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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

676 ◆V9ncA8v9YI:2015/11/09(月) 12:58:24
マーチャン・エコーチーム。
天気組の曇の剣士であり、技術開発部の最高責任者としての肩書きも持つ。
だが、彼女の真の恐ろしさは火煙を扱う戦法でも、次々と最新武器を作り出す技能でもなかった。

「超学習能力……それがあの子を帝国剣士にした決め手なの。」

サユ王がマーサー王らに説明した通り、マーチャンは異常なまでの学習能力を備えている。
一度食らった技であれば完全に覚えて対処法まで編み出してしまうため、
マーチャンを倒すには毎回違った攻撃手段を用いなくてはならない。
そして、そんなマーチャンが決闘の前半は戦いを見ることだけに徹していたのだ。
自分が直接受けるのと比べるとさすがに学習の精度は落ちるが、
それでも十分なほどにエリポン、サヤシ、カノンの動きを頭に入れている。
ガレキの上というマーチャンも経験の無い情報をインプット出来たという成果と比べれば、
それまでの過程で負ったハルナン、アユミン、ハルの怪我なんて安いものだ。

「マーチャン!飛べ!」

そう言うとハルはハルナンと向かい合って、肩を掴んでいった。
アユミンを鷲のように飛ばした時みたいに、ヤグラを作ったのだ。
その動きも学習していたマーチャンは、アユミンと遜色ないスピードで駆け上がっていく。

「あれを止めるのはエリしかおらん!」

本来アユミンのマークに付いているはずのエリポンが、
フクの前に立ちはだかって、天高くへと飛び上がった。
ヤグラによる高さからの攻撃に対処できるのは自身のジャンプ力しか無いとの判断だ。
フクに危害が有ってはまずいと思って慌ててジャンプした。
ところが、マーチャンの様子がおかしい。
なんとヤグラに上がるだけ上がって、そこに留まっていたのだ。
これにはエリポンも驚かされる。

「なっ!……」
「うふふふっ!引っかかってる。」

最高点に達したエリポンが今から落下せんとするタイミングで、マーチャンはようやく飛翔する。
誰もいない空を、水鳥みたいに飛び立っていく。


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