したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

393 ◆V9ncA8v9YI:2015/08/13(木) 18:03:16
エリポン・ノーリーダーの登場に、フクは感謝の気持ちを抱かずにはいられなかった。
アーリーに抱きしめられていたままならサヤシを救うことが出来ず、ひどく後悔していたかもしれないからだ。

「エリポン……来てくれてありがとう!」
「エリはフクの右腕やけんね。いつどんな時でも助けに来るよ。」

そう言うと、エリポンはサヤシの方に視線を向ける。
己を恥じてうつむいてしまっている同期に、にやけながら声をかけるのだ。

「ちょっとサヤシー?結構ピンチやなかったー?」
「う、うるさい!」
「ガッカリさせんでよ。そんなもんだった?サヤシの実力は。」
「分かっちょる……もう、相手に飲まれたりしない。」

この状況にハルは危機感を覚えていた。
単純に敵の数が増えたというのもピンチなのだが、
それ以上にハルのハニートラップもアーリーの拘束も通用しなくなったことがまずいのだ。
特に、サヤシが完全に正気に戻ったのが痛すぎる。
おそらくはエリポンが居る限りは決して崩れたりはしないだろう。

(くそっ!アユミンのやつ、足止めに失敗したのか……
 エリポンさんも結構負傷しているみたいだけど、2対3でどうにかなるのか!?)

1人現れることでこうも形成が変わるなんて思ってもなかったので、ハルは冷や汗をかいてしまう。
そして不安に思っているのはアーリーも同じだった。
どうしていいのか分からずに、棒立ちのままハルの方をチラチラと見ている。
そのような焦りを感じ取ったのか、たたみ込むようにフクが鬨の声をあげだす。

「よし!3人で協力して2人を倒そう!みんなで力を合わせれば必ず勝てるよ!」

フクの言うことが正しいことは誰が聞いても明らかだった。
敵であるハルとアーリーでさえ不安に押しつぶされそうになっている程だ。
3人のチームワークを見せつければあっという間に制圧できることだろう。
だが、サヤシはフクの指示に反対だった。

「違うじゃろ。フクちゃん。」
「えっ!?」
「ここはウチとエリポンが抑える。だからフクはハルナンを今すぐ追いかけて!」
「!!」

サヤシの言葉にはエリポンも同感だ。
口には出していないが、その自信気な表情が物語っている。
カノンがフクの盾ならば、エリポンとサヤシは二本の刀。
その刀が主を先に行かせてくれると言うのだから、フクは信じるほかない。

「分かった!……任せるよ、二人とも。」
「「おう!」」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板