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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

357 ◆V9ncA8v9YI:2015/07/22(水) 23:14:06
クマイチャンの飛翔が完了するまでに時間はそうかからなかった。
上昇時には敵対していた重力が、ここからは心強い味方へと変わっていく。
高さとは力。
圧倒的なまでの高度が生む破壊力は膨大であることを知らしめるため、流星は地に落ちる。

「ぬあああああああ!!」

常人ならば失神するかもしれない落下速度だってクマイチャンはへっちゃらだ。
幸いなことに高さには慣れているのである。
彼女に高所恐怖症は似合わない。
電気にも似たピリリとした空気摩擦を全身で浴びながら、
落下点にいるモモコへとジリリと迫っていく。

(行くぞモモコ!もうさっきまでとは違うんだ!)

地に落下する寸前、やはりモモコはクマイチャン目掛けて跳び上がってきた。
ビンタでクマイチャンの左手を潰したように、今度は右手を破壊しようとしているのだ。
いくらクマイチャンが化け物のような存在だとしても、両手を潰されたら剣を握ることは出来ない。
そうなればモモコの勝利は絶対的なものになるだろう。

(だったらそこを利用してやる!)

右手を狙うモモコのハイタッチを、クマイチャンは拒絶した。
衝突する直前に剣を上方向へとグイッと上げることによって
モモコの掌が叩き込まれる打点を少しズラしたのだ。
結果、モモコの手がぶつかった部位は「肘」。
右手を壊そうという思惑を打ち破っただけでなく、超高速落下の勢いのついた肘打ちまでお見舞いしたのである。
いつものように単調な攻撃が来ると思ったところで変化を見せてきたので、モモコは驚いた。
表情こそ変化はないものの、腕を壊され、床に撃ち落とされてしまう。

「くうっ……!!」

肘打ち、そして床への落下。
これはクマイチャンが今回の戦いで見せた初めてのクリーンヒットだった。
いくら超人的な肉体を持たないとはいっても、モモコも食卓の騎士であるため
この程度では命を落としたりなどはしない。
だが、そんなモモコも無敵ではないことが分かったたけでもクマイチャンにとっては大収穫だ。
痛む肘も気にならないほどに気分が高揚してくる。

「どうだ!」
「どうだって……ちょっと当たったくらいではしゃがないでよ!」
「あ、モモ動揺してる?」
「してない!」


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