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花田煌「大丈夫ですか?おっぱい揉みますか?」
425
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/06/24(日) 00:31:09 ID:bbNHbpPg
狭いワンルーム。色褪せた壁紙。古ぼけた大きなベッド。
終電を逃す度に使うこの部屋は、私だけの秘密基地のような気分で使っていた
だから、今日のところは秘密基地に友達を1人招くだけだ。自分にそう言い聞かせるようにして、私とあの子は部屋に入った
軋んだ音と共にドアが閉まり、かちゃりと鍵がかかる音が響く
たったそれだけ。たったそれだけで、まるで私とあの子が世間から切り離されたように感じられた。
互いの荷物を床に置いて、濡れたジャケットをハンガーにかける
そうしてベッドを軋ませながら腰掛けると、あの子は椅子に座りこちらを見つめてきた
私も、何も言わずにあの子を見つめ返す
『酒、買わないんですか』ぽつりとあの子が呟く
「雨ん弱うなったらな」何件もコンビニをすれ違っておいて、私はそう呟く
『そうですか』暫く沈黙が続いて、あの子がまた、ぽつりと呟く
降りしきる雨の音だけが、部屋に響いていた
遠くに聞こえていた雷鳴が、すぐのところまで迫る
ーー気がつくと、あの子が目の前に立っていた
あの子の目が、どうすればいいのかと私に訴えかけているのが分かった
ーー私は、ベッドに身体を投げ出すことで応えた
両手を広げ、あの子をじっと見つめながら、「おいで」と呟く
ぎしり、とベッドに2人分の体重が乗る音がした。
あの子の顔が、至近に迫る
やめて、と拒絶する意志は粉々になっていて
嫌だ、と抵抗する意志はドロドロに溶けてしまって
誰も幸せになれない、不幸を齎すだけの毒薬が身体を冒し尽くし、歪んだ意志を形成して
劈くような雷鳴が部屋中に響き渡った時
暖かく優しい、裏切りの口づけが私にトドメを刺した。
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