したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

334 ◆V9ncA8v9YI:2015/07/12(日) 15:54:36
火煙と、多種多様な武器。
それだけがマーチャンの強みではないことをオダ・プロジドリは知っていた。
取り返しのつかなくなる前にマーチャンを倒すために
オダは「レフ」と名づけられた幅広のブロードソードでマーチャンに斬りかかる。

「たぁ!」

研修生時代、トップクラスの成績を収めていただけあってオダの突き出しは見事なものだった。
基本に忠実なのはもちろんのこと、更にワンポイントのアレンジを加えている。
この一工夫によってオダの攻撃は「回避不可能の一撃」へと昇華されるのだ。
オダの狙いはマーチャンの首。
ブロードソードではギロチンのように切断することは難しいが
首を深く傷つけることによって戦意を喪失させることはできるだろう。
オダの「回避不可能の一撃」ならばそれは容易い作業だ。
ところが、マーチャンがそうはさせなかった。

「オダちゃんの攻撃、丸見えだよ。」
「あ!……」

マーチャンはスケート靴の片方を拾い上げると、素早くブロードソードにぶつけていく。
このスケート靴の裏側のエッジ部分は刀剣の刃のように鋭く、
斬撃を防ぐことが出来るようになっているのだ。
アテが外れて青ざめているオダを見ながら、マーチャンが問いかける。

「オダちゃん、オダちゃんの剣を作ったの誰だっけ?」
「マーチャンさんです・・・・・・」
「そう、マーチャン。だからその剣の弱点も全部知ってる。
 ちょっと部屋を暗くしたら、その剣はもうただの剣だよね。」
「・・・・・・」

確かに今のモーニングラボは薄暗かった。
これはマーチャンがオダの特殊技能対策として、あらかじめ照明を絞っていたためである。
現在のこの部屋の明かりはマーチャンの木刀で燃える火のみと言っても差し支えないレベルだ。
この程度の光では、オダ・プロジドリは輝かない。

「それとね、オダちゃんの攻撃、覚えたよ」
「くっ・・・・・・」

オダが危惧していたマーチャンの最大の特徴。
それは異常なまでの学習能力だった。
どんな攻撃だろうと、一回経験すればマーチャンは次からは対応出来てしまう。
そのためオダは真剣による攻撃を覚えさせる前に倒したかったのだが、それが叶わなかった。
毎回異なる攻撃法を繰り出さなければ、マーチャン・エコーチームを倒せない。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板