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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」
345
:
◆V9ncA8v9YI
:2015/07/15(水) 14:37:33
目を潰されたその瞬間、マーチャンは反射的に両手をグルグルと回していた。
この激しい回転によって、忍刀と火炎はあちらこちらに飛び回る。
入り込む余地の無いほど、メチャクチャにブン回すことが「必中の一撃」対策だったのだ。
視力の低下は一時的なものなので、少しの間だけ凌げば反撃へと転じることが出来る。
そうなったらマーチャンはもう無敵だ。
なんせ「火炎の光を反射される経験」も覚えたのだから。
(オダちゃん来なよ!もう時間ないんでしょ!?)
マーチャンは暗い世界の中でオダの攻撃を待ち構えた。
少しでも何かに当たる感覚があればそこに対して集中砲火することを考えているのだ。
そしてオダはマーチャンの期待通りにすぐ仕掛けてきてくれた。
長引くほどに不利になるので、当然と言えば当然だろう。
ところが、その攻撃はマーチャンが想定するものよりずっと「重い」一撃だった。
(ぎゃ!なんだこれ!)
何か硬くて大きいものが、忍刀や炎を跳ね除けながらマーチャンの胸へと飛んできた。
この重量感の正体はなんと両手剣。
オダは目の見えないマーチャンに対して、これを思いっきり投げつけたのである。
「真っ暗闇の中で両手剣を投げつけられた経験」なんてこれまでに無かったので
マーチャンは全く避けることが出来なかった。
「うぁ……あ……」
弱っているオダが投げたとは言え、やはり鉄の塊をぶつけられるのは非常に痛い。
これまでのダメージの蓄積も相まって、マーチャンの胸部の骨はポッキリと折れてしまった。
泣きたくなるほど辛いが、だからこそしっかりしなくてはならない。
やっと目も慣れてきたのだから、反撃はここから始まるのだ。
勝利を収めるためにマーチャンはカッと目を開く。
「あれ……オダちゃん……」
目の前すぐそばにオダが立っていたため、マーチャンは驚いた。
二刀流を投げたばかりなので遠くにいると思っていたが
実際はこんなにも近くにいたのだ。
これこそがオダの更なる一工夫。
両手剣がヒットしたとしてもそこでモタモタしたら、次にそこにいるのは新たに学習したマーチャンだ。
そうなったらさっき以上に攻撃を当てにくくなるだろう。
だからオダは両手剣を飛ばすと同時に、自分もマーチャンの方へと走っていったのだ。
両手剣が跳ね除けてくれたおかげで、今なら宙を舞う忍刀も火炎も存在しない。
ならばオダの一撃は通る。
「私の勝ちです!」
周到に練られた一閃を、マーチャンは回避することは出来なかった。
オダの肩以上の血を胸から吹き出し、ガクリと倒れこむ。
思えば経験のない攻撃についてはほとんど直撃を受けていた。
まだ息はあるとは言え、もう戦うことは出来ないだろう。
「はぁ……はぁ……オダちゃん、やっぱり強いね……」
「次、戦ったら分かりません……それに。」
「?」
「マーチャンさん、きっと木刀だけで戦った方が強いですよ。」
「えーーー!?……それ早く言ってよぉ……」
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