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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

346 ◆V9ncA8v9YI:2015/07/16(木) 12:53:31
名目上はオダ・プロジドリの勝利だろう。
処刑担当として見事に裏切り者のマーチャンを倒したことになる。

(勝ちはしたけど、もう戦えそうにないな……)

まだ身体が動くうちに、オダは出来る限りの対処をしなくてはならない。
まずは消火だ。転がる木刀を踏んづけることで火の出どころを断った。
次は部屋からの脱出。煙で朦朧とする意識の中、マーチャンを担いで外へと出て行った。

「オダちゃん、マーが重くてごめんね。」
「それ、カノンさんに聞かれたら怒られますよ……」

廊下の新鮮な空気を吸ったオダはいくらか楽になったが、それでもまだ身体の調子は戻らない。
だからオダはそこらにいる兵士に助けを求めることにした。
若い女性なので、おそらくは研修生なのだろう。

「すいません、そこの人、助けてくれませんか?」
「わぁ!大丈夫ですか!!とてもびっくりしました。」

帝国剣士であるオダとマーチャンが血まみれでHelp me!と言ってきたので、研修生は驚嘆する。
研修生だった時期がギリギリ被っていないのでオダはその子を知らないようだが、
研修生は有名人である2人のことをよく知っていた。
こうしてはいられないと思った研修生は背中にしょっていた両手剣と投げナイフを床に捨てて、
オダとマーチャンの2人を担ぎだした。

「ありがとうございます……細いように見えて意外と力持ちなんですね。」
「褒められて、とっても嬉しいです。大大大好きなサユ王様のためにいつも鍛えてるんです。」

そう言いながら研修生は2人を医療室にへと運んでいく。


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