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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

148 ◆V9ncA8v9YI:2015/05/26(火) 12:17:16
男子宿舎にハル、マーチャン、アーリーがズカズカと入ってきたため一般兵たちはひどく驚く。
特にハルとマーチャンはこんなに若くても一応上官なので、失礼にならないよう必死だ。

「ハル様、マーチャン様、今日はいったい?……」
「サヤシさん来なかった?急いでるからさっさと答えて」
「いえ、サヤシ様は男子寮には来ないと思われますが……」
「お前の考えを聞いてるんじゃないんだよ!居たか居ないかだけ教えろ。
 それからお前ら全員僕についてこい!捜索隊の結成だ!!」
「ええ!?そんな急に……」
「言うことが聞けないのか?僕を誰だと思ってる?
 モーニング帝国剣士が一人、ハル・チェ・ドゥーだぞ。」
「は、はい!今すぐ人を集めます!」

ハルの兵士に接する態度は、女子へのそれとは大きく異なっていた。
研修生と話すときはとても優しいが、男に対しては鬼そのものである。
この権力を振りかざすやり方が目に余るので、ハルナンやアユミンがよく注意をするのだが
今は制するものが誰もいなかった。
そのため、兵士たちのフラストレーションはどんどん溜まっていく。

「くそっ、ガキのくせに偉そうに……」」
「おい聞こえるぞ!ハル様には従っておけ。さもなけりゃ……」

ハルの機嫌を損ねたら恐ろしい制裁が待っていることを彼らはよく知っていた。
老兵らをはじめ、男性兵の中にはハルに不満を抱いている者が大多数だが
暴力が怖いのでただただ従順になるしかなかったのである。
そんな光景を見て、アーリーが興奮気味に喋り出す。

「凄いんですねー。ハルさん偉いんですねー。」
「違うよアーリーちゃん。あれは横暴って言うんだよ。」

マーチャンの表現は今のハルを表すのに的確だった。
そのため、あろうことか一人の老兵が笑いを堪えきれず吹き出してしまったのだ。
慌てて口を抑えるがもう遅い。ハルにその姿を見られてしまった。
ハルは竹刀を老兵に突きつけては、怒鳴りだす。

「じっちゃん何笑ってるんだよ……教育的指導が必要なようだな!!!」

ハルは老兵の背中に何発も、何発も剣の振りをぶつけていった。
他の帝国剣士が扱う剣と違って、ハルの扱う竹刀には刃がない。
そのため老兵の背中が斬られることはないのだが、痛いことには変わりはない。

「おりゃ!おりゃ!おりゃ!うりゃ!僕は男の子だぞ!おりゃあああ!!!」

ハルは1分間、気が済むまで兵を叩きまくった。
このようや指導を受けた老兵が無事で済むはずもなく、グッタリとしてしまった。


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