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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

400 ◆V9ncA8v9YI:2015/08/17(月) 13:00:12
アーリーの飲むジュースはメロンジュース。
マロが以前飲んだように、「どんな些細な動きも捉える眼」を得る効力を持っている。
視野が著しく狭くなるのが玉に瑕ではあるが、範囲内の動きは絶対に見逃さない。
例えエリポンが高速の斬撃を繰り出そうと思っても、アーリーは筋肉の動きから攻撃の初動をキャッチ出来るのだ。
こうなればスピードはまったく意味をなさなくなる。
どんな技だろうと発動する前に防御してしまうのだから。

「大人しくした方がいいですよ。抵抗しても無駄です。全部防ぎますから。」
「くっ……」

エリポンにはアーリーの防御術のカラクリは分からなかったが、単調な攻撃が通用しないことは理解できた。
となればお次は魔法だ。
各国のスポーツを取り入れたエリポンの魔法ならばアーリーを出し抜けるかもしれない。

「喰らえ!風の刃!!」

エリポンは床が砕けるような勢いで、打刀「一瞬」を足元に叩きつけた。
これはアユミンを攻撃した時のように、アイスホッケーを応用したもの。
どこから飛んでくるのか予測困難な攻撃ならば通用すると考えたのである。
ところが、これは悪手だった。

「魔法?ホッケーですよね、それ。」
「!?」

同じKASTのトモがアーチェリー競技を嗜んでいたことから分かるように、
果実の国では(アンジュ王国ほどではないが)スポーツが盛んだった。
アーリーもアイスホッケーには疎いが、エアホッケーなる遊戯は得意中の得意。
自身に破片が到達するよりも速く、右手のトンファーで打ち返してしまう。

「そりゃーー!!」

細かな破片とは言え、それら全てが勢いよく自分の身体に返ってきたので
エリポンは血反吐を吐いてしまう。
アユミンとの戦いのダメージも残っているため、どんな微弱な攻撃も致命傷に思えるのだろう。

「言ったじゃないですか!だから大人しくしましょう。」
「ハァ……ハァ……なんで?」
「え、何がですか?」
「なんで、君は自分から攻撃を仕掛けんと?さっきから受け身ばっかやん。
 エリ、こんなに虫の息なのに……チャンスと思わんの?」
「!」

エリポンの指摘にアーリーはドキリとした。
そして、エリポンはその表情の変化を見逃さない。

「なるほど……付け入る隙、そこにあるかな?」


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