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八幡「由比ヶ浜の幽霊がいつも纏わり付いてくる」
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結衣「おきろー!ヒッキー朝だぞー!」
八幡「耳元でデカイ声を出すな、近所迷惑でしょうが」
結衣「ヒッキー意外には聞こえてませーん☆だって幽霊だし!」
八幡「お前死んでから更にテンション高くなったよな‥‥なんで?」
結衣「そ、それは、ヒッキーと一緒にいつも居られるし‥‥死んだのも悪くないかなって」
八幡「いや悪いだろ。お前のママさんパパさんに会わせたいよ俺は」
結衣「はいはい生前の話はやめやめ!それより早く学校行こうよ!」
八幡「へいへい‥」
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やめろォ!(建前)ナイスゥ!(本音)
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やれ
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面白そうなシチュだから続けて、どうぞ
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いいゾ〜これ
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比企ヶ谷くんと結婚した後も憑いてくるのかしらこの悪霊は
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先輩除霊しましょうよ��
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憑依してイチャイチャ出来る手ごわい布陣
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あーし、結衣が死んだとか信じないから
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居酒屋ゆうれいかな?
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いつも側にあんなおっぱいあるのに揉めないとか切ない、切なくない?
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魔神相剋者になりそう
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ゆらぎ荘理論で触ることはできることにしよう(提案)
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面白そうは面白そうだけど切ない
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その1
ずっと一緒に八幡と居たいと願い、八幡をあの世へ連れて行こうとする結衣とそれを阻止する為に奔走する雪乃達
もちろん結衣は邪魔者をあらゆる手段を使い次々と殺していく
その2
なんやかんやで結衣と常に一緒にいる生活が当たり前になった八幡
死んでからもなお八幡との生活を楽しんだ結衣は、これ以上この世に居てはいけないと言い残し満足げ気に笑顔で消えていき八幡はまたいつもの1人の生活に戻る
じゃあ俺、その2が見たいから……はい、よろしくぅ!
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>>1じゃないけど自分いいすか?
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奉仕部部室
ガチャ
いろは「せんぱーい!いますかー?」
雪乃「あら一色さん」
八幡「なんだお前か」
いろは「なんだってご挨拶ですねー、先輩こないだ今日は生徒会手伝ってくれるって言ったじゃないですかー?」
八幡「……言ったっけ?」
いろは「もー、これでも受験生の先輩に気を遣って、最近はなるべく自分でやってるんですからね?」
八幡「あー、すまんすまん……雪ノ下」
雪乃「別に構わないわよ」
いろは「じゃあお借りしますねー……あれ、今先輩この単元勉強してました?」グイッ
八幡「おう」
いろは「私今ちょうどここ習ってるんですけど全然わかんないんですよー、先輩教えてくださいよー」ギュッ
八幡(近い!いろはす近い!)
いろは「ここの部分なんですけ、ど……!?」ゾクゾクゾクッ
-
八幡「……どうした?」
いろは「……いや、今とんでもない寒気がしたんですけど、この部室寒くないですか?」
八幡「いや全然、むしろ日だまりポカポカなんだが」
いろは「風邪引いたのかな…」
八幡「どれ…」ペタッ
いろは「ひゃっ」
八幡「うーん、熱はないと思うが……」
ガラガラガッシャーン
八幡いろは「「!?」」
雪乃「私のティーセットが…」
いろは「せ、先輩、今風吹いてましたか?」
八幡「……というか窓閉めたままだったな」
いろは「……私やっぱり今日帰りますね」
八幡「……それがいいかもな」
いろは「じゃあ先輩また今度に」ピューッ
ガチャン
-
頑張れID:U31sn6P2ァ!ふんばれェ!(やんややんや
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帰宅後 八幡の部屋
八幡「……もう出てきていいぞ」
結衣(霊)「……ヒッキー、やっはろー!」スーッ
八幡「やっはろー、じゃねえよお前、一色に何やってんだよ」
結衣「だって近かったんだもん!」プクー
八幡「お前あんま目立つと学校が除霊師を呼びかねないぞ、もう既に噂立ってるからな」
結衣「ヒッキーもヒッキーだよ、素であんなことするんだから」
八幡「反射的にお兄ちゃんスキルが発動しただけだ他意はない」
結衣「ドキドキしてたくせに」
八幡「仕方ねえだろ」
結衣「ふーん!」ツーン
-
八幡「……明日、たまには買い物にでも行くか」
結衣「え!?私出たままでいいの?」
八幡「……いいけど人の多いところではあんま話しかけんなよ?」
結衣「やった!行こっ、ヒッキー!」ピョンピョン
八幡「サブレかお前は…」
ーー
突然の事故で由比ヶ浜結衣がこの世からいなくなって半年経つ。
最初はみんな悲しみに暮れたものだが、人間の防衛機制とは恐ろしいもので、今やすっかり日常を取り戻してしまっている。
俺はと言うと、由比ヶ浜が死んでちょうど一週間経った夜、こいつが化けて出てきてからと言うものずっと行動を共にしている。
最初は失禁しそうなほどビビったものだが、周りが由比ヶ浜を失ったことに慣れてしまったのと同じく俺もこの異常な現象と過ごす日常に慣れてしまっている。
由比ヶ浜の霊は最初こそとてもおぼろげでほとんど声だけの存在だったが、今では頭から胸元辺りまでははっきり見えるし、先の部室でのようにポルターガイストじみた悪さが出来るようになるまで由比ヶ浜もこの幽霊生活に適応している。そのうち人に憑依でもするんじゃないかと若干の危機感を覚えている。
-
(立ち上がりと設定まで書いたから後は)よろしく
-
>>22
ざけんな
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>>22じゃないけど自分もいいすか?
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おうあくしろよ
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千葉県民にとって、「千葉に行く」というのは千葉駅周辺に向かうことを指すのが圧倒的マジョリティだと確信していたのだが、どうやら壮大な思い違いだったらしい。
幽霊に成れ果てて俺の周りを飛び回る存在になったとしても、由比ヶ浜結衣の頭は何一つ変わっていなかった。
昨晩に由比ヶ浜へ「明日は千葉へ行くぞ」と伝えると、なにやら難しそうな顔して、「ヒッキー、千葉ってここだよ? 頭大丈夫?」と返された。
ここまでHOP-UPな思考を垣間見えるとは露とも思っておらず、「お前病院行ってこい」と突っ込んだ。お前の行く病院はもうないけどな! これが幽霊ジョークか!
そんなこんなで頭の上に「?」マークを灯す由比ヶ浜に、「千葉に行く」という初級イディオムを叩き込み(つーかお前も千葉長いんじゃなかったのかよ……)、俺たちは千葉に行く。
結衣「ヒッキーさっきから千葉千葉うるさい」
八幡「いや、それはこっちのセリフだからね? 由比ヶ浜さん? あと電車内で喋りかけないでねって、あれほど注意しましたよね?」
結衣「えー、だってつまんないしー……」
八幡「誰かから見たら、俺が一人で喋ってるだけだからな? ニコニコ動画にアップされたら責任とってくれよなマジで……」
-
いいゾ〜これ
-
結衣「ふーん。ヒッキーの話をまとめると、電車に乗ってる変な人を動画サイトにあげちゃう悪者がいるってこと?」
八幡「まあそんなところだな。おわかりいただけたようだから、由比ヶ浜も今後は注意し――」
結衣「物騒な世の中になったよねー。あっ、もうすぐ千葉駅だよ!」
八幡「お前、人の話を全然聞かないのな……」
――千葉駅構内――
結衣「うわぁ、千葉駅ってこんなに綺麗になったんだ! 見てみて、ヒッキー! このトイレも新しそう!」
八幡「そりゃ新しいに決まってんだろ……。つーか先に目が行くのトイレかよ……。ほかの見どころをつくったデザイナーに謝れよ……」
結衣「あっ、すごい。あそこのパン屋めっちゃ並んでるよ?」
八幡「あぁん? パン屋? ――おお、あれは」
改札内の出店のなかで一際目を引く行列がそこにはあった。
「PEATERPAN」の大きなロゴが特徴的なベーカリーは、千葉県民には切っても切り離せないパン食文化の象徴である。
現在の馬込沢に一号店を出店したピーターパンは、今や県内に七店舗を構えるリージョナルチェーンだ。
焼きたて作り立てがモットーで、トレーに載せていたパンを時々店員さんが作り立てのものと替えてくれるのだ。どうなってんだよ、このパン屋。
御多分に漏れず、俺もピーターパンのファンな訳だが、どこのお店も混んでいるのが少々ネック。
今日は見送ろうか――って、由比ヶ浜さーん? 幽霊は行列にカウントされませんよー?
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ID変わったけど>>22です
やっぱ書きたくなったんで>>24兄貴が終わった後で自分が考えたやつ書きます
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結衣「ヒッキー、あたしメロンパン食べたい!」
八幡「お前その姿じゃ食べられないだろ……」
結衣「それはそうなんだけど……。あとでヒッキーが食べてるとこ、後ろから見てるから! ほらお供えものだと思ってさ」
八幡「供えものがメロンパンかよ……。しかも俺が食べるのか」
結衣「えー? いいじゃん。ヒッキー、メロンパン嫌い?」
八幡「いや、まあその、好きだけど……」
結衣「そっか、じゃあよかった! ……でも、生きてるうちに一緒に食べたかったな」
八幡「由比ヶ浜――」
結衣「……う、ううん!? ごめんねヒッキー、あたしちょっとナーバス? だったみたい! 大丈夫だから、ヒッキーも自分のパン選んで!」
八幡「あ、ああ……」
スタッフ「元気印のメロンパン3点、塩バターロールが4点、カレーパンが2点、バタールが1点――」
結衣「ヒッキー、言う割にはいっぱい買うよね」
八幡「うっせえ、これは小町の土産分も含まれてんだよ。あいつここのパンが好きだったからな――」
結衣「なに遠い目してんの!? 小町ちゃんまだ生きてるよね!?」
八幡「小町は俺の目が白いうちには死なせないからな、当たり前だ」
結衣「そんな急にドヤ顔されても――あっ」
八幡「あん? どうしたんだよ……」
結衣「あそこ見て、ゆきのんいる」
八幡「まさかこんなパン屋に雪ノ下が――マジじゃねぇか」
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あんな可愛い子と四六時中一緒でお触りできないとか生殺しか何か?
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>>29兄貴
仕事の時間になってもう書けないので、どうぞご自分のを……
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ファッ!?
じゃあ続きから考えるんでちょっとまって
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リレースタイルは草生える
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日曜に仕事?あっ(察し)
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>>33
すみません、よろしくお願いします……
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雪乃「……あら」
八幡「よう」
結衣「ゆきのん、やっはろー!」
雪乃「こんにちは比企谷君。一人で買い物かしら?」
結衣「ヒッキー一人じゃないよ!私もいるよ!」ヒョイヒョイ
八幡「……まぁな」
雪乃「そう。私も勉強の息抜きに散歩してたところよ。……良かったら少し話さない?暇でしょう」
八幡「暇前提なのかよ。まあ暇なんですけどね…」チラッ
結衣「……いいよいいよ!私もゆきのんと久しぶりに遊びたかったし」
八幡「わかった……で、どうすんの」
雪乃「特に行きたいところは無いから…お茶でもどうかしら。ここのパン屋さん、二階にカフェスペースがあるのよ」
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パン屋二階・カフェスペース
八幡「このメロンパン美味いな」
結衣「うわーいいなー美味しそうー」タラー
八幡「おい何か垂れてんぞ」
雪乃「? 何かこぼしてしまったかしら」
八幡「あ、やべ……いやすまん。見間違いだ」
雪乃「……そう」ススッ
八幡(スルーか、また罵倒されるかと思った……)
雪乃「比企谷君」
八幡「何だ?」
雪乃「あなたは今誰と一緒にいるのかしら」
八幡「えっ」
雪乃「最近の……いや、<あの時>からのあなた、少し変よ」
八幡「……」
雪乃「まあ、元からとびきりの変態だったわけなのだけれど」
八幡「うっせーよ」
雪乃「比企谷、あなたもしかして、まだ引きずってるのかしら」
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>>38
君付け忘れてた、つけといてください
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雪乃「由比ヶ浜さんのことは、私もとても悲しいわ。今でも思い出して泣いてしまうもの」
結衣「ゆきのん…」
八幡「……」
雪乃「でもね、だんだんその頻度が少なくなって、私自身日常に戻っていってるのを感じるわ。そんな自分が薄情に思えてしまうのだけれど……人間というものは、そういうものだとも思うわ。過去を忘れることで、区切りをつけることで、明日を生きられるように私たちの脳は出来ている」
八幡「……そうだな」
雪乃「あなたのことだから、何か理由をつけて自分を責めたり、あるいは彼女がいなくなってしまった現実から目を背けているのかもしれないけれど……それはやめなさい。そんなことは由比ヶ浜さんは望まないわ」
結衣「……」
八幡「……分かってる」
雪乃「……比企谷君、私、志望校を変えようと思うの」
-
八幡「マジか……どこ?」
雪乃「○○大学の心理学部を受けようと思う」
八幡「それ俺の志望大学じゃねえか。お前ならもっと上の……」
雪乃「あそこの教授に興味深い研究をしてる人がいて、そのゼミに入りたいのよ」
八幡「……そっか」
雪乃「そうよ。だから比企谷君、これから休みの日はなるべく、私と一緒に勉強会を開かないかしら。そちらの方がお互い捗るでしょうし、それに……」
八幡「それに?」
雪乃「……いや、何でもないわ。それでどうかしら?」
八幡「……」チラッ
結衣「行きなよ!ヒッキー一人だとサボるじゃん!」
八幡「じゃあ、そうさせてもらおうか」
雪乃「……比企谷君」ギュッ
八幡「な、何だいきなり手なんか握って……」
雪乃「……いえ、安心したわ。ちゃんと暖かくて」
八幡「雪ノ下…」
雪乃「私もう帰るわ。比企谷君、よろしくね」
スタスタ…
結衣「……」
八幡「……変なやつ」
結衣「……私はちゃんとここにいるもん」ボソッ
-
八幡「何か言ったか?」
結衣「ううん、べっつにー!それよりヒッキー、クレープ食べに行こうよ!」
八幡「いやお前食べられないだろというか俺今メロンパン食べたんだけど」
結衣「いいからいいから〜」ヒョロロー
八幡「はいはい…」
…
-
それから俺と雪ノ下(と由比ヶ浜)は毎週のように雪ノ下の家へ集まり受験勉強に励んだ。
俺が眠りかけると雪ノ下につねられ、二人してうつらうつらしだすと由比ヶ浜が物を落として叩き起こすという連携で頑張りつづけ、成績は順調に上がっていった。最終的には数学まで克服し、雪ノ下の元々の志望校すら狙えそうなほど上がった。これには我ながら驚いた。
そんな受験の季節も終わり、俺たちは総武高校を卒業し、大学から無事合格通知を貰った。
今は新生活に向けて部屋を片付けている。第二ボタンを一色に強奪され、なんか無残な感じになったブレザーをタンスにしまい込みながら、この奇妙な高校生活に思いを馳せていた。
八幡「間違ってないよな…」
歪んた形かも知れないが、俺は最後まで、欠けることない奉仕部三人で高校生活を楽しんだ。由比ヶ浜もそうだし、雪ノ下も薄々感づいているだろう。
そしてそれはこれからも変わらない、と思う。
-
と思うのだが、由比ヶ浜は最近あまり元気が無い。実体化する頻度も減ってるし、出てきてもあまり話さず、なんとなく遠くを見てることが多い。
俺としてはあまりかける言葉が無い。ただ、俺はお前とずっと居たいんだとはそれとなく伝えた。彼女は微笑んでいた。それで充分だろう。
八幡「あっ…着替えはまだ仕舞うとマズいか」
明日は合格祝いを兼ねて、雪ノ下と遊びに行く約束をしていた。デートというと意識してるみたいで恥ずかしいが、普段着で行って罵倒されたくもないのでそれなりに綺麗めな格好で行く必要があろう。
俺が作りかけの荷物から服を引っ張り出してると、唐突に部屋のドアが空いた。
ガチャ
八幡「うおっ、て何だ小町か……ノックくらいしろ」
小町「……」
八幡「どうしたんだ、こんな夜中に」
小町「……ヒッキー」
-
飯食ってくる
-
いいリレーしてますよねぇ
-
vgVYglIQとoDzpLEqUのさ、合作ができたらどうする?え?名作SSの誕生か?
-
八幡「……お前」
結衣(in小町)「私だよ…由比ヶ浜結衣。小町ちゃんの体借りてきちゃった」
間違いない。声は小町だが、声の使い方が明らかに由比ヶ浜結衣のそれだった。
八幡「借りてきたって…」
結衣「あ、大丈夫。小町ちゃんにはお願いして、いいよって言ってくれたから」
八幡「お前小町と話せたのか」
結衣「最近ね。ほら、やっぱりヒッキーと小町ちゃんは似てるから。うーん、ラジオのチャンネルの数字が近い…みたいな感じかな?」
八幡「そういうもんなのか」
結衣「で、ね。今日はヒッキーにお話があって来たんだ」
八幡「話って…」
結衣「………ヒッキー、好きだよ。大好き」
俺の目を真っ直ぐ見て、由比ヶ浜結衣はそう言った。
-
八幡「……おう」
結衣「え?ヒッキーびっくりしないの?」
八幡「……化けてまで出てきた女の子を疑ったりはしねえよ」
結衣「えへへ……だよね」
由比ヶ浜の好意には気付いてた。というか気付かないほうがどうかしている。努めて気付かないふりをしていたのだ。
口に出すと、彼女が消えてしまうようなそんな予感がしたのだ。
結衣「あのね、明日きっとゆきのんが、ヒッキーに同じことを言うと思うんだ」
八幡「雪ノ下が?」
結衣「女の子はそういうのわかるんだよ…?だから、その前に言っておきたかったんだ。ヒッキーのそばにいた時間は私のが長いもんね!だからそのくらいの権利は、あるかなって…」
八幡「由比ヶ浜、お前…」
結衣「返事、聞かせてほしいな」
-
ちくしょう悲しみが半端ねェ
-
正直わからなかった。
由比ヶ浜のことは愛おしく思っている。でもこれは恋愛感情なのだろうか?
そもそも、この世のもので無い彼女へのこの感情は……違う、偽物なんかじゃない。俺と由比ヶ浜が過ごした時間は本物のはずだ。だから、つまり俺は――
結衣「ダメだよ」
口を開きかけたその時、由比ヶ浜は微笑みながらそう言った。それだけだったが、俺は全てが分かった。分かってしまった。
八幡「……悪い由比ヶ浜、俺、好きな人がいるんだ」
結衣「うん」
数分の沈黙の後、絞り出すようにそう告げると、由比ヶ浜はその言葉を受け止めるように目を閉じて、何度も頷いていた。
結衣「ヒッキーは、優しいね」
八幡「お前ほどじゃねーよ」
結衣「ヒッキーのそういうところが、一番好きだったよ」
-
八幡「…ありがとよ」
結衣「ううん。あーあ、フラれちゃったな。やっぱショックかも」
八幡「ごめんな…」
結衣「謝っちゃダメだよヒッキー!そういうのが余計に傷つくんだからね!」
八幡「由比ヶ浜…」
結衣「ヒッキー、あのね、私最近色んなことが出来るようになったんだよ?こうして人に乗り移ったりできるようになったし、体だってもう腰のあたりまではっきり見えるようになったんだよ。気づいてた?もしかしたら、そのうちヒッキーにも触れるようになるかもしれない。でもね、ヒッキー」
結衣「そしたら私、きっと悪霊になっちゃうんだよ……っ」
そして由比ヶ浜は大粒の涙を流した。
結衣「っ…嫌だよヒッキー、私ね、色んなことが出来るようになるほど心に黒いものが溜まっていっちゃうんだよ……?このままじゃヒッキーを、ゆきのんを好きな私が消えちゃう…そんなの嫌なの…ヒッキー、ヒッキー…」
小町の体で嗚咽する由比ヶ浜の背中を、俺は落ち着くまで擦り続けた。
結衣「ありがとう…ほんとは泣くつもりなんか無かったんだ…ごめんね」
八幡「お安い御用だよ。その、なんだ由比ヶ浜。俺はお前かどうなろうと受け止める覚悟はつけてるつもりだ。だから」
結衣「ううん、ダメ……ダメなんだ。ヒッキー。だからね、今日はさよならを言いに来たんだよ」
-
俺は目の前が真っ暗になった気がした。
嫌だ。俺は嫌だ。由比ヶ浜結衣を二度も失うなんてごめんだ。俺はお前が化けて出てきたとき驚いたけど、本当は信じられないほど嬉しかったんだ。由比ヶ浜、俺はお前が――
奔流のような言葉は、しかし口からは出ず、ただ涙になって俺の頬を伝っていた。
そんな俺を、今度は由比ヶ浜が優しく抱き締めていた。
結衣「ヒッキー、だから最期にお願いがあるんだ」
結衣「今夜だけ、恋人じゃダメかな…?」
八幡「由比ヶ浜…」
結衣「キスまでならいいって、小町ちゃんにオッケー貰ったんだ。……ヒッキー」
すうっと、小町の顔が近付いてきたかと思うと、その唇が俺の唇に触れた。
ほんの一瞬だったが、永遠のように長く感じたそれが俺のファーストキスだった。
結衣「……えへへ、しちゃったね」
八幡「……妹とキスしても何も思うはずが無いと思ってたんだが心臓が跳ね上がるほど鼓動してるんだが。というか俺、明日から小町の顔まともに見れなくなるじゃねーか」
結衣「ごめんね」
八幡「いいけどよ。小町も好きだし」
結衣「シスコン」
八幡「千葉のお兄ちゃんはみんなシスコンなの」
結衣「じゃあシスコンのヒッキー、今度はヒッキーからしてほしいな…」
-
言われるがままにそっと口付けすると、由比ヶ浜は俺の背中に手を回して強く抱き締め、貪るような深いキスで応酬してきた。
八幡「おまっ……」
やっとのことで由比ヶ浜を剥がした頃には息が絶え絶えになっていた。
八幡「小町の体でそんなふしだらなことするんじゃありません!」
結衣「えーだって」
八幡「だってじゃねーよ舌まで入れやがって……」
結衣「分かった。じゃあ、添い寝してほしいな。それならいいでしょ?」
八幡「それなら…」
結衣「じゃあ、電気消すね…」
-
電気を消してベッドに入ると、由比ヶ浜が潜り込んできて向かい合わせになる。小町と昔こうして寝たこともあったが、この胸の高鳴りは兄妹のそれではない。すごく背徳的である。
結衣「ねえヒッキー」
八幡「何だ」
結衣「手出さないの?」
八幡「出さねーよ!キスまでって言っただろ!」
結衣「多分バレないよ?」
八幡「バレるバレないじゃねーよこのビチヶ浜」
結衣「あー今ビッチって言ったし!ひどい!」
八幡「いや今のはどう考えてもビッチだっただろ…」
結衣「じゃあヒッキー、抱き締めてほしいな」
-
八幡「はいはい…」
いつものノリのやり取りをすると、不思議と気持ちが安らいできた。由比ヶ浜(小町)の体温が、鼓動がだんだん俺のそれと同期してきて、暖かい暗闇の中でだんだん瞼が重くなるのを感じた。
結衣「ヒッキー」
八幡「何だ?」
結衣「初めて会った日のこと覚えてる?」
八幡「そりゃどっちの話だ?」
結衣「奉仕部の方」
八幡「おう……変なやつだと思ったな」
結衣「ヒッキーにそれ言われたくないし!」
八幡「へいへい」
結衣「ヒッキー、楽しかったよ。ヒッキーがいて、ゆきのんがいて、時々いろはちゃんや先生が来て、ワイワイやってさ。そんな奉仕部が大好きだったよ」
八幡「……俺もだ」
結衣「……ヒッキー」
八幡「……何だ」
結衣「……ううん、何でもない」
八幡「……」
結衣「……」
結衣「…………………バイバイ、ヒッキー」
……
-
悲しいなあ…
-
アーナキソ
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感動した
-
途中まで書けてよかった(仕事上がり)
-
<削除>
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>>61
貼り間違えました、その前があります
-
……
春眠暁を覚えずと言うが、まさにその通りで俺は朝が来るのも忘れてぐっすり眠った。というより、目覚めてはいけない気がして、朝が来るのを無視してひたすら眠りにすがってたという方が感覚的には正しい。
そしてそんな春眠は、いつものように愛する我が妹によって破られた。
小町「起きろーーおにいちゃああん!」ガバッ
八幡「っあっ!?さ、寒い」
小町「全くこのゴミいちゃんは、今日雪乃さんとデートなんでしょ!遅刻しちゃうよ!」
八幡「……あっ」
現実が急に帰ってきた。そうだ、今日は雪ノ下とディスティニーランドに行く約束をしていたのだ。
八幡「すまん……今何時」
小町「もう8時半!ダッシュで出ないと遅れるって」
昨日のあれは、夢だったのだろうか?
しかし由比ヶ浜の気配は、確かに無くなっていた。今まで姿を消してる時でも感じていた背中の温かい違和感のような気配も綺麗さっぱり消滅していた。
喪失感より、本当に綺麗に消えてしまったという思いがして、しばし呆然とする。
-
小町「何ボーッとしてんのお兄ちゃん」
八幡「……小町」
小町「何?」
八幡「ありがとな」
小町「何を言ってるか全然わかんないんだけど!!ていうかほんと遅れるからはよ起きろこのゴミいちゃん」
八幡「わかったわかった…」
そう言う小町はなんと耳まで真っ赤にして、手を反射的にピクッと唇に寄せていた。
え?もしかして小町の意識あったの?嘘だろ?俺もう小町の顔まともに見れないんだけど。
八幡「……ありがとな」
もう一度独り言のようにつぶやいて、俺は飛び起き身支度を始めた。
-
…
ディスティニーランド ゲート前
雪乃「5分遅刻よ」
八幡「これでも全速力だったんですけど」ゼェゼェ
雪乃「昨日楽しみで寝られなかったのかしら」
八幡「まあな」
雪乃「……フフッ」
憎まれ口でも叩かれると思ったが、雪ノ下は笑った。
その笑顔があまりに自然で、綺麗で、なんとなく見惚れてしまう。
八幡「じゃあ行くか」
雪乃「そうね……今日は混んでるわね」
八幡「まあ、春休みの行楽日和だからな」
雪乃「……その」
-
八幡「なんだ?」
雪乃「これはその、勘違いしないでほしいのだけれど、これだけの人混みに入ってしまったらあなたは迷子になってしまって、年甲斐もなく呼び出し放送されるという醜態を晒しかねないわ。だから、その……手を、繋いだ方がいいんじゃないかと……」
八幡「おう」
自分でも驚くほどスッと、素直に俺は雪ノ下の手を取った。
雪ノ下は一瞬目を丸くして、また微笑んだ。
本当に、奉仕部は俺と雪ノ下だけになってしまったのだなと、その時感じた。
雪ノ下「行きましょうか」
八幡「おう」
そう言って、歩き出したその時。
一陣の風が、俺と雪ノ下の間を吹き抜けていった。
それはまるで彼女のような、暖かく、軽やかな春の風だった。
-BETTER END-
-
他のエンドは皆さんの想像におまかせします
というか書きたい人いたら書いてください
自分からは以上です。長々失礼しました
-
乙ぅ〜ええやん!でも切なすぎィ!
-
でも子供あたりに転生しそう(小声)
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涙が出...でますよ(落涙)
oDzpLEqU兄貴も社畜兄貴も乙でした
-
乙ぅ〜
こういうヒロインが幽霊系の話はハッピーエンドにするにも落とし所が難しそうですね……
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>>67
日本一やお前
NaNじぇい文芸部の粋を見た、810114514点
-
はいじゃあ>>1はケツ出せぇ!
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バッドエンドで逆レされた後に八幡が引きずり込まれるのはよ
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電車の中なのにアーナキソ…オツカレシャス
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>>74
八幡がネクロマンスに手を染めて堕ちる結衣ルートと寺生まれのTさんが除霊するいろはすルートも書こう(提案)
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ホモ掲示板でこんな名作に会えるとは思わなかった
他ルートも見たいけどな〜俺もな〜
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八幡が誰ともくっつかずに大学出てなんとなく塾講師になって国語とか教えて、
十年ほど経った後にどこかで見たような茶髪で巨乳の学生が入塾してくるENDあくしろよ
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幽霊モノのハッピーエンドってどうすりゃいいんですかね?
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心中(適当)
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子供として生まれ変わる
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仲良く暮らしましたとさ ちゃんちゃん
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王道を征く>>78みたいな転生エンドですかね
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実は意識不明なだけだったとか
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まーたNaNじぇいに文豪が現れてしまったのか
二人とも乙ゥ〜、悲しいけど綺麗な締めでいい読後感だゾ
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幽霊系はハッピーエンドは難しいよね、ベターエンドならともかく
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>>81
怖い(確信)
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>>78
塵も積もれば山となるというが、結局のところ、それは人の記憶を表わしているのではないかと思うことがある。
雪のように積もりはするものの溶けはしない。本物はいつだってそこにあるはずなのに、いつも誰だって忘れたふりをする。
毎日の些細な繰り返しや会話、出会いのそれぞれに意味はあるはずなのに、積みあがっていくにつれて忘却のベクトルが手招きをして、無意識に引き寄せられていく。
でも、それでも。人はいつだってあるときに立ち止まり、過去の自分を眺める時間を愛おしく思うことがある。
――そうして、人はある時思い出す。
由比ヶ浜結衣という向日葵のように明るい彼女が、この世界にもいたことを。
??「――比企谷先生! ……うぅー、呼びにくい! えっとヒッキー先生、あたし今日からここに入ったの! よろしくね」
八幡「はいはいよろしくな。ていうかその『ヒッキー先生』っていうのやめろ……学生時代のトラウマがよみが――あん?」
あれから15年。止まっていた世界と時間が動き始めた。そんな気がした。
(Better End?)
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あ〜いいっすねぇ^��
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結衣の生まれ変わりが段々前世の記憶取り戻すのすき
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>>88
続けろください
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やだ!小生結衣が死ぬのやだ!(今更)
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>>88の続き(不定期)
??「えー、ヒッキー先生のほうが呼びやすいし……。だめかな……」
八幡「良いとか悪いとか以前にまずその言葉遣いをなんとかしろよ……。あと『ヒッキー先生』はだめだ」
誰だってある、なんてことない普通の出会い。
??「言葉遣いは15年ずっとこれで生きてきたからすぐには直せないし……。それにひき――にげ? 先生?」
八幡「ひき逃げしてどうすんだよ、そもそもそんな物騒なワード、苗字には入れねえよ……」
それなのに、なぜこうも胸が締め付けられて、懐かしい気持ちになるのだろう。
??「そ、そうだよね。ええっと、そしたら、ひっ……ひっ……ふー?」
八幡「入塾初日から産気づいてんじゃねえよ。ここは病院じゃないぞー、わかってるかなー?」
積もり積もった雪山のなかを掘って探って、やっと見つかった。忘れようとして忘れられなかった彼女のことを。
??「ヒッキー先生、あたしのことバカにしてるでしょ? ここは塾だもん」
八幡「――もう言葉遣いとか呼び方とかも目瞑るから、筆記用具出せ。それで名前は?」
肩までかかった明度の高い茶髪に、愛くるしい笑顔、そしてちょっと生意気な口調。
??「えー、言わなかったけ? ――国府津里沙。……いい名前でしょ!」
八幡「……ああ、いい名前だな」
――よかった、こいつが由比ヶ浜結衣じゃなくて。
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なんか始まってる!
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あくしろよ
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>>93
様々な意味でたまげさせられたのは(たまげる自体もう死語なのは、たまげたなあ……)、国府津があいつ並に頭が悪いことだった。
試しに過去のセンター試験から現代文を解かせてみたのだが、見事に0点だった。
あのー国府津さん? いくら高校一年生だからって、無得点なのはさすがに先生も驚くよ?
八幡「そういう意味では、たまげたなあ……」
里沙「ちょっと、それどういう意味!? あっ、ていうか今ヒッキー先生笑ってたでしょ? ひっどーい」
八幡「変な意味で笑いが出てきただけだからな、気にするな」
里沙「余計気になるんですけど……」
八幡「ところで、茅ケ崎――さんは、どこの高校だったかな。ああ、塾生ファイル見れば良い話ではあるんだが」
里沙「通ってる高校? 総武高校だよ? えへへ、いいでしょ」
八幡「いいでしょ、じゃねーよ。つうか俺の母校じゃねーか。それがこんな――いや、なんつーか、今日一日生きてる中でいちばん驚いたわ……」
里沙「えへへ、頭いいでしょ」
八幡「……ははっ、そうだな。どうやったらそんな思考に行きつくのか、先生今後が不安で仕方ないよ……」
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八幡面倒見はいいから個人指導塾とかなら実際向いてそう
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>>96
八幡「よく総武高校に入れたね、偉い偉い」
里沙「うん、ありがとう! 褒められると嬉しいね! ……とか言いつつ、なんかヒッキー先生棒読みなんですけど!?」
八幡「ん? ああ、棒読みなのは昔からだから気にすんな。『この程度でも合格できるとか、我が母校資金繰り大丈夫か?』とか思ってないから」
里沙「それめっちゃ思ってるよね!? なんなら口にしちゃってるし!?」
八幡「お前、一応空気は読めるんだな」
里沙「いやいや、これぐらいは読めるし! 当たり前だし!」
何気ないやりとり。他愛もない会話。
話せば話すほど、彼女のことを知れば知るほど、その端々に国府津はなぜか「彼女」らしさを感じさせられる。
15年も経っておいてバカみたいだと、心のなかで自らを嘲ろうともした。
だからこそ――いやこれは個人的な我が儘に近いのだが。
――つらい、と思ってしまうのだ。
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まだ明日まで残ってたら続き書きます
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アーナキソ おつかれしゃす
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オツシャス!
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残ってるんですかねこれ……
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AILEくんも落とすタイミング見失ってそう
これ自体まとめられてもいい良スレだからさらに難しい
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AILEくんも続き楽しみにしてそうなSSはかなり残るから大丈夫でしょ
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>>98
八幡「それじゃまあ、だいたいの実力はわかったから、今日の授業を始めようか」
理沙「えー! もっとお話してたいよー」
八幡「『えー!』じゃねえよ……。今の反応で、こっちが『えー!』ってマスオさんみたいに驚きたくなったわ……」
理沙「ぶー……。ていうかマスオさんって誰なの……?」
八幡「えっ、ええぇ……」
理沙「ちょっとー、ヒッキー先生ドン引きすぎ! もっとあたしにもわかるお話しようよー」
八幡「あのーそもそも国府津さん、塾は何をするところだと思ってる? バイアスのかかっていない、忌憚のない意見をお待ちしております」
理沙「んー……っと、えー……っと」
八幡「おお、珍しく考えている」
理沙「出会ってまだ一時間経ってないよ!? ヒッキー先生超能力者!? FBI!?」
八幡「どっかの未解決事件番組の見すぎだろ……。それで、答えは? まとまったか?」
理沙「えーとね、塾っていうのは」
八幡「おう」
理沙「先生に頭をよくしてもらうところ!」
わ、わー!
意識低ーい! よかったー!
よくねぇよ……。
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今更ですが、>>96で国府津のことを茅ヶ崎と表記している箇所がありますね
訂正してお詫びします
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今さらだけど>>67素晴らし菓子…
幽体のままお別れじゃなくて小町に乗り移らせてるところにセンス感じるんでしたよね?
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>>105
八幡「塾に入ったからといって、必ずしも頭がよくなるというわけではない」
理沙「えっ、そうなの!? ここ、ヤブ塾だったかな……」
八幡「今後の会話の形成に差し支える解答はやめようね……。マジで疲れるから……」
理沙「ぶー……。それで、なんで頭がよくなんないこともあるの?」
八幡「まあ俺がどれだけ積極的に教えようとも、本人にやる気がなければ身にならないからな。こういう個別指導だと特にその熱の差は明確になりやすい」
理沙「あたし、やる気あるもん!」
八幡「最初は誰だってやる気なんてあるもんだ。だけどな、一週間経つと問題を解かずに消しゴムのカスを俺に投げるようになり、一ヶ月経つといかに俺にバレないようにスマホをやるか会得し、一年経つとそれ見たことか成績が伸びませんでした! なんで? となる」
理沙「それ、ヒッキー先生の体験談だよね……」
八幡「……ともかく、国府津さんには先人たちに反面教師にして、成績をアップしてもらいたいわけだよ。ご両親から安くないお金も貰ってるわけだしな」
理沙「そうだよね……がんばらなきゃ」
八幡「とはいっても、飽きるものは飽きるし、遠すぎる目標じゃモチベーションもあがらないだろう」
理沙「あたし、飽きやすいんだよね……」
八幡「そこでだ。短期的な動機づけとして、目標達成でのご褒美を用意してやろう」
理沙「ご褒美!? いつ貰えるの!? 今!?」
八幡「なんで今なんだよ……。今四月だから、しばらくしたら中間テストがあるだろ? そこで現代文の点数が六割超えていたら、俺から褒美をやろう(自分の金で用意するとは言ってない)」
理沙「そっか……六割か……。いっぱい勉強しなくちゃだね……。うん、がんばってみる!」
こうして俺と、国府津理沙のちぐはぐな関係が幕を開けた。
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八幡「軍畑の幽霊がいつも纏わり付いてくる」
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>>108
夢の中の由比ヶ浜はいつだって笑顔だった。
言われるがままに手を引かれて進む海岸線。
海を切り裂くように繋がった道のその先には、緑に包まれた小さな島があった。
おい待て由比ヶ浜。どこまで俺を連れてゆくんだ。
すると彼女は足を止めて、途端に悲しそうな顔をする。
違う、そういうわけじゃなくて――。
待ってくれ、由比ヶ浜――。
??「――……ちゃん、ごみいちゃん!」
八幡「……うおお、小町か」
小町「やっと起きた。もういい歳してんだから一人でなんとかしてよね」
八幡「わ、悪い。いつもはこんなはずじゃないんだが……」
小町「いつもってどのいつもなのよ……。どこか違う時間軸でループでもしてるの? いつものお兄ちゃんは」
八幡「いやその、三十路になってもだらしのない兄ですまないと思っている」
小町「まあいいけど。いくら歳をとっても、お兄ちゃんは小町がいないとやっぱり駄目だってわかったし」
八幡「ああ、そうかもしれないな。お兄ちゃんは小町がいてくれて助かってるわ」
小町「今の小町的にポイント高いけど――なんか今日のお兄ちゃん、なんか変」
八幡「なんならいつだって変だぞ」
小町「そういうわけじゃなくて――げっ、そんな朝の他愛もない会話してたら電車遅れるじゃん! もう早くベッドから出て、朝ごはんたべてよね!」
八幡「へいへい」
小町「じゃあ行ってくるから! ――あとさ、どうしてもまだつらいんなら、言ってよね。あまり力にはなれないけど、話だけは訊いてあげるから」
八幡「――? 俺、なんかあったか? 風邪なら先週治ったぞ?」
小町「げ、憶えてないの? さっきのあれ」
八幡「さっきもなにも寝てたからな」
小町「かーっ、心配して損した。あれだけ唸ってて何も憶えてないとか。――そのほうが重症かもしれないけど」
八幡「おいおいなんだよそれ……」
小町「じゃあ今度の今度は本当に行ってくるから!」
八幡「へいへい、行ってらっしゃい」
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>>110
理沙「へえ、ヒッキー先生でも妹がいるんだ」
八幡「まるで人格に問題があったら兄弟姉妹ができないような言い方はやめようね……」
理沙「あっ、ごめんごめん。なんていうかさ、一人っこぽい感じだから」
八幡「ほーん。たとえばどういうところが」
理沙「言いたいことを空気読まずにズバズバ言っちゃうところとか?」
八幡「なんで疑問形で返すんだよ……。しかもそれ国府津さんにも当てはまるからな……」
理沙「えっ、そうなの! 空気読めないかな……あたし」
八幡「いやその、まあ、完全に読めないってわけじゃないとは思うがな。なんというか、しばらくはそのままでいいんじゃないか」
理沙「そっか。……んふふー、そっか」
八幡「なんだよその笑いかた……」
理沙「ううん、なんでもない! だってあたし、空気読めないから!」
八幡「ますますわかんねぇよ……。女子高生の頭、マジイミワカンナイ……」
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ノイ::::::>、_ イ::|::::|卯:∧
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|::| //只\/ |::::| V
|::| >V | | V <|::::|/ |
|::| 、 V V /|イ:| |
/|/ \Y// ./ノ |
由比ヶ浜さんは死んだのよ
いくら呼んでも帰ってこないわ
もう奉仕部は終わって、
貴方も婚約者と向き合う時なのよ
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>>112
ゆきのん、ぺったんこだぞ
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>>112
AA酷すぎて大草原
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纏わり付く亡霊 3コスト 2/3 潜伏
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ハー○ルンのクロス厨に見せてあげたいほどの王道名作ですねこれは…
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��
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続き…続き……
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まだ残ってたのか
名作だからまとめて世に出してほしいゾ
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