したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

285 ◆V9ncA8v9YI:2015/07/03(金) 08:24:45
今からほんのちょっと前。
まっさきに訓練場から出たフクは、そこで思わぬ人物に遭遇していた。

「あれは……ハルナン?」

遠くてやや見えにくいが、その人物は確かにハルナン・シスター・ドラムホールド。
今回の事件の首謀者だ。
親友アヤチョの服を見繕って、ちょうど指令本部である作戦室に戻るところだったのである。
本来ならばフクはサヤシや番長らと合流するのを待つべきだったのかもしれないが
思わず身体がハルナンを追いかけてしまった。
彼女もマロ・テスク同様に食卓の騎士に熱い思いを寄せる信奉者であったため
クマイチャンを騙したことが許せなかったのだ。
ここで逃せばいつハルナンを討てる分からないため、勝手に身体が動いてしまったという訳なのである。
だが単騎で敵地に乗り込ませるようなことは運命が許さなかった。
フクの次に訓練場から出てきたサヤシはかろうじて走るフクに気づけたので
フクを護るためについていくことが出来たのだ。
しかし他のアンジュの番長らが出てくるのは残念なことに遅かった。
訓練場の床はご存知の通りクマイチャンがグシャグシャにして、非常に歩きにくくなっていたので
脱出時間にタイムラグが生じてしまったのである。
先に出たはずのフクとサヤシが消えていため、タケ達は混乱する。

「え!居ない。」
「ここに留まっててクマイチャン様の餌食になるのはたまらんからな、きっともう何処かに逃げたんやろ。」
「そっか!じゃあ私たちもはやく逃げようぜ!」

せっかく合流したというのに、番長らはもうフクと離れることになってしまった。
特にタケは出来ることならばフクに襲い来る火の粉を直接払ってやりたいと思っていたことだろう。
でも、近くにいなくたってそれは出来る。
城内にまだ多く存在するフクの敵を懲らしめるのが自分たち番長の役目だと理解しているのだ。
だが何かおかしい。
アンジュの4番長はその名の通り4人で構成されているのであるが
この場にはカナナン、タケ、メイの3人しか居なかったのだ。

「リナプーはどうした?」
「おーい、リナプーおるかー?」

返事が返ってこないことから、得意の透明化で消えている訳ではないことは分かった。
それではまだ訓練場に取り残されているのだろうか?
もしそうだとしたら一大事だ。

「どうする?戻る?」
「メイ、お前あそこに戻れるってのか?」
「ごめん無理……プレッシャーで吐いちゃうかも。」
「リナプーは馬鹿じゃないし、きっと一人で上手くやってるんだろ。
 ひょっとしたらフクちゃんのところにいたりしてな。」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板