したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

13 ◆V9ncA8v9YI:2015/05/03(日) 08:11:24
打ち合わせを終えたサユ王とクールトーンは、すぐさま訓練場へと向かった。
そしてサユの思惑通り、訓練場内には多くの帝国剣士が揃っていたのだった。

「「「「「「「「サユ王、おはようございます!」」」」」」」」

昨日とはうって変わって訓練に精を出している帝国剣士たちを見て、サユはニンマリとする。
そこには居合いの達人サヤシ・カレサスがいる。
"自称"魔法剣士エリポン・ノーリーダーもいる。
「舞う伊達娘。」と称されるアユミン・トルベント・トランワライもいる。
それ以外にも一癖も二癖もあるような現役帝国剣士がたち集結している、その様はまさに圧巻だ。
これだけのメンツを前にしてクールトーンが萎縮してしまわないかとサユは思ったが、
当の本人は思っていた以上に冷静だった。

「クールトーンちゃん、モーニング帝国剣士全員を前にしてどんな気持ち?」
「全員ではありません。」
「えっ?ひぃ、ふぅ、みぃ・・・・・・あらほんと、8人しかいない。」
「はい、一番大事な人がここにはいないんです。」

クールトーンがそう言うが早いか、訓練場の扉がガチャリと開きだす。
一足遅れて登場したのは現モーニング帝国剣士の最年少、ハル・チェ・ドゥーであった。

「おはようございま〜す、はぁ〜貧血だぁ〜」

ハルの中性的なエンジェルフェイスは、女性支持率TOPだというのも頷けるほどに整っている。
すらっとした長身や、ぶっきらぼうな態度が男性の面をより強調しているのだろう。
だがこのハル、自分がモテているということを自覚しているがゆえに、ひとつ悪い癖があった。

「おや?今日は可愛いお客さんがいるなぁ」

クールトーンを視野に入れるなり、ハルはそちら側へと向かっていく。
そしてクールトーンの顎に軽く触れ、クイッと持ち上げたのだった。いわゆる顎クイだ。
自身の尖った八重歯を見せつけながら、常人なら赤面必至の言葉を平然とした顔で吐いていく。

「君みたいな子の血でも吸えたら僕の貧血も治るんだろうなぁ・・・・・・ねぇ、吸ってみてもいい?」
「あわわ、あわわわわわわ」

ハルの悪い癖、それは過剰なまでの女たらしだ。
上に書いた行為をまったく照れずに実行できてしまうのは凄いし、相手が拒否しない(できない)のも凄い。
他の帝国剣士を前にしても冷静だったクールトーンが、ハルに言い寄られた途端にひどく動揺してしまうほどだ。
恋する乙女の表情になりかけているクールトーンを見て、これはまずいと思ったサユ王がハルの頭にチョップをぶつける。

「やめなさい。」
「いでっ!」
「まったく相変わらずこの子は・・・・・・ほら、何か言うことないの?」
「ごめんなさいサユ王、本当に可愛いのはサユ王でした。」
「そうそう私が一番・・・・・・って違う!遅刻を謝りなさいってこと!!」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板