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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

444 ◆V9ncA8v9YI:2015/09/04(金) 14:42:25
フクに切りかかる時、ハルナンはちょっと前の出来事を思い出していた。
小さな村で暴れる悪漢を退治するという任務の後で、
同じ天気組団のアユミン・トルベント・トランワライと語り合った時の話。

「ねぇアユミン、どうしてモーニング帝国は一番強い人が帝王になるのかな?」
「えっ……なんでって、そりゃ一番強いからでしょ」

その時のアユミンのキョトンとした顔はとてもよく覚えている。
おそらくはこれまで母国の制度に疑問を抱かず生きてきたのだろう。

「それがおかしいと思うの、私は。」
「何が??今日のハルナンの方がおかしいよ。どうしたの?」
「だって考えてみて。帝王は戦場には赴かないのよ。」
「まぁ、王様だしね。」
「でもその王様はもともと帝国最強の剣士なんだよね?
 そんな人を王座に縛り付けてしまったら、軍の持つ力が弱まるのは必至よ。
 ガキ元帝王にしても、サユ帝王にしてもそう。
 帝王が新しく決まる度にわたしたち帝国剣士達は弱体化してきたじゃない。」
「うーん、それは分かるけどさ」
「分かるけど、なに?」
「別にその最強の人が居なくなっても、残った帝国剣士だけでなんとかやってるじゃん。
 平和な時代なんだし、仕事といえば犯罪者の取り締まりか、攻めてきた小国を制圧するくらいでしょ。」
「そうね、この国が平和で素晴らしいのは認める。」
「ハルナンがアンジュや果実の国の王と仲良くなったおかげだよね。」
「うふふ、ありがとアユミン……でもね、私は不安でならないの?」
「え、何が?」
「この平和はずっと続くのかなってね……そう思う時がたまにあるの。
 なんか予感がするんだ。近いうちに恐ろしいことが起きるんじゃないかなって」
「怖い……戦争とか?」
「いやいや、ただ思っただけ。なんでもないの。
 でも私たち帝国剣士は、国民を守るためにあらゆる手段を尽くさないといけないと思う。
 例えば帝国剣士最強候補であるフクさんを帝王なんかにせず、
 ずっと現役で戦ってもらうとか……」
「!?……ハルナン、なにを言ってるの……」
「例えばの話だってば。その方が軍事力を保てると思っただけ。」
「……じゃ、じゃあさ、その時に王座に座っているのは誰になるの?」
「わたし……だったりしたら面白くない?」
「笑えない。」
「ふふっ、そっか。笑えないか。」
「だって、ギャグにしちゃリアリティーがありすぎるんだもん。」


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