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花田煌「大丈夫ですか?おっぱい揉みますか?」

427名前なんか必要ねぇんだよ!:2018/06/25(月) 00:01:15 ID:Yli/8PCY

狭いシャワールームで、あの子と一緒に温水を浴びる

私は終始無言のまま、あの子の胸板に寄り添っていた

行為の禊を済ませた後、着てきた服にもう一度腕を通す。

着替えが終わると、あの子が声をかけてきた。曰く、会計を済ませたと。

そうして、朝日が顔を出した通りを2人で並んで歩いていった。

『すみません』あの子がぽつりと呟いたその言葉を言い終える前に

「気にするな」と返事を返す。

それが、その日最後にあの子と交わしたやりとりだった。

ーーー

マンションに戻って真っ先に行ったことは、同居人の姫子に謝り倒すことだった。

終電を逃してホテルに泊まったとか、携帯の充電が切れていたとか、あまりにも疲れて眠ってしまったとか、そんな事を言って弁明をしたのを覚えている

ありがたいことに、姫子は怒るどころか労いの言葉をかけてくれた。本当に、私には勿体ないくらいの恋人だ。

そうしてまた、社会の荒波に揉まれる日々が戻ってきた。

膨大な量の仕事をこなし、上司の機嫌を取り、ノルマに追われて、夜遅くに帰る。

そんな毎日を続けていたら、あの一夜の戯れの思い出も順調に色褪せていった。

もう間違えたりしない。もう二度と、恋人を裏切ったりしない。そう心に誓った翌週に

ーーあの日のような大雨がやってきた。

ーーー

雨音が響く、終電後の駅のホーム

屋根の下で佇む私と、私を後ろから抱きしめるあの子

終電に乗ろうとした私の腕を掴み、抱き寄せてきたあの子

私はそれを振り払う事もせず、あの子の腕に抱かれた。

そして私はあの子の体温に、あの戯れの記憶を想起させていて

「…行くか」

無意識のうちに、そんな言葉を呟いた



この雨は、また当分止むことは無いだろう


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