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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

370 ◆V9ncA8v9YI:2015/07/28(火) 22:36:43
同時刻、訓練場近くの通路では犬と猿が喧嘩していた。

「くそっ……すばしっこい犬だなぁ!」
「ププとクラン!ちゃんと名前で呼んで。」
「くそっ……すばしっこいププとクランだなぁ!」
「よし。」

サユキ・サルベは二匹の小型犬ププとクランに手を焼いているようだった。
リナプーのように動きがゆっくりな相手ならば神経を研ぎ澄ますことで透明化を見破ることが出来るが
ププとクランは廊下中を縦横無尽に駆け回るために集中することが難しい。
小型犬ゆえに噛み付きの威力自体はさほど無いが、これが蓄積していくのは危険だろう。
現状を打破するため、サユキはジュースを出し惜しみせず使用することにした。

「よし、ジュースで乾杯だ。」
「お、バナナジュース?」
「レモンジュースだよ!!」

チャチャを入れられながらもサユキはジュースをゴクリと喉に通していく。
即効性抜群のジュースはすぐさまサユキの身体にある変化をもたらす。
その効力とは「身体が軽く感じる」というもの。
マロがアヤチョ戦でレモンジュースを飲んで喜んだように
サユキも自身が軽くなることが何よりも嬉しい。
これで毎朝サウナスーツを着てランニングをする必要はなくなった。

「身体が軽い……こうなった私は重力を消せる!!」

地面をバシッと蹴ると、サユキはふわりと浮いてしまった。
まさに「AH こうして無重力」。
とは言っても本当に重力を消したというわけではない。
長年鍛えたカンフー(自己流)の蹴りの力強さによって
身体ごと宙へと浮かせたのである。
自身を軽いと思い込んだサユキはぐんぐん高く上昇し、
やがて天井へと到達する。

「ここだ!ハァッ!!」

いつの間にか靴を脱いでいたサユキは、足の指で天井に設置された照明をつまむことに成功する。
通常の人間ならばそんなこと出来ないだろうが
カンフー(自己流)を極めた達人サユキならば可能なのだ。

「信じられない……」
「どうだ!犬はこんな高いところに登ってこれないでしょ。」
「似てるとは思ってたけど、本当にお猿さんだったんだ……進化できなかったの?」
「おいっ!!」


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