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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

337 ◆V9ncA8v9YI:2015/07/13(月) 02:47:15

(参ったわ、これじゃあ私はただの一流剣士・・・・・・)

得意技を封じられたオダは困り果ててしまった。
こうなってくると持ち前のセンスとテクニックで対応するしか無くなってくる。
だがオダ・プロジドリはここで敗北して、ハルナンとの約束を破るわけにはいかなかった。
"ハルナンが選挙に勝った暁には、すぐにでも帝王を斬らせてくれる"
この約束はオダにとってそれほどに魅力的なのだ。

(だから決してしくじるわけにはいかない。どんな手を使おうとも!)

オダは行儀悪くも棚をガン!と蹴飛ばし、そこに乗っていた武器を床へと落とした。
ここに並ぶ数々の剣はちょっとやそっとの衝撃を受けたくらいで壊れるようには出来ていないのだが
そこはやはり開発者のサガか、マーチャンはそちらに注意を向けずにはいられなかった。

「あ!オダちゃんなにするの!」

スケート靴にかけられた力が弱まったことを確認したオダは、
マーチャンが落下物に目を配っているうちに瞬時に背後へと回り込む。
そしてブロードソードをマーチャンの背中へと思いっきり振り落としたのだ。

(くらえ!)

「武器の乗った棚を蹴られた経験」は無いためにマーチャンは簡単に背後を許してしまったが
「背後に回りこまれて模擬刀を背中に当てられた経験」なら訓練中にあった。
少しでも過去の経験に該当していればマーチャンは記憶を辿って思い出すことが可能だ。
模擬刀と真剣の違いゆえに100%一致とはいかないが、斬撃の矛先を背中から脇腹へとズラすことが出来た。
それでも痛いことには変わりないが。

「痛い!!・・・・・・オダちゃんめ・・・・・・」

背後にいるオダを追っ払うためにマーチャンは左手の木刀をシュッと後ろに振る。
それによって火の粉が飛散し、オダの服の胸部が焼かれていく。
秘密の処刑係という立場上、硬い鎧を堂々と着れなかったのが仇になったのだ。
このまま炎を受け続けるのはまずいと、オダは慌てて後方へと下がる。

(後ろからの攻撃まで避けるなんて!・・・・・・一応当てはしたけど効果は薄いよなぁ。
 しかも、今の攻撃も絶対覚えられちゃってるし・・・・・・)

マーチャンは今回、「背後に回り込まれて真剣で脇腹を斬られた経験」を覚えた。
平和な時代ゆえに真剣で戦う機会の少なかったマーチャンにとって、
オダとの真剣勝負は、己を成長させるにはとても都合が良かったのだ。
しかもマーチャンが覚えるのは決して受動的なものだけではない。能動的なものもどんどん覚えている。
今回の例で言えば「スケート靴を持って攻撃を受け止める経験」などのことだ。
貪欲なマーチャンはもっともっと経験を詰みたいと考えている。

「右手に忍刀、左手に木刀、これでマーはどんな経験が出来るのかな?
 オダちゃん・・・・・・簡単に負けたら許さないよ。」


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