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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

326 ◆V9ncA8v9YI:2015/07/10(金) 12:46:57
とある部屋に飛び込むや否や、カナナンは扉を施錠する。

「間一髪助かった……さすがにもうこれで安心やろ。
 いくらマイミ様とは言っても、扉を破るほどの破壊力は持ってへんはずや。
 何発も殴られたメイがまだ生きてるのがその証拠。」

そう言いながらカナナンはメイの頭をなでていく。
苦痛のあまり気を失ったメイだったが確かに息をしている。
マイミはスピードこそ脅威ではあるが、攻撃力自体は並だとカナナンは踏んだのだ。
しかし、タケはその意見に反発する。

「あれがマイミ姉ちゃんの本気なわけないだろ……本気の時は、もっと、こう。」

タケが説明しようとしたその時、扉からバリバリバリといった異音が聞こえ始める。
その音の正体がマイミによるものだということはすぐに気づくことが出来た。
だが、二人ともせいぜい怪力でドアノブを壊した程度を想像していたのだが
現実はもっと酷かった。

「ひぇぇ……ド、ドアが……」

なんとマイミは全力で扉を開けようとするあまり、ドアそのものを捻じ曲げてしまったのだ。
しっかりした構造の扉がグニャリと歪み出したのでカナナンとタケは恐怖した。
これがマイミのフルパワーなのである。
補足しておくが、タケやメイを殴るときは決して手を抜いていた訳ではない。
その際は相手の腹筋を鍛えるために力を微調整していたのだ。
流石は世が平和になった時に「いっそ就職をするとなったならインストラクター?」と思っただけはある。

「ど、ど、ど、どないしよタケちゃん!」
「待てカナナン!なんか音が止まってないか?」

タケの言うとおり、バリバリといった扉の捻じ切れる音はいつの間にかしなくなっていた。
おそらくはマイミ自身も扉を壊したことにショックを受けて、どこかに謝りに行ったのだろう。
マーサー王国の扉はマーサー王およびマイミ対策で頑丈に出来ているので、少し気の毒な話ではある。
なんにせよ、怪物から逃走することに成功した二人はホッとした。

「よかった〜ウチら助かったんやな。」
「あぁ、マイミ姉ちゃんさえ居なけりゃもう怖いものは無いぜ!」

一息つく二人だったが、その安息の時間も僅かなものだった。
もともとこの部屋にいた人物に話しかけられることで事態は急変する。

「タケちゃん、カナナン何やってるの? そこで倒れているのはメイメイ?」

声の主は、アンジュ王国の王、アヤチョだった。
同じく部屋にいたユカニャ王とともに目をパチクリさせている。
そう、タケとカナナンが逃げ込んだ部屋は作戦室だったのである。
マロの言葉を思い出したのか、アヤチョは鬼神の表情で二人を睨みつける。

「ハルナンを裏切ったんだってね!許さない!許さない!許さない!」
「「うわああああああああああ!!」


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