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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

800 ◆V9ncA8v9YI:2015/12/26(土) 04:41:55
ハルナンは、王と剣士団長クラスの者にはファクトリーに関する情報を共有していた。
モーニング帝国に危険を及ぼすかもしれない存在ではあるが
その力が強大すぎるため、いたずらに恐怖を植え付けないよう公開範囲を狭めていたのである。

「ユカニャ王が"悪意なき悪"、"バイ菌"といった言葉で形容するファクトリーですが
 つい最近、マーサー王国の領土にて8名固まって行動しているのが確認されたみたいですね。」
「知ってる!確かベリーズの皆さんが対処したって聞いたよ。」
「はい。フク王様の言う通りです。」
「でも、シミハム様、ミヤビ様、モモコ様の力を合わせても追い払うのが精一杯だったらしいね……」
「はい。それもフク王様の言う通りです。」

あの怪物のように強い食卓の騎士3人の力を合わせても倒しきれなかったという事実は、
絶望を感じるには十分すぎるほどの情報だった。
そんな凶悪な存在が最低8人も周辺国をうろついていると考えると、王としては気が気でない。

「ハルナン。ファクトリーを倒す策はあるの?」
「……100%とは言えません。まだ足りていないんです。」
「足りていない、ってのは?」
「味方の伸びしろに関する情報ですね。特に新人が……」

完全に作戦会議モードに入るある室内に、外にいる新任剣士団長の声が飛び込んでくる。

「ちょっとちょっとー!そろそろ式が始まるけんねー急いで急いでー!」

はっとしたフクは時間を確認し、もう本番まで時間が無いことを理解する。

「あわわわっ、ほんとだ。急がなきゃ!」

フクとハルナンは急いで残りの支度を終わらせていく。
そんな慌ただしいフクに向かって、サユはくつろぎながら声をかけ始める。

「あ、そうだフクちゃん。」
「な、な、なんですか!?」
「合宿は全カリキュラム修了したから。」
「!!……それで、合否の方は……」
「安心していいよ。4人全員合格。」
「本当ですか!……ということは、残るは最終試験のみですね。」


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