくらの心配もした。
彼女はさくらとは１１期オーデション時からの仲だから・・・。
｢わたしが座った照明器具が・・もしかして・・・｣。
マネージャーは研修生全員の顔をざっと眺めた。
｢薄目開けるなよ｣
照明器具に座っていた研修生の一人は普段はオデコ全開なのに今は長い髪で顔で隠して鼻をすすり始めた。マネージャー｢正直に答えなさい照明に何かした研子いる？照明に何かした心当たりある子いる？｣。
5：かたるパフェ：2015/05/05(火) 05:04:19: 照明落下はスタッフが点検したところ照明器具に重い体重がかかりボンネットにあたる部分がガタついてしまいその影響でプラグが緩んだと判明した。

マネージャーはその状況を研修生に細かく説明した。マネージャー｢正直に照明に何かした子は手を上げて！逮捕というか補導される訳じゃないから！｣
研修生全員沈黙し手を全く上げてない。
マネージャー｢目撃証拠でも良いから｣
研修生同士は誰かを庇うくらい信頼関係ができているのを知っていてあえてマネージャーはそれを問うた。沈黙の中で一人泣いている子がいるのもマネージャーは把握していた。
泣いている子は黄色いシャツに名字が書かれた黒い文字のＴシャツをビショビショに濡らして泣いていた。
｢私が照明器具の上に座ってライブを見学していました申し訳ございません｣とお腹の底から声を出すように凛とした態度で泣いている子が言った。
他研修生｢れ・・れいなちゃん・・｣
｢れいなさん・・・｣。
泣きながら手を上げた彼女の名前はれいなと言う名前だ。
6：かたるパフェ：2015/05/05(火) 05:14:53: 主人公研修生れいな
何故か照明に因縁がある研修生。ライブ中の危機一髪の事故がきっかけで照明のアルバイトをする。照明を通してアイドルやアーチストとは何かを考える。古風な感じとハスキーボイスが売り。
小田さくら・牧野まりあとオーデションを受けた仲。
7：かたるパフェ：2015/05/05(火) 14:34:26: 他の研修生は沈黙している。
れいなはただひたすら泣いていた。
古参メンバーのかえでがれいなの背中を無言でさすった。
れいなは照明と因縁がある。
過去にもレッスン中にタオルを振り回し天井の管と管の間に挟まり｢ステージだったら照明に挟まるとこだよ！｣と注意されたが研修生のライブで同じ失敗をし照明にタオルを挟ませてしまった。
そして今回の件。

マネージャーはれいながまさか小田さくらに怪我をさせようと意図的にそういう事をした訳ではないと重々承知していた。

れいな｢小田さんと照明さんに謝罪をして私は研修生を辞めます｣

かえで｢・・・・・｣
マネージャー｢・・・いや・・その・・辞める必要はない・・｣。
8：かたるパフェ：2015/05/06(水) 01:49:17: マネージャー｢怪我人も出なかったし辞める必要ないよあと研修生のみんなはれいなが照明に座ったのが元でこうなったと言わないようにねライブにはマスコミも来てたし痛くない腹を探られ膨張した噂を広げられると困るからあと小田にも言わないように色んな憶測が生まれかねないから・・・｣
研修生たちは素直に｢はい｣と言った。
れいなは心の中で｢小田さんごめんなさい｣と何度も謝った。
謝りながらモーニング娘。１１期メンバーオーデションで始めて小田と対面した時の事がよみがえった。れいな｢私は中学生のれいなです。｣
さくら｢はじめまして研修生の小田です。お見知りおきを｣
れいな｢お・・お見知りおきを・・・｣
｢はじめまして愛知から来ました牧野まりあです｣
あのときは牧野まりあとも初対面だった事も思い出した。

次の日
事務所と照明担当の会社は上手く折り合いをつけ互いに妥協しながら何事もなく穏便に事が済んだ。
酷い事務所だと｢こんな照明会社はやめて別の照明会社に任せる｣｢照明会社が悪い｣となったり自己主張が強く強情な照明会社とかになると｢うちの責任じゃない！事務所がなんか手違いしたんだろなんなら裁判で決着つけるか？｣｢照明会社じゃなくステージの担当が悪い照明会社には全く責任ありません｣とかなり互いに譲らず責任を認めず泥沼になりかねない。
が事務所側も照明会社側も借したステージの担当も互いに｢私が悪くて申し訳・・・・｣｢いえいえたいした事ありませんよ｣｢いえいえ私たちが責任あります｣と互いに譲り会ったので変な泥沼にならなかった。
れいなは後ろめたい感じながらもライブ会場に来た。照明会社の役員らしき中年男性と事務所の役員が互いに頭を下げ会っていた。
それをみたれいなはよけいに重荷に感じた。
｢私があんな事したばかりに・・・｣
さくらにも顔を合わせたくなかった。
9：かたるパフェ：2015/05/06(水) 03:51:20: 研修生がたむろするステージ裏の控え室にはもう照明器具は置いてなかった。照明係は｢念には念を入れてチェックね。｣と綿密な点検・確認をしている。
照明係りとリンクするように｢念には念｣と合唱が聞こえてきた。
偶然のリンクだろうが今日のライブのオープニングを務めるこぶしファクトリーメンバーたちの合唱だった。
れいなは｢いいなぁこぶしファクトリーに入りたかったなぁ・・・｣と呟いた。れいなはもう中堅に位置する研修生メンバーだが、こぶしファクトリーにもつばきファクトリーにも選ばれていない。
れいなが目を別のとこにやると里保がいた。入念にダンスフリレッスンをしていた。昨日のあわや惨事寸前が何事もなかったかのような｢ステージ上で怪我をしようが死のうが本望私は躍りながら死んでもよい｣みたいな不敵かつ凛とした面構えだった。
その横ではナマタが半ば泣きそうな顔をして里保に話しかけていた。
｢また照明落ちたらどうすると？えりは怖い！今日ステージ上がりたかないちゃん｣。
10：かたるパフェ：2015/05/06(水) 22:05:38: ナマタはステージで死ねたら本望みたいな考えではないその点は意外にも小心者だった。
里保はナマタの背中をさすり宥めていた。
それをみたれいなよけい罪悪感が湧いた。
里保と同じようにれいなの肩をさすって来る子がいた。
れいなが振り向くとかえでだった。
｢過ぎた事は忘れようもううじうじ悩むな｣
かえでは男勝りのシャキシャキ、カラッとした性格だ。
れいな｢う・・うん・・｣。

ライブ本番中に罪悪感があるれいなは途中で取り替える照明をタオルで拭いていた。
照明関係者に迷惑かけたからそのぶん御返し・償いに何かしなきゃみたいな感じだ。
れいなはまだステージを設営する役割分担を把握してなかった。
ステージはハロプロメンみたく演じる人・会場設営・音響・照明・アップフロント事務所・プロデューサー・ダンスレッスン担当・大道具・メイク・ガードマン等役割分担されていて各々のフィールドで仕事をしている。
フィールドが違う人が違う部所で仕事を勝手にされると迷惑なのだ。

中年の男性照明担当がれいなの姿をみて
｢なーにしてんだよ！コラッ！｣と大声で怒鳴ってきた。
11：かたるパフェ：2015/05/06(水) 22:28:41: 照明担当｢あなたさぁ演じるアイドルの見習いさんでしょ？よけいな事しないでくれるかなぁ！あなたたちは歌って踊るみたいなのが仕事だからそれ以外の事はしなくて良いから！勝手にうちの照明をいじっちゃ困るんだよねぇ！｣
れいな｢す・スミマセン｣。れいなの行為はありがた迷惑なのだ。
れいなは風貌もそうながら聡明で学校の勉強もできるほうだがそういう社会性はまだ乏しかった。
研修生時代にまりあと日本ハムの話題になり｢大谷選手は昼はハムを売って夜は野球してるの？ハムを作ってる選手は誰？｣みたいな都市対抗野球で日本ハムというチームがあればそうかも知れないが、都市対抗野球ノンプロではなくプロ野球のチームの役割を全く理解してないような一面があった。
12：かたるパフェ：2015/05/07(木) 22:19:24: 照明担当中年男性に文句を言われてる最中、つばきファクトリーのりこゆめのとすれ違った。
れいなはそれを無視した。りこゆめのとれいなは仲があまり良くない・・・。照明担当男性は｢じゃ照明いじらないでもう忙しいからじゃあテクニカルリハ終えてアクティングリハ行きまーす｣。
照明だけのテクニカルリアを終えてつばきファクトリーが照明チェックとともにアクティングリハする時間になっていた。

れいな｢ゆめのはいいよなぁ・・・ムカつく｣
女性顔になったゆめのの顔をみて言った。ゆめのもりこもれいなも女性顔に成長していた。
研修生は小学校高学年から中学校低学年で加入するケースが多い小学校高学年から中学校低学年あたりは女性は一時的に男性顔父親の遺伝子が強く顔に表れるときがある。
このあたりの年齢の研修生は顔をみると｢オマエの父親の顔はだいたい察するぞ｣みたいな顔付きになる。中学３年あたりから女性顔になり女性オーラが表に出てくるのだ。
れいな・りこ・ゆめの・かえでもその時期は男性顔だったが今は女性顔に成長していた。研修生は一貫して女性顔の結と名乗る子以外は一時的に男性顔になっている子が多い。
れいなとゆめのは研修した時期が殆ど同じだけにれいなはゆめのに対して過剰意識と嫉妬していた。
昨日の照明落下事故でまわりは神経質に点検やリハや設営を行っていた。
ピリピリ真剣になった波動がれいなからも感じられる。
13：かたるパフェ：2015/05/08(金) 03:29:25: れいなは鞄から眼鏡を取り出してそれをつけた。
れいなは視力が悪く普段は眼鏡をしている。
りこと仲が悪くなった原因は眼鏡をかけていないときに更にレッスンの間違えに対する考え事をしてながら歩いていてりことすれ違い挨拶せずに無視をした事が発端だ。
研修生やハロプロは挨拶礼儀・重視でかなり神経質だ。りこはれいなの一期上だけに特に挨拶に厳しい。
そのことでりこはムッとなり険悪になった。
人なんて考え事をして歩いたりしながらでもちゃんと歩けるし、ちゃんと自転車や車を運転する事はできるのだがつい人の顔とかや景色は目に入っていても頭にインプットされなかったりして顔見知りに出くわしても無視してしまったり景色が思い出せなかったりする事はある。
研修生はそこまで人間心理を把握する程まだ成長していない。
ましてやれいなは視力が悪いのに。

れいなは眼鏡をかけて再度照明を両手で２つ持ちステージに運んだ。
｢照明メンテナンスは技術者の仕事だけど運ぶくらいなら素人でもできるだろう｣
れいなは照明をステージに持っていった。
するとネルシャツを着たか若い照明女性スタッフが｢あなた研修生ですよね！照明は専門の人以外は触らないでください万が一でも素人さんが触ると色々とやっかいな事になりかねないので｣
照明スタッフは技術職人気質があり、｢素人が安易な事をしては困る｣みたいな考えがある。
照明スタッフからすれば大型免許がないドライバーが運送業として運転するな、医師の免許がない人が勝手にオペをするなみたいな意識と同じだ。
れいな｢す・・スミマセン・・・｣
れいなはまたまた謝罪した。今ならカントリーガールズの誰かの代役で｢ごめんね｣とステージで歌っても良いくらい昨日から謝罪しまくりだ。
14：かたるパフェ：2015/05/08(金) 03:49:02: れいなは歌やダンスより昨日の件で照明の事ばかりで頭がイッパイだった。
｢歌やダンスもなんとかしなきゃいけないけど・・ゆめの・・まりあちゃんのなんかに負けたくないけど・・・でも大変な事しでかしたしぃ・・・｣
れいなは頭と心の仲で呟いていると事務所スタッフの怒鳴る声がした。
｢こらっ飯窪佐藤・・・音響機具のコンセント抜いて・・マイク音無しで歌わせるからな！！あと壁ドンと音したけどもし壁壊したら弁償ね！この会場は事務所のものじゃないんだよ！一時的に借りてるだけなんだよ！云々かんぬん・・・｣。
モーニング娘。１５メンバーの飯窪佐藤らが鬼ごっこ＆達磨さんが転んだ壁ドン隠れん坊遊びみたいな様々遊びを合成したような新種の遊びではしゃいで音響機具のコンセントを誤って足で引っこ抜いたのだ。また会場の壁を叩いて何やらをする遊びをしていたらしい。
｢あとチュッパチャプスていうか飴玉加えて遊ぶな！｣
またまた注意されていた。飯窪佐藤らはチュッパチャプスという棒つき飴玉を加えながらその遊びをしていた。
事務所では棒つき飴玉加えて遊ぶな転んだら危険。飴玉舐めながらボイスレッスンするないきなり飲み込んで喉に詰まったらどうする？みたいな指導をしているが佐藤らは右の耳からそれを入れて脳内に蓄積せずに左の耳からそれを出していた。
15：かたるパフェ：2015/05/08(金) 06:58:28: 事務所スタッフがまだ激怒している。
｢こないだも尾形が氷を喉に詰まらせ強引に熱い味噌汁飲ませた事故あったよねぇ！！！氷だからなんとかなったけど！！！｣
れいなはふと気がついた事があった。
事務所スタッフの怒り方が今までの怒り方と違い尋常ではないのだ！
れいなも事務所スタッフやダンスやボーカルの先生からこっぴどく叱られた事があるけどそんな叱り方ではないのだ。
れいなは更に気がついた。照明のスタッフは他のスタッフと違い前々から横柄だなと思って良い感じがしなかった今日はそれに増して横柄＆叱り方が尋常ではない・・・・。
そのときまた照明担当のチーフスタッフが初心者スタッフに尋常ではない叱り方をしていた。
｢掌の汗を吹けって言ってるだろ！軍手しろっ！この蛸足云々かんぬん｣

れいな｢最後にこのタコとか言い方も醜いなぁ・・｣れいなは｢この蛸足配線は｣とスタッフが言ってるとこを｢このタコ｣と聞き間違えたのだ・・・。
照明スタッフは｢照明についてる蛸足配線のコンセントは電流がやや強めだから濡れた手で触ったりしないでくれ最悪感電しかねない感電しても良いのか？｣と強く言っていたのだ。
16：名無し募集中。。。：2015/05/08(金) 07:58:38: 既読
17：かたるパフェ：2015/05/08(金) 23:36:50: 事務所スタッフはまだ激怒している。
｢のど飴や浅田飴はボイストレーニング中舐めながら歌うんじゃないよ！！！あれはボイストレーニング後の休憩時間に舐めなるんだよ！歌いながら飴を舐めると舌が飴に集中しないで歌うほうに集中するから飴をうっかり丸飲みしかねないから！｣
れいなは悟った｢飴を喉に詰まらせてはいけないから激怒してるんだなぁ｣と。
れいなは冷静に照明スタッフの怒号も聞くと何が言いたいか理解できた。
照明チーフスタッフ｢電気物は感電もあるし火の気も出しかねない山田かまち云々グランドファンクレイロード云々｣
れいなは最後のほうは理解できなかったが電気物は危険物と同じ故に万が一の事があってはいけないから尋常じゃない激怒をしてるんだと悟った。
れいな｢生活してる以上あらゆる物は危険物になるんだぁ・・・電車も車もある意味凶器だし・・火も水も裏返せば凶器・・・｣
れいなが悟っているとまた事務所スタッフは激怒していた。
こんどは香音に対してだった。
｢浅田飴をおやつ代わりにたくさん食べるなよ！あれはおやつ用に作られた訳じゃなくあくまで薬だから！浅田飴食べすぎても死にはしないと思うけど薬を食べるような癖があると良くない！将来子供が産まれて育児するときにも悪影響｣
香音は喉のケアと称して浅田飴をおやつ代わりにいくつも食べていたのだ・・・。
こんどはまた別のスタッフが激怒していた。
｢あっ壁にヒビが入ってる！！飯窪佐藤だろっ！さっき言ったけど弁償ね！ギャラ・給料半年無しにしようか？｣
それを聞いてれいなは不謹慎ながら安心した。
私が仕出かした照明落下事故より壁にヒビが入った事故のほうに非難が集中すると・・・。
本当は喜んではいけない事だがれいなは昨日今日と心が休まっていなかったから少しはこれで落ち着けるとホッとした。
18：かたるパフェ：2015/05/10(日) 22:29:17: れいなはスタッフたちの叱り方が尋常ではないのは怪我や最悪命に関わる事だからなんだと今になって悟った。いつも叱られても目先の事に囚われ内心ふてくされていたれいなは自らが情けなく思った。

予定通りライブは終了し帰路につく研修生やれいなたち。
れいなは昨日の事故の事もさることながら研修生の今日の同行バックステージもれいなはあまり歌えて踊れてない事を思ってあまり良い気分はしなかった。
｢もうこれ以上伸びなさそうだし・・・研修生辞めてこれをきっかけに照明のアルバイトしよっかな・・・｣と帰りの電車で思っていた。
隣の席ではこぶしファクトリーのみな美がグーグーイビキをかいて寝ている。
ライブやイベントの帰りはいつもみな美と帰る。
｢１１期オーデ最終審査組は私を除いて全員デビューしてるし研修生も古参メンバーはほとんどがデビューしてる・・・みな美はいいよなぁ・・・｣
と寝ているみな美をみながら思った。
みな美｢うーんムニャムニャ｣
と言ってみな美は目を覚ました。
れいなは一息置いて
｢ライブコンサートで演じる以外に別の仕事やスタッフになりたいと思ったことある？｣
とれいなはみな美に聞いた。
みな美｢みな美はスタイリストやメイクさんになりたいなぁいや本職は歌やダンスだから一週間だけ体験でスタイリストさんやメイクさんをさせて頂くとか・・どしたのれいなちゃんそんな事聞いて？｣
れいなは長い髪をかきあげて
｢いや照明のアルバイトしようかな・・・と思ってね・・・｣
みな美は驚いた顔をしながら
｢どしたの？照明は大変らしいよ昨日も小田さんとか危機一髪で事故寸前だったし｣
れいなは内心ホッとした。｢みな美ちゃんにあの事故の原因作ったのは私だと知られてない・・・｣
れいなも一息いれて
｢ちょっと別のスタッフの仕事してみたいなぁと思って・・・｣
みな美は次に返す言葉が出なかった。
19：かたるパフェ：2015/05/11(月) 04:47:53: 駅についた。みな美は｢これからパスタ食べて帰らない？｣
と言ったがれいなはこの二日は精神的に疲れてそういう余裕がない。れいな｢今日は真っ直ぐ帰りたい｣
自動販売機でオロナミンＣを二人で買って二人で飲んでみな美は｢長く研修続けていたら必ずいい事あるよ｣と言って別れた。

ステージではさくらとはるなんが踊っていた。
その瞬間スポットライトの照明が落ちて照明の尖った部分でさくらの首を払った。
さくらの首は真っ赤な鮮血とともにスポッとぶっ飛んだ。
アイドル戦国時代ハロプロ戦国時代ならでなくリアル戦国時代なら、れいな｢討ち取ったり小田さくらの首｣みたいになるがれいなは真っ青な顔をしていた。
昨今間近で見ると池脇ちずる化したさくらの顔がジェイソンに首を切られた女性のような顔をして目を見開いている。将来ホラー映画出演もいけますねみたいな表情だ・・・・。
もう一つの照明ははるなの頭頂部を突き刺したはるなの目は四白眼になりはるなの顔は真っ二つに割れた。
はるなはまるで梅図かずおホラー漫画の女性みたいな表情だ。メンバーは｢きゃーーーー｣と絶叫している。
れいなは｢ウソ！！嘘でしょ？小田さーーーーーん飯窪さーーーん｣と絶叫した。
と落ちた首のさくらが目を開けてれいなのほうを睨んでいた。
まるで横溝正史ワールドだ・・・。
れいな｢小田さんさーーーーんーーー！！！！キャーーー｣れいなはカントリーガールズの｢ごめんね｣をブルーススプリングスティーンに歌わせたのと同じくらいに｢ごめんなさーーーーいねーーー！！！｣と絶叫してキャーーーと絶叫した。
絶叫した途端天井がれいなの目にうっすら浮かんできた。
れいなが我に帰ると自宅の自室のベットの上の天井だった。
れいな｢ゆ・・・夢か・・・ふぅっ・・｣。
20：かたるパフェ：2015/05/12(火) 07:19:30: れいながみた夢はかなりディフォルメと飛躍されていた。
照明器具は確かに危険だがハロプロメンバーのステージでの照明設置位置ではもし落ちてきて首に当たっても首が吹っ飛ぶとか顔が真っ二つとかはまずない。
夢は事実をかなりディフォルメと飛躍してしまう。
れいなは夢の中では何人ものハロプロメンバーを死なせている。夢の中で水泳が苦手な結という研修生と海水浴にさそい、結を結果として溺死させたり、綾乃というメンバーが北斗の拳のケンシロウにやられる悪人みたく体が木っ端微塵になったり、研修生がみんなガス中毒死してたり・・・・。研修生と長く付き合えばとんでも無い研修生の夢をみてしまいがちだ、即ち怖い夢に研修生がキャストとして総出演する。そんなのは誰でも経験する。
だが今回の夢はちょっと違う・・・。

夢で人が死ぬ夢を見るのは縁起が良くその夢に出てきた死んだ人は現実の世界で長生きするみたいな迷信もある。
れいなにはよわい９０回以上正月を祝い、９０回以上ハッピーバースデーを祝ったひい祖母がいた。
ひい祖母がよわい８０を過ぎたあたりから母や祖父や祖母はなんども｢おばあちゃんの葬儀の夢をまたみた｣と言って１０年たつがまだひい祖母はピンピンしている。
悪夢で汗ビッショリになったれいなは台所に行き冷蔵庫からエビアンを飲んで落ち着かせた。
｢小田さん飯窪さんは夢で死んだから長生きしそうでよかった｣
れいなは｢第三者から死んだ夢を見られた人は長生きする｣みたいな家族の迷信を信じてホッと胸を撫で下ろした。
が・・・さっきみた夢はグロ過ぎた。
さくらとはるなが鞘師カラーの鮮血真っ赤赤になりホラーさながらの顔で真っ二つになる夢なんて・・・。れいなは心の中の縺れをとりはずそうとついに決意した。
21：かたるパフェ：2015/05/12(火) 07:43:55: れいなは表参道をカツカツ歩いていた。
お洒落が店が立ち並んでいる。
れいなはプチメイク・目立たないつけまつ毛・マクビィブランド服に・普段からやや濃いめの眉毛を少し濃く描いて・眼鏡に今日は長めの髪をポニーテールに縛り歩いた。
｢まーだ夢の余韻があるやだなー｣
れいなは色つきの夢をみるタイプだ。
そもそもハロプロメンバーや研修生は職業柄色つきの夢をみるメンバーが多い。実務的な人や左脳系を基本にした職業の人が白黒やセピア色の夢をみるケースがあるのと違いハロプロメンバーや研修生は実務的というよりアーチスティック(右脳的)な職種せいかどうかは知らないが・・・。
れいながたまに食べる路上ホットドック店のホットドックのケチャップの色が昨日の鮮血悪夢を蘇らせまだ気分はふさぎこんだままだ・・・。
れいなは歩いてラフォーレビルに入った。
れいなのフェイバリットショップが多いラフォーレだが今日はそんなのに見向きもしない。
エスカレーターで三回に上がり｢あったあったクラフティだ｣
株式会社クラフティとかかれたドアを目にした。
クラフティとはハロプロイベントの照明を委託担当している会社だ。
三日前にライブで照明においてれいなと色々あったのもクラフティだった。
22：かたるパフェ：2015/05/13(水) 00:52:55: れいなはクラフティのドアをノックして出てきた女性社員に詳細を述べて役員と話をすることに。

れいなは生まれてこのかたアルバイトをしたことがないまたおねだりエンタメはぴぷれの妙な癖がついてアポ無しでクラフティの役員に｢照明の仕事がしたい｣と告げにきたのだ。
おねだりエンタメはぴぷれも場合によりスタッフが取材する店や会社にアポを前もって入れている。店や会社におねだりする部分はアポ無しだろうけど基本的な事はアポを入れているのだ。
れいなはそこが分かっていなかった。
クラフティの役員は中肉中背の長谷川と名乗るよわい５０過ぎたくらいの男性だ。
｢うちは大学生アルバイトを雇ってるけどあなたハロプロ研修生さんでしょ？事務所を通さないとなぁ・・・｣
長谷川は顔を天井に向けて｢まいったなぁ｣みたいな顔をしていた。

れいなはアップフロントの雇用者ではなく研修生みたいな立場でギャラもたまに貰えるが立場的に労働者ではない。研修生＝塾生みたいな立場だ。
いくら社会性に乏しいれいなも研修生としての書類契約をするときにそれは理解していた。

れいな｢前のライブで照明事故のきっかけを作ったのは私なんですその償いにアルバイトととして雇ってください。｣

長谷川は現場担当ではなく基本事務職だからライブ会場に顔を出していない。クラフティの役員は現場担当上がりと現場の仕事経験皆無の事務職上がりの２つのケースがある。長谷川は後者だ。
照明事故の元の原因はれいなみたいな事は現場担当スタッフがれいなの為を思いクラフティの非現場担当の社員の誰にも告げず隠していたのだ。
長谷川｢一岡さんあなたワシントンの桜の木みたいで正直だねあと責任感が強すぎるうちでアルバイトととして欲しいでもあなたの所属事務所は・・｣
れいなは自分のアップフロントにおける立場を詳細に長谷川に教えた。

長谷川｢じゃあ研修生を一時お休みしてハロプロのステージスタッフとは関係無いアルバイトとして雇って欲しいという訳ね｣。
23：かたるパフェ：2015/05/13(水) 01:10:53: 息をきらしながら制服姿で鞄を持ちローファをすり減らすように走るれいな。｢ハァハァ｣
れいなは研修生加入当初は体力がなかったが研修活動を続けていくうちに体力もついてきて息切れせずに走った。
｢ややっとついた現場に・・・｣
クラフティの照明アルバイト一日目はアルバイトは現地集合だった。
東京校外某市の現代音楽ネオクラシックピアニストの田中カレン氏のコンサートの照明仕込みだ。現代音楽と言っても新垣某みたいな無調音楽の現代音楽ではなく便宜上クラシックと相対比較した上での現代のクラシック音楽と言う意味の現代音楽だ。
れいな｢お・・おはようございます｣
時間は午後４時で夕方だが、この世界では(ファーストフードアルバイトもそう)夕方でも｢おはようございます｣が挨拶だ。
クラフティはハロプロライブやイベントの照明だけでなく他のロックミュージシャンからラフォーレの一室にオフィスがあるかんけいかファッションショーの照明そしてジャズやクラシックのライブコンサートの照明も担当する。
れいなは授業が終り放課後にアルバイト初日を向かえた。
24：かたるパフェ：2015/05/13(水) 02:46:56: 古川｢じゃあ照明器具を運んで｣作業が始まった。
制服から作業しやすいミッキーマウスのトレーナーに着え軍手をしたれいなは器具の入った容器を運んだ。
｢お重い・・・｣。
古川は今日の担当チーフだ。まだ若く２０代後半と言ったとこか。
現場は女性スタッフも多い。
れいな｢器具運びは辛いなぁ照明なんて軽作業だと思ってたのに・・・おねだりエンタメはぴぷれ精神で頑張るしかないかぁ｣
れいなが出演おねだりエンタメはぴぷれは店や会社に品物をおねだりをする番組だが店や会社の人は素直に品物を渡したりしない。必ずなんらかの作業をして店や会社の人がオーケーしてから品物を渡すのだ。
れいな｢あの番組の意図がみにしみて分かったわぁ・・・研修生と成長する前にあらゆる仕事を体験しろ！みたいな意図だったんだなぁ・・・｣。

仕込み器具が運び終わるとベテランの照明スタッフ以外は休憩だ。
れいなは初心者なので本番のアシスタントと本番終了後の片付けまで仕事がない。

休憩中にハムサンドを食べてドクターペッパーを飲みに横になるれいなだった。
本番だ。
田中カレンの曲に合わせてゆったりとした薄い青色のアイリスシャッターが重なる。
田中カレンの今日奏でる曲はフランス印象派音楽調だ。
印象派音楽らしくおぼろげな色彩なのだ。
フランス印象派以前の音楽と近代のロックやＪポップやポップスはどんな色の照明でも合わせる事ができる。
この時代の音楽は(日本で言う大正時代から昭和始めのフランス印象派音楽)別名色彩系音楽と呼ばれるから音に合わせて綿密な色彩を醸し出さなければならない。
音で色を判明するみたいな高度な感性が必要となる。田中カレンが弾いているのは水をイメージした音らしい。
印象派音楽だけあり水の微粒子のモチーフまで細かい表現をしている。
れいなは積極的にアシスタントしたいとスタッフに申し出た。
｢じゃあアイリスシャッターのスパイラルを調整できてるかみてて｣。
れいなは言われた通りスパイラルの装置をみていた。田中カレンの曲はゆったりした水のイメージだテンポもゆったりしている。
れいなはついうっかりスイッチをいじってみたくなりいじってしまったのだ・・・・。
アイリスシャッターがグルグル高速で回る。
まるでアップテンポのダンス曲やハードコアパンクやスラッシュメタルの照明だ。はやいはなし田中カレンの曲と違い１６ビート調の曲に合わせたアイリスシャッターになってしまった・・・・。
れいな初日にやらかした・・・。
25：かたるパフェ：2015/05/13(水) 03:41:56: 田中カレンは何事もなかったかのようにピアノを弾いている。
次に更に最悪な事態が起きた。れいなが焦って更にマシーンをいじくった為に原色ピンクのアイリスシャッターの箇所を操作してしまった。
田中カレンはちょうどそのとき自作品を弾き終えて、カバー曲を即ち自らの作品ではない過去の作曲家のピアノを弾き始めたのである。
ドビュッシーの月をモチーフにした曲だ。
アイリスシャッターの色はまっピンクで田中カレンの顔に思いきりピンクの色彩が当てられている。
まるでピアノを奏でる人がビジュアルアイドル状態だ！過去の作曲家のピアノを奏でるコンサートの照明は奏でる人をビジュアルにしてはいけなくあくまで音の中の世界と過去の作曲家の内面世界がメインビジュアルなのだ。
しかも黄色い透明感ある月の光や暗い夜のイメージしたような色彩にしなきゃいけないのに真ピンクなアイリスシャッターが田中カレンの顔をグルグル回っている。
しかも田中カレンは５０代なのにまっピンク原色照明が彼女の顔を派手に照した。まるで原色ピンクなカレンちゃん状態だ・・・。落ち着いた現代音楽・印象派音楽のコンサートがれいなの操作した照明で滅茶苦茶に・・・。
れいなはあわててマシーンを更にいじくった。
26：かたるパフェ：2015/05/13(水) 10:22:01: 田中カレンコンサートが終りれいなはこっぴどく怒られた。
｢器材をみてるだけでよかったんだよ！触れと言ってない！何かあれば技術者を呼べと言う意味でみててくれと言ってたんだよ｣
れいなは干物みたいにしょぼんとしていた。
｢だいたいあの手(印象派音楽)の客層は完璧主義でプライド高いから今日のコンサートは照明滅茶苦茶みたいな批判浴びるだろうな・・・。ノンボーカル音楽のステージの照明は歌詞がないぶん誤魔化しが効かない・・・音だけで色を判断し明確に表現しなきゃいけない・・・田中先生もたーぶん御立腹だろうな｣。

次の日の学校での昼休みれいなは弁当を食べ終りぼっとしていた。
｢照明のバイトやめよっかな・・・田中カレンコンサート騒動やらかしちゃったし・・・｣
とそのときれいなの目を手で目隠ししてきた子がいた。
｢誰だっ？｣
きゃぴきゃぴしてない囁くような声で誰かすぐわかった。
｢かれんちゃんでしょ？｣
振り向くと同じ学校のかれんと言う子だった。
やや色白に永作博美と千葉麗子と鞘師里保と北原佐和子を合成したような風貌の子だ。
かれん｢田中カレン騒動がなんちゃらって聞こえたよっ何？｣
れいな｢い・・いや・・田中カレンとか言ってないよ・・・｣。
かれん｢研修生相変わらず？｣
れいな｢相変わらず頑張ってるよん｣
れいなは研修生を休んでいると言わずに嘘をついた。れいなは｢ふさぎこんでるときによりによって昨日のコンサートの出演者と同姓同名が現れるとは・・・｣
昨日のれいながやらかしたコンサートの出演者より４０年遅れて産まれてきたほうのもう一人のかれんの口から
｢私デビューからライブやるんだぁ｣
れいな｢う・・嘘・・・｣。
27：かたるパフェ：2015/05/14(木) 08:47:07: かれんは学食で購入したあんパンをほうばりながら
｢ルーランってグループでデビューするんだぁ｣と微笑んだ。
れいなはまた劣等感に苛まれた。
かれんは元研修生で研修生仲間だ。
かれんはあんパンの甘味がおいしくてなのか？デビューが嬉しくてなのか？微笑んでいる。

キンコンカンコーンと午後のチャイムが鳴った。
かれん｢じゃあねぇ｣
かれんとは別のクラスだ。

れいな｢研修生も休養届け出したし休養したまま辞めよっかな？照明のバイトもあと一回だけいって辞めよっかな？次はコンビニでバイトしよっかな？午後の授業もかったるしい学校退学しよっかな？｣
次々と雪崩現象的に｢辞めよっかな｣と言うれいなだった。

クラフティーには嫌々電話をして次の仕事の予約を入れた。
｢こないだは大変だったねぇ次の仕事は高円寺ライブハウス女性グラムロックナイトだよできる？｣
28：かたるパフェ：2015/05/14(木) 09:06:57: あと一回仕事してバイト辞めようと決意したれいなは開き直った。
れいな｢できます！｣
クラフティ社員｢土曜日から日曜日にかけて空いてるいてるかなぁ？土曜夜は高円寺でレディグラムロックナイトで日曜日は渋谷でネオクラシックのオペラもどきコンサート｣
れいな｢空いてます｣
れいなは仕事の予約を入れた。
クラフティは口は悪い社員は多いが終わった事は愚痴愚痴といつまでも責めない。田中カレンやらかしの件は一切何も言われなかった。
まるで５月の風のような爽やかさ的な一面もある。
デビューしたと言ったかれんとはいつも一緒に帰宅するが今日はかれんとは一緒に帰宅したくなかったれいなは一人で教室を出た。

土曜日の夜
れいなの大好きな真っ赤な丸の内線に乗り東高円寺駅で下りて歩いた。
東高円寺駅から環七を渡り路地を少し入ったとこにライブハウスがあった。
クラフティの今日の担当は村上と名乗るバンドマン風の男性だ。
｢おはようございます｣
村上｢じゃあ今から今日のレディーグラムロックナイトの照明は仕込みね｣
れいな｢はい｣
れいなが辺りをみると今日出演するバンドマンらしき女性がいた。
髪をオレンジにしてボンバーツンツンヘアーをして鼻にピアスをしていた。
少しポッチャリした体格だ。
顔は昔のデビットボウイみたくオレンジに塗りたくっている。
れいな｢どっかでみた顔のような・・・気のせいか・・・｣
れいなは兎に角仕込みの手伝いをした。
29：かたるパフェ：2015/05/14(木) 09:34:09: れいなにとってグラムロックとは妙な世界だった。
ビジュアル系の元祖と言われながらビジュアル系とは違い完璧な美ではなくどこか奇をてらったような風がわりしたメイクで演奏したり歌うロックをグラムロックと言う。
例えるならシャ乱Ｑ路線を更に奇抜にしたような風貌のロックだ。
れいなは｢なーんか奇妙な格好｣とはじめてみるアーチストたちの衣装や風貌をみて面食らった。
村上｢今日の照明はグラムロックだから誤魔化し効くから失敗を恐れないように｣
ビジュアル系なら完璧なステージライトを醸し出さないといけないがグラムロックは一歩間違えたらお笑い系バンドか？みたいな一面もある。
奇抜で一歩間違えたらコミカルな一面があるだけに照明色彩操作を誤ってもなんとか誤魔化し効くから手抜きはいけないがプレッシャー感じずに行けと村上は言いたかったのだ。
30：かたるパフェ：2015/05/14(木) 09:54:48: 仕込みが終わった。
れいなは脚立で照明位置を設置するスタッフにコードを手渡す雑用係だった。
れいな｢照明なんて興味ないべ！早く次のコンビニバイトやりて！学校退学して！でも大学にはいきてー研修生は辞めよっとでもアイドルか女優になりてーで嫌になったらやめてブティク経営してー｣と内心都合の良い事ばかり考えて雑用をしていた。
そんな都合の良い話あったら世話ない。
｢グラムロックとかキモッ｣内心ブツブツ愚痴りながら作業をしていた。
スタッフ｢はい原色の光のテストしまーす｣とスタッフが叫んでいる。
れいなには専門用語はちんぷんかんぷんだ。
れいな｢原色ガール派手にやるべー♪｣とスタッフの｢原色｣発言から連想し｢原色繋がりで｣後藤真希のなつかし歌を心で歌った。そのときかれんからメールが来た。
｢研修頑張ってる？今日の研修何してたの？｣
という内容だった。
かれんには研修休んで照明のバイトしてるなんて一切言ってなかった。
故に嘘八百メールを送った。
｢今日は後藤真希さんの原色ガール派手にいくべーの歌とフリをした｣と適当に書いて送信した。
次にみな美からメールが来た。
｢今週は研修レッスンも生卵ショーも休んだってきいたけど風邪でもひいたの？｣
れいなは｢風邪で寝込んでてねぇ｣
とこれまた別の嘘八百メールを送った。
れいなはみな美には｢照明のバイトしたい｣みたいな発言をしたが照明のバイトを実際にしているとまでは言ってない。
たくさんの嘘をつくとたくさんの嘘を保護する為に更に嘘をつかなければいけないのにれいなは場当たり的な嘘つきまくった。嘘八百でいつかエスカレートして八百個の嘘ついて収拾つかなる鼻が伸びるぞピノキオ閻魔様に舌抜かれるぞ状態のれいなだった。
31：かたるパフェ：2015/05/14(木) 10:22:18: レディースグラムロックライブが終わった。
本番中も雑用として過去に使われていた照明器具のメンテナンス雑用をしてライブなんて一切見ていないれいなだった。
照明の後片ずけを終えると楽屋で休憩した。
そのときさっきの後から楽屋に入ってきた奇抜な髪とオレンジに塗りたくったグラムロックバンドの女性と目が合った。
女性｢よっ！あのさぁ一岡照明のバイトしたのも何か意味があってでしょ？なのに顔に辞めたいと書いてあるよ！｣
れいなはいきなり｢はっ？何？｣となった。
顔をオレンジに塗りたくった女性からいきなり｢一岡｣と名字を呼ばれたからだ。女性の言う事でれいなは我に帰った。
ハロコンで事故のきっかけを作った責任を感じてそれを償う為に無理して照明のバイトをしたのだだが一日仕事をしたらそんなの忘れて｢照明のバイト辞めたい｣と言い出す始末。研修生も辞めたいと言い出す始末・・・。
れいなは自分が情けなくなった。
だが｢この女性何者なの？｣とれいなは思った。
れいなは最初みたときからどこかでみたような顔だなとは思っていたが・・・。とそのときライブの観客から｢今日のライブよかったよ！またライブしてねりえさん｣と声援が聞こえた。
れいなは｢ハッ｣となった。れいな｢り・・りえさん・・・｣。
32：かたるパフェ：2015/05/15(金) 06:57:44: 事務所でスタッフが電話で会話をしていた。
｢じゃあそこのとこはよろしくお願いいたしますクラフティさん｣
電話を切った後にさきと名乗るスタッフが
｢れいなちゃん戻ってこないんじゃ？｣
と言うと
事務所スタッフ｢あの子は絶対研修生に戻ってくるよ。｣と目を瞑りながら言った。
さき｢れいなちゃんが戻ってくるか戻ってこないか試して見てるのですね・・・｣
さきは事務所の人事件やプロデュースや企画に口だしできるようになった元ベリーズ工房メンバーだった。
事務所スタッフ｢もし戻ってきたらデビュー候補になるかもしれない・・・｣。事務所は研修生を試す事もしている。
歌ダンス演技のスキルあってもあえてデビューさせなかったり、歌ダンス演技のスキルが無くてもすぐにデビューさせたりとか各々の内面や意思やモチュベーションを試す事で探ったりしているのだ。
スキル抜群でもあえてデビューさせなくて腐るか？腐らないか？みたいな持続制を試したり、すぐデビューさせてあえて天狗にさせてみたいな技巧的な試しもしたりする。
さき｢クラフティさんとは何を？｣
事務所スタッフ｢いやあの子をあえてハロプロライブや生卵ショーの時に照明のアルバイトをさせるように誘導してくれと頼んだんだよハロプロメンバーや研修生の前であの子がどういう照明の仕事するか？面白いからね｣

事務所とクラフティは照明の依託業務で連携しているから事務所はれいなが次の仕事を取る時はクラフティ側がハロプロか研修生のライブかイベントの仕事しかないように誘導工作取り引きをするのはたやすかった。

高円寺の回転寿司屋カウンターで
れいなとりえと名乗るグラムロック女性ボーカルに座っていた。
りえ｢おっトロだ食べな一岡｣
れいな｢ありがとうございますいただきます｣
とちょいと間違った箸の持ち方でトロを摘まんだ。
りえはオレンジメイクのまま海老を摘まんで口に入れている。
ビジュアル系メイクなら平気で寿司屋に入れるが奇をてらったグラムロック系オレンジメイクのまま寿司屋に入り寿司を食べるりえは奇妙だ。
33：かたるパフェ：2015/05/15(金) 10:57:44: りえ｢今日は奢りだから遠慮せずに食べな｣
りえは風貌と違い可愛らしい声で言った。
グラムロックボーカルのりえは元研修生だ。
長い期間研修生として活動していた研修生の主みたいな存在だった。
れいな｢頂いちゃっていいんですか？｣
りえ｢全然いい一岡｣
研修生は名前を呼ぶときニックネームで呼ぶスタイルとちゃん付けで呼ぶ高橋愛スタイルと名字呼び捨てで呼ぶ中澤・飯田・道重スタイルがあった。研修生はその折衷スタイルを採用したが年上・期が上のメンバーが年下・期が下のメンバーに対して名前を呼ぶときは｢一岡｣みたく中澤・飯田・道重スタイルを採用していた。
研修生時代はりえはれいなのかなり期が上だった。

れいなが寿司でお腹いっぱいになり別腹のデザートの皿を食べ終わると
りえは本題にうつろうとした。
れいながクラフティのバイトが終わると｢話があるから来い｣と回転寿司に連れ出したのだ。
れいなは研修生終了後、留学を目指し高校生をしながら土日は｢よくもまあ風貌を変えて｣みたいな研修生時代とは全くコペルニクス転回的風貌でグラムロックバンドボーカルをしていた。
りえは渋くガリをつまみお茶を飲みながら。
｢燃え尽きたのか？｣
と言った。
34：かたるパフェ：2015/05/17(日) 08:08:13: れいな｢りえさんみたいに燃えつきた訳じゃないかもと思います｣
りえは違うと言わんばかりに
｢私は研修生で燃えつきた訳じゃないんだよ！やるべき事をやったがダメだった！で次のステップを模索してる過程なんだ！まだまだモチュベーションはばっちりでポジティブな確信が軸にある、がれいなは何か目が死んでる｣
れいな｢・・・・｣
りえは研修生に長期いたメンバーだ。
研修生に長期いてデビューはできなかった。
りえ｢都合悪いと何かと理由をつけて逃げる事ばかり考えてるよな？顔にそう書いてある。｣
りえは長期研修生をやり研修生の表情をチエックしてるだけあり研修生の顔に書いてある事が読めるのだ。
回転寿司屋から出て別れる際に｢研修生もバイトもまだやれるとこまでやってみな｣とりえから言われた。

次の日はネオクラシックオペラコンサートのバイトだ。
れいなは誰が出演者か知らずに仕込みをしていた。知らずにというより照明の仕事の事でイッパイイッパイで誰が出演者か分からないまま仕込みをしていたのだ。
本番は控え室照明装置器具チエックしていた。
なにやら３０歳前後の女性の伸びのある声がする。
れいなは研修生時代のモーニング娘。ふるさとのボーカルレッスンをしたときに何度もふるさとを聴きながら練習していたが、ふるさとのメインボーカルの声にやや似ていたのだ。

照明装置器具を原色系のスイッチいっぱいにしている社員がいた。
れいな｢クラシックは原色系はダメだと田中カレンさんコンサートで聞いたのですが・・・｣
クラフティ社員｢印象派のボーカルの無い音楽はそうだけどボーカルのあるオペラは歌詞で例えば燃えるような情熱みたいな歌詞があれば照明を歌い手に向けて原色で真っ赤にしなきゃいけないんだ。それに激しい感情を表情する歌詞なら激しい原色にしたり絶望的な感情なら暗めの色をフルに歌い手にスポットライトアップしなきゃいけないんだ。それに歌い手は安倍なつみさんだからね安倍なつみさんは半分はビジュアル面を表現してるから｣れいなは最初は｢へえーっ｣と思いクラフティ社員の話の後半からは｢えっ？今日のコンサートの歌い手さんは安倍さんだったんだぁ｣と驚いた。
35：かたるパフェ：2015/05/17(日) 10:11:06: コンサートが終了して後片付けが終わった。
楽屋でスタッフと挨拶している最中安倍なつみは真っ赤なドレスを着てフォーマルに決めてどちらかと言えばハイカル系の人々と挨拶をしている。フォーマル服を着たいかにもハイカル関係者らしい男性や中には蝶ネクタイをした男性と名刺交換までしている。
挨拶を終えて安倍なつみはれいなとすれ違った。
れいなと安倍なつみは全く面識がないが一応は会釈をした。
｢安倍さんは面識ないし・・・安倍さんなんてしがない研修生なんて眼中にないでしょう｣とれいなは思った。
そのとき｢一岡さんだね？今日は研修休み？最近生卵ショーにも来てないよね？｣と言った。
れいなは｢はっ？｣と思った・・・。
｢しがない研修生の私になーんで安倍さんが細かくチエックしてくださってるの？｣とれいなは内心びっくりした。
安倍｢わたし結構生卵ショーとかみてるんだぁ一岡ちゃん最近実力出てきたよねぇ？あっそうそうルルちゃんのオクターブとかこっち系(ネオクラシック・現代クラシック)の一面もあるし・・ルルちゃんが挨拶した後ルルちゃんの質問にも答えてつい話ちゃった｣。
ルルとはれいなと同じ研修生で売りはボーカルだ。研修生では１・２を争うボーカルでポップスからネオクラ系でも場合によれば通用するかも知れない才能なのだ。
｢鞘師さんでも最近はお高くとまりルルちゃんが挨拶してもつんと無視してるのに安倍さんと来たらすごい・・・｣と思った。
れいなは言いたくない事はオブラートに包み本当の事を言った。
｢研修で訳あって行き詰まりちょっとお休みして照明のアルバイトで今日は来ました・・・｣。
36：かたるパフェ：2015/05/17(日) 13:48:13: 安倍｢そう残念だねぇでもまた復帰するんでしょ？｣
れいなは一瞬｢うっ｣となった。
れいな｢必ず復帰します｣と言ってしまった。
安倍｢そうそうこれからワイン飲みに行かない？｣
れいな｢あのぅ私はお酒ダメなんですぅ・・・｣
安倍｢そうだったねぇ残念｣
安倍は一瞬おでこ全開のれいなを実際の歳より上だと勘違いしていた。
れいなはおでこ全快だと歳より上にみられおでこを隠すと歳より下か歳相応にみられる。
安倍｢じゃあ頑張ってね｣
れいな｢ありがとうございます｣。

れいなはバイトを終えていつもなら電車で帰宅するが今日は公園のブランコに乗って考え事をしていた。｢ここにおいでよブランコリー♪｣
れいなはどーこで覚えたのか知らないが蠍座のおいでブランコリーを歌っていた。
おいでブランコリーなんてかなり古くＣＤ発売されてなくレコードも廃盤だもちろんダウンロードもない。
研修生に限らず人はたまーに親が歌っていた歳の離れた兄弟姉妹が歌っていた古い曲を真似して無意識に歌ったりする事がある。
れいなも口と耳伝えに無意識にそれを歌っていた。
家族がおいでブランコリーを歌ったのか？研修生がおいでブランコリーを歌ったのか？定かではなくれいなも覚えていない。
れいな｢安倍とかぜーったい私の事を知らないと思っていたのに研修生のライブやイベントはファンと研修生の家族だけしか見に来てないと思っていたのに・・・・安倍さんとかに影で見守られてるみたい・・・見てないと思われてる人がちゃんと見てくださってるんだなぁ・・・｣。
37：安倍なつみ：2015/05/18(月) 04:36:12: りこの馬鹿力

れいな｢もう少し研修生もバイトも頑張ってみよう・・・｣と言ってれいなはブランコを降りた。

れいな｢えっ？次のバイトは二ヶ月もハロプロ関連の仕事ばかり担当なんですか？｣
クラフティ社員｢この二ヶ月はハロプロやラベンダー等の専属でねぇ・・・｣
バイトは社員と違い空いてる日に前もって一週間前に予約を入れるシステムだ。
れいなは予約の電話をかけていた。
れいな｢すこーしだけ起動にのりすこーしだけバイトが面白いと感じた矢先なのに・・・・よりによってハロプロの照明担当しかバイトの仕事がないなんて・・・｣。
れいなは様々な研修生に｢風邪をひいた｣｢腰痛だから｣｢学校の授業が忙しくて｣｢実家の都合で｣｢コンビニでバイトしてるから｣とそれぞれ別の研修生メンバーにそれぞれ違う嘘をついて研修を休んでいた。
そのうえさくらとの関係、もしかしたら詳細をみられてるであろうハロプロＯＢ・研修生ＯＢとの関係と様々な要因が縺れてハロプロ関連の照明バイトだけはしたくなかった。

が何故かれいなは決心をした｢あえてハロプロの関連で仕事してみよう｣と。
れいな｢何か様々な事に場当たり的で私逃げてるみたいだから・・・｣
れいなは｢Ｗファクトリー・モーニング娘。１５・研修生もいっぱいいるよライブ｣の時の仕事を予約した。
38：かたるパフェ：2015/05/18(月) 04:39:27: めちゃくちゃ訂正
上記の名前欄→安倍なつみ→かたるパフェに訂正(安倍なつみなりきりになろうとした訳じゃないから(苦笑)。
安倍は→安倍さんはに訂正。
全快→全開に訂正。
39：かたるパフェ：2015/05/18(月) 10:45:42: ハロプロライブ＆イベントアルバイト前日。れいなは自宅の自室で｢でも勇気をもってはなすわ私の事 ♪｣と音楽とともに口ずさんでいた。
聴いて歌っているのはモーニング娘。のＩウイッシュの一節だ。
昨今のハロメンや研修生は歌詞の世界で自分と同じ境遇が出てきたらそれにエンパシーしたり歌詞から解答を見いだすみたいな事をしなくなりつつ傾向になっていた。
がれいなは最近になりその重要さに気がついた。

れいなは次にスマイレージの歌詞のごとく｢やったるちゃん｣と言った。

れいなはオレンジの中央線から降りて駅改札を抜けてハロプロライブ＆イベント会場に向かった。
いつもなら歌ったり踊ったりするほうだが今日は照明のほうだ。
今日あんなに意気高々だったのに朝になると弱気になった。
｢Ｗファクトリー・研修生に出くわしたくないなぁ・・・｣とおデコ髪を下ろしマスクをして照明アルバイトの集合場所に。
40：かたるパフェ：2015/05/18(月) 16:35:15: あの照明事故がれいな絡みと知ってるのは研修生の半数。
元研修生の現ハロプロユニットメンバーでれいなと仲が良いメンバーには行き当たりばったりで｢体調悪いから研修休んでるだけ｣｢実家の都合で研修休んでるだけ｣｢コンビニでバイトしている｣等様々なメンバーに違う事を言ってしまった。だから照明のバイトをして元研修生ユニットと顔を合わせるのは都合が悪い。
すべてれいなが撒いた種だ。
集合して照明仕込みの作業が始まった。
れいなもマスクをして仕込みをしている。着ている作業着は赤いＴシャツだ。
れいなは何を思ったか着替えの衣服が置いてある場所に戻り一岡と書いた黄色地に黒の研修生Ｔシャツに着替えマスクを外し前髪で隠れたヘアースタイルをでこ出しヘアーに変えた。
｢私はクラフティバイト一岡！自分のする事は自身もたなきゃ！！コソコソせずに！！何かあればＩウイッシュの歌詞のように本当の事言おう！｣と凛とした。
十メートル以上ある場所に命綱で仕込みをしているスタッフがいた。
何を思ったかれいなも十メートルある場所に仕込みをしたくなった。
もともとれいなは高いとこが苦手だが何故か今日は｢なんでもしてやる！！！｣みたいな気持ちになり命綱なしで勝手にそこに上った。
そのときつばきファクトリーたちが舞台でリハーサルしようとしていた。
｢あっ！山岸さんとゆめの！｣
仲が悪いりこと仲が悪くライバル意識があるゆめのが笑顔でリハーサルをしている。
他を見回すとまだリハーサルをしてないモーニング娘。１５のさくらとまりあが笑顔で談笑している姿があった。
すっぴん歌姫オーデから意識している二人だ。
41：かたるパフェ：2015/05/18(月) 16:50:07: れいなは命綱なしで鉄でできた柵に照明を持ちよじ登った。
それをみたクラフティ社員やチーフスタッフが｢なーにやってんだ！バイトでしかも初心者はそんなとこよじ登っちゃいかーん！！！！しかも命綱無しで！！降りろ！！｣と叫んだ。
柵に照明を設置する作業だがバイトや初心者にはそういう作業をさせていない。れいなには全く聞こえていない。
ステージではりこゆめのがリハーサルをしている。十数メートル上がったとこでれいなはバランスを崩しコシのあるみたくうどんツルンと滑り落ちた。
れいな｢あっ！！！｣
柵に腕二本でなんとか留まるれいな。宙ぶらりん状態のれいなだ。スタッフ一同｢あぶなーい今助ける｣と言った矢先にその絶叫に気がついたのかりこゆめのも柵に注目した。
りこは咄嗟に置いてある脚立に上った
ゆめのに対して｢肩に乗って｣と言った。
りこは研修生でも腕力が弱い部類だ。握力は２０もなさそうだ。一番腕力が弱いと言って過言ではない。ゆめの｢山岸さん肩に乗るのは危ない思います！ましてや脚立の上で・・・｣
ゆめの｢私がよじ登って助けます！｣
りこ｢いいから肩にのれ！！！｣
と強引にゆめのを肩に持ち上げた。
りこは凄まじいバカ力だ！研修生で最も腕力・背筋力が弱いであろうりこがなんでそんなにバカ力があるのか不思議だった。
42：かたるパフェ：2015/05/19(火) 16:57:56: 女性は通常男性の筋力が１０とすれば女性は５から６だ。
が土壇場になれば女性の筋力はその３倍になる。
土壇場になれば１５くらいになる。
しかもか弱そうな女性に限ってそういう状態になることもなきにしもあらずだ。りこはゆめのを持ち上げて肩車にした。
りこの筋力は通常の５倍に加速した。
男性重量上げアスリート並みの筋力だ。
ゆめの体重が５０うん㎏だがそれを軽々と持ち上げる土壇場の怪力だ。

れいなは脇に照明器具を挟んだままぶらさがっているので脇を締めていないので腕に力が入らない。
れいな｢もうダメーっ｣。
りこが乗っている脚立は通常の脚立と違い照明用脚立で高さ２メートルある。
りことゆめのの身長を足して更に脚立の高さを合わせて５メートル強いだ。
れいなのいる位置に到底及ばない。
43：かたるパフェ：2015/05/21(木) 14:15:53: りこ・ゆめの以外のつばきファクトリーメンバーはただたちつくしている。
キソラは顔面蒼白で号泣している。
りこ・ゆめの以外は咄嗟の危機回避能力は皆無みたいだ・・・。
クラフティスタッフ｢照明は落としていいから脇を締めろ｣
照明がメインの仕事だが身体のほうを優先した。
れいな｢照明は何がなんでも落としません！！！｣。と言ってれいな譲らない。れいなは手が汗で滑り下に落ちる寸前だ。
りこ｢ゆめのは降りてれいな落ちて！わたしの腕でキャッチするから｣。
と言った瞬間｢キャー｣と言ってれいなは１０メートル下に落下した。
それを思いきり支えるりこ。
脚立の上でバランスを保つのも難しい状況で体重５０数キロの加速して落下するれいなをりこはゆめのを肩車しながら両腕で支えてキャッチした。
りこの背筋力は現時点で数百キロを越えているであろう。
普段の斜めうつむき加減で少動物系のりことは想像がつかないバカ力だ。
44：かたるパフェ：2015/05/26(火) 16:38:48: あまりの出来事にこぶしつばきＷファクトリー・研修生・モーニング娘。１５メンバーも飛び出してきた。
りこはゆめのを肩車した状態で落ちてくるれいなを両手でキャッチし
｢よっこらしょ｣みたいな感じで脚立から降りて腰を下ろしてれいなを床に座らせゆめのを肩車から下ろした。オマエいつそんなバカ力あったのかよ？バカ力は重量上げアスリートや力士をはるかに凌いでるじゃねーかよ？と思わせるくらいのバカ力だ。
れいなは茫然としている。周りからは拍手が起こった。
キソラは拍手せずに震えながら青い顔をして立っている。
れいな｢りこさんゆめのとは仲が悪かったのになんで私を助けるの？｣とれいなは内心思った。
その昔、高杉晋作は友の本性を知るには｢命に関わったり大怪我に関わりかねない時に友の本性がわかる｣と言ったが、｢りこ・ゆめのの本性は・・・｣とれいなは悟った。
45：かたるパフェ：2015/05/26(火) 19:13:39: ビンタ

りこ｢怪我はなかった？｣
れいな｢お陰様で全然大丈夫です。私はずっと体調万全ですから｣
りこは後ろのキソラのほうをみた。
キソラはショックでフリーザー状態になり手を結んだままガッチガチになり立ち尽くしている。
ゆめのがキソラの介抱をしていた。
れいな｢私をなんで助けたんですか？私なんて転落して大怪我しても良いと思わなかったんですか？だって仲悪かったし・・・｣。
りこはれいな目を見つめて｢それとこれとは別じゃないの？！！！！｣
と大きな声で言った。
そのとき彩乃がれいなの正面にたち真顔でれいなを見詰めた。
彩乃の真顔はもしこぶしファクトリーに二期メンバー・新人研修生が入ったとすると彼女たちにとって相当驚異だろうなみたいな真顔だ。
彩乃は射抜くような真顔でれいなを見詰めた。
れいなが戸惑い後ろを振り向くと今度はみな美が真顔をれいなを見詰めていた。
彩乃・みな美が両面から真顔でれいなを見詰めている。
二人は何か言いたげだ。
46：かたるパフェ：2015/05/27(水) 04:32:36: 彩乃はれいなをずっと一直線に見詰めている。
れいな｢・・・・・｣
彩乃・そして後ろはみな美の両面真顔シングル状態だ・・・。
彩乃・みな美がれいなを見詰めて３分が過ぎた。
全員沈黙している。
３分、ボクシングの戦える時間・インスタントラーメンの蓋明け・ウルトラマンの戦える時間何故か３分はキリが良い。長いようで短く短いようで長い時間の３分。
３分後に腕組みした彩乃が切り出した。
｢いつりこがれいななんて大怪我すりゃいいと思ってると感じたんだよ？｣
れいな｢私なんて怪我しようがどうしょうがどうにもなれだからみんなでザマァだと思ってるしぃ｣
彩乃｢いつ誰がそんな事言ったよ？｣。
彩乃の顔は更に険しい目付きになった。
眉を丁度隠したような前髪の下から覗かせる鋭い眼光。
彩乃｢で・・・腸炎はどした？｣
れいなは研修を休んだ理由を彩乃には｢腸炎｣と言っていた。
みな美には｢風邪が長引き数週間たっても熱が下がらない｣と言いある人には｢腰痛で歩けない｣と様々な人に様々な嘘の病気を言って研修を休んだ理由にしていた。
彩乃｢腸炎がどうたらとかでどれだけ心配したメンバーがいると思ってるんだよ？｣
れいな｢だって別に同情してもらう為にそんな嘘ついた訳じゃありません！てか大病してもれいなを心配する人なんていないっしょ？はっきり言います！研修休みたい方便には仮病にしておくのが最適かな？と思って。どーせ雑魚研修生だし、みんな心配して病状なんて確める人なんていないと思ったしぃ｣
と言いみな美の方を向いた瞬間。
ぱしぃぃぃぃぃっと音がした。
エコーがかかりやすいホールだけいぱしぃぃぃぃぃぃとエコーで響きこだました。
みな美の右手がれいなの頬を叩いた音だ。
みな美｢風邪が長引いたと言ってどれだけ心配した人がいると思ってんだよ！！！！｣。
47：名無し募集中。。。：2015/06/11(木) 23:17:39: 終わり？
48：かたるパフェ：2015/06/12(金) 09:59:49: いいえ続けます。
クラフティーのモデルになる照明会社で学生時代にバイトしてたけど照明用語を忘れてしまい今休んでいます。
49：かたるパフェ：2015/07/03(金) 04:56:23: みな美はきっとした目でれいなを見据えた。
みな美｢私はさあ実力ないのにさも実力あるフリをひけらかす人は大嫌いでもそういう人は暗示で実力以上の力を発揮できたりするからマシだったりするもっと嫌いな人は実力以下に自分を卑屈になり卑下する人なんだよ！！！これだけは救いようがない！！みんながいつれいなを雑魚だのりこさんが怪我すりゃいいと言ったよ！れいなが休んでる間そんな事一言も言ったとこみたことないっ！！！｣
彩乃は珍しく前髪をかきあげて眉を見せながら
｢りこはれいなが休んでるのは病気だと聞いて都内の病院に手当たり次第電話して確認とったんだよ！ゴラッ！わかるのかゴラッ！！｣と言った。
れいなは涙をステージの床に膨大にポタポタと落とした。
50：かたるパフェ：2015/07/03(金) 11:12:27: 心ののびしろ

泣きじゃくるれいなの背中をさするりこ。
彩乃はまだれいなを見詰めて
｢心ののびしろはまだ捨てちゃダメだよっ！｣とれいなに向かい言った。
れいな｢みんなごめんなさいありがとう・・・｣
ごめんなさいとありがとうと言う１０文字を使えば日本ではなんとか事が丸く治まるがれいなの言うそれは深みがあった。
れいなは次に何を言っていいかわからなかった・・・。
れいなが自らの長い髪をかきあげて前をみるとこの事故のショックでフリーザー状態になったキソラとその解凍作業しているゆめの以外の５０名弱いるハロプロユニットメンバー全員と２０数人いる研修生とスタッフ５０数人が全員れいなを見詰めていた。
これだけの事が起きたから全員集まるのは仕方ない。れいなと一番目が合ったのはモーニング娘。１５のさくらだった。
れいなはさくらには特に何を言えばよいか分からない。
れいなはさくらに
｢前の照明落下の原因は私がつくりました｣と本当のことを打ち明けようと思った。
51：!who：2019/08/24(土) 20:57:34: 続編