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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

379 ◆V9ncA8v9YI:2015/08/04(火) 03:13:33
サユキはリナプーの感じが何か変わったことには気づいたが
聴覚から取り入れる情報だけでは、具体的にどう変化したかまでは分からなかった。
いくらサユキが音を聞き分ける訓練をしたと言っても、
相手の心理状態や考えなどを読み取ることは不可能なのである。

(ダメだ、考えるのは苦手……私は私のできることをやるだけだよね!)

サユキは天井を蹴飛ばし、リナプー目掛けて落下する。
この攻撃は当たろうが外れようが大した問題ではない。
ヒットすればもちろんそれは嬉しいのだが、
例え外したとしても、もう一度天井に上がって、また下がればいいだけの話だ。
AH このままエンドレスさ、何度も何度も繰り返し天(井)まで登れ!
ブラックバタフライ、ブラックバタフライのように軽くなった自分は、
蹴りによって生じる風に吹かれてゆらりゆられて大空へと飛んでゆける

(根気と根気の勝負だよ!リナプーが急ぐってんなら全力で邪魔してやる!)

想定していた通り、サユキの初撃はリナプーには当たらなかった。
姿は見えないが、おそらくは直撃寸前で回避したのだろう。
もちろんそんな簡単に行くとは思ってなかったので、次当ててやろうと気持ちを切り替える。
ところが、ここでサユキの耳に異音が入ってくる。

(来てる!……2匹の犬か!)

サユキが地に着くタイミングでププとクランは体当たりを仕掛けていた。
また上に登られる前にぶつけてやろうと、虎視眈々と狙っていたのだ。
これが決まればリナプーに時間を与えることが出来る。そう2匹は考えていた。
しかし、カンフー(自己流)の達人サユキにはそれすらも通用しなかった。

「見くびられたもんだね。私が消せるのは重力だけじゃないよ。
 どんな力だって消せるんだ!!」

サユキは右手をププに、左手をクランに当て、衝突するタイミングで勢いを殺すように手を引いていた。
どんな攻撃でも当たる瞬間に対象物に逃げられたら威力は半減してしまう。
以前トモがタケを殴ろうとしたときも、この技術を応用したのである。
カンフー(自己流)は凄い。まさに攻防一体の万能格闘技だ。
その気になれば脚が地にぶつかる際の衝撃を消すことで、無音で走ることだって出来る。
アヤチョ戦でマロもレモンジュースを飲んでいたが、
「身体を軽く思い込むジュース」はカンフー(自己流)と組み合わせてこそ真価を発揮するのである。

(これで犬は私を邪魔出来ない。あとはゆっくりリナプーを倒すだけ!!)


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