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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

33 ◆V9ncA8v9YI:2015/05/05(火) 22:55:19
「たいへんだぁ・・・・・・サユ王に報告しないと」

天気組会議をこっそり覗き見ていたクールトーンは慌てて王のもとへと向かう。
本当はもっとハルを凝視していたかったが、そんなことも言っていられない。
彼女が王の部屋に向かったとき、サユ王は風呂から上がった直後だった。
もっと長風呂しておけばよかったと後悔しながらも、サユはクールトーンを受け入れる。

「そんなに汗を流してどうしたの?お風呂入る?」
「いえ大丈夫です、実はかくかくしかじかで・・・・・・」
「へぇ・・・・・・さっそく動き出したようね。」

帝国剣士が自分の期待以上の動きを見せてくれたので、サユは嬉しそうな表情をする。
しかし、それとは対照的にクールトーンは悲しげな顔をしていた。
今後起こりうることを想像すると辛くてたまらないのだ。

「王様、なんでこんなことを始めたんですか?」
「え?」
「次の王を決めるだけならもっと優しい方法があると思います。
 でも、このままだと本当に誰かが、Q期団さんの誰かが死んじゃいます・・・・・・
 そんなの、嫌です・・・・・・」

ボロボロと涙を流すクールトーンに胸を痛めるサユ王だったが、
これもモーニング帝国のためだと割り切り、優しく諭しだす。

「あのねクールトーンちゃん、ここだけの話なんだけどね。
 モーニング帝国剣士には新たなメンバーが3人内定しているの。」
「え!!」
「一人は西部地方からやってきた"氷上(表情)の魔術師"と言われている子。
 もう一人は異国からの帰国子女である"音忍者"。あのガキ元帝王とも手合わせしたことがあるそうなの。
 そしてもう一人はクールトーンちゃんも知ってるでしょう。投打ともに怪物級の"二刀流"よ。」
「ああぁ〜!!同じ研修生だから知ってます!!やっぱり帝国剣士になるんですかぁ。」
「正直言って今あげた子たちは逸材揃いよ。今の帝国剣士を簡単に喰っちゃうかもしれない。
 その新人達の上に立つには死線をくぐり抜けた人物でないと難しいわ・・・・・・だから今回の策を練ったの。
 大丈夫、あの子たちならきっと今以上に強くなってくれるはず。だから信じてあげて。」

クールトーンは感激した。
次期モーニング帝国剣士内定者という超超機密情報まで教えてくれたことから、
サユ王の本気を感じ取ったのだ。

「分かりました。私、帝国剣士さんを信じます。」
「あ、ちなみにさっき言った内定者は確定情報じゃないから他言しないでね。
 もしかするとクールトーンちゃんが4人目として入るかもしれないしね。」
「あはは、それなら嬉しいですね。」


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