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ビカラと幼児プレイ

8名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/02/19(土) 20:38:04 ID:9HcbuPeg
「……ぁ」

 交差する視線。
 だんだんと硬直していくビカラ。
 その小さな顔にうかがうような赤い目と困ったような眉を隠すように手のひらを乗せた。

「ひゃわっ……団長、さん?」

 触れた手、その指の一本だけで皮膚をなぞり、ちいさくこぼした声に不快が滲んでいないことを注意深く確認しながら、声をかけていく。
 ビカラ、と名前を呼んで。続けて子どもにするような褒め言葉。かわいいといった言葉をあえて語彙少なく重ねて修飾して、囁いた。
 普段の会話では不合格な言葉を、目を閉じた彼女に触れながらずっと。

「……ぇと、恥ずかしいん、です、けど」

 ビカラは口を尖らせて、唇をまきこむように閉じて、を繰り返し。もごもごと喉でも乾いたように舌を動かし薄い頬肉を波打たせている。
 文句未満の伸びた語尾を飲み込んで振動に変えて。言葉にならない言葉を転がす。
 彼女の小さな手が伸びて指先にかかって。しかし、こちらの指一本に対してきゅっと三本の指でつまむようにおさえて、それだけ。
 揉むようなしぐさは柔らかな手が重力でわずかに歪むそれ未満の力しか込められていない。

「…………ぇへ」

 名前を呼ぶ。
 ビカラの口角が片側だけ持ち上がり、つまんだ指をこすりあわせてから最後。
 手が重なる。
 重ねて、おっかなびっくりと女性らしく奇妙なほど柔らかに指だけそらせて離して、静かにかぶせて。
 きゅっ、と押し付けられた手がじんわり熱を伝えていた。

「……おとう、さん」


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