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仮面ライダーイクタ 外伝『仮面ライダー鎧娘。'14』
1
:
nOTRcORru
:2014/06/02(月) 18:44:19
「仮面ライダーイクタ」及び「仮面ライダーイクタ MOVIE大戦2013」に触発されて外伝を書きます。
※新狼からの移転
※以前に投下した内容は一部を修正
2
:
nOTRcORru
:2014/06/02(月) 18:44:56
【Prologue】
3
:
nOTRcORru
:2014/06/02(月) 18:46:03
2014年3月31日
モーニング娘。'14の生田衣梨奈は、事務所の廊下を歩きながら
「急に呼び出しとか、なんかいな。あの部屋やったら映像が観られるけん、昨日のひなフェスのダメ出し? でもコンサート終わりに言われると思うっちゃけど……」
マネージャーからの呼び出しの理由を考えている、が
「ま、行けばわかるやろ」
考えても仕方ないので
「失礼しまーす」
気にせずドアを開けた
「生田、お疲れ様」
「初めまして。急にお呼び出しして申し訳ありません。生田衣梨奈さん」
そこに居たのは割と偉いマネージャー、と見知らぬ白服の男
「初めまして! あなたの心にホールインワン! 世界一のアイドルを目指しているモーニング娘。'14、9期メンバーの生田衣梨奈でーす!」
初対面でもこの挨拶
舞台裏でもこのテンション
これに対し、マネージャーは苦笑い
4
:
nOTRcORru
:2014/06/02(月) 18:47:02
「はい、存じております。まずはお座り下さい」
だが、白服の男は全く意に介さない
「はーい」
そして、流された生田も気にせず席に着く
「早速ですが、本題に入ります。生田さんは過去に2回、タチバナ主催のライダーバトルにご協力頂いておりますが
「またライダーバトルが出来るんですか!?」
テーブルを押し飛ばしそうな勢いで椅子から立ち上がる
「落ちつけ、生田」
「す、すいません……」
マネージャーに諭され再び席に着く
「いえ、構いません。むしろ、ライダーバトルに強い関心があると受け取りました」
「もちろんです! 仮面ライダー大好きですし! 勝負事では絶対負けたくないですし!」
生田は今日一番のテンションで話す
と言うのも、ライダーバトルは生田衣梨奈にとって特別だからだ
先ほど本人が話した理由もあるが、生田は過去のライダーバトルで惜しくも敗退し優勝を逃している
今度こそは自分が優勝を勝ち取りたいと思っている
さらに
5
:
nOTRcORru
:2014/06/02(月) 18:48:45
「またイクタに変身できるなんて、めっちゃ嬉しいです!」
今の生田の表情は喜びの余り崩れに崩れている
生田は2回のライダーバトルを経て、仮面ライダーイクタに並々ならぬ愛着を持っている
自分の、生田衣梨奈の個性を反映しているライダーであれば当然なのかもしれない
「んふふふふ。また変身できるっちゃん!」
この表情をどこかで見たな
と、マネージャーは考えていた
が、程なくして答えが出る
生田が憧れの新垣の話をしている時と同じだったのだ
その○モさと言ったら、写真や映像など記録に残すのを躊躇うレベルだ
「喜んでいるところ大変申し上げにくいのですが」
そんな生田を前にしても、白服の男は全く意に介さない様子で生田に声を掛けた
「今回のバトルで変身するライダーは〝イクタ〟ではありません」
「……えぇっ!?」
相当ショックだったのか、生田の顔面は先程とは違う意味で記録に残せない表情になった
「なんで〝イクタ〟じゃないんですか!? ハロプロのライダーバトルで生田が変身するライダーと言ったら〝イクタ〟に決まってるじゃないですか!」
「やめなさい生田!」
生田を制しようと、マネージャーが腕を掴む、が
6
:
nOTRcORru
:2014/06/02(月) 18:50:02
「うおっ!」
興奮している生田は思わず振りほどいてしまった
「あっ、すみません……」
流石に頭が冷えたのか大人しくなる生田
「生田、思ったより力あるんだな……」
マネージャーは女の子に振りほどかれてショックを受けている
「男性を振りほどく腕力。やはりゴルフのアイドル=ゴルドルの名は伊達ではありませんね、生田衣梨奈さん」
この騒ぎでも白服の男は意に介さない
いや
僅かに気を良くしている様に見えるかもしれない
「今回は、過去のライダーバトルとは趣旨が違います。まずは説明させて頂きます」
白服の男は、書類を取り出し生田に渡す
「今回のライダーバトルについてまとめたものです」
──
7
:
nOTRcORru
:2014/06/02(月) 18:52:07
>>2-6
Prologue その1です。
8
:
名無し募集中。。。
:2014/06/02(月) 22:45:07
やっと見つけたー!!!再アップ&続編楽しみにしてます!
9
:
nOTRcORru
:2014/06/03(火) 17:54:34
──
◆タイトル
『仮面ライダー鎧娘。'14 ロックシード争奪バトル』
◆概要
モーニング娘。'14のメンバーが『仮面ライダー鎧武』に登場する仮面ライダーに変身してバトルをする。
◆目的
◇モーニング娘。'14
フォーメーションダンスを主軸としたモーニング娘。'14のパフォーマンス能力の向上の為、バトルを通じて心身共に鍛える。
◇タチバナ
『鎧武』に登場するライダーに、装着者に対応した改修(アレンジ)した場合の戦闘データの収集。
◆ルール
制限時間は14時間(6〜20時)
バトルステージは直径平均14kmの無人島
未変身の相手を攻撃すると失格となる
ダメージが蓄積されると強制的に変身解除される
変身解除されたライダーの所有するロックシードは、最後にダメージを与えたライダーへ強制移動する
手に入れたロックシードは、以降のバトルで使用できる
バトル終了時にロックシードを1番多く所有しているライダーが優勝者となる
メンバーの能力向上の為、過去のライダーバトルで採用していた攻撃命中補正機能を排除し、装着者の動きを正確にトレースするように変更されている。
鎧や武器の使用に必要な筋力補助機能は採用しているが、メンバー間の差が埋まるものではない。
ライダーの透明化機能は排除されている。
尚、優勝賞品はバトル終了時刻まで非公開である。
──
10
:
nOTRcORru
:2014/06/03(火) 17:56:02
書類を読み終えた生田の表情は冴えない
「……今までのライダーバトルと違うんですね」
「こちらも様々なデータが欲しいので、バトルの内容が変わる事もあります」
「ふーん……」
回答を聞いても生田の表情は変わらない
「どうかなさいましたか?」
白服の男は先ほどと違う生田の様子が気になる様だ
「あのー、質問をしても良いですか?」
「はい。答えられる範囲でしたら構いません」
「モーニング以外のメンバーは参加しないんですか?」
「ええ。書いてある通りです」
「そうですか……。徳永さんと熊井さんのBigW見たかったっちゃん……」
生田の表情が冴えない原因はここにあった
過去のライダーバトルでは、Berryz工房の徳永千奈美と熊井友理奈が変身するBigWがいた
生田は仮面ライダーが好きだが、BigWのモチーフになったW(ダブル)は特に好きなライダーの1人
今回はその勇姿が見られないと知り、一層肩を落としているようだ
「他に質問はありますか?」
「えーっと……」
11
:
nOTRcORru
:2014/06/03(火) 17:57:11
しかし、肩を落としている場合ではない
今の内に確認できる事はしておくべきなのだ
より多くの情報を得られれば、バトルを有利に進められるからである
「前回は鎧武と龍玄と斬月をモチーフにしたライダーがいましたけど、今回はどうなるんですか?」
「言前や五月の参加はありません。工藤さんは参加しますが『水武』ではありません」
やはり、モーニング娘。'14以外のメンバーは参加しない様だ
ここで、1つの疑問が浮かんだ
「モーニングのメンバー全員が参加するんですか?」
工藤遥の参加は確定
と言う事は、既にライダーバトルの経験がある譜久村聖・鈴木香音・飯窪春菜の参加も予想できる
しかし、5人だけでライダーバトルが成り立つだろうか
他のメンバーが新たに参加する可能性も充分にあるだろう
「今回が初参加になるメンバーもいます。それが何人か、誰なのかは秘密です」
「えー、って事は……例えば道重さんがライダーかもしれないって事? ちょっと想像できんっちゃん……」
リーダーに対して失礼だ
しかし、番組や雑誌では運動音痴として扱われた事のある道重さゆみ
確かに、激しいライダーバトルをする姿を想像するのは難しいかもしれない
「メンバーカラーで当てはめてくと、おかしな事に……って言うか衣梨と香音ちゃん、あと優樹ちゃんも参加したら緑系ばっかやん。道重さんも参加したら聖とカブるし……どうなると?」
生田は質問することも忘れ、頭を悩ませ始めた
12
:
nOTRcORru
:2014/06/03(火) 17:59:15
『鎧武』に登場するロックシードは10種類以上ある
果実などをモチーフにしているが、全てのメンバーカラーを網羅している訳ではない
色だけでの特定は無理がある
「道重さんや里保の変身も見たい気もするけど……そもそもくどぅーは鎧武モチーフ? あーもー全然わからん!」
タチバナのライダーは単純な物ではない
過去に登場したライダーは、どれも変身者の個性を見事に反映させていた
それを理解しているが故に、生田は悩んでいるのだ
「時間もないので、質問はここまででよろしいでしょうか?」
白服の男は荷物をまとめ始めた
「あーっと最後に! 最強フォームはあるんですか?」
最強フォーム
それは条件付きで発動する特殊効果である
モチーフのライダーによって、本人の強化変身であったり相棒ライダーの召喚であったりと様々だが、バトルの流れを変える一手となる大事な要素だ
「ありません。与えられるロックシードは1人1個です」
しかし、今回は用意されていないらしい
ちなみに、最強フォームのないライダーバトルは今回が初めてとなる
13
:
nOTRcORru
:2014/06/03(火) 18:00:58
「質問はここまでです」
「ありがとうございました!」
白服の男は席を立った
「生田さんの活躍に期待します」
「ありがとうございます! ライダーバトル楽しみです!」
「では明日、よろしくお願いします」
「はい! こちらこそ……えぇっ!? ライダーバトルって明日なんですかっ!?」
生田は今日一番の大声で叫んだ
「落ちつけ、生田」
バトル開始まで、残り14時間
14
:
nOTRcORru
:2014/06/03(火) 18:08:08
>>9-13
Prologue 終わり。
楽しみにしていただける方がいる事が知れて力が湧きます。
板がなくなったのはスレの運命と思い消えるつもりでしたが、
「運命など知った事か!(byバロン)」と思い直し、書けるだけ書こうと思います。
15
:
名無し募集中。。。
:2014/06/03(火) 18:43:11
そりゃもう復活待ち遠しかったですよw
前回はふくちゃんの能力明かすところで止まってたんだっけ?
16
:
nOTRcORru
:2014/06/04(水) 17:29:17
【第1話 予告】
「これが、衣梨のロックシード?」
「変身!」
〝エリナアームズ 魔・ホウ・チャーシューメン!!〟
「個性反映……なるほど!」
「頑張って生田ー!」
第1話【変身!空から◯◯◯◯◯!?】
17
:
nOTRcORru
:2014/06/04(水) 17:34:37
>>16
予告でした。
そのお言葉、ありがたやー、です。
前回は譜久村さんが変身した時までだった気がしますが……記憶が曖昧です。
今は第4話を書いています(遅)
18
:
nOTRcORru
:2014/06/05(木) 23:06:07
第1話【変身!空から◯◯◯◯◯!?】
「ふわぁ……やっぱ4時起きはキツいったいね……」
口を押さえあくびをする生田
今回のライダーバトルは、午前6時に無人島で開始される
その為、移動時間を考慮し早起きをしていた
「まだ日が昇ってそんな経っとらんし……」
既に無人島に上陸しているが、スタート地点までは徒歩で移動しなければならなかった
体がまだ起きていない
頭もまだ起きていない
生田の足取りは普段の様に早くはなかった
「他の参加者も同じです」
「まあ、そうだと思いましたけど……ふわぁ……里保も参加しよったら道端で寝てそうっちゃん」
19
:
nOTRcORru
:2014/06/05(木) 23:06:51
生田は昨夜遅くまで『鎧武』のライダーについて調べていた
モチーフとなるライダーやロックシードの情報を集め、バトルの対策を練っていたのだ
しかし、ここまでの移動もスタート地点も別々の様だ
参加者全員を把握できていない
その上、自分が変身するライダーがどれをモチーフにしているかも不明
結局、確信が持てないまま今に至っている
「到着しました。ここが生田さんのスタート地点になります」
「チーム鎧武が踊ってたフリーステージやん!」
生田の目の前には『鎧武』に何度も登場した風景があった
ビートライダーズがダンスを披露したり、インベスゲームをしたあのステージだ
「データ収集には環境も重要なので、無人島は『鎧武』の世界が部分的に再現しています。クラック(=空間の裂け目)は起こりませんが、ヘルヘイムの森も再現されています」
「本当ですか!? めっちゃテンション上がってきましたよ!」
先ほどの眠気はどこへやら
生田の興奮は最高潮に達した様だ
思い返せば、ここまでの道中には街や工場などがあった
無人島に街や工場がある事に疑問を持たない程、生田は寝ぼけていた様だ
「バトル開始まで残り10分です」
「ついに始まるったいね。緊張してきたっちゃん……でも、それ以上にワクワクすると!」
「こちらをお渡しします」
20
:
nOTRcORru
:2014/06/05(木) 23:08:02
白服の男から渡されたのは、小さな刀が付いたバックル=戦獄ドライバーとフルーツの形をした南京錠型のアイテム=生田のロックシードだ
戦獄ドライバーは『鎧武』の戦極ドライバーと同じに見える
一方、ロックシードだが
「これが、衣梨奈のロックシード?」
形は『鎧武』の龍玄が使用するブドウロックシードと同じ
しかし、色が違う
「黄緑色やん」
ブドウロックシードの紫色が黄緑になっているのだ
「衣梨奈のイメージカラーの黄緑でぶどうの形やけん『マスカット』って事になるとかいな?」
「マスカットロックシードではありません」
「え? じゃあ一体……」
白服の男はサングラスを取り出し身に付けた
「変身して確かめてください」
「わかりました」
生田はロックシードを構える
21
:
nOTRcORru
:2014/06/05(木) 23:11:53
>>18-20
第1話 その1です。
以前に投下した内容とほぼ同じです。
22
:
名無し募集中。。。
:2014/06/05(木) 23:41:18
更新乙です
てか…読書俺だけなのか?wまだ気づいてない人多いんだろうなぁ
23
:
名無し募集中。。。
:2014/06/06(金) 15:45:51
今見つけた
期待してます
24
:
nOTRcORru
:2014/06/06(金) 18:52:53
「変身!」
解錠ボタンを押すと、ハンガーが開き音声が鳴った
〝エリナ!!〟
「え? 衣梨の名前?」
生田の頭上には、マスカットの様な物体が浮かんでいる
「そのロックシードは、生田さんの個性を反映させた『エリナロックシード』です」
「いや、あれ普通にマスカットじゃないですか……」
形はぶどう
色は生田、もといイメージカラーの黄緑と言う事なのだろうか
見た目は普通にマスカットだが
「変身したらわかるやろ!」
生田はロックシードをドライバーにセットし、ハンガーを閉じた
〝ロックオン!!〟
ドライバーから中華風のメロディが流れる
(今まではイクタとして戦ってきたと……でもきっと、ワンフォーの今は違うって事っちゃん。今年の衣梨奈は『でしゃばれ。生田』やけん……ガンガン行くけんね!)
生田は気合いを入れてカッティングブレードを倒した
25
:
nOTRcORru
:2014/06/06(金) 18:53:45
〝ハイーッ!〟
ロックシードが開くと同時に、マスカットの様な物体=エリナアームズが生田の所へ下りる
頭部に被さったアームズが展開する
〝エリナアームズ 魔・ホウ・チャーシューメン!!〟
龍玄にそっくりなライダーが現れた
「これが、衣梨の新しいライダーの姿……」
形は龍玄そのもの、だが
緑色は紫に、紫色は黄緑に変わっている
そして右手には銃が握られている
形はブドウ龍砲と同じ
こちらも紫色が黄緑に変わっている
生田の初期のイメージカラーの紫色
今のイメージカラーの黄緑
これが生田の個性を反映した結果、なのだろうか
「個性が反映されとるの、色だけっちゃね……」
生田は肩を落とした
気合いを入れて変身したが、モチーフの龍玄とほとんど変わらない
武器もブドウ龍砲とほぼ同じで、生田に関連のない多銃身ハンドガンである
肩透かしを食う生田だった
26
:
nOTRcORru
:2014/06/06(金) 18:54:37
「生田さん。間もなくライダーバトルが始まります。その前に、ひと仕事お願いします」
生田が落ち込んでいても、白服の男は全く意に介さない
「来ました」
「……え?」
白服の男は空を見上げている
生田もそれに倣う
「ギィエー!」
コウモリインベスが生田に向かって来る
「インベス! なんで!?」
地面を転がりながら避ける
「この島には複数のインベスが存在します」
「早く言ってくださいよ!」
上空に飛び上がったインベスは、旋回して再び生田に向かう
「この!」
生田は銃で反撃する
が、当たらない
27
:
nOTRcORru
:2014/06/06(金) 18:55:26
「こいつ、素早い!」
銃撃を避け急降下したインベスは、生田に体当たりをする
「うわっ!」
衝撃で転倒する生田
インベスは再び飛び上がった
「当たれ!」
何発も銃撃する生田
しかし、当てられない
「別に衣梨は射撃が得意な訳やなか! なんで武器が銃なん!?」
インベスが生田に向かって急降下し始めた
「まだバトルも始まってないのに……こんな所で!」
生田はハンドガンにあるブドウ(マスカット)のヘタに当たるパーツを引いた
龍玄のブドウ龍砲では、このパーツを引く事で強力な攻撃ができるのだ
しかし
「ええっ!?」
28
:
nOTRcORru
:2014/06/06(金) 19:00:20
>>24-27
第1話 その2です。
新規ご閲覧、ありがたやー。
掴んだ読者を離さない内容にしたいです。
目指せ、心の握手会。
29
:
nOTRcORru
:2014/06/07(土) 21:31:07
予想外の出来事が起こった
ハンドガンのグリップ部分が長ーく伸びたのだ
「これは……」
モチーフの龍玄にはないグリップの延長
ある事が生田の脳裏に浮かんだ
──『鎧武』に登場するライダーに、装着者に対応した改修(アレンジ)した場合のデータの収集
──そのロックシードは、生田さんの個性を反映させた『エリナロックシード』です
──〝エリナアームズ 魔・ホウ・チャーシューメン!!〟
「個性反映……なるほど!」
イクタの時もそうだった
自分らしく戦う事
自分の個性を信じる事
いつでも
どんな時でも
生田衣梨奈は、生田衣梨奈だ
たとえ、仮面ライダーに変身していても
「頑張って生田ー!」
「ギィエー!」
インベスが生田に迫る
30
:
nOTRcORru
:2014/06/07(土) 21:31:55
「衣梨奈は魔法が使える! やったらこれは魔法の杖やろ! やる事は1つ!」
生田はグリップが伸びた銃をインベスに向かってかざす
「ちちんぷいぷい魔法にかーかれ! わぁ、かかっちゃったー!」
「ギィエー!」
生田はインベスの体当たりを食らった
「あいたっ!」
転倒する生田
「魔法の杖じゃなかと!?」
そんな訳がない
「魔法使いはウィザードです」
白服の男は冷静に言った
「それは知ってますよー!」
「ギィエー!」
「うわ! また来よった!」
インベスの体当たりをハンドスプリングで避ける生田
銃撃は苦手でも身体能力は高い
防御に徹すれば避ける事は容易い
「魔法使いじゃなかったらなんやろ……そう言えば、龍玄は接近戦でブドウ龍砲を持ち替えてトンファーにしよった……ヒントにならんかいな?」
生田は改めてグリップの伸びたハンドガンを観察する
31
:
nOTRcORru
:2014/06/07(土) 21:32:50
「生田さん、間もなくライダーバトルが始まります」
白服の男はやはり冷静に言った
「そうやん! インベスに手こずっとったら、他のライダーにも勝てんっちゃん!」
白服の男の言葉で焦り出す生田、だが
「……ん?」
生田は昨日の事を思い出した
──男性を振りほどく腕力。やはりゴルフのアイドル=ゴルドルの名は伊達ではありませんね、生田衣梨奈さん
「……今度こそわかったっちゃん!」
生田はハンドガンを逆さにしてグリップの端を握る
「ロックシードの音声、魔法じゃなくて〝魔砲〟が正しい! そして〝チャーシューメン〟はゴルフのスイングのリズムで有名っちゃん!」
銃身を地面に近づけて構える姿はゴルファーそのもの
ついに生田は、自分らしく戦う方法を見つけた
ベルトのカッティングブレードを倒す
〝ハイーッ! エリナスカッシュ!〟
銃身の横に黄緑色のエネルギーが集まる
その形や大きさはゴルフボールと同じ
32
:
nOTRcORru
:2014/06/07(土) 21:33:49
「今度こそ……頑張って生田ー!」
インベスに向けて、渾身のスイングでエネルギーを打ち出す
エネルギーがインベスに向けて放たれる
「ギィィィエェェェェーッ!」
インベスは爆発し消滅した
「ふう……」
「お疲れ様です」
白服の男はやはり冷静だった
「いきなりインベスと戦うなんて……」
寝不足に突然の戦闘
慣れないライダーの力
さすがの生田も疲れた様子だ
「インベスはロックシードを狙って来ます。時にはバトルの妨害をすると思いますが、インベスを倒してもバトルの成績には影響ありません」
「そうなんですか!? めっちゃ頑張ったのに……」
「新しいライダー、新しいロックシードに慣れる為に戦う相手として活用してください」
戦う相手はライダーだけではない
島にいるインベスとも戦わなければならない
(厳しい戦いになりそうっちゃん。でも、これを乗り越えたらきっと衣梨は進化できるはずっちゃん。アイドルでもライダーでも、生田衣梨奈はでしゃばるったい!)
過去2度のライダーバトルで生田は成長した
今回も全力で挑み、きっと進化する事だろう
33
:
nOTRcORru
:2014/06/07(土) 21:34:57
「そう言えば、衣梨のライダーの名前はなんですか? もう変身したから教えてもらっても大丈夫ですよね?」
今回は参加するライダーのリストを貰っていない
その為、自分のライダーの名前をまだ知らないのだ
「仮面ライダー生玄(いくげん) エリナアームズです」
「……いくげん? ちょっと、語呂が悪くないですか?」
「母音はオリジナルの龍玄とほぼ同じです」
「えー……まあいいっちゃん」
とにかく今は休みたい生田
「生田さん」
しかし、そうもいかなかった
「ライダーバトル、開始から4分が経ちました。健闘を祈ります」
白服の男は、来た道を戻って行った
「は、え? もう始まってる!? 嘘やろ!」
バトル終了まで、残り13時間56分
34
:
nOTRcORru
:2014/06/07(土) 21:40:14
>>28-33
第1話【変身!空からマスカット!?】終わり。
『鎧武』が終わる前に、『イクタ』続編が始まる前に、
『鎧娘。'14』を終わらせたい、です。
35
:
名無し募集中。。。
:2014/06/07(土) 22:03:19
頑張って!鎧武終わるまでって…大丈夫か?w
イクタ続編はどうなんだろ?作者さんここ見てるのかね?
36
:
名無し募集中。。。
:2014/06/07(土) 22:36:16
今北
リゾスレで告知してくれた人ありがとん♪
37
:
名無し募集中。。。
:2014/06/08(日) 10:28:58
生玄w
38
:
nOTRcORru
:2014/06/08(日) 13:10:56
【第2話 予告】
「あれは……インベス?」
「……こうなったら、やるしかないよね!」
「やっぱりコワーイっ!」
〝玉砕ブロークン!!〟
「うおうっ!」
第2話【必殺!○○○キック!】
39
:
nOTRcORru
:2014/06/08(日) 13:16:34
>>38
予告でした。
自分も読んだりしているあのスレで、まさか告知をされるとは。
目が肥えた読者が増えるのは嬉しいやら苦しいやら。
それでも、マイペースに生田ー。
40
:
名無し募集中。。。
:2014/06/08(日) 14:01:13
おお!作者さんもあのスレに来てた訳ねw作品書いたりした事あるんです?
41
:
nOTRcORru
:2014/06/08(日) 22:18:45
生玄 エリナアームズ
http://illustmorning.com/uploader/src/upload2189.jpg
42
:
nOTRcORru
:2014/06/08(日) 22:20:54
>>41
変身直後
>>25
のイメージ画像です。
あのスレのお陰で『イクタ』の存在を知りました。
キックホッパー風な名前が登場した当時は、疑問符が頭頂部を直撃した記憶が有ります。
今では感謝の気持ちで、胸がフクムラミズキでいっぱいです。
43
:
名無し募集中。。。
:2014/06/08(日) 22:41:54
>>42
ゲンキックンホッパーねw
もしかして…俺がリンク貼ったやつだったりして?
44
:
nOTRcORru
:2014/06/09(月) 23:51:42
第2話【必殺!○○○キック!】
森に横たわる少女
「眠い……」
寝返りを打ちながらボヤくのは、鞘師里保
彼女は、今回のライダーバトルが初参加となる
「4時起きは早いよ……絶対ウチじゃなくても眠いでしょ……」
現在、午前6時14分
普段であれば、まだ眠っている事が多い時間である
しかし、眠っている場合ではない
ライダーバトルは始まっているのだ
「すぐに誰かに出会う事もないだろうし、もうちょっとだけ……」
やはり睡魔には勝てない鞘師
再び寝返りを打つ
と、ポケットから赤色の物体が転がり出る
「ロックシード……」
鞘師は赤色のロックシードを手に取る
「フルーツがモチーフって言ってたけど、こんな色あり得ないんじゃ……」
鞘師のロックシードも生田と同じく『鎧武』に登場したロックシードの色違いだ
しかし、今は色を気にしている場合ではなかった
45
:
nOTRcORru
:2014/06/09(月) 23:54:16
「ブルルッ!」
突然、声が聴こえた
「誰だよぅ、まだ眠いのに……」
早くもライダーと戦わなくてはならないのか
と、億劫な様子の鞘師
だが、現れたのはライダーではなかった
「あれは……インベス?」
見ると、大きな角を持ったシカインベスがいた
「ブルルッ!」
鞘師に向かって、いや
鞘師の持つロックシードに向かって行くシカインベス
「え、意外と素早い……」
突然の出来事に驚く鞘師
それでも、シカインベスの突進を簡単にかわした
寝ぼけていても、年始にOAされた寝起きコンサートの様にやる時はやる
それがモーニング娘。'14のメンバーなのだ
「……こうなったら、やるしかないよね!」
鞘師はロックシードを構えた
「変身!」
〝リホ!!〟
鞘師の頭上にリホアームズが現れた
──
46
:
nOTRcORru
:2014/06/10(火) 00:01:22
>>44-45
第2話 その1です。
2作目の『〜MOVIE大戦2013』はリンクからJAUPした記憶が有ります。
1作目は保管庫を見つけて読んだと記憶しています。
リンクも保管庫も新参にはありがたやー、です。
47
:
名無し募集中。。。
:2014/06/10(火) 00:11:06
保管庫は確かに助かるよねぇ〜MOVIE大戦2013は保管とされてないし新狼も落ちたままだから幻の作品になっちゃったな…
48
:
nOTRcORru
:2014/06/10(火) 22:05:44
──
約14時間前
鞘師は事務所の一室で、白服の男からライダーバトルの説明を受けていた
「……このライダーバトル、モーニング娘。'14の為になるんですよね?」
「資料にある通り、みなさんのパフォーマンス能力の向上が目的です」
「バトルとパフォーマンス……プレモニ。みたいな事ですか?」
プレモニ。とは、今年の2月に開催したファンクラブイベントの事である
ゲームを中心とした、メンバーもファンも大いに楽しんだイベントだった
「ライダーバトルの模様は非公開です。今回は秘密の特訓と言う位置付けになります」
「戦うって事ですよね? ケガとかは大丈夫なんですよね?」
「スーツは装着者の安全を最優先に作られています。これまでのライダーバトルで負傷者は1人もいません」
「だったら安心ですけど……」
もう一度資料を見る鞘師
ライダーバトルと言う唐突な仕事内容に戸惑いを隠せない
「変身、できるの? いやそれよりも……」
仮面ライダーに変身してメンバー同士で戦うと言われても、やはり普通は困るものだろう
「午前6時は早いなぁ……」
困る所が違った
49
:
nOTRcORru
:2014/06/10(火) 22:06:33
「これっていつ行われるんですか?」
「明日です」
「明日ですか、ええっ!?」
まるでメンバー追加オーディションの開催を知らされた時の様な驚き方だ
「急ですね……準備とかどうすれば良いんですか?」
「ライダーバトル初参加のメンバーには1時間のトライアル・タイムを設けています」
「トライアル・タイム……ですか?」
「ライダーバトル経験者との差を埋める為の措置です。今から鞘師さんにも移動してもらい、安全な場所で実際に変身してもらいます」
▼
50
:
nOTRcORru
:2014/06/10(火) 22:10:05
>>48-49
第2話 その2です。
ストックが無くなると困るので今回は短めに。
『〜MOVIE大戦2013』本編もですが、番外編も読み直したいですね。
51
:
名無し募集中。。。
:2014/06/10(火) 22:38:14
おぉっ復活しとったまた楽しみにしてますね
52
:
名無し募集中。。。
:2014/06/11(水) 14:11:23
>>48
困るところww
ちょっとツボです
53
:
nOTRcORru
:2014/06/11(水) 23:27:53
▼
白服の男に連れられ到着したのは、地下に造られた実験施設だった
「MVの撮影で使うスタジオみたい」
白で統一された壁と床
一方の壁側はカメラやモニター、計器が所狭しと並べられている
「鞘師さんのロックシードはこちらです」
白服の男から渡されたのは、戦獄ドライバーと赤色のロックシード
「え……この形って、パイナップル?」
「リホロックシードです」
「……パイナップルですよね?」
「リホロックシードです」
「赤いパイナップルですよね?」
「リホロックシードです」
「絶対パイナップルですよね?」
「リホロックシードです」
見た目は赤色のパインロックシードだ
「そちらのドライバーを腰に当ててください」
「これを、こうですか?」
白服の男に言われた通りに、戦獄ドライバーを腰に当てる
すると、黄色のベルトが現れ腰に巻きつきドライバーが固定された
「何これ凄い! 本当に変身できそう!」
あり得ない現象を目の当たりにして、変身する事の現実味が増した鞘師
54
:
nOTRcORru
:2014/06/11(水) 23:29:13
「ロックシードの横にあるボタンを押してください」
「はい!」
夢の様な出来事にテンションが上がってきた鞘師
中学校を卒業しても、子どもらしい無邪気さは卒業していない
ドヤ顏でリホロックシードを構え解錠した
〝リホ!!〟
「ん?」
天井からの照明が遮られた事に気付き、上を見上げた鞘師
「えっえっえっえっ? なになになに!? なんかあるなんかある!」
鞘師の頭上には赤色のパイナップル、リホアームズが浮かんでいた
「なんですかアレ!?」
「リホアームズです」
「ちょっとずつ落ちてきてませんか!? 怖いんですけど!」
「落ちます」
「えーっ!?」
鞘師は『鎧武』を見ていない
変身のプロセスを知らないのだ
頭上に得体の知れない物体が現れれば、それは恐怖以外の何物でもない
そして、物体が落ちて来ると言われて落ち着いてなどいられない
「頭から被るだけです。怪我はしません」
騒ぐ鞘師に対し、やはり冷静に話す白服の男
55
:
nOTRcORru
:2014/06/11(水) 23:30:30
「あんな高い所から落ちて来て頭から被るとか、そんなの怖いに決まってるじゃないですか!」
「ロックシードを固定してブレードで斬ってください」
白服の男は平然と言う
「うーん……」
鞘師はロックシードをドライバーにセットし、ハンガーを閉じた
〝ロックオン!!〟
ドライバーから和風のメロディが流れる
「……ホントに大丈夫ですよね?」
「はい」
「……もう!」
鞘師は思い切って、カッティングブレードを倒した
〝ソイヤッ!〟
リホアームズが落ちて来る
「やっぱりコワーイっ!」
鞘師は走り出し、リホアームズを避けてしまう
が、リホアームズは床にバウンドして鞘師の頭部に被さった
「うわっ!」
驚きの余り立ち止まる鞘師
アームズが展開し鎧武のパインアームズにそっくりなライダーが現れた
56
:
nOTRcORru
:2014/06/11(水) 23:34:48
>>53-55
第2話 その3です。
いらっしゃいませ。ご閲覧ありがたやー。
他にもツボが出せると良いのですが、マイペースに生田ー。
57
:
nOTRcORru
:2014/06/12(木) 23:57:31
〝リホアームズ 玉砕ブロークン!!〟
「はぁ……ビックリした」
「避けても必ず装着されます」
「先に言ってくださいよ!……って言うか、本当に変身した……」
形こそ鎧武のパインアームズ、だが
鎧武本体の金色は青に、パインアームズの金色は赤になっている
「仮面ライダー鞘武(さやむ)リホアームズです」
「さやむ?」
「鎧武(がいむ)をモチーフにした鞘師さんの仮面ライダーです」
「そう言えば……資料に個性を反映とかありましたけど、イメージカラーの赤色って事ですか?」
「それもありますが、武器にも個性が反映されています」
鞘武はいつの間にか握っていた武器を見る
「パイナップルとグリップ? ワイヤーで繋がってる……」
見た目はパインアームズの専用の武器=フレイルだが、例によって金色が赤くなっている
「もしかして、このトゲトゲのパイナップルで戦うんですか?」
「使い方は鞘師さんの自由です」
「自由って言われても……困ったな」
鞘師里保はアイドルでモーニング娘。'14である
当然、戦闘経験は一度もない
武器を自由に扱えと言われても困るのは当然だ
58
:
nOTRcORru
:2014/06/12(木) 23:58:56
「実戦で試してください」
白服の男は、サングラスをかけながら機材のある場所へ向かう
「実践ですか?」
白服の男は、数多く並ぶ機材の中から1つのスイッチを操作する
すると、白い床の一部がせり上がって来た
「うわ、凄い! あんな仕掛けがあるんですね」
「実際に戦ってもらいます」
「あ、そっちの〝じっせん〟ですか……ええっ!?」
せり上がった床の下から、1匹の初級インベスが現れた
「キキッ!」
「なんですかあれ? ちょっと可愛いかも」
「インベスです。戦って倒してください」
「そんな、いきなりですか!?」
初級インベスが鞘武に向かって行く
「キキッ!」
「えーっ!?」
鞘武は走り出し、初級インベスから逃げる
「来ないでーっ!」
「インベスはロックシードに寄って来ます」
「じゃあこれを渡せば……」
59
:
nOTRcORru
:2014/06/12(木) 23:59:49
ドライバーからロックシードを外そうとする
「インベスにロックシードを与えないでください。戦って倒してください」
鞘武は立ち止まる
「……これも、お仕事だもんね!」
振り返って、初級インベスに向けてパイン型フレイルを投げる
「行けーっ!」
しかし、フレイルは初級インベスには当たらず左に逸れていった
「ウチ、投げるの下手過ぎ……」
「キキッ!」
「うわわわっ! もう1回!」
鞘武は、グリップを引きワイヤーで繋がれたフレイルを手元に戻した
「あれ? この感じ……」
フレイルを手元に引き寄せる動作で、何かを感じた様子だ
「キキッ!」
じっくり考えている時間はない
初級インベスは、もう目の前に迫っている
鞘武は、グリップを握り締めた
「ウチの個性を活かすなら、この武器は……」
グリップを勢い良く前に向かって振る
60
:
nOTRcORru
:2014/06/13(金) 00:03:38
>>57-59
第2話 その4です。
第1話と比べて、第2話は長いですね。
ちなみに、鞘師さん一推しでは有りません。
でも、とてもチャーミングだと思います。
61
:
nOTRcORru
:2014/06/13(金) 19:56:35
鞘武 リホアームズ
http://illustmorning.com/uploader/src/upload2198.jpg
62
:
nOTRcORru
:2014/06/13(金) 19:59:14
>>61
イメージ画像です。
減る。ストック
63
:
名無し募集中。。。
:2014/06/13(金) 21:05:25
まぁ気長に書いて下さいな
ネタ切れになる前に本編終わっちゃいそうだけどw
64
:
名無し募集中。。。
:2014/06/13(金) 22:24:31
マイペースに完走目指して下さい
65
:
nOTRcORru
:2014/06/13(金) 23:59:35
「けん玉と同じじゃああああっ!」
引っ張られたフレイルが初級インベスに勢い良く激突する
「キキーッ!」
初級インベスは爆発した
鞘武は見事勝利した
「ひゃっほーいっ!」
鞘武は飛び上がって喜んでいる
「お疲れ様です」
白服の男が鞘武に近付く
「ありがとうございます!」
「使いこなせそうですか?」
白服の男は、鞘武が手にしている武器=リホケンダマを指し問い掛けた
「はい! ウチの特技のけん玉だと思えば、上手く使えそうです!」
「明日のバトル、頑張ってください」
披露する機会が少ない鞘師の特技、けん玉
個性反映に採用された事が余程嬉しいのだろう
仮面の下で鞘師は笑顔を弾けさせていた
66
:
nOTRcORru
:2014/06/14(土) 00:00:49
──
〝ソイヤッ! リホアームズ 玉砕ブロークン!!〟
「いっけー!」
鞘武は変身完了と同時にフレイルをシカインベスにぶつける
「ブルルッ!」
シカインベスはダメージを受けている様だが爆発はしなかった
「昨日のインベスよりも強いんだ。でも!」
鞘武は何度もフレイルをぶつける
「ブルルッ!」
「どんどん行くよ!」
リホケンダマを自在に振り回しシカインベスを追い詰める鞘武
「いい感じ!」
「ブルルッ!」
しかし、シカインベスは一瞬の隙をついて逃げ出す
「しまった!」
慌てて追い掛ける鞘武
その背後には──
67
:
nOTRcORru
:2014/06/14(土) 00:07:17
>>65-66
第2話 その5です。
はるの話なので、夏には終わらせたいです。
忘れられない様に、飽きられない様に、頑張ってい工藤ー。
68
:
名無し募集中。。。
:2014/06/14(土) 17:32:12
は、背後には?!
続きを楽しみにしてます
69
:
nOTRcORru
:2014/06/14(土) 22:08:06
▼
「追い詰めた!」
辿り着いたのは街の広場
これは鞘武にとっては、森よりも条件が良い
「さっきは木が邪魔だったけど、ここは思いっきり振り回せる!」
あれだけ圧倒していたにも関わらず、鞘武は全力で戦っていた訳ではない
障害物が少ない場所こそ、リホアームズが真価を発揮する
その証拠に、鞘師は先程よりも生き生きとしている
「えーいっ!」
「ブルルッ!」
シカインベスは防戦一方
鞘武の巧みなけん玉捌きの前に、手も足も出ない
「このまま一気に──」
止めを刺そうと構える鞘武と、何とか逃げようとするシカインベスの間に
突然ある物体が転がって来た
「赤いロックシード……イチゴ?」
思わぬ出来事に手が止まる鞘武
「ブルルッ!」
シカインベスはイチゴロックシードの元へ走る
「え、あ! インベスはロックシードに寄るって言ってた!」
鞘武も急いで走り出す、が
70
:
nOTRcORru
:2014/06/14(土) 22:09:17
「うおうっ!」
転けた
鞘師里保は、普段からよく転ける
道を歩いていても、コンサートでパフォーマンスをしていても、だ
「いったー……変身してても転けるんだ、ウチ……」
前日の説明にもあった通り、基本的には変身者の動きがそのままトレースされる仕様だ
欠点が改善されている訳ではない
「あ、ロックシードが取られちゃう!」
鞘武の言葉は現実となった
既にシカインベスはロックシードを手に取っていた
「奪い取らなきゃ!」
ようやく立ち上がる鞘武
しかし、予想もしなかった光景が飛び込んで来た
シカインベスがイチゴロックシードを取り込んだのだ
「え、食べた!?」
シカインベスの身体が、特に上半身と角が大きく変化した
「ブァァァァッ!」
「何これ!? お、おっきい……」
見上げなければならない程に変化したシカインベスは強化体となった
71
:
nOTRcORru
:2014/06/14(土) 22:10:47
「ブァァァァッ!」
「わっ!」
シカインベス(強化体)は大きさの割りに動きが俊敏だった
腕の一振りを受けた鞘武は、大きく飛ばされてしまった
「イタタタ……インベスにロックシードを与えちゃいけないって、こう言う事だったんだ」
よろめきながらも立ち上がる鞘武
その仮面の下には、シカインベス(強化体)を真っ直ぐ見つめる瞳があった
「お互いロックシードの力を使ってる。だから、勝敗はウチの戦い方次第って事だよね」
鞘武はドライバーのブレードを倒した
〝ソイヤッ! リホスカッシュ!〟
グリップを操りパイン型のフレイルをシカインベス(強化体)に向けて飛ばす
するとフレイルが膨らみ、シカインベス(強化体)の頭部に被さった
「ブァッ!?」
視界を塞がれたシカインベス(強化体)は動きを止めた
鞘武はグリップを引き、シカインベス(強化体)を引き寄せる
「ブァァッ!?」
体勢を崩したシカインベス(強化体)に向かって跳び上がる
右脚に赤い光=リホロックシードのエネルギーが集まった
「やあーっ!」
鞘武は蹴りの体勢になり、シカインベス(強化体)に突っ込む
「ブァッ!」
シカインベス(強化体)の腹部に大きな穴が開く
まさに輪切りにしたパイナップルの様だ
72
:
nOTRcORru
:2014/06/14(土) 22:11:57
「うおうっ!」
着地に失敗した鞘武は転倒した
「ブァァァァッ!」
シカインベス(強化体)は大爆発を起こした
「……やった、勝った! ひゃっほーいっ!」
ライダーバトル初参戦の鞘師里保
いきなりインベスの強化体と戦うも、見事白星を飾った
鎧武のパインアームズと違う、けん玉が得意な鞘師独自の戦い方が結果に繋がった様だ
「まさかけん玉がバトルに役立つなんてね。バトルが終わったらけん玉の練習しようかな。また披露する機会があるかもしれないし」
ライダーバトルが、自身を見つめ直す良い機会になった様だ
今年はモーニング娘。'14にとって勝負の年
このライダーバトルで、彼女達は一体どの様な進化をするのだろうか
「そう言えば、イチゴのロックシードはどこから転がって来たんだろう。あのロックシードも争奪戦の数に入るのかな?」
バトル終了まで、残り13時間14分
第2話【必殺!けん玉キック!】
73
:
nOTRcORru
:2014/06/14(土) 22:14:09
>>69-72
第2話 終わり。
は、背後には……?
74
:
nOTRcORru
:2014/06/15(日) 21:32:22
【第3話 予告】
「さっきからインベスとしか戦っとらんけん、ライダーと戦いたいっちゃん……」
「行くよ! 変身!」
〝クイーン オブ ドラム!!〟
「えりぽん。聖の新しいライダーはどう?」
「やっぱり……強い!」
第3話【衝撃!ライバルが◯◯◯に変身!?】
75
:
nOTRcORru
:2014/06/15(日) 21:35:06
>>74
予告でした。
早くクライマックスを書きたいです。
76
:
nOTRcORru
:2014/06/16(月) 23:31:01
第3話【衝撃!ライバルが◯◯◯に変身!?】
〝ハイーッ! エリナスカッシュ!〟
「行っけぇーっ!」
黄緑色の光弾が初級インベスに直撃する
「キキーッ!」
初級インベスは爆発した
「ふう、これで4匹倒したっちゃけど……」
生玄は変身を解除した
「初級インベスばっかやけん、楽勝なんやけど……さっきからインベスとしか戦っとらん」
ライダーバトル開始直後から、立て続けにインベスと戦っていた生田
他のライダーを探す為に移動していたのだが、インベスが勝手にやって来てしまう
しかし相手は初級インベス
生田にとっては弱過ぎる為、退屈しのぎにもならないらしい
「ヘルヘイムの森に誰かおらんかなって探したけど、出て来るのはインベスばっか。ライダーと戦いたいっちゃん……」
「えりぽん見つけた!」
「え!?」
77
:
nOTRcORru
:2014/06/16(月) 23:32:41
突然の声に驚く生田
声がした方を見ると
「聖!?」
譜久村聖がいた
「やっとメンバーに会えたよ。1時間位歩いたけど誰にも会わないんだもん。この島、結構広いね」
「直径14kmやけんね。でも、なんで衣梨がここにいるってわかったと?」
「えりぽんとはわかんなかったけど、戦ってる音がしたから」
「あーね」
インベスとの戦いは、ドライバーからの音声やインベスの鳴き声や爆発音などで騒がしくなる
譜久村はその音を聴き、ここに辿り着いたのだ
「まさか、一番最初に戦う相手が聖とは思わなかったと」
「聖も、えりぽんが初めての相手になるなんて思わなかったよ。でも、絶対に戦いたかったのもえりぽんなんだけどね」
「それは衣梨も同じやけんね」
このぽんぽんコンビは、最初のライダーバトルで戦う約束をしていた
いや、厳密に言えば約束ではない
譜久村が同期である生田と鈴木香音を自分が倒すと一方的に宣言し、後にそれを生田が受け入れたのだ
「思い返すと、聖と戦った事は1度もなかったっちゃん。今回も参加しとって、衣梨めっちゃ嬉しい!」
「聖も嬉しいよ、やっと勝負できるんだから!」
お互いにライバルと出会えてテンションが上がっている
「えりぽん。さあ、行こうか」
「勝負の時、やけんね」
78
:
nOTRcORru
:2014/06/16(月) 23:36:45
>>76-77
第3話 その1です。
エリキテル?
ミズキテル?
79
:
名無し募集中。。。
:2014/06/17(火) 00:42:33
次でやっと新狼落ちる前の話に追いつくのかな?
80
:
nOTRcORru
:2014/06/17(火) 21:11:38
生田はロックシードを取り出した
「えりぽんのロックシードはマスカットなんだ。じゃあ、ブドウのライダーがモチーフかな?」
「さすが聖。やっぱり『鎧武』について調べとったっちゃんね」
「もちろん! ライダーに詳しいえりぽんに追いつくには必要だからね」
(聖のライダーのモチーフはなんかいな……鎧武? それとも斬月? 色々調べたっちゃけど、ロックシードも目星がつかんかった)
ライダーバトルにおける生田のアドバンテージは、ライダーに関する知識の豊富さだ
過去にも、生田の知識により強敵を退けている事も多い
しかし、今回ばかりはその知識を発揮できていない様だ
「今回の聖は凄いんだから!」
(聖、めっちゃ強気やん……ドングリアームズのハンマーが太鼓の達人に繋がりそうっちゃ繋がりそうっちゃけど……)
譜久村は自信満々でロックシードを取り出した
いわゆる『キラーン』のポーズにキメ顔の状態だ
そして、その手にあるロックシードは
「マンゴー!?」
仮面ライダーバロンが派生形態として使用するマンゴーロックシードに似ていた
「行くよ! 変身!」
〝ミズキ!!〟
81
:
nOTRcORru
:2014/06/17(火) 21:12:56
譜久村の頭上に、マンゴーの形をしたミズキアームズが現れた
〝ロックオン!!〟
ドライバーから洋風のメロディが流れる
譜久村はカッティングブレードを倒した
〝カモンッ!〟
ミズキアームズが降下し譜久村に被さった
アームズが展開し、山吹色とホットピンクの鎧とマントになる
〝ミズキアームズ クイーン オブ ドラム!!〟
現れたのは、仮面ライダーバロン マンゴーアームズと同じだ
いや、生玄や鞘武と同じ様に色が違う
バロンでは赤色の部分が、譜久村のイメージカラーのホットピンクになっている
(バロンがモチーフ……でも、バナナじゃないったい。なんでやろ?)
マントをなびかせて佇むその姿は、自信に満ち溢れている
生田は、譜久村の手に握られた2本の棒付きマンゴーを見た
「……あーね。そう言う事ったい」
生田は納得した様だ
マンゴーアームズの武器=マンゴーパニッシャーと違い柄の長さが短い
さらに、数も2本に増えている
「えりぽん。聖の新しいライダーはどう?」
「カッコいいっちゃん。個性が太鼓の達人ってのは予想したっちゃけど……確かにマンゴーアームズがモチーフで合っとぉね」
82
:
nOTRcORru
:2014/06/17(火) 21:15:14
譜久村は太鼓の達人が得意だ
TV番組の対決では、コンサートでもお世話になっている某人気バンドのドラマーを撃破した程の実力である
ミズキアームズは、その個性を反映した様だ
「それだけじゃないよ。って言うかメインはこっち!」
譜久村は頭の横の飾りを指差す
マンゴーアームズの様に、兜の両脇には角が生えている
その角は、下を向いて弧を描く形になっているのだが
83
:
nOTRcORru
:2014/06/17(火) 21:18:21
>>80-82
第3話 その2です。
あと1回の書き込みで追いつくと思います。
新狼では第3話を書きながら書き込んでいたせいか、自分でも記憶が曖昧です。
84
:
名無し募集中。。。
:2014/06/17(火) 21:45:02
あれそうだっけ?じゃあ最後読む前に落ちたのかorz
まぁここからは未知の話…楽しみにしてるっす
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