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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

331 ◆V9ncA8v9YI:2015/07/10(金) 21:29:48
ー モーニングラボ。
そこにはマーチャン・エコーチームの統括する技術開発部制作の最新武器がズラリと並んでいた。
ところが責任者であるマーチャンの武器は意外とローテク。
なんと彼女は木刀を使うのだ。
それを取り出したマーチャンを見て、オダは頭を抱えだす。

「分かってはいましたが本当にやるんですね……ここ、密室なんですけど。」
「うふふっ、だってマーチャンは曇りの剣士だもん。」

そう言うとマーチャンは木刀「カツオブシ」にマッチで火を点け始めた。
木製の剣はとてもよく燃えて、よく煙を焚いてくれる。
これこそがマーチャンが天気組の中で「曇りの剣士」と呼ばれる所以。
彼女は黒雲のごとき火煙で相手をいたぶることを得意としていたのだ。
特に今回のような密室ではマーチャンの攻撃は「熱い」「煙たい」では済まされない。
煙の充満が一定量を越えると、相手に一酸化中毒を引き起こすことも可能だ。
こんな武器が他に存在するだろうか?
だからこそマーチャンは剣士でいながら、切れない剣を好んで使用しているのである。

「あとねー、今日は試してみたい武器がいっぱいあるんだ。
 なんかミチョシゲさんにお願いされてね、マーチャン頑張って作ったんだよ。」

マーチャンは木刀を最も好んで使用する。
だが、使うのが木刀だけとは誰も言っていない。
試作品である「スケート靴」「忍刀」「両手剣と投げナイフのセット」をこの場でテストしようと考えているのだ。

「なんですかそれは……」
「知らない。いつか使うんじゃない?」


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