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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

220 ◆V9ncA8v9YI:2015/06/12(金) 08:26:41
アヤチョは仏像が着ているような衣を纏い、マロの前に立ちはだかった。
攻撃から身を守るにはあまりにも頼りない衣装ではあるが、彼女はこれで大真面目。
アヤチョの特殊技能の一つとして、テンションが上がれば上がるほど強くなるというものがあり
自分を仏のように神々しい存在だと思い込むことで、潜在能力を最大限まで引き出すことが可能なのだ。
また、基礎体力も申し分ない。
アヤチョには何十回も滝に打たれることで鍛えた耐久力と、
何百体も木彫りの仏像を彫り続けることで鍛えた腕力と、
何千時間も各地の神社を歩き回ることで鍛えた脚力が備わっている。
ゆえにアヤチョは戦闘経験こそ少ないものの
マロと並んで「食卓の騎士とプラチナ剣士に最も近い存在」とまで呼ばれるようになったのである。
また、修行によって悟りを開いた彼女にはこんなことだって出来る。

「ハッ!!」

アヤチョはいきなり大声を出したかと思えば、急に無表情になってしまった。
そうなった彼女からは先ほどまでの強大なオーラを感じ取ることができない。
今のアヤチョは押せば倒れるようなただの少女と化してしまった。
だからこそマロは冷や汗を流す。
邪念を全て取っぱらった状態のアヤチョは次に何をするのか全く読めないのだ。
殺気むき出しの屈強な戦士より、殺気すらも殺すアヤチョの方が恐ろしいことをマロは知っていた。

(この状態のアヤチョを見るのは宇宙と交信とか言ってた時以来ね……
 くそっ!やりにくいったらありゃしない!!)

マロはアヤチョが敵に回ることなんて今更気に留めてもいなかった。
ハルナンを裏切るケースを想定した日から、アヤチョと衝突するであろうことは予想していたのだ。
(もっともこんなに早く戦うことになるとは思っていなかったが。)
マロは自分が王であるアヤチョに劣るとは微塵も考えていない。
むしろ何も考えないで戦うアヤチョより、考えて考えて戦い抜く自分の方が上だとも認識している。
久々に全力を出し切ることの出来る戦いに、マロが退く理由はひとつも無かった。

「行くよ。アヤチョを倒せるのは同格の私しか居ないんだから。」


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