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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

204 ◆V9ncA8v9YI:2015/06/09(火) 08:35:39
「クマイチャン様が…?」

ハルナンの言葉を聞いたマロは信じられないといった顔をしていた。
同席しているユカ王とサユキも驚きのあまり言葉を無くしている。
食卓の騎士を味方につけるということは、それだけ凄いことなのだ。
一仕事終えた風な口ぶりでハルナンが詳細を話す。

「食卓の騎士の中でも単純で扱いやすい……失礼、協力的なお二人を説得することに成功したんですよ。
 Q期が国家転覆を企てているので助けてほしい、とお願いしたら快く引き受けてくれました。
 さすがの正義感だなぁと思いましたよ。
 これで我が軍の勝利はもはや約束されたようなものですね。
 マロさんも嬉しいでしょう?憧れのクマイチャンさんと共に戦えるんですよ!」

抜け目のないハルナンはマロの尊敬する人物をちゃんと覚えていた。
正直言ってマロは放っておくと何をするか分からない程の危険人物なので
餌を与えて飼いならす方が得策だと考えたのだ。
プルプル震えて涙を流すマロを見て、ハルナンは確かな手応えを感じる。

「し、信じられない……」
「信じられないですか?でもこれが現実なんですよ!
 さぁマロさん、モーニングとアンジュと果実の国と、そして食卓の騎士と協力して
 我々の悲願を叶えようじゃないですか!」
「信じられないのはお前の頭だよ!この外道がっ!!」

気づけばマロは両手に二丁の拳銃を構え、ハルナンの顔と胸にそれぞれ突きつけていた。
あまりの早技に、そして意外だったマロの反応に、ハルナンの思考はフリーズしてしまう。

「え?……マロさん……?」
「食卓の騎士様はなぁ!お前みたいな三下がコントロールしていいお方達じゃねぇんだよ!!
 とってもピュアなクマイチャン様を騙すなんて万死に、いや、一億万死に値する。
 お前を王にするのはもう止めだ。司令部は解散!!」

そう言うとマロは両手の銃を壁に向け、二発同時にバキュンと発砲する。
この二撃は単なる威嚇射撃だが、飾りではなくちゃんと弾がこもっていることを教えてくれる。
この間、ハルナンは帝国剣士団長だというのに何も反応できなかった。
そしてそれはハルナンだけではない。ユカ王やサユキも同様だ。
以前も書いたが、マロはアンジュ王国に二人存在する「最も食卓の騎士とプラチナ剣士に近い存在」として周囲から恐れられている。
クマイチャン程ではないが、彼女の放つ殺気はこの場にいる全員を止める程の凄みがあったのだ。
やはりかつての大事件を経験しだけはあるのだろう。
そんなマロへの打開策をはかろうと、ハルナンが震えながら声を発する。

「本気で言ってるんですかマロさん!あなたは私たち全員を敵に回すことになるんですよ?」
「そうね。」
「それに、あなた程の重役が帝国剣士団長である私を撃って良いと思ってるんですか?
 これはもう国際問題ですよ?分かりますよね?同盟国解消、そして戦争が勃発します!」
「私がお前を撃てばの話でしょ?」
「は?……何を……」
「分からないの?私がお前を裏切るということは、つまりどういうことなのか。」


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