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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

184 ◆V9ncA8v9YI:2015/06/06(土) 21:23:39
騒がしい訓練場とは違って、医務室はとても静かだった。
ベッドでは、激しい戦いを終えて負傷したカノン、トモ、カリンらが敵味方関係なく横たわっている。
かろうじて意識のあるトモが、自分達を運んでくれた"連絡担当"サユキ・サルベに礼を言う。

「ありがとうサユキ、でも帝国剣士まで運ぶ必要はなかったんじゃない?」
「いやいや、廊下に血だらけで倒れてたらみんなビックリしちゃうでしょ。」
「そりゃそうなんだけどさ、その、重くなかった?その人・・・・・・」
「・・・・・・うん、ぶっちゃけ何回も諦めそうになったね。」

トモとサユキは寝ているカノンの方をチラチラと見ながら小声で話す。
ジュースを飲んだサユキは重力を消すとは言え、カノンの体重を軽くすることは出来なかったのだ。

「ところでさサユキ」
「ん?」
「カリンについて教えてくれない?出来ればKYAST結成前の話が聞きたいの。
 私、カリンがあんなに強かったなんて知らなかったんだ・・・・・・
 サユキだったら昔のカリンのことも知ってるんでしょ?ねぇ、教えてよ!」

トモがカリンに興味を示すのが意外だったので、サユキは目を丸くして驚く。
もちろんここで教えない理由などない。かつてのプログラムを例にあげて説明を始める。

「そりゃ昔のカリンは強かったね。正統派のエリート戦士って感じだったよ。
 果実の国からは私とカリンがあの合同若手育成プログラムに参加したんだけどさ
 カリンのいた班は4人ともみんな強いって評判だったんだ。そこには帝国剣士のフクや、番長のタケも居たし。」
「タケ・・・・・・あのチビ、そんなに強かったんだ。」
「おかげで私たちの班はいくら頑張っても2位止まり。悔しかったなー。」
「へぇ、サユキの班も強かったんだ。やるじゃん。」
「思い出すだけで最悪のチームだったけどね。やる気ない子1人と、泣き虫2人だよ?私が頑張るしかないじゃない。」

サユキはハァと溜息をつくと、何かを思い出したかのように立ち上がる。

「さて、そろそろ仕事しないと!司令部に連絡しなきゃね。じゃ!」
「ちょっと!結局カリンのこと聞けてない!!」


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