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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

72 ◆V9ncA8v9YI:2015/05/11(月) 01:09:10
Q期団を殺してもいいのか
そう問われたハルナンは一瞬口ごもったが、すぐに返す。

「相手を殺すのは、やめましょう。」

ハルナンの回答にアユミンとハルはホッとするが、
質問の主であるトモは納得いってないような顔をしていた。

「まぁそうなるだろうね、敵とは言ってもお仲間だもんね。
 ……ちょっとさ、覚悟足りてないんじゃないの?」

冷たく言い放つトモにハルナンはギクリとする。
確かにハルナン程度の実力で王になるには、余程の犠牲を払わなくてはならない。
此の期に及んでQ期を生かすだなんて、虫が良すぎることも分かっていた。
だがそれでも味方殺しという選択肢を選ぶことは出来ない。

(このまま全体の士気が下がるのはまずい。早く言い訳をしないと!)

心の中で滝のような汗をかくハルナンだったが、表情にはそれを全く出さなかった。
凛とした顔でトモに向き合い、Q期を生かすことの必要性を説いていく。

「Q期さんを殺すとですね、色々と厄介なんですよ。」
「だからそういう厄介ごとを気にするのが『覚悟が足りない』って言ってるの。」
「そういうレベルじゃないんです。サユ王を敵にまわす恐れがあることを言いたいんです。」
「サユ王…?」

突然出てきた王の名前に一同はキョトンとしてしまった。
なんなら覗き部屋にいるサユ王自身も驚いているくらいだ。
本人の意思はさておき、ハルナンは言葉を続けていく。

「私たちはただでさえ邪道で選挙に勝とうとしているんです。正直言ってギリギリスレスレでしょう。
 そんな状況で更にQ期さんの命までうばってしまったら……その時、王は激昂するかもしれませんよ。
 王は現役を退いて久しいですが、我々が束になってかかっても勝ち目はないでしょう。
 そんな強い王を敵に回すなんて、悪手極まりないと思いませんか?」

いかにも弱そうなサユを高く見るハルナンにトモは吹き出しそうになったが、
他の帝国剣士や、マロ・テスクが真剣な顔をするのを見て、ギャグなどでは無いかもと思い始める。

「おいおい本気か?こっちは14人もいるんだぞ?」
「それでも勝つよ、それがかつての戦いを生き抜いたプラチナ剣士、そして食卓の騎士なの。」

マロが食卓の騎士という言葉を使うので、トモはハッとする。
食卓の騎士とはマーサー王国の王を護るために結成された戦士集団だ。
トモはあまり人を敬うタイプではないが、そこにはいくら尊敬しても足らない人物が在籍している。

「私のヒーロー、アイリ様の属する食卓の騎士と同格なのか……そりゃ、確かに怒らせたら怖そうだね。」
「貴方も食卓の騎士ヲタなの?私のヒーローはクマイチャン様。あぁ、またお会いしたい……」


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