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『スウィート・メモリーズ』ロールスレッド

334流星 ◆4J0Z/LKX/o:2019/05/26(日) 00:47:02 ID:???
「其処で合わせたい人も居るしな」
「老い、越境の力は失ったが……それでも君たちの友だ」

「トラックに乗れ、トリニティまで送ろう――」

ドクはそこで彼ら越境者に合わせたい人間がいると伝えた。なんでも反乱軍の指揮を執っている、いわば司令官なのだとか。
同時にその人物がいなければ、ドク諸共全ての戦力が屠られ、反撃の手立てが無くなっていたことも。
その司令官に合わせたいと進言するドクであったが、その言葉を遮るようにグレネードランチャーの曲射が何度か降り注いだ。スモークだ。

「ッ……敵か!?」
「おいドク、あれがアリスか?」

「違う、あれは……」

ニアの触手が届くより先、取り落とした銃を拾い上げて構えるジョシュア。
弟が死んだと聞かされ茫然自失としていたとはいえ、腐っても兵士である。そこらの切り替えはまだ出来ている。まだ。

煙の中、隊列を組みながら歩いてくる5体の人影。全く乱れない歩調のままスモークを突っ切り、其処から現れた姿は。
人のようでいてどこか異形のような人間離れした印象を漂わせる、白い仮面を付けた女の集団であった。

「SCRAMBLERだ」

ジョシュアの問いに否定の言葉。ドクは冷や汗を浮かべながらそう告げた。
スクランブラーとは異能妨害装置を持ち圧倒的な火力を誇る、異能を殺す為に作られた越境兵器。
ハイプリエステスに痛手を与え、あのロイ・ゴールドマンをして越境者など要らないのではないかと言わしめた殺戮機械である。
170cm程の、兵器としては小柄な体躯。あんな少女がそうだと言うのか。

335イムカ・グリムナー【最善への希求】:2019/05/26(日) 00:56:07 ID:???
>>333

「予想の範疇だよ。色々な筋道が全部ご破算だがな」

 OSATを教練したのも私兵化とHEXAとの交渉材料にしようという狙い。
 企業連介入戦争で活躍したのもこの世界での名声を得るため。
 全ての種は芽を出す事無く根こそぎに断たれてしまった。が、まだ手遅れではない。

「人工的なワールド・タイム・ゲートなりがあれば助かる。が、施設がいるのだな。道理だ」

 少しは勝利条件とそれに至るまでのプロセスが出来て来たか。
 とにもかくにも拠点は必要だ。案内されるとしよう。

「――大尉、腹を括っておけ」

 展開によっては元上官を、そしてニュクスを殺すことになる。

(何――慣れたものさ)

 握りすぎた手から血が滴っていたが…さしたる問題ではなかった。

>>328-332

「蜘蛛の糸どころの細さじゃあないが、一応のプロセスは出来たな」

 敵施設の奪取→既定時間軸への帰還。その間に世界崩壊級のドンパチと交戦可能性あり。

「事の他、単純だ。解りやすくていい」

 ホントーにこの政治将校の不遜な自信は何処から湧いている、であった。

336ニア・シューペリオリティ:2019/05/26(日) 00:58:04 ID:???
>>333-334
「……当面の目標が見えたってんですねっ」

力強く頷くニア、こうなればあとは駆け抜けるのみである
越境の秘めたる可能性を信じるのだ、願わくば気紛れな女神の加護のあらんことを
なれば早速移動開始、車に乗り込まんとした矢先の襲撃!

「っ……、」
「……敵は徒歩!?撒けないってんですかねっ!?」

戦構えを取りつつドクへ確認、月光を握り締める手にいつも以上に力が篭るのには全くの無自覚であった

337かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/05/26(日) 01:00:32 ID:???
>>334
アキレス「おけ それでよろs」
とまれ一緒に拠点まで その予定は早くもとん挫した

現れた小さな兵器 ロイが自分達の居場所を取られた気がすると言っていた兵器が複数

アキレス「あれは味方・・・じゃなさそうだね」
ドクの冷や汗からすべてを察する


アキレス「あれって・・・倒せるの?」
最終確認 だめなら逃げるしかない

338イムカ・グリムナー【最善への希求】:2019/05/26(日) 01:01:15 ID:???
>>334

「アレだな。ドロップポッド降下は単独でやるものではないな」

 目立ちすぎる登場だったゆえ、各方面の眼を思いっきり引いてしまったようだ。
 にしても、スモークを焚いて迫るということは敵か。

(ジョシュアの不肖の弟は殺され、戦力は限定的…そして、コレか。踏んだり蹴ったりとだな)

 しかし、思考とは別に態度は常通りの政治将校そのものであり、

「ドグ…これはスモークを焚いた君なりの歓迎会で彼女等は雇ったダンサーだったりするとうれしいのだがな?」

 暗に一応聞くが敵か?とたずねている。

339 ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/02(日) 22:01:32 ID:???
「ジョシュア・アーリントン……?」
「あぁ……越境者の残党ですか」

越境者の一行を見下ろす少女は、白い仮面の奥より光彩を煌めかせながらそう呟いた。
彼女こそS.T.(スクランブラー・タクティック)の隊長機であり、この部隊を指揮する存在である。

冷たい声色こそ機械的な印象を感じさせるが、それは合成音声などではなく完全なる人工声帯によって発されるモノ。
思考もシステマティックなものではなく越境者のように有機的であり、生き物特有の雑念や逡巡のようなものを内包している。

つまり彼女らはスクランブラーとはいえ、既存のホーネットやスコルピオのように完全なる機械ではない。
それよりももっと生物に近い、アーティフィシャルな生命体と兵器の中間なのだ

「本部に通達し、完全に息の根を止めるのも良いですが」
「その前に少し数を減らして、後続に楽をさせましょうか」

仮面の下に冷たい笑みを浮かべながら、隊長機は一歩前に踏み出て崖から飛び降りる。
越境者達と同じ土俵へと降り立てば、指揮下の4機もまた彼女に続いて降りてくるだろう。
体格は170cmと小柄ではあるが、それでもニアやタェンティースをベースとした対異能戦闘兵器と比べればかなりの大型であった。

「スクランブラー・タクティックC-444 Yvvyが略式処刑を執行します」
「……ので、抵抗しない方が宜しいかと」

イヴィーと名乗った彼女に続き、残りの4機もまた名乗りを上げる。
Cirie、Ka1dy、G3nie、H4ley……製造番号は当然として、それぞれ固有の名称と人格を持っているのだろう。
装備にも若干の違いがあるが、それより特筆すべきは彼女らそれぞれに個性や特徴が存在するということ。
既存の兵器を完全に凌駕するその有りようを見れば、世界を席巻したことにも納得できる。

340ニア・シューペリオリティ:2019/06/02(日) 22:11:01 ID:???
>>339
「ブシトーってんですかっ、別にお名前知っても嬉しくないってんですよ」
「……て言うか、そもそも覚えられないってんですそのお名前……」

肩を竦めてシニカルに応じ、月光を構える
タイドメイカーを細身に展開し尻尾めいて揺らし頃合いを計った
焼け尽きの睥睨をくれたままジリジリと間合いを詰め、裂帛の気迫と共に触腕で地を叩き加速を増して刺突撃一閃!

341イムカ・グリムナー【最善への希求:2019/06/02(日) 22:12:02 ID:???
>>339

「なるほど、敵か。ちょうど良かった」

 実のところ相手の口上は殆ど聞いてはいなかった。どうでもいいからだ。
 政治将校としての合理性によるものと己自身を騙しながら、イムカは歩を進める。

【決断的、常に決断的にあれ。だが、冷静ではあったろうか】

「略式処刑は政治将校の聖務だ。勝手に取り上げるな」

 無造作にホルスターから粒子短銃を二丁引き抜く。デュアルハンドスタイル。

 対異能だとか、何だとか、脅威度とか、今は心底どうでもいい。

「貴様らだな?少なくとも貴様等が紐付きだな?」

 スジャリと、朽ちた地面を軍用ブーツが踏みしめる。
 両腕のガントレットは紫電を走らせ、イムカの金糸の髪は僅かに揺らめいていた。

「私の留守中に勝手にズカズカ所領を踏み荒らし、挙句に私の兵士を皆殺しにしたのは貴様等の一党でいいんだな!」

 ドン!と地面を思いっきり踏みしめるイムカ。震脚!
 瞬間、衝撃波が撒き散らされ、大地が隆起し、そのままS.T達に襲い掛かった。

342かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/02(日) 22:15:34 ID:???
>>339
見下す彼女らの言葉に アキレスの顔が代わる

アキレス「残党? ハハハハハそんな言い方ないじゃん」
ニヘラと緊張感のない笑みを向ける

アキレス「そんなさぁ 物騒なこと言わない方がいいよほらカワイイお顔が台無しじゃんアハハハハハハハ・・・
     え? 何滑っちゃった? こぉれは失敬アハハハハハハハ・・・」

締まりのない笑み 少し ほんの少し腰を落とす

アキレス「もっとハッピーに生きようぜ? じゃないとイムカタンみたいな仏頂面になっちゃうよ?
     そんなんだから略式処刑とか言っちゃうんだってほら・・・デモンレッグ!!」

その瞬間足にたちこめる青き霧を纏い 決断的に突撃 

虚栄の極み 彼女らが並み居る越境者を殺して回ったのだ
もちろん自分なんかが逆立ちしたって勝てる相手じゃない

ダカラって 逃げていい理由にはならない

343ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/02(日) 22:16:11 ID:???
>>339
「残念、ソーマタージとクールファイブだ」
ズ、と一歩踏み出したソーマタージは、長身をもって更に見下すように軽く仰け反る。
声音からして、自我無き戦闘躯体でもなさそうだ。自立し思考し感情を持つ、どこぞのトンチキやニアなどと同じタイプの兵器。

「仲間想いだな、泣けるゼ。 だがそれはこのソーマタージも同じだ。───四肢をもぎ取れば、俺らが来る前にやられたってェ連中も溜飲が下がるだろうさ」
眉間を押さえ、涙を堪えるかのようなジェスチャー。流れるように一瞬の隙も迷いも無く腰のブレードに手を掛ければ、一気に引き抜いた。
カッターナイフめいた形状の黒き刃は、高周波振動により奇妙な音を奏でる。光を吸収し写さない刀身に、フラットな形状の酸素供給機に、引き締めた表情が隠れる。


「……ごめん、何だって?ここではリントの言葉で話せ。 ……いや、やっぱいい」
「チョーカッコいいスーパードゥーパーフェイタルサイボーグソーマタージが、お前らの一切合切を台無しにしてやるぜ。手始めに返り討ちにするところからだ」
威圧的に赤い瞳を光らせ踏み込む、飛び込む!サイボーグの脚力により砲弾めいて一気に接近、一体の身体を逆袈裟に斬り裂こうと、斜めにブレードを振り上げた!

344BB ◆AaNrqSY5ys:2019/06/02(日) 22:18:45 ID:???
>>339>>341
「有無を言わさず、ですか?」

イヴィーの宣告に構えをとる。
ブゥン…とコンバットスーツのフレーム部が淡く光る。

「おっと、珍しい…分からないではないですが」

踏み込もうとした横でイムカが跳んだ。
普段であれば後方で戦況を読み、効果的な一撃を繰り出す彼女が先陣を切った。
らしくないが…置かれた状況を鑑みれば理解は出来る。
自分にそう言ったものがないのは…

「今、考えるべきはソレじゃないな。サポートに徹する!」

サブマシンガンっぽい携行兵器が火を噴き、パララ、と乾いた音と共に銃弾を撒く。

345 ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/02(日) 22:35:15 ID:???
>>ALL
「おいドク、コイツらをここで相手してもいいのかよ……!?」

越境者一同の懸念が敵意へと昇華されるより先にジョシュアはドクへと疑問を投げかける。
越境者を壊滅させたS.T.達とここで刃を交えても良いものかと。

「下手にキャンプに招くよりも、ここで迎え撃つのが最善の手だ」
「それに……勝算はある」

しかしドクは交戦が最良の手段であるとジョシュアに伝え、ジョシュアも渋々それに同調。

「クソッタレ……ダグラス、お前の馬鹿力を見せてくれ」

「言われるまでも無いッ……!」

越境者の同時攻撃により散開したS.T.は、やがてそれぞれ越境者達に狙いを定めて再展開する。
アキレスとBB、イムカ、ニアとソーマ。それぞれに一体ずつが付きまとい、同時多発的に戦闘が勃発するだろう。
ジョシュアはエルミスとダグラスと合流することで、S.T.二体のターゲットを取ることに成功していた。
その隙にドクと兵士たちは撤退の準備を進めてゆくだろう。

>>340 >>343
「私達は二度も名前を名乗らない」
「よく覚えておきなさい、旧世代の出来損ない共……」

速攻剣士型のカルディ、両手に高周波双刀を構えて高圧的に振る舞う。
ソーマとニアの一撃を容易くいなし、そしてその挙動はある越境者に似通っている。
黒布を纏った半人半機、その迷いのない太刀筋に。
続けざまにカウンターとばかりに、二人へ目掛けバツ字のなぎ払いが放たれるだろう。

>>341
「ああそうさ、我々が劣った虫ケラ共を蹴散らした」
「だがそれが何だ、障害を排除することの何が非論理的だというのだ?」

隆起した大地を踏み台にし、上空へと跳ねたのは隊長機のイヴィーだった。
そのまま空中で一回転し、常にイムカへ身体の正面を維持しながら背後へと跳ぶだろう。
無論その際の攻撃も欠かさず、内蔵型の50口径機関砲がイムカの柔肌を食い破らんと放たれた。

>>342 >>344
「よく喋る敵と、気取り屋の敵……」
「どちらも好みではありませんが……仕方ない」

BBの発したサブマシンガンの銃弾を、肩にまとった瓦のような鎧が受け止めて赤熱する。
此方へ向けて駆けるアキレスとそれを援護するBBには、重武装型のヘイリーが相手になった。
両手に構えた外装型重機関砲は、スピンアップに時間がかかるものの破壊的な威力を秘める。
アキレスへと向けられたそれは、邪魔されなければ数秒後に破壊の嵐を吐き出すだろう。
常人のタフネスでは耐えることなど不可能というのは言うまでもない。

346BB ◆AaNrqSY5ys:2019/06/02(日) 22:43:09 ID:???
>>345
「心外です」

効果が薄いと判断した銃器を左手で格納。
流れるように右手で一振りの振動ナイフをホルスターから引き抜き一閃。
放たれる飛ぶ斬撃、弧を描いてヘイリーの真横へ。

直撃したところで如何ほどの損傷となるか不明だが最悪損害ゼロでも良し。
本命は瞬間転移でありアキレスがハチの巣にならないよう接近戦を試みる事!

「気取っているのではなく、騎士の振る舞いとご理解いただきたい、レディ?」

振動ナイフを振るいつつBBが行く!

347ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/02(日) 22:46:23 ID:???
>>345
「今まで黙っていたが、殺した相手の名前は分かる範囲でメモっておく事にしてるのよね。
 だから困ンだよ、手前ェの脳漿で地面にお絵描きしてからじゃ、名前書けねえじゃあねェか」
高圧的な態度にも臆する事なく、感情を必要以上に見出す事なく、ソーマタージは変わらず言葉を続ける。
その太刀筋は、近いものに覚えがあった。自分ではない自分、ソーマタージの残滓が語らった刃の対話、その相手のそれだ。
「手前ェが振舞っていいものじゃあねェンだよ───!」

いなされるブレード。振り上げた体勢は抜き胴にうってつけ。
酸素供給機の奥で舌打ちを漏らし、柄から手を離す、振り下ろす!


「セェアッッ!!」
一歩引き、肘をメテオストライクめいて叩き落とす!片脚の膝を振り上げる!
コートとその下のシャツ、薄皮一枚を斬り裂いていったブレードを、横合いからプレス機めいた白刃取りで抑え込む算段だ!続く攻撃を阻害するつもりだ!
ピンポン玉を用いたクレー射撃にも等しい精密性と反応速度を必要とするそれは、共に戦うもう一人に道を少しでも拓くため。成功するかは分からないが彼は賭けた。

「キルゼムオール!!」

348イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555:2019/06/02(日) 22:49:18 ID:???
>>344-345

 BBの支援射を受けながら震脚から滑るように接近を図るイムカ。

「マスタールーン、コード入力」

 疾駆しながらイムカは左腕を構える。

「知恵(ハンサ)、生命(セトナ)、信頼(アテユ)、勇気(ベト)、秩序(ケプラ)、至誠(ゲーボ)、
 創造(デミウル)、厳格(ゲルプ)、理性(スラビ)、節度(ヨンド)、調和(サガス)、結合(イエルメ)」

 当然イヴィーも動く。イムカの介護に回り込むかのような移動。が、

「遅い!!」

 50口径機関砲ならばイムカのリフラクターフィールドなどあっという間に貫いてしまうだろう。
 が、それは身体全体に張り巡らせているフィールドでマトモに受ければの話だ。

【イムカが紫水晶の目を見開くと同時にフィールドをピンポイントで集中。銃弾をピンポイントバリアで弾き飛ばす!】

「善良(アフレ)、解放(イマーゴ)、変化(エクズ)、幸運(イシュケ)、意思(ワラタ)、制約(ジオス)、公式(ロゴス)」

 錬金術かはしらんがコレを調整をした、あの年齢不詳の奇妙な女に感謝を――おかげで動いた!
 (>>348 BBが装備調整の際にイムカの支払いを肩代わりまでするハメになった舌禍事件である)

「リ・エグザイル起動!!」

 左腕のリングが分裂し。四つのリングとなってイムカの周囲にポジショニング。

【リ・エグザイル起動時の魔力爆発がアサルトフィールドとなってイヴィーに襲い掛かる】

349ニア・シューペリオリティ:2019/06/02(日) 22:50:26 ID:???
>>345
「旧世代って言いますかぁ、血脈が違うってんですよっ」
「ネアンデルタールとクロマニヨンみたいなっ?」
「……っ、っと……!」

ニアの挙動は極めて不自然に、高速に後退するものであった
タイドメイカーが地面を噛み、それを持ってして強引に背後へと引っ張ったのだ

「……こ、んのっ!!」

続け様に弾けるように全身、勢いを乗せた縦一門で叩き斬らんと!
そのまま触腕での叩きつけへと連続させる殴打を狙う!
半人のそれに似た剣技とあらば、対応の策には幾らでも手はある!

350かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/02(日) 22:52:21 ID:???
>>345
アキレス「あらそう? 実は俺もあんまりタイプじゃない☆」
―――ギィ★

腑抜けた笑みを絶やさずなおも接近しつつ ガンベルトからシェルを二発取り出し ソウドオフショットガンに装填

アキレス「こいつは・・・躱せまい!!」
トリガーを引き 炸裂音と共に飛び出る散弾…ではない

代わりに出てきたのは粘液質な液体 ペイント弾だ

続いてトリガーを引く 飛び出るペイント・・・ではない
こんどは散弾である

まずこけおどしを行い 続いて本命の散弾を叩き込む腹積もりである

そしてアキレスは なおも接近していく

351 ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/02(日) 23:04:29 ID:???
>>346 >>350
「ん……!」

側頭に着弾したペイント弾。ヘイリーは視覚センサーを保護するために目を瞑って顔を逸らす。
続け様に放たれる散弾はモロに浴びるものの、重装甲と距離に助けられ致命的なダメージは避けられた。
皮膚や装甲にめり込むものの、機能的なダメージは与えられていないようだ。

「アプローチこそ違えど、貴方がたはどちらも」
「私から見れば……気取り屋(スリック)」

虎視眈々と青い悪魔を狙っていたヘイリーであったが、近接戦を仕掛けられては無視もできまい。
舌打ち混じりにアキレスへと向けていた重機関砲をBBの対応へと宛てた。
機関砲そのものをバットのように振るいながら、トリガーを引いて三つの砲身を回転させる。
つまり振動ナイフを嫌い、その刃を砲身の回転で絡め取ろうとしているのだろう。
そしてそのような鈍器二つを振るうヘイリーの背中は、アキレスからすれば老女の如く隙だらけであろう。

>>347
「くっ…………」

軽装型のカルディは剣を振る速度には自信はあったが。それでも歴戦の魔術師の前ではその命を絶つには至らない。
肘と膝を用いた反則的白刃取りは、おそるべき膂力をもってして振動ブレードの脆弱な刃に亀裂を走らせるだろう。
力任せに引き抜くとすれば刃は中折れ、カルディは半ばほどまで残った薄刃をナイフのように振るい反撃。

「コイツら……!」

ノックバックしたニアの返しの一撃は体重を乗せた重厚なもの。
体格に見合わぬそれにブレードでの受けは余りにも軽い。
続けざまの打撃によって片膝をつく。

>>348
「何を……面妖なッ!」

50口径機関砲の射撃は発された魔力の奔流によって掻き消され、強いエネルギーの濁流がイヴィーを飲み込む。
通常であればこれで勝負が決する程に甚大なダメージを与え、生半な敵は辞世の句すら読ますことなく消し去ってしまうだろう。
だが、リ・エグザイルの波動はイヴィーに致命的なダメージを与えることはない。

「こんな攻撃はデータには無かった……」
「イムカ・グリムナー……この15年で何を……?」

装甲を焦がしながら立ち上がったイヴィーは、依然として動作を続行できている。
似たようなことが前にもあった。ハイプリエステスの渾身の魔法がホーネットへと放たれた時だ。
スクランブラーの本質は異能妨害であり、特に物理攻撃よりも高火力になりがちな魔法・異能効果の妨害に特化している。
遥歩のような火力の高い越境者が殺されたのも、そこに要因があるのだろう。
イヴィーは戸惑いながらも、ひしゃげた銃身を睨み物理ブレードを展開してイムカへ斬りかかった。

352ニア・シューペリオリティ:2019/06/02(日) 23:15:25 ID:???
>>351
「ナイス、ソーマ!!」

ニアの精神状態はフラットに近い
それは仲間達の大半を失ったとしても尚、希望の灯火をこころに宿し続けられているからである
現実を受け入れぬ蒙昧さとその鏡写し、コインの裏……途方も無いまでのプラス思考。希望へと歩み寄るモノ

「……剣筋が浅いってんですからねっ……」
「リーチの差はっ!!!」

月光を握る腕に触腕を巻き付け、外部強化筋肉めいて増膨!
針のように細く、光のように素早く……豹のように獰猛な!
導きの月の光の指し示す閃光に、縋るようにして放つ!

353イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555:2019/06/02(日) 23:16:36 ID:???
>>351

「サーボスカル。喰らわせるぞ」

 イムカのオーダーにサーボスカルはリ・エグザイル制御演算。
 この不可思議なるミスリルウェポンはイムカ単体でコントロールするのではない。
 サーボスカルというシステムとの合一により初めて戦闘手段となりえるのだ。

≪000011111010101≫

 ひとつのリングがイムカの銃口の側に、残りの3つはイヴィーの周囲に放たれる。

【BLAMBLAMBLAMBLAM!接敵の間に幾度も銃口より光が放たれるが、リングの輪を貫くことはない】

「イヤーッ!!」

 ドン!と震脚と共に大地に無数の亀裂が奔り、物理ブレードを黒旋棍で受け止めた!
 力と力の衝突。衝撃波が撒き散らされる!!パワーアシストが高負荷により紫電を奔らせる。

「私を知っているのか――だが、高速ビームの嵐だ」≪0000111101010101≫

 独立機動するリ・エグザイルより言葉とともにブラスターレーザーが次々に放たれる。
 転送・増幅されたそれは瞬く間にレーザーエネルギーを積算し、それらを一斉に解放したのだ。

【レーザーエネルギーの増幅遠隔射撃】

 おそらくは普段にイムカならばこうはしないだろう。
 より、安定して、より計算的に、より状況を俯瞰して戦っているはずだ。が、

【一斉射出される光熱エネルギーの波動は――まさで怒りの咆哮であった】

354ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/02(日) 23:18:55 ID:???
>>351
「来いッ!無駄な足掻きをしに!無様に命を散らしによォ!」
破砕した刃の破片を吹き飛ばして身構え、ソーマタージは吼える。酸素供給機が獰猛に蒸気を噴き出す!
埋まったリーチを塞ぐかのように踏み込めば、敵は残った部位をナイフの如く振るう。何の躊躇いも逡巡すらもなく、ソーマタージはその刃に手を伸ばした!餌を狙うウツボめいて!

ナイフの扱いなら慣れている。どのようにすれば良いのかも知っている。一度短い呼吸を終えると、鋭い眼は鈍化する主観時間の中、カルディの顔を睨んだ。
振るわれる折れた剣、その刃を摘み取ろうと手は伸びる。指圧で抑え込む腹積もりだ。先程のように砕く必要まではない、最悪指が丸ごと切断されようと、一瞬でも動きを抑え込めればそれで十分。

「さぁ期待のメンターソーマタージ、今まさにシュートを決めるッ!」
ニアの打撃に耐えきれず片膝をつくカルディ。彼女のその頭上から降りかかるのはわざとらしい声。この位置が『良い』。
反応を待つ事もせず、ソーマタージは勢いよく脚を引き、振り放つ!
セリエAのスター選手じみて流麗で、死神の鎌の様に無慈悲な蹴り上げが、特殊合金製の硬い爪先で顎先をカチ上げようと振り子めいて襲いかかる!
「頭が高いぜ───」

355BB ◆AaNrqSY5ys:2019/06/02(日) 23:19:00 ID:???
>>351
「煌剣…」

ナイフが砲身とかち合い火花が散る。
手持ちであり固定されている訳でもないナイフは絡め取られあらぬ方向へと飛んでいく。

ただし、そのナイフはBBの念力によって間髪入れず砲身に突っ込む軌道を描く!
それで片方の砲身の回転でも阻害できれば御の字だ。

更には弾き飛ばされた右手の得物だけで勝負するつもりはない。
ナイフが砲身へと突っ込む最中、
左手に携えたのは一見すると矢鱈メカメカしい懐中電灯。
イムカの支払いを肩代わりまでするハメになった舌禍事件で
BBが調整、と言うよりもアップグレードしたビームブレードである。

「クラウソラス!!」

下から上へ掬い上げる様に虹色の光が一閃する。
単純な物理防御機構ではコレを防ぐのは困難だ!!

356かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/02(日) 23:22:00 ID:???
>>351
アキレス「だったら・・・何だってんだよ!!」
敵が隙を晒す 繊細一隅のチャンス

アキレス「粉砕しろ!! ファイブ・フィンガー・デス・パンチ!!」
その言葉と共に全身から青き霧が出て形を作る

青き霧の巨人と化した霧は大きく両の拳を振り上げ
叩き潰すかのように拳を振り下ろした

357 ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/02(日) 23:41:01 ID:???
>>352 >>354
「う、嘘だ……ッ」

触腕を外付けの筋肉として剣を振るうニアの一撃により、反対側の剣も儚く折れるだろう。
首筋にめり込んだそれを受け止めるべく、カルディは剣から手を離して月光を握りしめる。
圧倒的な膂力はニアのそれと拮抗し、けれど徐々に力負けし食い込んでゆく。

「越境者がこれほどなんて、聞かされていなかっ――」

その頭をカチ上げるソーマの蹴りにより、断頭は執行された。
ゴロリと転がる首の断面はみっちりと人工筋肉とファイバーケーブル、そして鋼鉄製の骨格が詰まっており。
溢れるホワイトブラッドがそうさせるのか……それはどことなく、人間の首の断面に類似していた。

>>355-356
「がっ……!?」

背後より繰り出されたアキレスの奥義は、重装備のヘイリーを容易く叩き潰し、その下半身を動作不能へと陥らせる。
うつ伏せたままでもがきながら、やっとのことで上半身を起こすも、二人の越境者を前に、その隙はあまりにも大きい。
そしてBBの放った閃光の剣尖が地面を切り裂きながら迫り、ヘイリーの肉体を逆袈裟の軌道で通り過ぎるのだった。

「ああ、これだから……」
「気取り屋は、嫌いなんです……」

ずるりと両断された体が崩れ落ち、どくどくとホワイトブラッドが漏れる。
溢れ出した内臓は構造や材質こそ違えど、人間のそれに近しく。
彼女らがどれだけ人間を模倣した存在であるかが浮き彫りとなるだろう。

>>353
「……我らでは力不足、ということですか……」

迫り来る破滅の閃光を目前に、イヴィーは絶望に似た感情を覚えていた。
自分では太刀打ちができないという現実感と、こんな恐ろしい存在が15年の時を経て帰ってきたという実感。
彼女が稼働して7年になるが、これが初めての越境者との戦闘である。
そして彼女の生の終わりも、奇しくもこの日であった。

「まぁ、いい……データは全て転送済み。Yvvyの役目はここまでです」
「Allie姉様、後は……頼みました」

破戒の奔流の中で朽ちてゆく己の身体を眺めながら、イヴィーは最後の力でデータを送信した。
越境者が現れたこと、ドクが彼らを回収したこと。そしてその行く先も。
戦闘単位としての己の役目は全うできたと、抗うことなく目を瞑り。
そのままイヴィーは意識を絶った。

>>ALL
「終わったか……」

STが死に絶えれば、マスタングの影から汗を浮かべたドクが現れる。
勝算はあるとは口にした手前弱気なことは言えなかったが、しかし本当に倒してしまうとは、といった表情だ。
正直この程度の敵に苦しめられているようでは、この世界の滅亡も棒読みと判断して妥当そうではあるが。
それにしても越境者が完全に排除された世界の武力水準とは、絶望的に低下しているものだ。

「オイ、ドク……こんなのが本当に越境者を皆殺しにしたってのか?」
「なんつーか、すげェ……フツーだったんだが」

二体のSTを始末したジョシュアらも戻ってくる。異口同音に述べるのはSTの戦闘力と、越境者が彼女らに全滅させられたとは思えないという懐疑の念だった。

「……それもそうだろう、彼女らは『100番台』だ」
「乗れ、トリニティへ送ろう」

しかしドクは取り乱すことなく、マスタングの扉を開けるとその中へ兵士を乗せて。
自らは機械の触手を用いてトラックへと乗り込むと、越境者達に荷台に乗るよう促すのであった。
行き先はトリニティ教会。今ではキャンプ・トリニティと形容する方が正しいだろう。
いずれにせよ、レジスタンスの本拠である。

358ニア・シューペリオリティ:2019/06/02(日) 23:49:08 ID:???
>>357
「……ふぅっ……!」

大きく短い吐息、ひとつ分で常人の一時間分以上の空気のやり取りを完了させる
白く煙るそれは即座に宙に霧散して消えて、月光を鞘に納めた

「ドク、これは持ち帰っても大丈夫なやつだってんですかねっ?」

対峙した相手の残骸を示してニア
役に立つのならば利用しない手はないが、しかしGPS的なモノがあるのならば話は別だ
ともあれ指示に従って車に乗り込み、キャンプへと向かうであろう

「……何番台になると厄介だってんです?」

359BB ◆AaNrqSY5ys:2019/06/02(日) 23:53:16 ID:???
>>357
「…割と熱くなってましたか」

アキレスが下した一撃で勝負は決まっていた感があり自身の追い打ちは不本意であったBB。
どの口で騎士道とほざいた?と内心で自身を叱責する。

「戦士であったとは言え女子供を斬るのは如何にも慣れません」

屠ったヘイリーを時間があるなら埋葬なりなんなりして荷台へと乗り込むだろう。

「100番台…と言うことは最低でも後100体は女性を斬る訳で?
 なんでこう、もっと金属製の骸骨やメカメカしい感じの武骨な奴が相手じゃないんですか」

仮にただの模倣であったとしても、人間味溢れるモノを斬るのは気が滅入る。
ヤアヤア我こそは、と我が道を死ぬ事と見つけたモノノフの方が未だ戦いやすい。

360ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/02(日) 23:55:07 ID:???
>>357
「強烈なキック、マイクタイソンもビックリ。奥様もウットリ。おっと死体蹴りしちゃう?スポーツマンシップの欠片も無い!」
蹴り千切られる頭部。断面を晒すそれには目もくれず、ソーマタージは硬く鋭い靴底で、残った身体を執拗に踏みつけようと脚を振り上げる。
細めた眼に宿るのは、明確な怒り。何事も無いのならば、噴出しかかったそれを鎮めようとするかのように、尊厳を無視した死体蹴りは決行されるだろう。

「オイオイ、自分で“勝算はある!”なーんてモンモンみてーな事言ったんだろ?何意外そうなシケ面してンだよ」
戦闘が終われば、荒涼とした大地にブーツを擦り付けて血を落としながらドクの下へ。
促されるままトラックに乗れば、そこでやっと彼は酸素供給機を外した。最近では珍しく、そこまで消耗しない戦いだった。


「戦った感じ、お前さンらの話ぶりからして、奴等は下っ端の下っ端ってところか。 そのくせしてあんなに自信満々のヤリマンだったの?誰に似たんだ?」
ジョシュアらの指摘も頷ける。ただの兵士の一人二人ならまだしも、並み居る越境者をも殲滅するには、彼女らでは力不足もいいところだろう。
となると考えられるのは、あれはあくまで下位の戦闘員。本当に強いのはまだまだ控えているという事。

「いいね、俺フォールアウト4は毎回レールロードだけは殲滅してたんだが、丸っきりあいつらじゃねーか。 着いたら起こしてチョンマゲ」
まあ詳しい話は目的地、レジスタンスの誰かがドクが話してくれるだろう。
トラックに揺られて『ドナドナドーナー』と小さく口遊みながら、ソーマタージはブレードの収められた鞘を抱えて目を閉じた。

361かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/02(日) 23:56:21 ID:???
>>359
アキレス「YES!! どうだクソッタレ!!」
―――ギィ!!

どや顔ダブル中指おったてで沈黙する敵を徴発
ベティもどうだすごいだろーと言わんばかりにハサミを振り上げた

であるがなんとまぁ聞くところによると 今しがた倒した相手は特に弱い部類らしいじゃないですか

アキレス「うへぇ マジかよ・・・まぁいいや逃げんべ」
ということでさっさと拠点に向かいましょう

362イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555:2019/06/02(日) 23:59:33 ID:???
>>357

「………」

 消滅する敵対者に一切の感慨は無し。金糸の髪を外套のように翻し、残心する。
 既に周囲も決着がついたようだ。流石に皆、やる。

「極力、戦いに感情は乗せない主義なのだがな。まったく」

 それ以上は言わずにイムカはドカっと荷台に乗り込む。とっても偉そうなのはいつものこと。

「旧式ほど性能が高い?つまりは膨大なリソースを投入した個体がいるということか」

 あのイヴィーだかの末期の台詞がそれか。と当たりを付けるイムカ。
 先程は久方振りに一己の兵士…かつての選抜歩兵時代のような戦い方をしてしまった。
 内心、反省し自重せねばならぬところだろう。

「では、ドグ。案内せよ」

 しかして、吹き荒れる嵐のような内面は兎も角、行動態度その他モロモロはいつものイムカである。

【全くもって、傲岸不遜が独立歩行しているような物言いであった】

>>358

「随分とハードな状況だな。前のタコ料理の時とはエライ違いだ」

 と、だってんですタコの話をする。タェンティースといいしばらくはこれでからかうのがブームだ!(謎)

>>359

「あの魔女、随分と腕がいい。高いマネーを払った甲斐があった」

 飴をやろう。と、BBの掌に蜜柑キャンディを投下。

>>360

≪00011111010101≫

 寝ているソーマタージの側で電力が欲しくなったサーボスカルがケーブル伸ばしたとかなんとか。

>>361

「品性に欠ける」

 ペチンと勝利のポーズキメ!なアキレスにチョップ。
 でも二人とも頑張ったので、飴をやろう。とソーダキャンディをぽいっちょ。

363BB ◆AaNrqSY5ys:2019/06/03(月) 00:02:50 ID:???
>>362
「お互いそれで命を拾った感じですか…彼女らも無事だといいんですがね」

飴を手に短い時間感傷に浸るBB。
まあおそらく生きてはいまい、此処はそういう世界なのだろうから。

364 ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/03(月) 00:06:37 ID:???
>>ALL
「S.T.は私が開発していた対異能戦闘兵器……MMBDF(多目的戦場支配機兵)の完成形」
「君らのうちの数人は、過去にそのプロトタイプと戦った事があるはずだ」

トラックの荷台で揺られながら、ドクは越境者らへと語り掛ける。
彼はHEXAの兵器開発部の主任であり、各種スクランブラーの開発、およびニュクスの調整にも関わっていた。
つまり今の人類種の天敵は、彼の智慧により生み出されたといっても過言ではないのだ。
故に越境者の力が上回った事に驚きつつ、ドクは彼らに知る限りの情報を与える。

「S.T.には序列がある……君らが倒したのは、越境者の殲滅が完了後に製造された『100番台』」

「越境者を滅ぼすことに念頭を置いて設計された『10番台』は、生産性こそ悪いがタェンティースのような手練れの越境者と同等の性能を持つ」
「そして製造番号0〜9までの『1番台』は、超高性能の初期ロット……一人一人が、ハイプリエステスと互角の力を持っている」

STの性能は製造番号に依存し、オーバースペック気味であった1番台を筆頭に最適化が行われてきた。
つまり0〜9を最上位に、10〜99、100〜といった風にデチューンが繰り返されているのだという。
ちなみに製造番号0番は試作機の「アンティー・ドット」。過去に実地試験と称して越境者が戦った相手でもある。
MMBDF計画が頓挫したことにより彼女は廃棄処分されたが、そのノウハウはこうして引き継がれていたようだ。

「……君、ヘイリーの埋葬をしてくれてありがとう」
「彼のように怒り狂うのも分かるが……あれでも彼女らは、私の娘のようなものなのだよ」

追撃を悔やんでいる様子のBBに、慰め代わりになるかは分からないが埋葬への礼を告げる。
彼女らは手塩にかけて生み出したアンティー・ドットの娘達だ。離反したとはいえ、ぞんざいな扱いは心が痛むものだ。
ソーマのように怒りに身を任せ足蹴にする感情もわかるが、それでも弔ってくれたBBへドクは感謝の意を示すだろう。

「……帰ってきたんだな」

次第に街並みが面影を見せ始め、廃ビル群が立ち並ぶ都市部へと越境者は到達する。
ボストンの風景を思い出し、ジョシュアは思わず口を開いてしまった。
決して口にすまいと決めていた、郷愁の思いを。
たとえ滅んでしまったとはいえ、ここはジョシュアが生まれ育った街なのだ。

365ニア・シューペリオリティ:2019/06/03(月) 00:17:27 ID:???
>>364
「……いちお、ニアも似たようなものだってんですからねぇ」

ニアは越境者ではあるが、同時に対異能戦闘用の兵器である
兵器と兵器の戦闘であるならば成る程カタログ上は多くの場合新鋭側に有利が運ぶであろうが、生憎と実戦ではそうではない

「……ああ、タコ焼き食べ損ねたのが今になって惜しまれるってんです」

イムカのからかいに苦笑、きっと叶わないであろう色彩溢れる食への渇望が鎌首を擡げた
ともあれボストン、かつての自由の象徴の街

366イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555:2019/06/03(月) 00:19:08 ID:???
>>364

「意図せぬ暴走でもしたのか。技術者のお定まりだな」

 説明を聞いたが別段ドグをどうこうする気はない。無意味であるからだ。
 そして、ワールドタイムゲートの確保には彼が必要。馬車馬ように働いてもらわねば。

「かまわんさ。この類の脅威査定も神なりし皇帝陛下の…いや――」

 途中で言葉を止めた。認めねばならない。誤魔化すのはヤメだ。

(これは私の、イムカ・ラヴィニス・ヴァール・ウル・グリムナーの戦いだ)

 ギュっと拳を握りしめながら述懐する。するとボストンが見えていた。
 バカ騒ぎをし、、世話をやり、手塩にかけ、時には守り切ったはずの都市の現状の有様。

「…寒いな。まったく」

 凍えそうだ。と、イムカは挑むように崩壊した都市を睨みつけるのだった。

367ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/03(月) 00:19:56 ID:???
>>364
「聴こえてるよ〜ん。 これで何のかんの言うんだったら、まずはお前の舌を引き千切ってたところだった」
伸ばされたサーボスカルのケーブルを固結びにしようとしながら、パチリと片目だけ開けると、ドクの言葉に鼻を鳴らす。
その言葉通り、説明はしっかり聴こえていた。半人と同等の戦士が何十人も敵に回っているというのはあまり想像したくないが、事実なのだ。

「芹沢博士といいお前といい、科学者は何で厄ネタと分かった時点で研究をやめて、素直に灰にしないんだ」


「ホーム、スウィートホーム。……この分じゃ、世界中ダメだろうな」
ジョシュアの言葉を受けて両目を開けば、廃墟を眺めて皮肉げに呟く。
セーフハウスも、いつぞやに参加した軍人共の集まりも、公園も、ボトルシップを浮かべようとしたら沈めてしまった川も、何もかもが瓦礫に早変わりだ。
荒んだ心は感傷も何もなく、ただいつも通りに空っ風が吹き抜けるだけだが、それでも慣れたわけではない。自分が過ごしていた事もある土地なら尚更だ。

「ただ春の夜の夢の如し……ってな」

368かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/03(月) 00:22:25 ID:???
>>362
アキレス「ヘミン あ アザース」
ポコタンとチョップを落とされ ついでにソーダキャンディを頂くアキレス
早速包み紙を解いて口の中に放り込む 

とにかくカロリー消費の激しい異能 こういう差し入れ大歓迎であった

>>364
アキレス「ティースタンレベルが20体とか考えたくありません」

道中で聞いた説明には露骨に嫌な顔
そりゃそうだ そんなヤバスな生き物を相手にしなきゃいけないのだ おまけに自分は戦闘タイプじゃないというのに

そんなこんなで戻ってまいりましたボストンの街並み

アキレス「ねぇ ジョッシュのセーフハウスってまだあるのかね?」
と質問してみるテスト

369BB ◆AaNrqSY5ys:2019/06/03(月) 00:24:32 ID:???
>>364
「いえ、私は…自分の道を通しただけですから」

後悔こそすれ対峙すれば又同じように斬る事になるのだろう。
手心を加えて自分が痛い目を見るのはいい。
だが周囲の者達にまで被害が及ぶような甘さでは駄目だ。

「嗚呼…気が滅入りそうだ」

荒廃した世界を見つめ、空想と現実のギャップに早々に負けそうなBBだった。

370 ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/03(月) 00:43:47 ID:???
>>365
「……越境者だ」
「ジョシュアだぞ……」
「今更何を……」

トラックの荷台に時折投げ掛けられる、ひそひそとした怨嗟のつぶやき。
トリニティが近づけばレジスタンスの兵士たちもまばらに見かけられるようになってくる。

難民や警備兵らしき人物も多く、STはただ人類を無差別に虐殺しているわけではないと知れるだろう。
体制を破壊し、武力を奪い、骨抜きになった市民を飼い殺しにしているのだ。
だからこそ、希望をもたらす越境者とやらはタチが悪い。

「これを終わらせて……死ぬまでタコ食おう」

願望を漏らすニアに、ジョシュアはにこやかに返した。

>>366
「オメガに権限を掌握されたのだ……フン、よくある話だ」

自嘲めいた笑みを浮かべながらドクはそう告げ、そして過去に思いを馳せる。
あの時アンティーを匿っていれば、研究を辞めていれば何か変わっていたのだろうかと。

「…………」

実際の温度か、それとも凍て付く孤独と破滅の寒風がその心を打つのか。
凍えそうなイムカの握り拳を解くように、そっとジョシュアの手が重なる。
眠りにつく前のあの時。繋げなかった手はイムカの寒さを癒せるだろうか。拒まなければそのまま彼女の指とジョシュアのそれが絡められるだろう。
滅びた故郷を見つめる彼の指先は、きっとまだ希望を失わず暖かい。

>>367
「私の舌を抜くより先に、オメガの二枚舌を抜くべきだろう」
「その後は好きにすればいいさ」

ソーマの反抗的な態度の理由も理解できる。ゆえにドクは彼を咎めることはしない。
けれどその怒りの矛先は、出来るならばこの破滅をもたらした張本人へと向けてほしいものだ。
この哀れな老い先短い老人には、まだやるべき事が残っているのだから。

「ああ……だがまだ希望はある」

滅びを迎えたとしてもそれで終わりではない。
その先も永遠に戦いは続くとジョシュアは言う。
世界を超える者たちにできることは、その苦しみをできるだけ早く終わらせることだ。
そのために皆、境界線を渡る者としてこれまで遣わされてきたのだから。

>>368
「ああ……考えたくなかったよ、我々もな」

しかし直面した以上は受け入れざるを得なかった。否が応でもだ。
この滅びたボストンがそれを今でも想起させるのだ。
多くの越境者が死に、少ない生き残りも捕らえられ、今では彼らが最後だ。

「さァな……今度行ってみるか?」
「案外まだ残ってたりしてな」

アキレスの素朴な質問にジョシュアは楽観的に返す。
酒でも残ってたら重畳だ、などと呑気に構えながら。

>>369
「謙虚だな」
「それでも……感謝するよ、スリック」

死んだヘイリーの真似をして、ドクはBBに笑みを向けた。
何年ぶりか、愛想笑いであってもこの表情を作るのは本当に久しぶりだった。

「そんな君達には、前に言った通り旧友に再開してもらわねばな」
「少しは元気が出るだろう……」

「……ハイプリエステスに謁見だ。通せ」

キャンプ・トリニティの門へとたどり着けば、ドクは警備に顔を見せて中に入れろと急かす。
越境者の顔ぶれには驚いたようだが、門番は彼らを通し、荘厳な教会の扉の前でトラックは静止した。
明け放れた扉の奥、椅子に腰掛けているのはフードをかぶった明るい髪の女。
左腕を黒檀の義手に変えた……ミスカの姿であった。

371ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/03(月) 00:50:39 ID:???
>>370
「計三枚か。いらね」
嫌味ったらしく言いながらも、矛は収める。元より、本気で彼を今すぐどうにかするつもりは無いのだから。
ジョシュアの言葉に厳かに頷いていると、どうやら到着したらしい。顕現した地獄を終わらせる第一歩を踏み出すため、ソーマタージはのっそりとトラックから降りた。
「スカイリムのオープニングか?」


「ハイプリエステス……?」
鸚鵡返しに口の中で反芻する。その名を聞くのはもう何度目だろうか。
ドクの方を振り向くが、問い詰めてるタイミングはもう過ぎたらしい。開かれた扉の方を向けば、あの時手が届かなかった彼女が、あの時始末した筈の彼女がそこには居た。

「……一旦休憩にしよっか。CMタイムと思って」

372ニア・シューペリオリティ:2019/06/03(月) 00:56:02 ID:???
>>370
「……」

殺到する視線には鼻息を鳴らし一蹴に伏す
希望を掴むために足掻く事を辞した者達の、生きていない者達の声になど何の感慨ももたらす事は皆無である

「……言うてニアは」
「タコよりイカの方が好きだってんですけどね」

ジョシュアの笑みを前に、皮肉的に片頬を吊り上げ応じた
さてはてそうして拝謁の頃に

「……ん、んんっ?」
「……あーっと、……つまり、そのー……」
「……久し振り?ってんですか……ね……?」

流石に混乱は否めない、小首を傾げつつともあれひょいっと片手を挙げての挨拶ひとつ

373かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/03(月) 01:00:05 ID:???
>>370
アキレス「そうだな 酒飲みたいな」
あの時一緒に飲み明かしたセーフハウス もうずいぶん昔のように思えた

と回想する暇もなく誰に合うのかと思いきや そこにはあの時幻想で出てきたハイプリエステス 否ミスカ

アキレス「ミス・・・k・・・」

成長した姿と あの時見せられた死にざまと いろんなことがごちゃ混ぜになって 名前を呼ぶのも中途半端で
近づいていいのか 離れた方がいいのか 抱きしめたいのか 拒絶すればいいのか 自分のその資格はあるのか 
頭の中をぐるぐると思考が回って 何もできないでいて

―――ギィ!!
だがそんなアキレスの狼狽を知ってか知らずか ベティはミスカに近づき
ひさしぶりーと言わんばかりにハサミを振り上げた

374イムカ・グリムナー【最善への希求】>>555:2019/06/03(月) 01:12:00 ID:???
>>370

「すまないな。ジョシュア」

 普段なら余人がどうとか言うイムカだが、
 今回は、今だけは何も言わなかった。言えなかった。

「………」

【イムカの手と指はゾッとするほど冷たかった】

375 ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/08(土) 21:10:50 ID:???
「…………やぁ」
「15年ぶり、みんな」

エリッタで生き別れて30年、ハイプリエステスを倒した日から15年。
この世界のミスカは45歳になっていた。

「アキレス……遅いよ」
「私、おばさんになっちゃった……」

冗談交じりに微笑む彼女の表情は、憎しみに駆られたハイプリエステスのものではなく、普段通りのミスカのものであった。

天使と人間の混血ではあるが、彼女の寿命は普通の人間と変わらない。
ゆえに時の流れを感じさせる落ち着いた顔立ち。しかし依然として温かみのある少女時代の面影と、彫像のような美しさを彼女は湛えていた。

強くドス黒い憎しみの感情を忘れることで垢抜けたのだろうか。
いずれにせよ指導者たる凛然さを感じさせながらも、その眼には喜びの光が灯っている。

「こんな姿にはなってるけど、私は……生きてる」
「あの作戦に疑問を抱いていたヨハイムが、あの後に私を救ってくれたんだ」

一見元気そうに見えるミスカは、あの日の後の出来事を説明しながらドクのことを手のひらで指した。
しかし今の彼女をよく観察してみれば、腹部あたりから伸びた管が透析装置に繋がっていることが分かるだろう。
絶えず血液や酸素が管を通して送られてきている様子から、彼女が戦うことが出来ないという事実が痛いほどに伝わる。

あの夜の戦いの傷によって、ミスカは身体中に傷を負った。声帯を損傷し、片脚も失った。
特に内臓は瘴気の猛毒の中に落ちたことで腐り落ちてしまい、今ではその殆どを機械を用いて補っているのだ。
意識を保ち、『生命』こそ繋いではいるものの、今のミスカは殆ど死んでいると言っても過言ではないだろう。
人間として当たり前の権利を捨て、美しさもなにもかもをかなぐり捨てて。何故そこまでしてミスカは生にしがみついていたのか。

その理由は明白だ。彼女はずっとこの日を待ち望んでいたからだ。
この絶望の灰が覆い尽くした大地に、希望の灯火が小さく灯るこの日を。

「やる事は分かるね?」

「オメガを殺し、ニュクスちゃんを解放してあげるんだ」
「そうすれば、貴方達を元の時代へと返せる」

ミスカは笑みを浮かべていたその表情を厳しいものへと変えると、越境者へ向けて強い口調で言い放った。
かつて寝食を共にした仲間であっても、ミスカは、ハイプリエステスはもはや彼らと同じ道を歩んではいない。
故に彼女には15年前に帰るつもりなど毛頭なく、ただこの世界を救うために力を借りたいという願いのみがあった。

しかしワールド・タイム・ゲートの獲得にはハイプリエステス率いるレジスタンスに協力し、オメガの施設を奪取する必要がある。
協力を拒めばレジスタンスには居られない。放浪の生活が強いられ、いつかは他の越境者のようにここで朽ちるのみだ。
越境者に、選択権などなかった。

376かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/08(土) 22:02:56 ID:???
>>375
アキレス「え? いいいいやまぁそのぶっちゃけ美人だしおばさんでも全然バッチコイってそうじゃなくてその・・・」
混乱する頭で口走り 頭を振って無理やり思考を再起動させる

アキレス「えと・・・うん そうだね 生きてる」
確かに生きているのだろう その体から伸びる管や 辺りの装置が目に入らないわけがない
それらがあの時助けられなかったことへの負い目となって心を締め付ける

アキレス「うん 分かってる 助けに行こう そしてベティの抜け殻をご馳走してあげなきゃ」
二つ返事で了解する もとより拒否するつもりなどないのだ

レジスタンスの為 ニュクスの為 そして何より ミスカの為に

アキレス「・・・って言ってみたけど プランとかあったりする?」

377イムカ・グリムナー【最善への希求】:2019/06/08(土) 22:03:54 ID:???
>>375

「まてよ?半世紀も生きていない者がおばさんならば
 私はさしずめおばあちゃんを通り越してミイラか何かか」

 ミスカの台詞に極めて素っ頓狂なつぶやきをしているのはイムカ・グリムナー。
 一応、人間です。後天的なネファレムでもあるが、種族上は人間です。

「まあ、その程度ならば平常人との差異は誤差の範囲だろう。
 私の眼にはチューブ塗れどころか拡声スピーカーに加工されたものも珍しくないものでな」

 二、三、心温まる軽口(と、イムカ本人は思っている)をしたところで、さっと先を促したいところだ。
 再開の驚きは多少あるが、事態の深刻さからすれば、この件はアキレス辺りに任せて別の役割に徹したいところ。

【非情でもありシステマチックでもあり、なによりも将校としての責任感ゆえである】

「ハッ、私達の選択肢など無いと突きつけるか。随分とイイな。ああ、了解だとも」

 それなりに経験を積んでいるであろう。そうでなければ、と応じる。実際、やることは限られており、かつ明瞭だ。が、

「ニュクスを開放か。――柔らかい表現だな」

 何もかもを食う絶対兵器となっているという状況で?オメガを倒せば万事メデタシ?
 性質の悪い冗談か何かだろうか。

「落とし前は付けねばならんだろうさ。何であろうと、誰であろうと、な」

378ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/08(土) 22:04:34 ID:???
>>375
「主観時間ならもっとかな。下手すりゃ二、三十年は見てないぞ」
ミスカに静かに笑って返すソーマタージ。微かに射す影は、後悔の色を湛える。
生きていたとはいえ、友人をここまでやったのは紛れも無い自分達なのだ。砕けて寄せ集めたアイデンティティは、自責の念を膨らませる。
「───その節は、悪かったな」


「あそこまでやって生きてるのは、お前さんの身体が桁外れてるのか、拾ったヤツがすごいのか、どっちだ?」
彼女が惨殺の憂き目に遭ったあの瞬間の事を思い出し、流石に眉をひそめる。直後、合点がいったように「ああ」と息を吐いたが。
目を細めて見れば、腹につながった管などが見える。見た目からして透析装置と諸々か。機械につながれた、ただ死んでいないだけの壮絶な姿。

「英雄譚、叙事詩、悲劇、ラブストーリー、物語は大体殺しで終わるものだ」
目を少しだけ細め、強い口調に静かに笑って返す。元の世界に帰るためには彼女らに従う他はない事ぐらい、考えなくても分かる。
───それに、仮に今ここで帰れるとしても、ソーマタージはそれを拒んでいただろう。
曲がりなりにも過ごした事のある世界、触れ合った事のある人々のいた地だ。それを荒らされて、尻尾を巻いて逃げ帰る気はない。

「“おお、慰めを殺す夜、地獄の影、酷い殺人の悲劇が演じられる黒幕の舞台”。
 十五年も眠らされて腐敗した世界に降り立って、唯一の希望と言えるものはニヤケ面のフィクサーの内臓で奴自身の首を絞めてやる瞬間だけだ。言われなくても、この手でブチ殺してやる」

379ニア・シューペリオリティ:2019/06/08(土) 22:09:04 ID:???
>>375
「……むぅっ……」

再会の喜びは大きいし、半人に咎を知らせる事があったとしても少しはそれが軽減出来るとの思考は有していた
それだと言うのに目を細めて視線をナナメ下に落としているのは、ゲートの件についてである
その内容を、そこまでの道筋の事ではない。無論それも問題ではあるが

「元の時代にニア達が帰ったとしてっ……」

果たしてこの暗冥の世界に光は宿るのであろうか
多くの事柄より早くに、ニアが口にするのはそれであった

380BB:2019/06/08(土) 22:17:30 ID:???
>>375
含んだ物言いのように聞こえるが別に他意はないのだろう。
ニュクスの排除、それは考えうる中で事態解決には一番現実的な方法ではある。
縁も所縁もないのだから躊躇うことなく頷けばいい。

「…ええ、そうしましょう」

存在しない悪意を感じ、疑いの目を向ける…実に宜しくない精神状態だ。
頭を振り訳の分からん妄想を振り払い小さくうなづいた。

381Immigrant Song ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/08(土) 22:38:21 ID:???
>>376
「……アキレス、貴方が責任を感じることはないよ」

締め付けられた心は決して明るいとは言えない表情を浮かべていたのだろう。
ハイプリエステスはアキレスを諌めるよう、静かに言った。

「それでももし、何か煮え切らないものがあるのだったら」
「良かったら……手を握ってくれない?」

右手を差し出して笑みを浮かべる。暖かなミスカの手だ。

「計画はある」

>>377
「昔も今も、イムカはいつでも私のお姉さんだよ」
「私の方が老いて死ぬのは早いけれど、ね」

イムカのジョークのセンスは相変わらずだと、ハイプリエステスは苦笑を浮かべる。
けれど相変わらずな物言いは、年や見た目の差など関係なくいつだって頼れる年長者のようだと。

「ニュクスちゃんを……あの子の命を奪うことだけが解放だとは限らない」
「きっと……別の道があるってことを、私は信じている」

シニカルなイムカの反応には、静かな意思を秘めた眼差しを向けた。

>>378
「あの時の私は、皆の力量を測るためにあの場に残ったんだ」
「悪いなんて、……むしろ、少し嬉しかったかな」

ハイプリエステスの真意はカノッサの脅威に越境者が耐えられるか、それを凌げるのかを試すためであったともいう。
あそこで敗れるようであればミスカは傷付かず、また違う道筋もあったかもしれない。
少なくとも侵攻が起きた際、淘汰された越境者と同じ道を辿っているはずだ。

>>379
「心配しないで、世界を破滅に導いた元凶さえ居なくなれば、いずれ良くなる」
「時間はかかるだろうけどね」

ニアの疑問対して、ハイプリエステスは意識の外へ排除しろと冷たくも見える答えを返す。
この世界は紛れも無い正史であり、確かに越境者たちが過ごしていた世界の15年後の姿だ。
しかし未来は変えることができる。15年前の過去へと戻り侵攻を阻止すれば、新たな未来への扉が開かれるのだ。
無論この未来は隔絶されることになるが、それでも世界そのものが消えてしまうわけではない。

>>380
「……ああ」
「でも忘れないで、方法は……一つじゃない」

「じゃあ、ドクが計画を説明するね」
「時間がないから、よく聞いて」

オメガには死を与えるべきだが、ニュクスについてはハイプリエステスは解放と言った。
無論アリスを、ニュクスそのものを殺してしまう事は最も原始的で確実な方法とも言えるが。
ともあれアリーの襲撃の時は刻々と近づき、ハイプリエステスは越境者に注目を促した。

【続き】

382Immigrant Song ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/08(土) 22:38:59 ID:???
>>ALL
「トリニティの位置が割れたので、レーダーを再稼働させて付近の脅威を調べた」

「SCRAMBLER/HORNETが2機、あと15分で到着する位置にある」
「こちらは空爆の阻止とHORNETの撃墜に全戦力を充てる、君らにはその後片付けを頼みたい」

「これが作戦だ」

越境者の前にホワイトボードを押しながら現れたドクは、杖をそれへ立て掛けると溜息。
一息つけばペンのキャップを抜き、さらさらと作戦の内容を記し始めた。

【作戦内容】
第1フェーズ:レジスタンスが全戦力を投じHORNETを撃墜、空爆を阻止
第2フェーズ:越境者とレジスタンスで残存勢力を叩き、S.T.を一掃する
第3フェーズ:A-07 Allieを無力化し鹵獲する

「ホーネット1機につき、S.T.は少なくとも12機は搭載できる」
「無論複数の越境者を殺すための作戦なのだから、大将のアリーを除き全てのS.T.が『10番台』だろう」

強襲用のホーネットは2台、つまりレジスタンスと越境者は最低でも24機のS.T.と交戦しなければならないということだ。
そのどれもがタェンティースやロイなどの熟練越境者とほぼ同等の戦闘力を持つ『10番台』
加えて『1番台』のアリーは単騎で全盛期のダグラスやハイプリエステスと同等の戦力を発揮できる。

「つまり通常通りの手順ではS.T.を掃討することは難しい」
「そこで私は……ハイプリエステスの助言を受けて15年間温存していたカードを切ることにした」

ドクは隣にあるカバーを剥がし、見上げるほどある大きな機材の姿を露わにする。
それはフェスティバルやセレモニーの際に用いられるサウンドシステムであり、数キロ先まで騒音を響かせるような高性能のものだ。
どのように用いるのかは分からないが、おそらくはこれがS.T.の弱点であり、ドクの言う『カード』なのだろう。

「S.T.には開発段階で仕込んでいた暴走制圧用のバックドアが存在する」
「制御ルーチンに介入し、ファームウェアに重大なシステム不良を発生させるものだ」

ドク曰くこの装置を介して発生される特定の音波が一種のエマージェンシーコードとなっているらしい。
特定条件を満たしたものを聴かせることでS.T.の思考に複数の矛盾を生じさせ、彼女らの認知機能を大幅に低下させるのだという。

「S.T.は14日周期でアップデートが施され、致命的なバグや不良が取り除かれる」
「しかし致命的なバグは48時間以内に緊急メンテナンスによって、全個体へ所謂『パッチ』が当てられてしまうのだ」

「つまり一度アリーを逃したり、殺してしまえば……二度と我々に勝ち目は無くなるだろう」

383かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/08(土) 22:45:09 ID:???
>>381
アキレス「えと・・・うん」
一歩踏み出し その右手を両手で包み込むように握る
暖かい どんなに齢重ね 修羅場をくぐったとしても変わらない ミスカの手

アキレス「分かった 教えてくれ 俺たちで絶対成し遂げる」
力強く言ってのける

だがまぁ 手を握っている間 片膝立ちなのは狙ってやっているわけではないらしい

―――ギィ!!
ベティちゃんも やったるでーといきり立っていた

384BB:2019/06/08(土) 22:48:43 ID:???
>>381>>382
「生かさず殺さず、ですか…ええと、そういうのが得意な方は?」

正直、周囲にいるのは超パワーでドカン!と豪快に事態を解決するヒト達だと思っている。

「…なにかこう、鹵獲に役立ちそうな情報かアイテムはありますか?」

385ニア・シューペリオリティ:2019/06/08(土) 22:49:02 ID:???
>>381-382
「……ならっ、いいってんですっ」
「今この瞬間……ニア達は確かにここに居る、出逢っている、お話ししてるってんですから……」

ニアとしては今この場の正誤に対しての意識は皆無である
ただ単純に、己と目の前のミスカは確実にこうして語らい時を過ごしている
それだけが事実だ、越境者としての主観が全てであり、正史やそれ以外は言葉の表現に過ぎない

「……おっけーってんです、絶対一筋縄じゃいかないってんですねっ」
「切札を切るなら更に奥の手を、何かしら次の一手を考えといて欲しいってんですよ」

無論、負ける気はないけどと付け足してジョーク粧して笑う
その手は静かに、月の光の柄をただ撫でる

386イムカ・グリムナー【最善への希求】:2019/06/08(土) 22:49:49 ID:???
>>381

「どうかな…」

 そうであればいいな、と願う自分と、それはあってはならないと思考する自分がいる。
 二重背反もいいところである。が、〝神なりし皇帝陛下の遺伝種子〟が利用された絶対兵器。
 イムカ個人としても政治将校としてもネファレムとしても、決着が必要になってしまう。どういうカタチであれ、だ。

 ---------

「なるほど、切り札はある、と。免疫が出来れば終わりというのも、な」

 かなり大がかりな作戦であるとわかる。
 なけなしの数も振り絞る、乾坤一擲の――って奴だ。

「ドグ、パワーアーマーの類はあるか?どのみち経戦能力と火力が要る。
 あと、私の指揮下に加えられそうな兵士があると助かるが?」

387ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/08(土) 22:54:23 ID:???
>>381-382
「お前は良くても、オレはな。……まあ、それならそれでいいんだろうさ」
当人が納得したからといって、やった方の罪の意識が消えるとは限らない。この男の場合は尚更だ。
ともあれ、静かに息を吐いて目を閉じ、再び開く頃には、もうその話題には触れないだろう。済んだ事だ。

「ふーん、空中戦艦が……ちょっと待て、十五分?それも向こうから?」
こっちが攻めるんじゃないのか?と言いたげな目でボードを二度見。ドクの言葉を素っ頓狂な声音で鸚鵡返しに続ける。
想定よりハードな状況だ。不貞寝ぐらいは出来ると思ってた。ポリポリと頭を掻き、おずおずと口を開く。
「アー、その、なんだ。トイレ先行ってきていい?」


「ディフェンスだろ?天岩戸の話がしてーんなら、むしろ俺らが踊られる側だぞ」
サウンドシステムを見て怪訝そうな顔。説明を聞けば、眉をひそめる。
システムを突いた搦め手。話の通りなら、多少は楽になるという事だろう。上手くいけばだが。

「大体分かった。電撃戦は慣れてる、少なくとも一日以内にはケリが付くさ。───ゲームクリアにしろ、鏖殺にしろな。
 他に何か言いたい事があるんじゃないか? ……カマかけただけだ」

388かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/08(土) 22:55:17 ID:???
>>382
聞かされた作戦は 予想通りと言うか ありていに言ってひどい難易度であった
相手は戦闘用として完成されたAI 恐らく輸送機であるホーネットと一緒にSTとやらを一緒にオサラバさせてはくれないだろう

更に相手は戦闘に特化した早々たる越境者と同等の戦闘力 それが 24体

奥の手であるエラーを誘発させるサウンドはあるものの 今度は相手が逃げてしまう可能性すらある

実に面倒で 実に激ムズで おまけに失敗は死を意味する 部の悪いかけと言うレベルではない

だが

アキレス「おk そんなことでいいならやったやる このアキレスさんに任せたまえ」
と 笑みを向けた

無論 虚栄 無論 こけおどし

それしかできないのだから それをやる 全力で虚栄を張って 全力で遂行する それだけだ

なお手は握ったままとする

389Immigrant Song ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/08(土) 23:08:58 ID:???
>>ALL
「そうだ、伝えるのを忘れていたが……アメリカ国内に現存している『1番台』はA-07 Allie(アリー)だけだ」
「アリーは世界標準時の2017年4月に、【2033年世界】のネブラスカ・サイトで長剣ギガースと模擬戦を行った」

「結果は互角だったが、私がその後の改良によって戦闘力を数十倍に跳ねあげている」
「何が言いたいかと言うと、アリーと戦うなら、この人数では逆立ちしたって勝てないという事だ」

意気込む越境者たちであるが、彼らの力でなんとか出来るのは精々10番代まで。
アリーの戦闘力は文字通りの桁違いであり、たった数人の越境者では対応は不可能と言えるだろう。

「しかし先程のバックドアを用いれば、アリーもこの人数でなんとか太刀打ちできる程には弱体化するだろう」
「そして行動不能に陥ったアリーを鹵獲し……これに……アンティー・ドットのAIコアにボディを乗っ取らせる」
「そうする事でアリーを傀儡化し、スクランブラー・ファシリティへのアクセス権を得ることができる」

手順通りにバックドアを起動できれば、アリーは弱体化し越境者でも対処が可能になる。
これがBBの求めていた「鹵獲に役立つモノ」である。これ以上相応しいものがあるだろうか。というか無い。15年間の消耗戦でスッカラカンなのである。
故にパワーアーマーもオンボロ旧式のものしか残っておらず、イムカに貸し与えられるのたった一台のジャンク間際のものになるだろう。
かつて彼女が考案してくれた、クラス8・OSATアーマーの後期型である。

「プロトコルキーは大音量かつ等間隔のノイズを伴う、倒錯的で破綻した言語の羅列だ」
「手持ちのディスクの中で最も効果的なのは……これだ」

何やら難しい言葉を並べ立ててはいるが、結局は爆音で音楽を流せばいいらしい。
クラシック好きのドクからすればそれは耐えがたい雑音であるらしく、職場で聴くこともないのでその様なプログラムを忍ばせたらしい。
埃を被った木箱から取り出したのは「Welcome to the Party」「Try it out」と印字されたCDケースである。

「待て……それじゃEDMかラップを大音量で流しながら戦うって事か?」
「駄目だ……ダサすぎる、却下だ」

ドクが取り出したCDを見るなり、怪訝そうな顔のジョシュアが飛び出てくる。
どうやら教会をダンスホールか何かと勘違いしているような選曲に不満があるらしく。
チェンジを求めるも、ドクは効率の面を考え盛り上がる曲を出そうとはしない。

「ダサい?何を……これは作戦だぞ、全く……」
「ザ・コーデッツは……」

「『ロリポップ』を背景に戦えってのか!?それともナニか、『ミスター・サンドマン』か?」
「却下だ、その箱俺に貸せ!」

しびれを切らしたようにCDの入った木箱をドクから奪い取るジョシュア。それを呆然とエルミスとダグラスが見つめている。
ハイプリエステスはアキレスの手を離すと、軽く背中を押して仲間の元へと行くように促す。
アキレスと手を繋いだ数十秒は、永遠に感じるほどの長い時間であった。もはや悔いなどあるはずもなく、涙を浮かべながら微笑むだけだ。
そして、作戦決行の時が近づく。

【5分後、トリニティ近辺の広場】
【対空トラックが駆り出され、ボロボロのPA兵が行き交い、サウンドシステムが運び出されている】

390ニア・シューペリオリティ:2019/06/08(土) 23:19:03 ID:???
>>389
「あ、じゃあなんでしたらニアが歌いますってんですよいざとなったら」

常人を遥かに超えた肺機能から来るシャウト
その歌声はなかなかにアレなのである

【しかして時は過ぎ行き、邂逅は溶けて宿命の鐘が鳴る】

「……あぁ、何があったとしてもこの先……」
「いや……驚かないなぁって言おうとしたってんですけど、ベティの故郷でも似たような事を言った気がしますってんですねぇ……」

ニアは生まれ生きて三年とちょっと、冷凍睡眠の期間はアレだ
その濃密に圧縮されたヴィンコットめいた追憶を想起していた
太古の海海が創造した雲を見上げ、空は相変わらずに不変としてそこにあるのだなと人類の危地にてふと思う
天使に程近い場所で千切れては遊ぶ白……蒼空、極みは何処に

「さてっ、準備はオッケーってんですよっ」

月光を引き抜き頷き、微笑みを浮かべた

391ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/08(土) 23:21:07 ID:???
>>389
「お前、原子怪獣がやっとの思いで倒されてみんな喜んでる中『あれが最後の個体とは思えない』とか真面目な顔で水差しちゃうタイプ?」
Boo、とサムズダウンで抗議。一気にやる気が萎えた。折角意気込んでるところに『お前らじゃ勝てねーから』と言われてムキになる程ガキじゃない。
しかし、続く言葉に興味深そうに片方の眉を上げる。とにかく、そのシステムさえあれば勝算は十分にあるという事らしい。
「大体そういう説明すると失敗するんだよな。死ぬ気で守れ」

「俺きただにひろしかJAMproがいい!それかRIDER CHIPS」
何やら憤慨するジョシュアに向け、無駄だろうが趣味全開のリクエストをしながら、ソーマタージは戦地へと向かう。
腰に提げるはありふれた高周波ブレード。あとは己の総身のみが武器。いささか心許ないが、まあ大丈夫だろう。
「あいつアメ公のくせにポップな曲嫌いなんだな?ヤる時ガンガンにアゲアゲの曲流してるタイプかと思ってた」


そして、作戦地点。
厳しい空っ風を受け、腕を組んだソーマタージは風にコートをなびかせて地平を睨む。
これが残存兵力といったところか。主な戦闘要員は自分らとなるだろうが、確かにこれなら彼らに任せても不安なだけだ。
「───過去に戻ったら、そのオメガとやらを先にブッ殺すのは、果たしてたった一つの冴えたやり方なのかな」

392イムカ・グリムナー【最善への希求】:2019/06/08(土) 23:21:10 ID:???
>>389

「なるほど、酷い有様だ。が、まあ、いい」

 アクチュエーターもガタガタでなるほど酷い有様のパワーアーマーであるが無いよりはよほどいい。

「出力と運動モーメントの設定をピーキーにしておいてくれ。
 どうせ一回限りの消耗品だ。せいぜい使いつぶしてみるさ」

 乱雑な整備環境でもどうにか騙し騙し動かせる程度には冗長性も持たせていたおかげか。
 これが細緻極まる整備環境やらナノマシンやらが必要な高性能な旧式モデル(変な言い様だが)だったらアウトだ。
 終焉の遠未来――劣悪環境下前提の知識が役に立ってくれたらしい。

「………」

 OSATクラス8パワーアーマーの肩装甲の表面をなぞる。
 煤けて、剥がれかけて、かなり見えにくいが間違いなく覚えのあるエンブレム。

【デフォルメ化された何処かの誰がが腕を組んでこちらを睨みつけているような紋章だ。私はそんなに目つきが悪いか?と言いたくなる】

「――行くぞ、馬鹿共。精々暴れてやるからついてこい」

 必要だ。決着は…必要なのだ。何であろうと、誰であろうと。、

393かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/08(土) 23:26:56 ID:???
>>389
アキレス「普通にやりあったらギガースの数十倍強いの?」
語尾に白目と突きそうな勢いのつぶやきである

ともすれば越境者の中でも指折りの戦闘力を誇る巨体が数十人必要なレベルの相手に特攻を仕掛けるのだ
実に骨の折れる相手になりそうだ

が そのエラーを引き起こすブツがすごいアレというかなんというか・・・

アキレス「あ・・・あははははは・・・しょうがないんじゃない この際ダサイとかはさ」
なおもミスカの手を握りながら苦笑

だがそんな時間は過ぎ去り ミスカの手は離れていく

アキレス「・・・・・・・・いってくる」
口をへの字にしながら言葉を探し だが気の利いた言葉は見つからなかった
ただ一言だけ それだけ言って作戦を遂行する場に向かうのであった

〜場面転換〜
入念なストレッチを行い イムカからエネルギーグリスを頂き腹に収める
タフな任務になる この際好き嫌いはできない

―――ギィ!!
と 背中のベティが声をかけてきた 緊張する自分を心配してくれたのだろう

アキレス「ベティ 怖い 怖いよ・・・でもやらなきゃ・・・絶対に成功させなきゃ・・・」
ベティのハサミを握り 少しだけ弱音を吐き そして改めて決意を言葉にする

394BB:2019/06/08(土) 23:30:01 ID:???
>>389
「結局、何を流すんでしょう?」

先の戦闘はもう出たとこ勝負だ。
十全に準備し只戦えばよい。
今までそれでやって来た。
であれば、気構えの総仕上げとしてバックグラウンドミュージックくらいはイかしたのを望む。

「…パワーアーマー、か」

この時代において自身が所有する強化外骨格は如何ほどの戦力たり得るのか?
イムカが駆るそれに肩を並べるくらいは期待したいが…

「あまり過信は出来ないな」

『縁』に依るところが多いBBの、と言うよりはメアリーの魔法はその大半が意味消失しているだろう。
となると頼るのは科学の英知になるがこれも15年前の旧式だ。
後は魔改造によってオンリーワンになった珍品で事に当たるわけだが…

395Immigrant Song ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/08(土) 23:43:31 ID:???
>>390
「やめとけ、俺らの耳も潰れる」

なんて、ジョシュアは肩をすくめておどけてみせる。
きっと決戦を控え、冗談の一つや二つ言わないとやっていられないのだろう。

>>391
「悔しいが、お前の予測は合ってる。だから流したくねェんだ」
「考えてみろ……鳥肌モンだ」

腕を抱えるジェスチャーで。日本風に言い換えれば普段聴きしている三代目を流しながら世界の存亡に挑む気分なのだ。
こういう時は情緒あるロック、それも名曲が相応しい。

>>392
「……馴染みます?」

パワーアーマーはイムカの注文に合わせ、とびっきりの整備と調整が成されていた。
でもボロだ。2033年世界で出回っているそれの足元にも及ばない。
それなのに今は、他のどのアーマーよりも頼もしく、そして強かに見えるのは錯覚だろうか。
きっとそれは違うだろう。

>>393
「多分……数字そのままの意味じゃねェぞ」
「戦闘力が50倍になってもパワーまで50倍になる訳じゃねェだろ?」

慄くアキレスだが、ジョシュアは冷静にその言葉を受け止めていた。
数十倍の戦闘能力があるからといって、単純にギガースが数十体必要なわけでは無い。

あの有名なサイヤ人当てはめれば、戦闘力分だけパワーも倍になっていたら一歩踏み出すだけで地球は真っ二つだろう。
身近な数値であれば、マグニチュードやデシベルなどが分かりやすいか。

>>394
「へへ……楽しみにしてな」

選曲にはそれなりに自信ありと、ジョシュアはにやりと片頬を釣り上げる。
この世界のパワーアーマーは整備のための設備も材料もなく、保管状態も劣悪。
正直BBの保有している黒騎士が世界で一番性能が高いと言っても過言では無い惨状だ。

>>ALL
「来た、来たぞ!空襲警報!」

見張りの兵士の叫びと共に、けたたましいサイレンの音が鳴り始める。
ホーネットの姿は見えずとも多連装ロケット砲が立て続けに発射され、ミサイル迎撃用の対空機銃4台もフル稼働で同じ方角を撃ち始めていた。

「うおッ……!」
「クソ、まるでテリヤキの気分だなダグラス」

「無駄口を叩く前に動け、ジョシュア」

警報から10秒ほど後の事だった。超音速のミサイルが飛来し、音を置き去りにして広場に大爆発を引き起こすのは。
遠くで立ち昇る爆炎は離れた場所にいる越境者の肌を焼き、その凄惨さを知らしめるだろう。
ついに始まった全面戦争に、ジョシュアはレールガンを担いで広場の方へと走り出した。
ダグラスとエルミスもそれに続き、ホーネットの現れる方角へと布陣してゆく。

「一発撃ち漏らした!PA部隊は半壊だ!」
「携帯ミサイル撃て!残らずだ!」

ようやく見えてきた小さな影は、まるで二匹の羽虫のようで。
しかしそれが近づくにつれて、全長20m程のガンシップであることが克明に映されるだろう。
雀蜂の羽音は以前も聴いた。女教皇を追い詰めたあの時だ。

街のあちこちから携帯ミサイルが発射され、まるで無数の糸のように蜂へと向かう。
数発の被弾を経てバランスを崩した蜂の片割れは、やがて高層ビルへと突っ込んで動きを止める。
もう片方の蜂は数十発の集中砲火を受け、火を立たせながら空中で爆発し飛散した。
バラバラと音を立てながら降ってくるそれは破片ではない。その一つ一つがS.T.なのだ!
空中で体制を立て直し、次々と着地してゆくS.T.たち。そしてその殿を飾るかのように、一機のS.T.が接地した。

「……また会いましたね、ジョシュア・アーリントン」
「いや、越境者」

ゆっくりと面を上げながら立ち上がるその個体。肩にはA-07の刻印。

彼女だ。

他のS.T.よりも一回り機械に寄ったような外見に、剥き出しの人工筋肉が異形感を醸す。
その表情は冷たく無機質のようでいて、瞳の奥には憎しみのような色を秘めていた。

396BB:2019/06/08(土) 23:52:25 ID:???
>>395
「一番槍、もらいますっ!」

コンバットアーマーのフレーム部を発光させ
振動ナイフを振りかざしてBBがアリーへと跳びかかる。
正直相手の力量が聞いているだけでは皆目見当がつかない。

であれば直接確かめるしかあるまい!!

397イムカ・グリムナー【最善への希求】:2019/06/08(土) 23:55:38 ID:???
>>395

「ああ、問題ない。ボロを騙し騙し使うのも得意だしな」
≪000011110101≫

 ガタガタのフレーム。常時エラーを吐き出し続けるプログラムにサーボスカルは四苦八苦。
 だが、問題ない。一切合切、問題ないのだ。

【背中の増設ブースターを吹かしながら、土煙を上げて移動するイムカ】

 ---------
 -------
 -----

「貴様なぞ知らん。徹頭徹尾興味なし。ただ藁のように死ね」
≪000011110100101≫

 瞬く間にマルチロック・システムが立ち上がりレッドラインレティクルが複数目標にレーザー照射、ロックオン。

「LOSAPZ(高速徹甲誘導弾)射出」

 シュパァーッ!と小気味良い音と噴煙と共に腕部ミサイルランチャーから四本のミサイルが射出される。

【AH(アクティヴ・ホーミング)シーカー作動。目標に食らいつかんとミサイルが奔った】

398ニア・シューペリオリティ:2019/06/09(日) 00:00:31 ID:???
>>395
「……ひとりで来るって訳じゃないってんでしょう……?」

周囲の他個体に対して睨みを利かせながらのニア
仲間達がアタックを仕掛けてくれている、なれば己はそれを全霊を持ってサポートするのが役目である
そもそもが露払いとして作られた異能、それを今実行せずにいつするのか
六本の触腕が胡座をかいたニアの体躯を持ち上げ、高所から見下すようにして構える

「えーっと……ひとりあたま、何人倒さないとダメなんですかねこれっ……」

399ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/09(日) 00:01:56 ID:???
>>395
「ふーん……。何でもいいけど、ジャスティンビーバーとか流したら殴るからな」
いまいちピンと来なかったのか、そういう考えもあるんだな程度に受け流すソーマタージ。
怪訝そうな顔で注意を済ませると、いざ戦場へ。

「ゾッとしないねェ」
爆炎、衝撃に激しく騒めくコート。腕を顔の前に差し込んで熱風を気持ち程度に遮りながら、ポツリと呟く。
爆発、混沌、狂騒。これこそが自分が居るに相応しい場所だ。自分の周りの者には相応しくない地獄だ。
目を閉じて、焼けた空気を鼻から吸い込む。ゆっくりと開いた瞼の下で、赤い瞳は威圧的な光を放った。


「キビキビ働けよ!時は金なりだ!」
囃し立てるようにパンパンと手を叩きながら、戦地へと赴く。パラパラと落下する物体の正体は、細部まで見えずとも分かる。
彼女らの前へ相対するよう立つ彼の手に、一振りの高周波ブレードは握られた。冬の夜の様に暗い直刀の刃は、耳障りな微かな音を奏でる。

「心配しなくても、これが最後になる。 それイメチェンか?ダセェな」
最後に降り立った個体、その肩の刻印を指すかのように切っ先を一度向けると、クルリと手首で回して身構える。
ピンと立てた刃はオベリスクめいて地面と水平に空を切り、揺らめく、消える!

「イィィィィィヤァァァァァアアアアッッッ!!!」
猿叫と共に踏み込んだのだ!サイボーグの怪力を発揮したそれは、純然な身体能力のみで縮地やかの膝抜きに迫ろうかという速度で襲いかかる!
極東の蛮族の、『蜻蛉』と呼ばれる戦闘態勢。一刀に全てを賭け、立ちはだかる物を何もかも両断する絶殺剣術。
機械の力を込めて行われるそれは、ギロチンめいて迅く重い。

400かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/09(日) 00:02:14 ID:???
>>395
アキレス「飛び切りヤバイ相手ってのは変わらないさ」
と ジョシュアの言葉に返すのであった

そして始まった後のない決戦
ミサイルの飛来にその場に蹲り 耳をふさいで口を開く 鼓膜が破れないようにする防御姿勢

それが止み 携行ミサイルを浴びたホーネットから出てくるSTの皆様と

アキレス「え なにジョッシュお知り合い?」
最後に降り立った アリス 威風堂々と立ち上がり

アキレス「でもやることは変わらない!!」
ショットガンを構え 大きく回り込むように走りだす

アキレス「さぁ〜遊んでやるぜかわいこちゃん共!! ついてこれるかなぁ!?」
声を張り上げ自身の存在を示す いつものやり方 何時もの 囮

401Immigrant Song ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/09(日) 00:14:30 ID:???
>>ALL
「越境者狩りは久し振りです、しかし――」

一目散に飛び掛ったBBの振動ナイフを、左の手のひらで握って止める。HFブレードと触れた装甲は火花を放つも、それだけだ。
侵徹することもなければ溶断もしない。ナイフを固く握り締めたまま、アリーはBBへ砲弾のような蹴りを放つだろう。

「ここまで大規模な反抗は、そそられますね」

続けてSCRAMBLERに組み込まれたアクティブECMが、レーザー誘導ミサイルのシーカーそのものを麻痺させ、明後日の方向へと逸らせてゆく。
さらに左手に仕込まれたアームキャノンから、イムカのアーマーを吹き飛ばすキネティック・フォースをカウンターとして放つだろう。

ソーマの全力の一刀に対しては両手を用いた受け止め。その刃を二つの手のひらでしっかりと受け止め、10の指が刀を握りしめるだろう。
そして刀を離さなければ、アリーは羅刹めいた怪力でソーマごとそれを振り回すだろう。
手放し、ぶん投げる先は囮に徹しているアキレスだ。

「ようバケモン、次は俺が相手だ」

続けて現れたジョシュアが、レールガンを放ちながら歩き近づく。
超音速の弾頭をさも当然の如く躱しながら、あるいは腕の装甲で弾きながら。
近寄ってきたアリーに向けて、ジョシュアはキルスウォームを展開して反撃を防ぐ。
それは黒い腐食性の蝿の群れ。触れたところから捕食されるという性質を知ってか、アリーはジョシュアから距離を取る。

「よくも俺の弟を、仲間を、同僚を殺してくれたなァ、オイ」
「――――針を落とせ」

援護に回るニアだが、他のS.T.は中々攻め入ってこず、彼女の前に現れたのはたった2機の『10番台』である。
周囲からは銃声や爆音、命を賭した雄叫びが聞こえる。レジスタンスが文字通りの全軍でS.T.たちを食い止めているのだ。越境者のために。
ダグラスやエルミスもその中に混じり、十数体のS.T.に囲まれながらもなんとかそれを凌いでいる。
しかし旗色は悪く、戦局は徐々に向こう側へと傾きつつあった。それを見計らったジョシュアが、無線機を取り出してドクへと合図を出すのだ。

「痛めつけてやる」

耳をつんざくような甲高いハウリングの音に続き、やがてトリニティを起点に衝撃波が巻き起こる。
砂塵が舞い上がり越境者を追い風めいて背中から押すと、腹の底が震えるような爆音があたりを支配した!
越境者はこの時代の人間ではない。しかしこの世界の支配者に引導を渡しにきたのだ。
Immigrant Song(移民の歌)と題されたそれは、まさに彼らに相応しい。

402ニア・シューペリオリティ:2019/06/09(日) 00:24:30 ID:???
>>401
「っ……!」

いのちを盾とした将兵達の光
名も知らぬ、知れぬ彼等の戦を見届ける度に胸の奥で波濤が打ち付け白き飛沫の頭を崩す
されど今はそれに全てを祈りを捧げる時ではない、少なくとも今はまだ

「戦う者の、歌が……聞こえるかってんですっ!!!」

鼓動とドラムが響き合えば、熱いいのちが始まる
効果の程を確認するまでもなく、ニアは触腕の脚を持ってして疾駆!
戦場を舐める海の怪物めいて這い回り、S.Tを打ち据え斬り裂きそして本丸……アリーへと触腕打撃を叩きつけんと!

403イムカ・グリムナー【最善への希求】:2019/06/09(日) 00:38:13 ID:???
>>401

「ッーーー!!」

 カウンターアタックのエネルギー波動によりパワーアーマーの装甲は文字通り吹き飛んだ。
 ただし、電磁極により外殻鋼板が跳ね上がり、接触の瞬間にそのエネルギーを大幅に減殺したのだ!!

「よく機能してくれたものだ」

【電磁装甲反応…EMリアクティヴ・アーマーである!!】

≪大尉、合わせろ!!≫

 ミサイルを撃つ傍ら、オーバーチャージを続けてきた本命がある。
 イムカのセンスではよく分からんサウンドが流れるタイミングに合わせた取って置きが。

【一直線上に複数の人形共を感知!レーザーロック】

 バックパックに折りたたまれた銃身が展開。無骨なサイドバーを引く。コッキング、

【ハイパー・ヴェロシティ・ロングキャノン――パワーアーマー携行用電磁レールガンである!】

 ガシュン”と脚部ピックが地面に突き立てられ、機体を固定!

【ゴキュン!と膨大な運動エネルギーによるソニックブームをばら撒きながら弾体を射出!!】

404BB:2019/06/09(日) 22:38:10 ID:???
>>401
「がっ!?」

ナイフを手放し腕を交差させたことで発生する力場。
衝撃を拡散させるための簡易シールドはパリンとガラスの砕ける音を立てて消失。
そのままBBは大きく吹っ飛ばされた。

「……あー、悪くない選曲ですね」

地面に仰向けに倒れたまま鳴り響く音を聞く。
まだまだこれからだ、膝をつき立ち上がろうと。

405ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/09(日) 22:47:17 ID:???
>>401
掴まれるブレード。その鋭さを感じさせぬかのように握る様子を網膜が捉えると同時、ソーマタージはパッと手を離す。
思った通り、暴風めいて奪われ、アキレスに向けて投げられるブレード。掴んだままだったら、自分の身体も投げられていただろう。

「それがどうした───!」
酸素供給機から猛烈な蒸気を吐き出し、ジョシュアから距離を取るアリーに追いすがるように赤い光が軌跡を残す!懐に潜り込む!
無手の戦闘は初めてではない。百年前はよくやったものだ。今こそ、その力を振るう時!


「ファイトクラブだッ!」
顎先に振るう肘打ち、膝蹴り、三連ジャブ、ストレート、ボディーブロー、ソバット、アルマーダ、サマーソルトキック、etc.etc.…
精密工業機械じみた鋭さと猛烈さで拳が、蹴り足が、死体を啄む猛禽の群れが如き勢いでアリーに襲いかかる!

猛攻に対応すれば、他の者の攻撃への反応が遅れるだろう。その逆を選ぶのならばこちらの残虐なる喧嘩殺法が急所をサイボーグの怪力で叩き潰す。
頭の中で描いた絵図を完成に導くため、ブレードに意識を向ける事すらなく、音も起き去らんがばかりにラッシュを仕掛けたのだ!

406かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/09(日) 23:20:00 ID:???
>>401>>405
アキレス「やっば・・・!!」
危険察知能力が警鐘を鳴らす ショットガンを放り投げた次の瞬間すっ飛んでくるソーマタージの刀
大きくのけぞりながら柄をキャッチ 倒れ込みながらも刀は確保した

アキレス「あっぶ・・・串刺しはカンベン」
敵意がこちらに向いてないのが幸いした ショットガンを拾いあげる時間がある
ショットガンは一度ホルスターに収め 刀を担いでなおも回り込むように走りぬけ

アキレス「ここだぁ!!」
ソーマタージの暴風じみた乱打に合わせ 刀の切っ先をアリスに向けて突撃 
全体重を乗せた刺突を仕掛けんと走る

407 ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/23(日) 21:09:27 ID:???
>>ALL
「――!」

イムカの放ったミニ・レールガンは、その名に見合わず歩兵には携帯不可能な重量とサイズに見合った効果を発揮するものだ。
腹に響く重低音と共に放たれたソレをすんでのところで回避、ソニックブームに打ち付けられて怯んだところにジョシュアの追撃が入る。
彼の構えた歩兵用マイクロ・レールガン(それでも一般的な自動小銃よりはるかにデカい)によって放たれた速射が二発、膝と太腿に直撃し姿勢を崩す。
そこへ繰り出されたソーマタージの乱打には、目の色を変えながらも高速で対応策を繰り出すのが人型兵器たる証左だろう。

「しゃああッッ!!!」
「(何ガ、起こッテ…………このノイズはッ…………!)」

一つ一つを弾き受け流す両手と指のさばきは、時間が経過するごとにまるで疲弊でもしているかのように鈍くなってゆく。
Allieの思考回路には様々なアラートが表示され、それが思考を妨げるノイズとなって頭をガンガンと�惜き回し。
その原因がジョシュアの合図で鳴り響いた『奇妙な倒錯的言語の羅列』であるということに気付くには、そう掛からないだろう。
ソーマタージの攻撃の、一瞬の隙を見計らって腹部への掌底を放つ。それはノックバックあるいは回避による間合いのコントロールを図るものだ。
そこへ突撃を敢行して来たアキレスによる刺突。Allieは左腕を差し出すことでそれを致命傷たらしめることを防いだ。
「うじゃうじゃとアリが砂糖にでも集るように」。苛立ちを覚えたイリーは彼らを引き離すべく身体各所のヴェントを解放する。

「うああッ!」
「(起動――――『タロン』及び『イーリスの翼』……!)」

真珠の如く七色に煌めく微細な粒子を含んだガスが、ヴェントから放出されて強力な風圧を生み、越境者をAllieの近辺から引き剥がすであろう。
それは正しく全身にスラスターを備えた兵装であり、タェンティースの「ヘルメスの靴」を上回るべく開発されたカウンターメジャーだ。
天使の羽根の色の煙を纏い、背中にその色の気流を発生させる様はまさに女神イーリスの翼を伴ったような外見であり。
さらに指先から伸びたそれは文字通り爪の延長線上にあるような形状の、極めて鋭く鍛造された黒い金属のブレードだ。
刃物を握るよりも取り回しに優れ数も多い。外付け武装の必要ない完全性こそが第1世代である「1番台」の強みである。

【Allie、弱体化による性能低下を補うために各種武装を起動】
【さらに波状攻撃を嫌い越境者とのレンジ管理を徹底開始】

408イムカ・グリムナー【最善への希求】:2019/06/23(日) 21:25:10 ID:???
>>407

「撃ち出せたか」

 レールバレルが負荷限界を越え亀裂が奔ったとアラートが示す。
 ハイヴェロキャノンを破棄。バックパックより切り離す。

≪駆動負荷警告、熱暴走臨界、システムリブーティング:カウント5≫

【弾体そのものの威力は当然として撒き散らす衝撃波でも十二分の効果があった。
 それはジョシュアの攻撃が有効打となったこと事実そのものが証明している】

「何、まだやれるだろう?」

 次々にエラーを吐き出すパワーアーマーを接続されたサーボスカルが全力で負担分配し、
 どうにか戦闘行動可能状態を維持する。

≪再起動(リブート)≫

 強力な12.7mm徹甲重機の弾丸をばら撒く。Allieの自由起動の阻害と、周辺の敵への命中を兼ねた射撃だ。
 これはネファレムとして強化されたマルチタスクにより実現する。

409ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/23(日) 21:39:43 ID:???
>>407
ミニマムにして精密な殴打の応酬。小宇宙的破壊力を思わせる打ち合いに、油断の気配は皆無!
流石は最強の兵士といったところか。数人による同時攻撃すら、凌ぎ切ろうとしている。酸素供給機の上で、鋭さを増した瞳が光った。
「顔色が悪いゼ。ラテン系か?怒り心頭か?」

「つれない事すんな、よッ!」
ボディーブロー、旋風脚───その隙を文字通り突く掌底。
回避は間に合わない。極めるのもだ。なれど、手はまだある、電光石火で動くものが。
ズドン、と車両事故めいた音を立てて吹き飛ばされるソーマタージ。くの字に折れ曲り宙を舞い、膝をついて後ろに滑る。口からゴボリと血が溢れてきた。
打たれた腹部に添えられる手。───否、それは反撃の印!掌打を受ける直前、間に挟み込んだ予備のナイフ!
衝撃はソーマタージの内蔵機構を当然傷付けたが、彼女にも痛手があればいいのだが。


「───呼ッ!!」
STOOOM!!風圧が襲い来る直前、震脚めいて深く大地を踏みしめる!見様見真似のそれは、重機を固定するバンカーが如し!
ビリビリと身体を削ぎ飛ばさんばかりに迫る風圧。細い線が走り、血が背後に流れていく。
刻まれる痛みを、身体を吹き飛ばそうとする風圧を顔の前で交差した腕で耐え凌ぎ、風が晴れれば改めて向き直る。
転倒、或いは風に攫われる事は何とか防いだ。まだ戦える。

「見ろよ、羽が生えた。ウケるな」
強がりとは思えぬ程にいつも通りの、余裕綽々の態度。Allieを指差して一行の方を向き、嘲笑えばナイフを放り捨てた。

「ああ、こっからが本番だ───!」
酸素供給機を引き剥がす。その頬に、黒い血管網が浮かび上がる。白煙が線香めいて立ち昇る。
全身のナノマシンを操作した、戦闘体制への移行。鋭い眼で睨めば、排熱の蒸気を燻らせてAllieへと駆け出す!飛びかかる!獰猛なネコ科の獣めいて!

410かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/23(日) 21:45:15 ID:???
>>407
アキレス「よっしゃアキレス大金星!!」
―――ギィ!!

全力の突撃でどうにか左腕を潰せた この戦果にはベティもお喜びだ が
喜びもつかの間 ガスが吹き荒れ 大きく吹き飛ばされるアキレス

空中でバックフリップを決めて悠々着地

アキレス「ゲホッ ゲホッ うぇ・・・くっせぇ」
衝撃に咳を数度 ソーマタージの刀を今一度構えて突撃を慣行

如何に自分の剣術がお粗末であっても 鋭利な武器が突っ込んでくるのはストレスとなるだろうし
刀のように伸びた爪がこちらに向く可能性はある
それを狙っての突撃である

もしもガチな対応取られたら?
その時は刀を放り投げて全力回避あるのみである

411 ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/23(日) 21:56:04 ID:???
>>409 >>410
「これは…………?」

ソーマを掌底で弾き飛ばして刹那、右手に走る痛みというよりダメージ信号。
その右手を見ればソーマの剣すら切断できなかった掌の装甲に深々と貫かれた傷が存在し、Allieの掌底による勢いを乗せたカウンターが成したものだろう。
幸運にも手を稼働させるワイヤーと人工筋肉に沿って刻まれた傷跡は、ダメージがそれほど大きなものではないということを示していた。
しかし裂傷はホワイトブラッドの流出を起こし、つまりはナノマシンによる人工筋肉の疲労回復を阻害したという事になる。

「留まりますか…………ならば」
「仲間の銃弾で斃れ死ぬのが、貴方がたには似合いです」

イーリスの翼による風圧に怯まぬソーマに対しては個別の対応を取らざるを得ない。放置すれば痛手を被りかねないからだ。
越境者には極力当たらないように放たれたイムカの重機関砲は、Allieならびに越境者の退避ルートを限定させるものだ。
そこでAllieはアキレスに執拗な手刀を放ちつつ、左腕に突き刺さっていた刀を抜き放って竜巻のような勢いの一回転切りを放つ。
それはアキレスのみならずソーマへも向けられたものであり、この銃弾の嵐の中で思うような回避行動が取れないということを見込んだものである。
剣を置いて逃げ出したであろうアキレスには左腕のキャノンからパルスを発射。衝撃波に当たればビルの壁面へと叩きつけられるだろう。
突き刺されて大きな傷を負ったこともあり、狙いは正確ではない。

>>408
イムカの打ち出したレールガンはAllieが回避行動を行ったことにより、2機の第2世代型S.T.を行動不能に至らしめた。
更に放たれた重機関砲のAP弾はAllieの起動ルートに大きな制限を与え、その後方に位置するその他のS.T.達へも制圧射撃とは思えない精度で命中を果たしており。
軍用基準から言えば廃棄寸前のコンディションにも関わらずこれだけの戦果を挙げられるのは、ひとえにサーボスカルの優れたダメコンとイムカのヘビーデューティな設計思想のお陰だろう。
廃棄されたハイヴェロシティカノンは、イムカを鼓舞するべくその砲身から誇らしげに白煙を立ち上らせていた。

「やかましい……うっとーしい、ですね…………」

ノイズの掛かったような声が響くや否や、強力なシャープシューターであるイムカへと身体をうねらせながら接近。
それはかつてクルト・カントールが経験した人間らしからぬ挙動の進化系と言って差し支えないだろう。
流動体の如き関節の運びからなる、地を這い背後へすり抜けるかのような不可思議な挙動だ。
接近と共に右手の手刀にて刺突。狙いは背面、彼女の背中辺りが収まるアーマーの中心部。
つまりはイジェクトハッチの接合部だろう。指先に携えられた五本のブレードによりそれは易々と装甲を貫通する威力だ。

【高速移動によりイムカの至近距離へ接近、弾幕からの離脱を図る】

412イムカ・グリムナー【最善への希求】:2019/06/23(日) 22:08:14 ID:???
>>411

「ブーストフルパワー!」

 挙動を見切れたわけではない。それは実際イムカの動体視力を優に上回っていた。
 ゆえにイムカは己の直感のみを信じて背部ブースターを全開した。

【ドン!と内臓を圧迫する衝撃と共に機体を無理矢理前に押し出す】
 【致命傷は避け得たが無傷とはいかない。離脱の間際、バックパックにブレードが突き立てられた】

(ブースター破損!機動力を失った、が!)

 前に押し出される勢いのままに脚部のターンピッグを起動。地面に突き立てる。
 そのまま目まぐるしく変わる視界の中で、180度ターンし――

「イヤーッ!!」

 ブースターとパワーアシストを受けての打撃戦!
 加速エネルギーをそのまま威力に転用。ハンドガードが下りて――ナックルが飛ぶ!

413かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/23(日) 22:14:16 ID:???
>>411
かかった

アキレス「あばばっばばっば」
予想通りアキレスは刀を放り出してチョップを掻い潜る

なおも刀を使った回転切りを大きく飛びのいて回避
続いて左腕をこちらに向けてくる アキレスの中の第六感が警鐘を鳴らす

アキレス「なんだよ左腕潰せてねぇでやんの!!」
悔し気に唸りながらデモンレッグを発動

腕の方向を見極め 不可視なる衝撃波を回避 回避 回避

だがアリスはこちらへの牽制よりも イムカの攻撃を嫌ったらしい

アキレス「な〜んだよ俺ともっと遊んでくれよ!!」

イムカに向けて突っ込んでいくアリスの背を追いかける
刀は置いてきた 腰のダブルバレルショットガンを構えるや

アキレス「オレジャヤクブソクッテカ?」

いきなり 突然 何の脈絡もなく
アリスに向けられる圧倒的な存在感

総身をもって相対さなければならぬほどの 圧倒的強者しか放つことを許されぬオーラが浴びせられる

その主はアキレス 彼は強者だったのか? いやそんなわけがない

≪偽・強者の気位≫

嘗て相対した化け物の存在感を模倣した こけおどしの極地

そのオーラを纏いながら アキレスはショットガンのトリガーを引き絞る
炸裂音と共に飛び出したのは 紙吹雪と小さな紙テープ

クラッカー弾 攻撃力皆無のパーティーグッズ

いやがらせに特化した アキレスの真骨頂である

414ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/23(日) 22:24:09 ID:???
>>411
《AWAKENING》
有機脳に仕込まれた装置が、準備が整った事を告げる。見開いた目が赤に染まる。
飛び上がったその身体は白く輝き、白煙と爆発的な熱波が数度に渡って撒き散らされる。───煙の中から飛び出したのは、異形の怪人。

「貴様に似合いなのは、誰からも顧みられない無様で孤独な死だ!」
ガバリと開いたクラッシャー。奥から覗く鋭い歯列は、例え機械化された身体でも噛み千切ろうとするだろう。
弾丸を背に隙間を走る。それが誘い込まれたような状況だと悟るのに、そう時間はかからなかった。
物言わぬ複眼は、磨りガラスめいてぼんやりと、迫る回転斬りを睨む───


「───イィィィィヤァァァァァァアアアアッッッ!!!」
手刀一閃!迫る刀の横腹を、下から打ち上げる様に硬質化した手首が狙う!
アキレスが今使っている、ソーマタージが選んだ高周波ブレードは丈夫ではあるが、月光やそれに与するものには到底及ばない。斬り続ければ刃こぼれも起こす、有り触れたもの。
故に壊せる!故に砕ける!何故ならその筈だから!理由などゴタゴタ考えるまでもない、自分がそうだと思えば、そうなるのだ!失敗したとしても、今回はそうならなかっただけに過ぎない!
否、そのように世界を作り変えているのか?哲学的、概念的な内容は今はどうでもいい。思想を振り払い、刀が到達するタイミングに合わせて振るう!

無論、仮に万事上手く破壊出来たとて、ソーマタージ自身が無傷なはずはない。
戦闘に適した形態、硬質化した肌でも、彼女ほどの使い手ならば当たりどころが悪ければ斬り裂かれるだろうし、指や骨がへし折れるかもしれない。
しかし、逃れられぬ予定、それらのダメージすらも度外視してソーマタージは嘯く。
「教えてやる、ガラクタめ……!俺は俺が正しいと思う事をする限り、正しいから死なねェ」

奇怪な軌道を描き、こちらから離れてイムカに迫る動き。グルリと振り返りざま、振り被った手を振るう。
放たれるのは、血の水圧カッター。ナノマシンを多量に含んだそれは鋭く、Allieの攻撃の阻害をしようと宙を切る。

415 ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/23(日) 22:38:09 ID:???
>>412 >>413
「(はや、い…………判断が、遅れ――)」

全推力を爆発的に解放させた前方への急加速、更に脚部のピックを地面へと突き立てることで急制動と方向転換を行う反則めいた合わせ技で。
ぐるりと反転した重鉄塊の殴打を、弱り常ならざるAllieもまた、対応するだけの力を持ち合わせていた。
しかしアキレスやソーマによって与え続けられた微細なダメージが、ここへ来て尾を引いて影響をおよぼしたのだ。
コンマ数秒にも満たない僅かな逡巡の隙間に、イムカの握りしめた文字通りの鉄拳がAllieの鼻柱へとめり込む。

「がはッ!!」

顔面への殴打を起点にAllieの身体はぐるりと回転し、まるで叩きつけられたパンチングマシーンのように。
地面へと後頭部を打ち付ければ、余りにも強い衝撃にその身体がびくんと一瞬浮いた。

「ぁ……あ…………」

目を白黒させ、鼻からは電脳を守る赤黒い耐衝撃フルードを零しながら。
暫くは天を見つめていたAllieであったが、直ぐにその瞳に生気を取り戻して。

「ぁぁああぁあああああッ!!!」

ネックスプリングの要領で跳ね起きれば、直ぐさまイムカへと目掛け戦車砲めいた威力の回し蹴りが飛ぶ。
そして火花を上げる左腕のカノンを向け、彼女へ向けてPAの内部ごとを蒸し焼きにするプラズマ砲を浴びせようとするが。

「!」
「(脅威判定……A+……ッ!!)」

その狙いは急激に変更され、この場にいる誰よりも優先されてアキレスへと向けられたのだ。
かの猛者ロイ・ゴールドマンやクルト・カントール。ましてやソーマタージやBB、ニアよりも高く。
これまでに記録した最高の脅威判定結果に、人工皮膚を粟立たせながらAllieの視線は彼へと向いて。
放たれたクラッカーに激昂するように、巨大な超高温プラズマボールがアキレスへと放たれるのである。
バカンという破裂音と共に、カノンを保持するアームカバーが宙へと飛んだ。負荷が限界を超え左腕武装を使用不能に至らしめたのだ。

>>414
「まだ、そんな力をッ…………」

ソーマのスクラッパーめいた咬合をバックステップで躱し、それから回転斬りは放たれるであろう。
ぶつかり合った刀身と拳は生身ならまだしも、彼は血肉と金属(Flesh 'n Metal)の塊。剛性の面から見てもソーマタージの拳の勝利に終わることは明らかだ。
へし折れたそれを捨てて、右手の指先に備えられたタロンによる切りつけによって反撃を測る。
しかしその狭間に、イムカによる重撃とアキレスの陽動を挟んで。

「(だ、めだ…………この音声信号を…………)」
「止め……ないとッ」

結果として背後からブラッドカッターによる一撃を受けて、ついにAllieは両膝をつく。
目標は鹵獲であり殺害ではない。それゆえに難易度は跳ね上がっているが、これだけ痛めつければ十分だろう。
ようやく訪れた機を逃すまいと、ジョシュアがインカム越しに取り押さえろと叫ぶ。

しかしAllieもまだ破壊されるつもりも、ましてや捕まるつもりもない。不利な状況を覆すには戦局を理解する必要があった。
S.T.の持つ大きな特徴であるニューラルネットワークによる意思の疎通は、単一個体の戦闘データを全員へと共有するものだ。
したがってこの状況を打開すべく、Allieの脳は姉妹達と共に解決策を探る。この深刻なる不具合を打ち消すバグフィックスの手法を。

【Allieに大きな隙が生じ、鹵獲のために取り押さえることが可能となった】

416ニア・シューペリオリティ:2019/06/23(日) 22:47:24 ID:???
「いったたた……」
「あぁ、もう、トンでましたってんですね……」

この大事な時に、とかぶりを振って起き上がるニア
イーリスの翼音と共に発生した空圧により弾き飛ばされ、運悪く頭部を強打し失神していたのだ
その間隙は長くはなかったが、この戦修羅の庭園にて刻まれる刻の流れに於いては致命的

>>415
「八葉っ……一蓮!!」

ニアは決断的にタイドメイカー八本を発生させ、それらを編み込み強大なる海蛇が如く擡げさせる
それは文字通り、見た目通りの膂力を持ってしてアリスへ襲い掛かり巻き付き或いは呑み込み捕獲をせんと狙うだろう

417イムカ・グリムナー【最善への希求】:2019/06/23(日) 22:49:02 ID:???
>>415

「!?」

 戦車砲の如き回し蹴り。態勢から…回避不可能と判断!

≪0001111101011≫

 サーボスカルはアーマーロックを起動。さらにイムカはリフラクターフィールドを、
 ピンポイントに収斂し、予測打撃点に対しての最大防御を設置。

「助かったぞ。ご苦労だったな」

 Allieに言ったのではない。この部下達の名残が残ったパワーアーマーに対してだ。
 回転蹴りがヒットし、複合装甲が剥離・爆散。機体のフレーム(骨格)がひしゃげ、浸透する威力があらゆる電子機器を破砕に追い込む。

≪イジェクト!≫

 蛹から蝶が這い出すようにピンポイントバリアを展開するイムカ自身が全損の機体より吐き出される。
 踏ん張っていては浸透する威力に肉体が爆散せしめられるのは明らか。
 ゆえにあえて、イムカ自身は勢いに逆らわぬままに吹き飛ばされる事を選択したのだ。

「ッーーーーー!!」

 それでもなお、恐るべき威力に晒されて、イムカは派手に後方に吹っ飛ばされた!

418ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/23(日) 22:54:04 ID:???
>>415
「これが越境者さ!」
斬、斬。振るわれるブレードは、硬質化した胸板にも容赦なく傷を残していく。最初は引っかき傷程度でも、次には鮮血を迸らせる切創と化す。
その全てを受けながら、ソーマタージは威圧的な哄笑を漏らした。薄く開いたクラッシャー、射干玉めいた闇の奥から、悪魔の如く!
「これが、お前らが踏んだ尾の持ち主さ!!」

「ハァ───フィナーレだ」
ひしゃげた手、反動に裂けた手、斬り裂かれた胸板。赤い血をカーテンの如く垂らしながら、膝に手を載せていたソーマタージはゆらりと起き上がる。
悪鬼めいた様相は、まるで風に攫われるかの如く崩壊し、元のソーマタージの姿へと変わっていく。その過程で、傷は表面だけでも塞がれた。
拘束は───他の動ける者に任せよう。自分がやると、殺しかねない。そういう風に出来ている身体なのだなら。

「よく言うだろ……。Tout finit par des chansons.それとも、冷血ブリキ女にとっては、些かお下品だったかな?」
懐から取り出した煙草を咥え───膝をついた。どうにか立ち上がりつつ、負傷者の様子を確かめるべく彼は動く。

419かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/23(日) 23:03:43 ID:???
>>415
こちらを向いたアリスは見たことだろう
激情を助長するかの如きクッソうざい笑みを
こちらに向けられる左腕 第六感は先ほどとは比べ物にならないぐらい警鐘を鳴らしている

アキレス「んの・・・!!」
比類なき脚力で思い切り踏ん張って足をとめ すぐさま力を込めて全力の跳躍
どうにかしてプラズマ砲を飛び越える

後は他のものがどうにかしてくれるd

アキレス「・・・・・・・・・・」
アキレスは見た 吹っ飛ぶイムカ 膝に手をついてるソーマタージ

アキレス「俺がやんなきゃダメでやんの!!!!」
着地 駆け出し アリスにタックルを仕掛けて組み伏せ

アキレス「ええとええと・・・あぁもうベティ!!」
―――ギィ!!

ベティに指示 ベティは攻撃を無力化するべく両腕を自慢のハサミで切り砕港とする

更に特殊警棒でアリスの頭をしこたまぶん殴る
意識とか飛ばないかなぁという淡い期待を込めて

420 ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/23(日) 23:16:27 ID:???
>>417
吹き飛んだイムカの身体を、壁に打ち据えられる前に柔らかな感触が受け止める。
背中に添えられた大きな手のひらは前にも覚えのある体温が伝わるものだ。
血とススにまみれたジョシュアが、その右の手のひらだけでイムカを抑え食い止めたのだ。

「良いパンチでした、コミッサー」

そのまま手を離せば、マガジンが空っぽになったマイクロレールガンを投げ捨てて。
ダグラスやエルミスとともに数多のS.T.を引き受けていたようだが、戦況は此方に傾いた。
故に現場は彼等やレジスタンスに任せて、こちらにケリをつけに来たようだ。

「…………アイツらもきっと喜んでます」

パキパキと指を鳴らしながら、Allieへと近づいてその左腕を掴み背中側へと拘束するのであった。

>>416 >>419
遅ればせながら差し向けられたニアの触手が疲弊したAllieに絡まり、巻きついて押さえつける。
ジョシュアの拘束も加わりAllieは完全に動きを止められ、更にそこへアキレスがタックルを繰り出す。
ぐしゃりと地面へ押し付けられ、Allieは苦しそうな呻きを上げてもがくが、三人がかりの拘束を外せる訳もなく。

ベティが挟んだ四肢はソーマの切りつけすら防ぐ装甲板に覆われているためびくともしないが、一応は無力化できているのか。
ガンガンと後頭部を警棒で叩きつけられる中、Allieは完全に身体から力を抜いて抵抗をやめ。

諦めたかに見えた次の瞬間、トリニティの広場で爆音をかき鳴らしていたスピーカーが突如として爆煙を上げる。
ジョシュアは咄嗟に爆煙の方を向く。トラックの荷台に搭載されたサウンドシステムはS.T.の砲撃によって完全に破壊され。
ハウリングの音と共に音楽が鳴り止み、再び周囲からは絶望に満ちた悲鳴が響き始める。
アキレスの方を向いたAllieの横顔は……笑みを浮かべていた。

>>418
「ソーマ……おい、ソーマッ!」
「休んでんじゃねェ、手ェ貸せッッ!!!」

ブチブチとニアの触腕から千切れ始めるような音が響き始める。地を押す腕の膂力は地面をヘコませるほどに強く。
アキレスの警棒やジョシュアの拘束をものともせず、Allieは四つん這いの姿勢へと戻って。

「サブルーチン……正常化」

片膝が立つ。ジョシュアは全力でAllieを押さえつけるものの、まだ止まらない。
いずれの越境者もが全力を振り絞って阻止するだろうが、それでは足りないのだ。

「A-07 Allieは正常に稼働中、良いですね……お待たせしました」

右腕を振るえばジョシュアが吹っ飛んだ。Allieを拘束していた彼の腕は滅茶苦茶に折れ曲がって。
さらに越境者達へ追撃を加えんと、次はニアの頭を狙ってその右手を振りかざすだろう。
ソーマが止めねば、誰かが死ぬ。戦争に手心は不要なのだ。


【『移民の歌』が停止、Allie及び他のS.T.がフルスペックへ回復】
【アキレス・ベティ・ニアによって拘束中】

421ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/23(日) 23:23:57 ID:???
>>420
「冗談言うねェ……こっちも、手一杯……」

休みたくて休んでいるわけではない。無理をし過ぎたツケが回ってきているのだ。
ジンワリと滲んだ血を指して怒鳴ろうとしたが、様子がおかしい。音楽が止まった、悲鳴が代わりを務める。
嫌な予感は的中し、運命の猟犬は暫しの休息すら許さない。痛む身体に鞭打ち立ち上がり、吼えると、ソーマタージは駆け出す!
「ノーミュージック、ノーライフ…!」

「───大人しく眠ってろ!!」
元々ないが手心は最早無用。走りながら軽く飛び跳ね、硬い靴底が狙うのはAllieの側頭、こめかみ付近!
サイボーグの怪力に加え、特殊ゼロニウム合金補強の靴底、跳んで付けた勢い、それと怒り。これでダメならもう知らんとばかりに、意識を刈り取るべく無慈悲なストンプが放たれる!
「待ってねーよッ!!」

422イムカ・グリムナー【最善への希求】:2019/06/23(日) 23:26:30 ID:???
>>420-421

「もうちょっと受け止め方にも典雅さが欲しいな。淑女の扱いとしては落第点だよ」

 なんとも渋い評価を下しながらもストンと降りるイムカ。
 実際、無茶をしたが、まあ何とかなった様子である。ここまでは…だったが。

【身体のいたるところに刺さっていた破片を引き抜いていたとき、それは起こった】

 イムカの美意識から遥かに遠いサウンドが僕恩と共に止んだ。破壊された。

≪00001111110101≫

 サーボスカルの警告、が、鑑みるまでもない。敵の機能回復は明らかであると容易に知れた。
 拘束中の連中が――危ない!肝心な所で詰めが甘かったということか!

「知恵(ハンサ)、生命(セトナ)、信頼(アテユ)、勇気(ベト)、秩序(ケプラ)、至誠(ゲーボ)、
 創造(デミウル)、厳格(ゲルプ)、理性(スラビ)、節度(ヨンド)、調和(サガス)、結合(イエルメ)」

 駄目だ。危急のタイミングにイムカの位置では遅い!

「ソーマタージ!殺れ!!」

423かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/23(日) 23:31:57 ID:???
>>420
アキレス「あ」
スピーカーが壊れる音に呆けた声を挙げる
嫌な汗が垂れる 組み伏せたアリスが 動き出す

アキレス「だれかぁぁあぁぁぁぁ!! 誰か何とかしてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
こいつにできることは ただ全力でし噛み付くことだけだった

424ニア・シューペリオリティ:2019/06/23(日) 23:32:06 ID:???
>>420
「あぁっ……!?」

悲願成就を告げる福音のラッパ吹きは失せて、替わりに絶望の鈴を打ち鳴らす処刑人が青白い顔を覗かせた
それはニアにしてみても意識を奪われる光景に充分であり、そしてその僅かな時だけで致命に至るに存分である

「……しまっ、んぎゃっ!!」

白飛沫荒れる濁流の中を暴れる板子の有様で、容易に吹き飛ばされるニアの躰
骸を晒す羽目にならずに済んだのはタイドメイカーがクッションになったからに過ぎない、ほんのちょっぴりの幸運に恵まれたに過ぎない

「こ、んの……」
「……あー、あー……、、」

再度攻撃を試みるには遠い、既に随分と吹き飛ばされてしまった
足に力が入らない、頭部へのダメージは存外に深刻だ
……ならば、己の所作の中で最も素早くアリーへ届く攻撃を……そう!


「▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎ーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」


強化された肺から爆発的に吐き出すノイズ!
精神を石臼ですり潰すが如き咆哮、倒錯的というには余りにも生ぬるい雄叫び!
指向性を持たせた大音響、空波を纏いながらにアリーへ迫る!

425 ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/23(日) 23:46:50 ID:???
>>ALL
「ぬるいぬるい…………妨害など無ければ、この程度……」

越境者による袋叩きを浴びながらも、Allieは涼しげな顔で立ち上がろうと。
ニアを弾き飛ばしたことによって拘束はほぼ解かれ、残るアキレスの排除も秒読みである。
しかしそのさなかに、再び起き上がったジョシュアが決死の突撃を繰り出したのだ。

「うおぉおおッッ!!!!」

腕を赤熱させて修復を果たしながら、ソーマの蹴りによって僅かにAllieの首が動いたそこへと組み掛かる。

「この野郎…………殺してやるッ!!」

輝く右腕を絡めるようにして、それを蠅のギロチンと化して断頭を目論んだジョシュア。
ニアを吹き飛ばされた怒りによって完全に我を失いかけており、Allieの首が徐々に煙を上げて解け始めていた。

「落ち着け、ジョシュア……!」

しかし乱入を果たしたダグラスによってジョシュアの右手は引き離され、代わりにダグラスがAllieの右腕を掴み拘束を果たすであろう。
さすが勇者とだけあって膂力はAllieにも匹敵するようであり、若干の力負けこそあるがたった一人で片腕を捉えていた。

「ここでAllieを殺してしまえば、レジスタンスはアリスに対する切り札を喪うぞ……!!」

更にエルミスが割り入って左腕を拘束、ソーマタージやイムカへのカウンターを阻害するのだ。
ジョシュアも二人に諭されると冷静さを取り戻して、右腕を普段の状態へと戻してAllieの拘束に取り掛かる。
ニアを守ることは間に合わずとも、Allieを鹵獲することはまだ失敗には終わっていない。

「この、面妖な……!」

再び続々と纏わりつく越境者には流石のアリーも辟易したようで、全身に力を込めて越境者達を弾き飛ばし、血祭りに上げようと目論んだその刹那。
ニアの放った渾身の音爆弾がアリーの聴覚を直撃した。がくんと膝が折れ、最後の隙を晒したのだ。

「抑えつけろッ!!」

胸のプレートキャリアから拳銃を抜き放ちながら、ジョシュアが叫んだ。

426イムカ・グリムナー【最善への希求】:2019/06/23(日) 23:54:44 ID:???
>>425

「善良(アフレ)、解放(イマーゴ)、変化(エクズ)、幸運(イシュケ)、意思(ワラタ)、制約(ジオス)、公式(ロゴス)」

 ここで警戒せねばならぬのは何か?Allieが今だ抜き差しならぬ状況なのは明らかだろう。
 しかし、である。そこにばかりリソースを割くわけにはいかない。何故ならば――

【他のS.T.もフルスペックに回復しているという事実がある!!】

「リ・エグザイル起動!!」

 今回は起動時のアサルトフィールドはあえて発生させずに周囲にリ・エグザイルを展開。
 警戒すべき〝余計な横槍〟を牽制すると共に、確保が成った場合は〝転送・加速による速やかなる撤収〟の布石を打つためだ。

【イムカはAllieの直接拘束ではなく、周囲牽制+退路選択肢の一つを用意を行う】

427かぶり ◆IqwQDoqGqI:2019/06/23(日) 23:56:14 ID:???
>>425
アキレス「粉砕しろ!! ファイブ・フィンガー・デス・パンチ!!」
拘束しろ その言葉にアリスから飛び降りて発動するはアキレスの奥の手
比類なき膂力と脚力を両立させるゆいいつの方法

青き霧の巨人が具現化する
なお 粉砕しろとは言ったものの 別に攻撃するわけではなく その膂力にてアリスの足に組み付き 拘束しようとするのみである

428ニア・シューペリオリティ:2019/06/23(日) 23:57:47 ID:???
>>425
「ーーーー………、、、」

全霊での咆哮を終えるや項垂れ、腕の力でなんとか倒れるのを防ぐだけである
視界は揺らぐし耳鳴りは酷い、顔面をぬめり落ちる血のぬくもりはカンに触った
それでもその体勢から触腕を生やしそれを持ってして機動、拘束へ参加する事をやめないのは執念に近い
周囲の状況への気掛かりは事実だが、仲間や兵達に託し今はただ……成すべきを成すのだ

429ソーマタージ ◆P2bEA4mHeU:2019/06/23(日) 23:58:05 ID:???
>>425
「アツくなるな!お前のスッキリのために後を全部潰す気かッ!」
ザリッと着地。ジョシュアを止めようと手を伸ばすが、ダグラスの方が早かった。
流石は勇者と言うべきか、暴走してるようにも見えるジョシュアを引き剥がし、Allieを押さえる様子は、以前の記憶を無くした腑抜けさなど微塵もない。

「そうだ、まずはお前が落ち着け……。水でも飲んでこい。必要なら、クスリもキメてこい。言ってやれイムやん」
人の身体だったら、冷や汗が止まらなかっただろう。神妙な顔で諭し、拘束に取り掛かる様子を見ればホッと一息。
もしも彼に難点があるとしたら、逆鱗が大きい上にやたらと多いのに加え、怒り方が尋常でない事だろうか。

正に大捕物だ。チラリと視線をAllieに向け、吹き飛ばされたニアの方を向いて───
「……お喋りやめ。耳栓ハメ」
慌てて両手で耳を塞いだ。彼にして彼女ありか。守るまでもなくね?とも思ったが、口には出さないでおいた。


「蹴りッ!何が何でもケーリッ、蹴り蹴り蹴り」
ジョシュアに言われるまでもない。ニアの音撃がやめば、ガバリと足を振り上げ、放つ!放つ!
先程と同様の、重いストンプの乱打!ただ溜飲を下げるための行為ではなく、狙うのはAllieの膝や肘などといった関節部。破壊し、抵抗を封じる算段だ。

「ガキの頃ッ!こうやって霜柱とか踏んで、遊んでたっけなッ!
 お前には分からねーだろーがな、売女め!役立たずめッ!とっとと抑えろバカチンが」

430 ◆4J0Z/LKX/o:2019/06/24(月) 00:16:31 ID:???
>>ALL
ジョシュア、イムカ、アキレスとベティ、ニア、ソーマタージ、エルミス、ダグラス。
組みつき、絡みつき、押さえつけ、関節を砕き、あるいは彼らの退路を築いて。
全ての越境者の尽力によって、ついにAllieは地面へとうつ伏せに倒れ組み伏せられたのだ。
残るS.T.の処理を放り投げてでも為されたそれは、彼女を無力化へと導く唯一の機会でもあり。
そしてジョシュアは引き抜いた拳銃から、二度弾丸を後頭部へ撃ち込んでそれに終止符を打ったのだ。

「…………」

Allieは砕けた四肢を投げ出して動作を停止する。といっても破壊された訳ではない。
ピストルの弾着によって内部の電脳に震とうを生じさせ、その意識をついに刈り取ったのだ。
電脳を守る殻は特に分厚く、貫通力に欠ける45口径では彼女を殺害出来ないといったジョシュアの打算によるものだろう。
ある種信頼にも似たその行為を果たせば、ジョシュアは拳銃をホルスターへと仕舞って。

周囲へと目を走らせながら、ゆっくりとニアを抱きかかえるべく彼女へ歩み寄るだろう。
何故ならば周囲にはレジスタンスを蹴散らしたS.T.が大挙して押し寄せているのだから。
移民の歌は鳴り止み、ニアの咆哮も限定的なもの。彼女らを再び弱体させるカードは存在せず。
絶体絶命かにも思えた状況の中、不意にS.T.の一人が明後日の方向を向く。

一人、また一人と越境者から目を背け、それは彼等よりも遥かに高い脅威度を持つ存在をそのセンサーに認めたからに他ならない。
個々の戦闘力で言うのであれば、年老い記憶を失ったとはいえダグラスが最もこの場では強力な戦士であろう。
しかしそのような彼すら放り捨てて、全員が専念するような戦士がレジスタンスに居たか。

思い出して欲しい、『1番台』の戦闘能力はとある越境者とほぼ同等であるというドクの言葉を。

「お疲れ様、後は…………私に任せて」

優しげな音色を奏で響く声。少しだけ掠れたそれは、彼らも聞き覚えのあるもので。
そこには人工透析機との接続を解除し、オスクロとソーンブラを構えたハイプリエステスの姿があった。
そして彼女は越境者へと一瞥をくれて、十数体ほど残ったS.T.の群れの中へと、一人飛び込んでいったのだ。
轟音と閃光がこだまし、白い血飛沫が舞い散り、その間にドクとレジスタンスの兵士が気を失ったアリーを拘束具に乗せ、リ・エグザイルによって撤退を果たすだろう。
越境者も続き、その場から離脱することを余儀なくされる。

やがて全てが平穏の夜の海原のように静かになって。
戦いが終わってもなお、ハイプリエステスが帰ってくる事は無かった。

431 ◆4J0Z/LKX/o:2019/07/01(月) 22:03:08 ID:???
「越境者、手の空いている越境者はいるか?」
「こちらアルフレッド・ノーマン・ヨハイム。緊急の案件だ。すぐに集合してくれ」

煙の上がるキャンプ・トリニティにドクの声が響く。
辺りには生き残りのPAやフォークリフトが行き交い、ディーゼルとサーボの音がこだまする。
負傷者や死者の処理と弾薬の在庫管理に、トリニティは大わらわといった様子であった。
招集に応じて越境者が集結すれば、ドクは背中から生えた触手を用いて身を掲げ木箱の上に乗る。

「先程、S.T.のオムニウム・コアを用いて試験的な越境ポータルを作成することに成功した」
「諸君にはこれを用いて、越境先から食料や資源を手に入れて来て欲しいのだ」

15年前の時間軸へと飛ばされて以降、越境者に偶発的な越境はもたらされていない。
その全てがポータルやテッセラクトを用いた随意的な越境であり、それは運任せの越境が出来ないということだ。
世界を股にかけるというアイデンティティを長らく奪われていた、そんな彼らに朗報だ。
今回の任務は世界を越えた物資調達、それもワールドタイムゲートの構築に必要な、スイッチ式ポータルの稼働試験も兼ねている。

「ジョシュアとエルミスはAllieの拘束で手が離せないので、今回はダグラスが随伴する」

稼動試験は済ませているが、どの世界に繋がるかまでは未知数なところがある。
故に備えは最善のものを喫し、ダグラスという主戦力を投入することが決定されたのだ。

432イムカ・グリムナー【最善への希求】:2019/07/01(月) 22:18:20 ID:???
>>431

「確か――」

 イムカは一応は確認である。この世界、食物や資源などもだいぶ詰んでいるのか?だ。
 食に意は無いイムカであっても兵站の大切さくらいは解る。
 そして、それが払底しているのはパワーアーマーの状態からも明らかだった。

【必要な事だったとはいえ、イムカが使い潰したパワーアーマーはかなりの虎の子だったのだろう】

「ミスカの手前もある。いざという段で干上がって戦えませんでしたでは恰好がつかなすぎるな」

 と、イムカはこの実験に快く了承。リスクを承知か?と問われれば、

「私がいれば何も問題は無い」

 相変わらずどこからか湧いてくる無尽蔵の自信と自負で言ってのけたそうな。

433ニア・シューペリオリティ:2019/07/01(月) 22:20:44 ID:???
>>431
「はーい、はーいってんですよー」

元気良く挙手するのはニアである
この悲痛なる世界に於いても希望を捨てずに歩み続け、今尚光を追い求める彼女は相変わらずなマイペース

「……ポータル」
「あー、往復出来るタイプのやつだってんですよね?何人まで行けるってんですか?」

同伴のダグラスが来たのなら手を振り挨拶、準備に必要な装備などを整えるであろう


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