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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

62 ◆V9ncA8v9YI:2015/05/09(土) 08:11:28
(ドゥーさんが結婚!?ダメーーーー!!)

作戦室を覗き込みながら、クールトーンは心の中で叫んでいた。
ここはモーニング城にいくつか存在する隠し部屋。
こんなこともあろうかと、あらゆる部屋を覗き見る目的でサユ王が造り上げていたのだ。
いつでもどこでも部下を見守りたいという、王の立派な思いがうかがえる。

「あら、面白くなってきたじゃない。」

Q期に会う、という用事を済ませてきたサユ王が部屋に戻ってくる。
とは言っても会うこと自体はほんのオマケ。
番長とKASTの訪問を見せることこそが真の狙いだったのである。
そんな大仕事を終えた王に、クールトーンが泣きついていく。

「聞いてください!あの人がドゥーさんをお見合いに出すって言ってます!」

クールトーンは焦っていた。
法律上結婚できる16歳までハルはあともう少しだと言うのに、自分自身は11月現在でまだ12歳。
クールトーンが16歳になる前にハルが誰かに取られてしまうのではないかと、気が気でないのだ。
そんな彼女に対してサユ王は呆れた風に言い放つ。

「クールトーンちゃん、あなた結構おバカでしょ」
「ひどい・・・・・・」
「あのね、ハルとアンジュのアヤチョ王はどちらも女性なのよ、そもそも結婚できるわけないでしょ」
「あ!やったぁ」
「でもよく考えたら相手は王なのよね、その気になれば法律も捻じ曲げられるわけだ。
 じゃあハルがアンジュ国に婿入りしたら結婚できちゃうね、クールトーンちゃん残念。」
「!!!!」

サユはちょっとからかってみただけなのだが、クールトーンは間に受けてしまう。

「王になったら・・・・・・ドゥーさんと結婚できる・・・・・・」
「クールトーンちゃん?」
「王様、私帝国剣士を目指します。そしてずっとずっと頑張って剣士団長になって、王になります!」
「え、なんて?」
「でもサユ王の在籍記録を抜く前に卒業するので安心してください。」
「あ、お気遣いどうも」


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