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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

157 ◆V9ncA8v9YI:2015/05/31(日) 09:46:33
この世界には舞踏、つまりはダンスの技術を戦闘に取り入れる者が多く存在した。
相手の攻撃を回避することはもちろん、自身の得意な間合いを保つのにもダンスのステップは役立つのだ。
またダンスは全身運動であるため「最後まで戦い抜く」ための体力も強化することが出来る。
ゆえに舞踏の専門家であるQ期団のサヤシと天気組団のアユミンは周囲から一目置かれていたのだった。
(話によるとマーサー王国の食卓の騎士にもダンスの達人が2人いて、どちらも只者ではないらしい。)
しかしアユミンはダンスを重視する反面、それ以外の身体を強化する手法に関してはとても疎い。
ましてやスポーツが戦闘能力に密接に関わっているなんて思いもしなかったのだ。
そんなアユミンにとって、エリポンのスポーツ戦法は魔法でしかない。
だからこそ嘘っぽい虚勢にも大きく反応してしまう。

「魔法って本当にあったんだ!!エリポンさんすごい!」

尊敬の眼差しに照れるエリポンだったが、ここで悦に浸っている場合ではない。
得意の魔法で畳み掛けて早々にアユミンを仕留めなくてならないからだ。

(足下が不安定すぎて、出来るスポーツの幅が狭かね。
 西部地方で流行ってるスケート競技ならツルツルの上でも問題無いっちゃろけど、エリには出来ん。
 じゃあこの状況で何をすれば……?)

エリポンが次の手を考えるより早く、アユミンが動きだした。
彼女はスベることを怖れず、エリポンのもとへと走っていく。
地面の摩擦が無いためにアユミンは常に前のめり。だがそのおかげで勢いがついて、高速移動を実現している。
このようにスベることを利用できるのはアユミンだけの特権なのだ。
アユミンは太刀をグッと構え、エリポンへとぶつけていく。

「魔法を使うヒマなんて与えない!喰らえ!!」

迎撃しようと打刀を構えるエリポンだったが、この地面ではどうしても力を出し切れなかった。
足下がスベりやすいので踏ん張ることができないのだ。
直撃は間逃れたものの、高速で迫る太刀を受け止めきれずに後方へと吹っ飛んでしまう。
無論受け身をとることもままならないため、着地時に背中を強打する。

「ぐぅ……痛ぁ……」
「おや?今度は空飛ぶ魔法を使わなかったんですね。」
「まぁね、同じ魔法ばかりじゃ芸がなかとよ。あえてよ、あえて。」


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