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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

654 ◆V9ncA8v9YI:2015/11/02(月) 03:14:08
とは言え、遠くにいるマーチャンを気にしている場合ではない。
今しがた迫ってきているハルナン、アユミン、ハルに早急に対応することの方がよっぽど大事。
脚の故障が治りきっていないフクはダッシュやバックステップで敵から逃げることが出来ないので、
エリポン、サヤシ、カノンの3人がリーダーを守るための盾となる必要がある。
そして、その中でも特に防御の要と言えるのがカノン・トイ・レマーネだ。

「何か仕掛けてくるよ、でもやることは変わらないからね。」
「「うん!」」

カノンが何か呟くだけでエリポンとサヤシの顔つきが変わったことにハルナンは気づいていた。
体格に恵まれているだけでなく考え方まで慎重なカノンが指示を出すのであれば、Q期の守りは鉄壁なのだろう。
となれば考えなしにぶつかるだけでは突破出来ないに違いない。

(だったら、予測できないくらいトリッキーな技を決めてあげる。)

アユミンより少し先を走っていたハルナンとハルは、もう少しで敵の元へと到着するといったところで足を止める。
そして互いに向き合って、相手の両方の肩に手を置いたのだった。
これはまさにヤグラ。超のつくほど簡易的ではあるが、長身の2人からなるだけあってなかなかの高度が保たれている。
そして、走る勢いそのままにヤグラを駆け上がっていくのはアユミンだ。
最高点に達すると同時に、互いの肩に伸びた二人の腕を蹴り上げることによってアユミンは飛翔する。

「私は黄金の鷲になる!」

アユミンの故郷で盛んな「チア」と呼ばれる舞踏をイメージして編み出されたこの連携技は
ただ大きくジャンプして相手を驚かせるだけでは決してなかった。
空中には移動を妨げるガレキなど存在しないために、走るよりも速く前進することが出来るのだ。
そして鳥のように飛ぶアユミンの高さは、壁となっていたカノンらの身長を遥かに超えていた。
そこから導き出される天気組団の狙いは、ズバリ敵将への直接攻撃。
邪魔な壁をすべて乗り越えて、フクを叩こうとしているのである。
だが、帝国剣士一の慎重派とも言えるカノンがこの程度の奇策についていけないはずがなかった。

「エリちゃん、分かってるよね?」
「もちろん!あっちがイーグルならこっちはアルバトロスやけんね!」
(ホークスじゃないんけぇ……)


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