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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

602 ◆V9ncA8v9YI:2015/10/20(火) 08:25:55
天気組団の面々が番長らの病室にいる一方で、
団長であるハルナンは今まさに帰還せんとする食卓の騎士を訪ねていた。
身体の痛みを無理矢理にでも抑えながら、ハルナンは声を掛ける。

「皆様!どうか私の話を聞いてもらえませんか!」

そう言った瞬間から、ハルナンの身体に異常が起こる。
まるで天高くから伸びる巨大な手で押し付けられたかのように身体が重いし、
全身を流れる血液がすべて凍りついたと思うくらいに寒気がするし、
突如発生した暴風雨に叩きつけられたと錯覚する程に息が苦しくなってくる。
これらの現象は食卓の騎士の3人が発したプレッシャーによるもの。
自分たちを利用したハルナンに怒っているのだ。

(やっぱり相手にしてもらえないか……でも!)

ハルナンは超攻撃的な視線を受け入れながら、自らその場に倒れこむ。
そして額を地へと強く擦り付け、伝説の英雄たちに懇願するのだった。

「お願いします……私の罪を、償わせてください……」

すぐに土下座だなんて安いプライドの持ち主だな、とモモコは思った。
ところが他の二人はそうは思っていなかったようで
マイミはそこまでするハルナンに興味を持ち始めていた。

「償い、と言ったが具体的に何をするつもりだ?」

ハルナンはこれをチャンスだと思った。
これから起こりうることを想像すれば非常に苦痛だし、今から吐き気もしてくるが
やり遂げなくてはならないという強い意志を持って返答する。

「これから一ヶ月間、マイミ様のお側に置いてください。
 雑務でもなんでもお申し付けください。すべて対応致します。
 決して逃げたりはしません。一ヶ月間、誠心誠意を持ってマイミ様に尽くします。
 それが私の償いです。」

ハルナンの言葉に一同は驚いた。
仮にもフクと並んで帝国No.2ともあろう者が自ら奴隷同然の扱いを買って出るなんて尋常ではない。
そもそもそんなことが簡単に許されないことをモモコは理解していた。

「あなたねぇ、もう良い大人なんだから立場ってものを……」
「許可なら、得ています。」
「ん?」
「サユ王には皆様にちゃんと謝っておけと言われています。
 そして、これが私の精一杯の謝罪です。
 皆様さえ良ければ、私は全力でマイミ様に尽くすつもりです。」

全力という言葉にマイミは弱かった。
正直ハルナンが何を企んでいるのかは分からないが
謝りたい、という思いにはこちらも全力で応えたいと考えている。

「良いだろう。そこまで言うなら付いて来い。
 ただし殺気は緩めないぞ。一秒たりとも油断はしないつもりだ。」
「願ったり叶ったりです!その嵐なようなオーラを常に私に向けてください!!」


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