[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。
SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」
711
:
◆V9ncA8v9YI
:2015/11/23(月) 04:50:53
フクは左手に握った模擬刀を、今まさに必殺技を放たんとするハルの脇腹にぶつけていく。
攻撃のみに集中しているハルに強打を当てるのはあまりにも簡単で、
線の細い彼女のアバラはただそれだけでバキバキに折れてしまうだろう。
「……ッ!!!!!」
普段ハルはアバラが二、三本折れてもヘッチャラみたいなことをよく口にするが
実際にそれを受けたら息も出来ぬほどに苦しいことが再確認できたに違いない。
これでハルは数分程度の戦線離脱は余儀なくされ、しばらくの無力化が約束された訳なのだが
フクはその程度でよしとはしなかった。
("甘さ"を捨てるのよフク・アパトゥーマ!殺す気で振り抜くの!)
アユミンとマーチャンによる攻撃を右腕ですべて受け止め、
さらに下半身にグッと力を入れてその場から仰け反らぬよう踏ん張った。
すべてはハルに当てた模擬刀を全力で最後まで振り切るため。
受け止めた右腕が壊れようとも、動かぬ脚が更に悪化しようとも構わない。
これから勝ち取る成果を考えればその程度の代償は払って当然なのだから。
「マーチャン!避け……」
位置関係からして、アユミンにはフクの狙いが見えていた。
だがここで気づいたとしてももう何もかもが遅い。
フクがハルに当てた斬撃を振り切ることにより、ハルの身体そのものが吹き飛ばれていく。
その先にいるのはフクの正面にいたマーチャンだ。
至近距離から相方の身体が飛んできた経験なんて、マーチャンはこれまでにしたことがない。
未経験には滅法弱いマーチャンは無抵抗でハルにぶつかってしまう。
「ぐぇっ!」
いくらハルが軽いとは言っても人と人が衝突して無事で済むはずがない。
しかも頭と頭もぶつかったので軽度の脳震盪まで引き起こしている。
これではマーチャンもすぐには起き上がることが出来なくなるだろう。
ここまで来ればもう十分かと思いきや、フクの振り切りは留まらなかった。
そう、アユミンを巻き込むまでこの技は止まらないのである。
「や、やめて」
アユミンの嘆願も虚しく、フクの左腕はハルとマーチャンごと模擬刀を押し込んだ。
先ほどハルがマーチャンに衝突した時のように、今度はマーチャンの身体を最右端にいるアユミンにぶつけたのだ。
人間二人分の重量が飛んできたのだからその衝撃の凄まじさは想像に難くない。
アユミンの体重でそれらを耐えきれる訳もなく、ガレキの床へと転げ落ちてしまった。
つまりアユミンは硬い地面に叩きつけられた上に二人にのしかかられ、
マーチャンはクッション性皆無の2人に挟み潰され、
ハルは最後までフクの強打を受け続けたことになる。
まさにどれもが致命傷。3人の誰もがその場にうずくまってしまう。
模擬刀ルールでなければ全員死んでもおかしくない程のダメージであったに違いない。
これこそがフクの必殺技「Killer N」の力なのだ。
見事な成果を見せたフクに対して、サヤシは歓喜の声をあげる。
「フクちゃん凄い!!3人も倒すなんて!!」
歩くことも困難なフクがピンチを大きなチャンスへと変えたのはとても素晴らしい。
立ち合い人だってこの光景に舌を巻いているのだから大したものだ。
ところが、当のフクはどこか浮かない顔をしていた。
「だめ……倒しきれなかった。」
「?」
フクは己の必殺技の弱点をよく知っていたのだ。
この技の仕組みならば2人は確実に倒すことが出来るのだろうが、1人の安否だけは不確定だ。
そしてその憂いが現実のものとなってしまった。
「ケホ、ケホ……ひどいことするなぁ……でももう覚えたよ。」
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板