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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」
653
:
◆V9ncA8v9YI
:2015/10/31(土) 12:54:01
これから始まる戦いの配置につくために
Q期団は訓練場の西側へ、そして天気組団は東側へと移動した。
緊張感の漂っている彼女らの表情を見るに、開戦がすぐそこまで迫っていることがよく分かる。
立ち合い人という重要な立場であるはずのマーサー王も相当興奮しているようだった。
「なぁ二人とも、彼女らはまずどう動くと思う?」
王の問いかけに先に答えたのはマノエリナだ。
自分がQ期団あるいは天気組団の一員になったと想像し、最善策を予測する。
「リーダーを守るための陣形を組むでしょうね。
"次期帝王候補"であるそれぞれの団長が今回の鍵となることは間違いありません。
守り切れなかった時の士気の低下は想像に難くないでしょうから、両団必死に守りぬくはずです。」
「なるほどマノエリナはそう思うか、ではマイミは?」
「Q期団は確かにそうでしょう。」
「ん?……では天気組団はどうすると?」
「それと全く逆のことをすると思いますよ。ハルナンはそういう奴です。」
マーサー王らがそうこう言っているうちに、帝国剣士らは動き出した。
そしてその初動はマイミが予言した通りになっている。
「へぇ……天気組団ってなかなか元気者なんですね。」
リーダーを守るべきというセオリーに反して、天気組団はハルナン自ら前に走りだしていた。
団員のアユミン・トルベント・トランワライとハル・チェ・ドゥーも同じくハルナンに続いていっている。
ガレキの上をそこそこのスピードで移動しているのは、そういう特訓をしたということで納得できるが、
戦闘に特化したタイプではないハルナンが真っ先に前に出たことにQ期団の面々は驚愕していた。
「なに?……何か策があるっていうの?……」
Q期らは基本通りに防御をガチガチに固めていた。
防御の要であるカノンがフクの前に立ちはだかり、その横からエリポンとサヤシが叩くという陣を組んでいる。
そう簡単には崩されないと自負してはいるが、敵の考えが分からないため多少の不安は拭えない。
「一番分からんのはマーチャンやけん。なんでマーチャンだけ動かんと?……」
勢いよく飛び出したハルナン、アユミン、ハルに対して、マーチャン・エコーチームは初期配置に留まっていた。
つまらなさそうな顔をしながら、Q期たちをただただじっと見つめている。
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