したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

183 ◆V9ncA8v9YI:2015/06/06(土) 18:32:45
Q期の面々が決着をつけていく中、フクはまだタケと戦っていた。
消耗の激しいタケを疲労させるために、戦いを長引かせる方針にシフトしたのだ。
フクは常にタケから離れることを意識したポジション取りをしている。
こうすることで投球の軌道をギリギリまで見極めてから回避することが出来るし、
タケがボールを回収するために走る距離も増えるため、更に疲れさせることも可能だ。
ただし、フクには遠距離攻撃の手段が無いことは忘れてはならない。
この状況でタケが投球を止めたりしたら、せっかく疲労させた体を休ませてしまうことになるので
フク・ダッシュによって定期的にプレッシャーをかけることは欠かさなかった。
これらを完璧にこなしてしまうフク・アパトゥーマの実行力に、カナナンは感心する。

「タケちゃんをあそこまで追い詰めるなんて流石やな。
 変な言い方になるけど、タケちゃんがいつも自慢するのも分かる気がするわ。なぁメイメイ。」
「うん、タケちゃんってあの"合同若手育成プログラム"の話をよくしてたもんね。
 一緒の班だったメンバーの凄さを何回聞かされたか・・・・・・
 あ、そういえばリナプーもプログラムに参加してたんだっけ?誰と一緒の班だったの?」
「え?私参加してたっけ?」
「そうだよ!アンジュからはタケちゃんとリナプーが選ばれたんでしょ!」
「う〜ん・・・・・・なんかうっすら覚えている気がする。お猿さんと、泣き虫の子が2人いたような・・・」
「お猿さんってなんやねん、ほんまに覚えとらんのか」
「だって興味なかったし・・・・・・」

そうこう話しているうちにタケがまたしても派手に転倒する。
フクを倒したい思いで頭がいっぱいなのだが、疲労困憊な体がそれを許してくれないのだ。
これを勝機と感じたフクがダッシュで一気に攻めようとするが、
その前にカナナンが立ちはだかる。

「・・・・・・なに?今度はあなたが相手をするの?」
「待ったってください、少しカケヒキをしましょうよ。」
「?」
「私たち番長3人が黙ってみていたのはタケちゃんが一人でやるって言って聞かなかったからです。
 もしここでタケちゃんにトドメを刺すようなら、もう遠慮する必要はなくなります。
 当然、その時は3人がかかりで行かせてもらいますけど、その覚悟は出来てますか?
 もう少し適当に引き伸ばして、お仲間が助けに来るのを待ったほうが得策じゃあないですか?」

カナナンには時間を稼ぎたい事情があった。
今のカナナンにとっては、フクとタケに永遠に戦い続けてもらうことこそが理想だったのだ。
少なくとも裏番長マロ・テスクから合図が来るまではこの状況をキープしておきたかった。
しかし、フクはそれを良しとはしない。

「これ以上長引いたらね、その仲間の命が危ういの。だから私はすぐに駆けつけなきゃならないんだ。
 タケちゃんを倒したら3人がかかり?好都合じゃないの・・・・・・一網打尽できるからね!」

そう言うとフクはカナナンを跳ね除ける勢いでダッシュした。
まずはタケとの勝負に決着をつけるために。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板