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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

373 ◆V9ncA8v9YI:2015/07/29(水) 19:18:44
「思ったけど、そっちも私に攻撃できないんじゃないの?」

リナプーの言う通り、天井の照明にぶら下がるサユキの攻撃は下には届かない。
ヌンチャクを目一杯伸ばしたとしても子犬どころかリナプーの頭にすら到達しないだろう。
投てきのように武器を投げればヒットするかもしれないが、球数は1発のみなので後が無くなる。
ゆえに、今のサユキには何も出来ないとリナプーは考えたのである。
だがその程度はサユキも想定済みだ。

「当たるよ!こうすればね!」

サユキは照明を掴んでいない方の足で天井を思いっきり蹴り付け、
その勢いで人間大砲のようにリナプー目掛けて飛んで行った。
クマイチャンの流星ほどの迫力や威力はもちろん無いが、
同時にヌンチャクをブンブン振ることで十分なほど強力な特攻になっている。
この攻撃法を見るのは初めてだったので、リナプーは対応に遅れてしまう。

「いやっ!!」

逃げようとしても完全には避けきれず、リナプーの右肩はヌンチャクによる強打を受ける。
普段は透明化しているために、まともに負傷するのは久々だったのか
リナプーは必要以上に痛がってしまう。
だがその悲痛さが、かえってププとクランを燃え上がらせた。
主人に害をなす猿を退治するため、怒りながら二匹で突進したのだ。
小型犬とは言え、捨て身の体当たりを二発も貰ったらカンフー(自己流)の達人でもひとたまりもないだろう。

「でも、それは届かないよ。」

二匹が衝突するよりも速く、サユキはまたもや地面を蹴った。
理由は宙へ舞うことなのは言うまでもない。
サユキの得意戦法はヒットandアウェイ。
それも「天井」という安全圏から仕掛けるのだからタチが悪い。
高木に登って優位を主張する猿のように、サユキ・サルベは敵を見下すほどに強くなる。

(うう……さすが猿、次の行動が読みにくい……)


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