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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

343 ◆V9ncA8v9YI:2015/07/14(火) 12:58:23
ここでマーチャンの作った三組の武器について解説しなくてはならない。
一組目はスケート靴。
剣と呼んでよいのか怪しいが、ブレード部分は非常に鋭利になっていて、殺傷能力は申し分ない。
だがその特殊さゆえに、素人が履いたところですぐに転倒してしまうのがオチである。
幼少からスケートを訓練した者でなければ使いこなせないだろう。
二組目は忍刀。
小さく軽いその刃は、投てき武器としても使える優れものだ。投げたら付属の紐で回収すれば良い。
だがこの刀の真価は、あまりの軽さによって実現された「無音切り」にある。
どんな音も聞き分けられる才能を持った者でなければ使いこなせないだろう。
三組目は両手剣と投げナイフのセット。
重量感たっぷりの両手剣と、どこまでも飛んでいく投げナイフによって、遠近の両方をカバーしている。
しかし普通の人間は両手剣を持つだけで精一杯なので、両方を同時に扱うことなど出来やしない。
投打ともに優れた二刀流の怪物でなければ使いこなせないだろう。

「ま、マーチャンは全部使えるんだけどね。」

自称する通り、マーチャンは持ち前の学習能力で全ての武器をそれなりに扱うことが出来ていた。
本来の想定される持ち主と比べたらさすがに劣るが
どれもだいたい80点くらいのレベルで使いこなすことが出来るのである。
実際、今回もオダに気づかれずに忍刀を肩に突き刺していた。
これは忍刀の特色である「無音切り」を上手く引き出した証拠だろう。

「オダちゃん痛くない?可哀想!いま抜いてあげるね!」
「ちょっ!」

マーチャンは忍刀に付属の紐を容赦なく引っ張った。
もちろん親切心からの行動なわけがない。
刀を引き抜くことで、激痛と出血の両方をプレゼントしてやりたかったのだ。
ブシュウと湧き出る己の血液に、オダは青ざめる。

(まずい!クラクラしてきた……)

オダが眩暈を起こした理由は2つある。
一つは出血多量によるもの。
そしてもう一つは、部屋に溜まってきた煙によるものだ。
血液は身体中に酸素を送り込むのだが、この部屋にはその酸素が絶対的に足りていない。
そして僅かな酸素を運ぶ血液も、今のオダには足りていない。
まさに絶体絶命。
すぐに決着をつけなくては命が危ういだろう。

(すぐにマーチャンさんを倒さなきゃ……
 もっと意外で、もっと強力な攻撃……なにがあったっけ……」


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