したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

『スウィート・メモリーズ』ロールスレッド

1J ◆4J0Z/LKX/o:2016/09/10(土) 22:14:51 ID:???
遠い昔の話だ。劣等と優越は互いに惹かれあい、
しかし相容れぬ性質は互いにそれを狂わせた。

狂った優越は劣等を捨て、
狂った劣等は優越を求めて心を病んだ。

優越を追えば世界という壁が二人を阻み、
そして劣等は世界を敵に回す事を心に決めたのだ。

境界が形を失い世界が解放されるその時、
”世界の境界線”を巡る決戦が幕を開ける。

甘い記憶を呼び起こし、
心を重ね、解けよ。

亡きものたちを想え。
彼等を偲べ。

88第二章 『霊薬を求めて』:2017/01/28(土) 21:51:58 ID:???
「異種淘汰論者ァ?」

『あぁ、近頃人間、それもヘルゲンをルーツとするヘルゲン人(ヘルゲスティアン)を至上と考える連中が現れた』
『ヘルゲスティアンは体内の含有魔素(マナ)の量が他の種族と比べてかなり多いんだ。理由はよく分からないが』

ダグラスの運ばれた診療所にて、ジョシュアら越境者はあるものを手に入れる為、シェグムントと会合を開いていた。
ジョシュアの部隊の元指揮官であるダグラスの傷を癒すための霊薬の入手法である。
だが単刀直入に目的を伝えないのは彼の悪い癖である、態々遠回しに物事を説明し、直接的な物言いを嫌うのだ。
医者故の気遣いから来た職業病か、ゆえに話は大きく脱線し、この世界の背景にまで遡る。

ミスカ「それで……マナの多い種族、魔法に適応した種族である自分達こそが優れていると…そう主張しているんですね」
『ほう、ここらの情勢に詳しいようだね、ミスカさん』
ミスカ「私も……その、ヘルゲン人ですから……同じ民族として責任を感じています」

同じヘルゲン人であるミスカもまた、異種淘汰論者の話に耳を傾け聞き入っていた。
要約するとヘルゲスティアン以外は下等な生き物で、ヘルゲン人に管理されるべきであると。
この論理は大量の奴隷を生産する良い口実となるのだ。ゆえに地方の権力者から支持され、”彼ら”は声高でいられる。

『で、だ……彼を治すには霊樹の葉が必要なんだけど……その霊樹は交易品が出回っていないんだ』
『ここエスタ大陸に墜落した”天使の傷跡”…、ノザン大陸にある”悪魔の傷跡”と対をなす巨大なマナ結晶』
『その付近にしか生育しないその植物は、土地にマナの豊富なエリッタのみで採れる』
『だがその周辺には”龍鬼(ワーム)”と呼ばれる種族の里が広がっているんだ』

ようやく本題に入るが、エリッタの周囲には深い森が広がっており、その近くに巨大なマナ結晶が存在する。
エリシウムの中心に存在する”大魔力結晶”と同等の規模のものだ。大きさは全長数キロに達し、エスタのどこからでも目にすることができる。
ただ一つ大魔力結晶と異なる点として、天使の傷跡はいまだに”不安定”であり、膨大なマナとレジコン(放射線にも似たエネルギー)を放っている。
その所為で付近の生物や植生が変異を起こし、魔物と亜人の住まう宝石のように輝く森となっている。霊樹はその過程で生まれた植物である。
長い年月を掛けて放出された濃いミスト(空気中の魔素が凝固したもの)に遮断され霊樹の生息域までレジコンは届かないが、つまりそこには他の生物が存在するということ。
そこに住まうワームたちは人間と敵対関係に近い立ち位置の存在のようで、彼等との接触はあまり好ましいものではないらしい。

89第二章 『霊薬を求めて』:2017/01/28(土) 21:52:50 ID:???
「龍鬼達は人間を酷く嫌っている……先の異種淘汰論者達が龍鬼の里を焼き払ったからさ」
「本気の彼等に襲われたら人間などひとたまりもない、ワーム殺しの護符を手に入れる必要がある」

マナの濃い地区に生息するワームたちは魔術に長け、その才能だけで有ればヘルゲン人よりも遥かに魔術に適応している。
だが皮肉なことに、ワームたちは人ではない。ゆえに危険な存在として異種淘汰論者達から付け狙われることとなった。
今では滅多に人里に姿を見せず、元々長寿で生殖能力が低いという事もあってか、ミスカの時代には絶滅してしまった失われた種族である。
とはいえ個人の戦闘能力は極めて高く、魔法に対する耐性を手に入れる必要があるという事。

『レヴィ・ルビィ・ルイズという呪術師がこの里の離れに一週間ほど前から居ついている』
『呪術はマナとは正反対の”負のマナ”を扱う闇の術だ。魔法に対抗するならこれが一番』

『それに魔女がごまんといるこの大陸なら呪術を使ったって差別も排斥もされない。他の大陸とは法自体が異なるからね』
『だが彼女はなんというか……内向的でとても臆病なんだ、口説くときには気を付けてね』

「……あァ、分かった」

ジョシュアにとってその名は聞き覚えのある名だ、在る人物を思い起こして、僅かに眉を顰めた。
かつてエリュシオンにて越境者が討伐した”七つの大罪”の一角である”嫉妬のレヴィアタン”。
彼女の名こそ件の呪術師”レヴィ”そのものなのだから。

まぁここは過去のエリュシオン、どれだけ昔なのかは分からないが、間違いなくレヴィはまだジョシュア達と出会っていない。
顔を合わせたとて、いきなり襲われる事は無いだろう……多分。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板