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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

778 ◆V9ncA8v9YI:2015/12/21(月) 13:26:36
モーニング帝国城の城門。
現在そこにはマーサー王国から来たとされる6名の騎士が居座っており、
帝国の門番や、警備研修の真っ只中にある研修生らを震え上がらせていた。

「モモ!本当に私たち全員がここまで来る必要あったのか!?」

モモ、と呼ばれる女性に対して怒鳴り声をあげたのは
鋭い目付き(と顎)が特徴的な女性だった。
怪物のようなオーラを放つ集団の中でも彼女のそれは特に殺人的であり、
兵士らはみな、全身の四肢が鋭利な刃物によって輪切りにされたかのような錯覚に陥っていた。
人体の「普段は見られない裏側」をオープンに晒す感覚は、イメージとは言え恐ろしい。

「あら、ミヤはマーサー王に何かあっても良いって言いたいの?
 私たち全員で帰路を護衛するべきだと思わなかった?」
「マイミとマノエリナがついてるじゃないか!どう考えても十分すぎる。」
「"あの時"みたいなことが無いとも言えないでしょ?」
「うっ……」

通称モモも、ミヤと呼ばれる女性に負けず劣らずの存在感を持っていた。
彼女が発するのは冷気。
戦士として位の低いものはすぐにでも凍死してしまうほどの寒気を感じてしまう。

「ちょっと二人とも!喧嘩はしないの!」
「ほんとだよ!マーサー王を護る私たちが仲間割れしちゃ意味が無いよ!」

二人の仲裁に入ったのは、「色黒の長身」と、「長身の域を超えた巨人」だった。
色黒はとても明るくて、戦いとは無縁のように見えたが
その太陽のような明るさが突出しすぎるあまり、兵士らは業火の如き熱に炙られる。
肌が焼けて真っ黒コゲになる苦痛は並大抵ではなかった。
そして巨人は巨人で、天空から押さえつけてくるかのような重力を発生させている。
門番と研修生の全員がここから逃げ出したいと思っているのに、
それが叶わないのはこのプレッシャーのせいだったのだ。
もう一人、さっきから退屈そうにしている美女もいるが
その美女のオーラも例外なく凶悪。
ゆえに一般兵らは5種類の殺人級オーラをグッチャグチャに浴び続けなくてはならなかった。

「よし分かった!モモの言い分を少しは認めよう!護衛の強化は必要だった。」
「少し?何よその引っかかる言い方は。」
「副団長である私ならびに、ベリーズの構成員4名が王を護るのは認める。
 でも、お忙しい団長のお手を煩わせる必要はなかったんじゃないか!?
 ですよね?シミハム団長!」

視線の先にいたのは、目を閉じて座禅を組んでいる小柄な女性だった。
派手な怪物集団の団長と言うにはあまりにも地味で、弱々しくも見える。
そして不思議なことに、その団長からは全くと言って良いほどオーラが感じららなかった。
他のメンバーが天変地異を起こしているのに対して、彼女は"無"そのものなのだ。
一見して弱き者だというのに、化け物らみなが注視してる。
目をパチリと開いた団長が首をちょっと横に振るだけで、大袈裟に反応をする。

「団長!……団長がそう言うのであれば……」
「ほら〜私の方がシミハムの気持ちを分かってたでしょ?」
「う、うるさい!」


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