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麻子「夏休み、か」

1 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 01:32:57 dCtCKq2s
なんのかんので三年生に無事、進級が叶ったその夏

冷泉麻子は最後の夏休みを迎えようとしていた

麻子(終業式も終わった……明日、目が覚めれば夏休みが始まる)

麻子(どれだけ寝て何時に起きてもいい)

麻子(だが、本当にそんな風に過ごしていいのか?)

麻子(まぁ、いい。今はもう寝よう)

こうして翌朝を迎えた麻子は、>>4時に目が覚めた

夏休み初日の始まりである


2 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 01:34:39 EavZpcNo
12


3 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 01:34:55 nbsDZACI
10


4 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 01:35:19 JRP30Ew6
16


5 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 01:38:11 dCtCKq2s
麻子(随分とよく寝れた気がするな……)

麻子(……ん?)

麻子「えっ」

麻子「なんてことだ……もう夕方か。どうりで頭がすっきりしてるはずだ」

麻子「いっそ二度寝してしまった方が明日は朝に起きれるかもしれない」

二度寝する? >>9


6 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 08:33:05 ggLQ7zlw
ksk


7 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 09:45:08 Ypfv9UTc
しない


8 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 09:51:15 R4WdHogc
沙織に電話


9 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 09:52:02 S7KjAGek
アラモアナショッピングセンターへ


10 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 09:53:25 Ypfv9UTc
ハワイまで行くのか・・・(困惑)


11 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 12:13:20 Rw3WRcTk
夜行性だからね、しょうがないね


12 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 12:45:46 ATEBl.0I
学園艦でHawaiiにいけば旅費節約できそう


13 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 13:54:51 dCtCKq2s
その時、麻子に電流走る!!

麻子(そうだ、買い物に行こう。買う物は見てから決めればいい)

麻子(でも、ただ普通に買い物に行っては面白みに欠けるな……)

麻子(……そういえば)

思い出すのは生前の両親が幼い自分を連れて海外旅行へハネムーンに行ったのだというおばあの話

場所はハワイ。観光地としては鉄板も鉄板であり、夏休みに旅行に行くにはうってつけの所

麻子「よし」

あれよあれよという間に準備を済ませた麻子は、両親の物が仕舞ってある部屋からハワイ旅行の時に現地でもらったとみられるパンフレットを回収すると、アラモアナセンターというショッピングモールに目星をつけキャリーケースを手にした

麻子(学園艦が寄港するのは18時。それからは陸に上がれるが、ハワイまで行く手段はどうしようか……)

麻子(そうだな、>>17で行くか)


14 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 13:56:21 5g3Sfxac
V8インターセプター


15 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 13:57:02 DYMiBSGA
雷電


16 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 13:58:25 11de2F6I
ANA


17 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 13:59:01 MXm80j6Q
オスプレイ


18 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 13:59:12 ATEBl.0I
みほグッズと引き換えにまほに借りたヘリ


19 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 14:30:08 dCtCKq2s
NGワードが分からん…


20 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 14:31:37 ATEBl.0I
Hawaiiの後ろ2文字カタカナは確実にひっかかる


21 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 14:37:17 dCtCKq2s
陸に上がる為にキャリーケースを引っ張って家を出た麻子だったが、吹き荒ぶ突風と腹に響く轟音に空を見上げた

麻子「オスプレイ……蝶野教官か?」

麻子「まぁ、どうせなら挨拶して行くか」

オスプレイが着陸したと見られる大洗女子学園に向かった麻子は、派手にすっころんだ駐車場の車を尻目に荷物を搬出するオスプレイに近づいた

杏「おっ、冷泉ちゃーん。どしたのこんな時間にぃ」

麻子「会長。いや、これが学校に向かうのが見えたから少し……」

杏「ふぅ〜ん? って、なになに旅行にでも行く感じ?」

麻子「まぁ、Hawaiiに」

杏「いいねぇ〜!」ケタケタ

???「Hey! ANZU!」

杏「ん〜? これで全部?」

???「全部だ」

どうやら戦車のパーツか何かを輸送してもらったらしい

オスプレイの貨物室からは蝶野教官の姿は見えず、何かの書類を手にした米兵と思わしき人物が杏と会話を交わすのみだ

麻子「すまない」

???改め米兵「?」

麻子「『今からHawaiiに旅行に行く予定だったんだ。このオスプレイはどこに向かうんだ?』」

米兵「『これから羽田に寄って燃料補給をしたらヒッカムに戻る予定だよ』」

麻子「『同乗させてはもらえないか?』」

米兵「『さすがに基地まで一般人を乗せるのは……』」

ここで黙って会話を聞いていた杏が米兵の肩を二度叩くと、姿勢を低くした彼に何かを耳打ちした

すると彼はしばらく唸った後に大きく頷くと、麻子の肩を叩いた

米兵「OK、いいぜ」

麻子「……?」

杏「まぁまぁ、気にせず行ってきなよ。乗せてくれるって言ってんだしさ」

杏「廃校を二回も回避できたのは西住ちゃんと……戦車道を履修したみんなのお陰だしね。特に功労者の冷泉ちゃんが困ってるってんならこれくらいはするよ」

麻子「会長……ありがとうございます」

杏「いいのいいの。じゃ、楽しんできなよ〜」

こうしてオスプレイに同乗した麻子は羽田を経由し、Hawaii・ヒッカム空軍基地に到着した

時差19時間とはいえ実質日を跨いでおり、夏休み初日は睡眠が大半を占めることになったのである

――――夏休み二日目

麻子(Hawaiiまで来れた。そしてここがアラモアナセンターか)

麻子(……でかい)

どうする? >>24


22 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 14:38:03 dCtCKq2s
>>20
ありがとん


23 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 14:51:13 6hmDjS9k
居ないとは思いつつ知り合いを探してみる


24 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 14:51:23 .WpEY5Sg
脱糞


25 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 15:01:06 dCtCKq2s
麻子(うっ……お腹が)

晩はオスプレイで振る舞われた機内食があったとはいえ、朝と昼は採っておらず加えて慣れぬ長旅なのもあってか、麻子の腹部が唸り声をあげていた

トイレ自体は難なく見つけて事を済ませられたのだが、この体調のままショッピングをしてもよいものかと考える

麻子(飯を食べて安定を図るか、ホテルを取って休むか……)ジャー

麻子(ある意味、一人で来ていてよかったかもな)

隣の外人「F**k!! Oh my god...I need somebody...why out of paper?!」

麻子(隣の個室がうるさい……)

この後はどうする? >>29


26 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 17:23:47 HDRcpjVU
なんとなく聞き取れたpaperの単語にピンときて隣に紙を投げ入れてみる


27 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 17:28:20 OO71yXlI
隣など気にせずホテルに帰り、会長に電話する。


28 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 18:18:21 LGZABegc
「ジャパン」「オーアライ」「テロ」「バイオアタック」など不穏な言葉を
聴き取り震える


29 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 18:20:43 yhXCS7no
紙ヤスリを投げ込む


30 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 18:24:29 hG8uost.
れまこなら英語くらい話せるのでは


31 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 18:25:07 mjmZa.BU
アナルが壊れるわ…………(しんみり)


32 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 18:47:02 AgIphReg
せめて千円札にしてやれよ…


33 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 22:25:26 dCtCKq2s
麻子(隣はどうやら紙がなくて困ってるらしいな)

麻子(……ここで馬鹿正直に紙を渡すのも、な)

麻子(何故だかポケットに入っていた紙やすりはこの為のものだったのかもしれない)ポイッ

隣「Oh...!! paper!!」

ザリッ

隣「Ahhhhhhhhhhhhhhhh!!!!!!!!」

麻子「ぶふぉ!!」

あまりの反応の良さに思わず吹き出してしまった麻子は個室からでた

隣は激しく擦ったせいで痛みが凄まじいのか扉越しに何かを叫んでいたが、もはや関係のないことだ

トイレから出た麻子は、ふっと一息つくと>>36をすることにした


34 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 22:33:29 d.vyBSec
公開オナニー


35 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 22:37:38 RqZ99lGg
ミカに対抗してウクレレを弾く


36 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 22:38:35 LGZABegc
泥棒


37 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 23:06:43 dCtCKq2s
旅行ということもあってか、麻子の精神は解放的になっているといっても過言ではなかった

だからこそ、邪な考えにも手が伸びる。伸びてしまう

麻子(窃盗というのは気が引けるが、まぁ若気の至りというやつだ)

万引きするものは? >>39


38 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 23:12:49 wZVm/Stw



39 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 23:13:06 EavZpcNo
コンドーム


40 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 23:34:49 dCtCKq2s
適当な雑貨屋に入って目に飛び込んできたのは、海外特有のドギツイな見た目の避妊用具

麻子「これ、これは……」

麻子「一つくらい持ってても、今時の女子高生なら当たり前だと沙織が言っていたな」

麻子(まぁ、当の本人は持っていなかったが)

とにもかくにもコンドームに狙いを定めた麻子は、その商品群から適当なものに手を伸ばした

成功する? 失敗する? >>43


41 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 23:36:22 AgIphReg
おばぁに見つかる


42 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 23:37:26 2cwvcrfA
そど子「風紀委員よ!」


43 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 23:40:11 WPq9m1qQ
成功


44 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 23:54:04 dCtCKq2s
軽く監視カメラの位置を確かめた麻子は、店員が客の対応で忙しいのを狙ってまんまと万引きに成功してしまった

今まで経験したことのない未知の体験と自らの手を自らの意思で汚した罪悪感とで、麻子は軽い興奮状態になっていた

麻子(やってしまったな……)

麻子(ばれなかったとはいえ犯罪は犯罪。おばあにはしばらく顔向けできない)

ふとモール内を見渡せば、まだ十歳にもならない子供を連れた夫婦が視界に入った

麻子(…………)

何故だか少しばかり胸を刺すような痛みに興奮が急速に引いていく

麻子(……ふぅ、>>48でもして気分を変えよう)


45 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 23:54:33 2cwvcrfA
公開オナニー


46 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 23:55:35 AgIphReg
写経


47 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 23:55:53 EavZpcNo
オナニー


48 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/22(金) 23:55:57 AgIphReg
沙織に電話


49 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 00:21:16 5d2bphx2
麻子(そういえば夏休みとはいえ会長以外には黙って出てきてしまったな)

麻子(一応、沙織には連絡しておくか)ピッピッ

プルルルッ プルルルッ

沙織『もしもし、麻子ー? どうしたの?』

麻子「いや、別になにか用があるわけじゃない」

沙織『そうなの? あ、そうだ! これからみぽりんと遊びに行くんだけど、麻子も来ない?』

麻子「無理だな。Hawaiiにいるから」

沙織『ふぅん、そっかー……えっ!? なんで!?』

麻子「なんでと言われても……行きたくなったから?」

沙織『なにそれー! っていうか、海外電話で携帯代高くなっちゃうじゃん! やだもー!』

麻子「それもそうだな。じゃ、そろそろ切るぞ」

沙織『あ、麻子! >>52!』


50 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 00:33:00 DeXWwahg
うんち、して


51 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 00:34:14 6S5D7oGE
空から女の子が


52 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 00:41:37 2CG2sS0Q
冷泉久子耐久シリーズ 精液塗れ72時間!処女膜を貫く肉棒祭〜女狂師編〜に出演して!
人を迎えにやったから!


53 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 00:48:15 5d2bphx2
沙織『冷泉久子耐久シリーズ 精液塗れ72時間!処女膜を貫く肉棒祭〜女狂師編〜に出演して!
人を迎えにやったから!』

麻子「は」

麻子「……すまん、耳がおかしくなったようだ。もう一度頼む」

沙織『冷泉久子耐久シリーズ 精液塗れ72時間!処女膜を貫く肉棒祭〜女狂師編〜に出演して!
人を迎えにやったから! って』

麻子「何を言ってるんだ……暑さで頭がやられたのか?」

沙織『大丈夫! 麻子ならやれるって!』

麻子「そういう問題じゃない! どうしてそうなったのかってことを……!」

沙織『じゃ、頑張ってねー!』

麻子「切れた……冗談、だとは思うが」

麻子「念のためにこの場からすぐに離れるか、気にしないでおくか……」

>>55


54 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 00:49:38 aEOgavCA
離れる


55 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 00:52:49 WNQrSsoE
身代わり


56 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 01:00:12 5d2bphx2
そうこう考えているうちに、気づけば麻子は謎のスーツ姿の三人組に囲まれてしまっていた

周りはこちらが特に騒ぎ立てる様子もないことから、多少注目こそすれすぐに興味を失って過ぎ去ってゆく

スーツの男「おい、にゃんにゃんにゃん! 君が冷泉麻子だね?」

麻子「そうだが」

スーツの男「じゃ、お兄さんのおうちで遊ぼっか」

麻子「まぁ待て」

早々にこちらを確保しようとする男たちに麻子は待ったをかけた

麻子「何をどうしてそうなったかは知らないが、耐久なんちゃらとやらに出るのは私じゃない。>>59だ」


57 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 01:07:05 Cvxv0X66
デデデ大王


58 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 01:40:25 JcXr7HtM
桃ちゃん


59 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 01:40:28 qivrdqns
家元二人


60 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 02:05:55 5d2bphx2
麻子「戦車道西住流の家元である西住しほ。それと、華道五十鈴流の家元、五十鈴百合だ」

スーツの男「なにィなんつった今?」

スーツの男「えっそれは……」

麻子「まずは事実関係を確認したらどうだ。ひとりだけ私を監視につけておけばいいだろ」

スーツの男「しょうがねぇなぁ」

麻子の嘘にまんまと騙された三人は、うち二人がどこかへ連絡を取るためにその場から離れた

一人は麻子に懐疑的な視線を投げながらも、周囲の人気から下手に拘束するのはまずいと判断したのか、距離こそ近いものの手出しはしてこなかった

麻子(……これがこんな役にたつとはな)

麻子は服のポケットからさきほどのコンドームの箱を取り出すと、おもむろに男の方へ投げつけた

スーツの男「……コンドーム? やっぱ好きなんすねぇ」

しっかりと箱を掴んだ男の反射神経に感謝した麻子は、間髪入れずに英語のシャウトを放った

麻子「『万引き犯がいるぞぉぉぉぉぉぉぉ!!』」

辺りの視線はコンドームの箱を手にするスーツの男に集中する

ただでさえ公の場でそんなものを持って、しかも若い女である麻子の近くにいたのだ

当然、周囲の人間は男をその場に釘付けにした

客「Hey! Freeze!!」

客「Hold on!!」

麻子(逃げるなら今のうちだな)

こうしてなんとかショッピングモールから脱出した麻子は体力の続く限り走り抜き、息も絶え絶えに適当なホテルにチェックインをすると力尽きたように眠りについた

――夏休み三日目
――Hawaii ヒルトン・ハワイアンホテル・13階・0103
――午前10時 快晴

麻子(昨日は散々な目に遭った)

麻子(悪いことをした報いなのか……だが、そのお陰で助かったともいえる)

麻子(とりあえず、>>63するか)


61 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 02:21:32 vA6KjGxQ
二度寝


62 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 02:21:39 heYHNjpc
うまい


63 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 03:24:02 zBdVggf.
ヌーディストビーチへ行く


64 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 08:40:16 dygVUvMw
やったぜ。


65 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 12:22:16 5d2bphx2
麻子「『すまない、ちょっといいか』」

ボーイ「『なんでしょう?』」

麻子はHawaiiにきて若干ハイになっている節があった

その影響もあるのか、万引きに避妊具を選ぶくらいには性に開放的になっている

そこで麻子が起床して考えたのは、海で遊ぶという事だった

ただ海で遊ぶのではない。ヌーディストビーチで遊ぼうというのだから普段からは考えられない事だ

麻子「『ここら辺にヌーディストビーチはあるか? パンフレットにはどれも載っていなかった』」

ボーイ「『ハワイ島内にはありませんね……何せ観光地ですから』」

ボーイはベルを磨く手を止めると、身をかがめて麻子に耳打ちする

ボーイ「『ただ、ダイアモンドヘッドの近くは隠れヌーディになってます。女性一人で行くのはおすすめしませんが……』」

麻子「……」

ボーイ「『もしハワイ無いでなくても良いなら、マウイ島の方にちゃんとしたヌーディがありますよ。定期的にクルーザーが出てますので、不便もないかと』」

麻子「『場所は?』」

ボーイ「『ここですね。あと、ここに。クルーザーはここから出ています』」


――夏休み三日目
――Hawaii マウイ島・南西海岸・ヌーディストビーチ
――午前十二時三○分 快晴

麻子(来て、しまったな……)

見渡せばそこは裸の楽園だ

男女問わず誰もが己のありのままを解放し、海と一体になっている

まさか自分が生でこのような光景を目にするとは思わなかったが、これも旅行の醍醐味というものだろう

麻子はタオルやペットボトルを入れたミニバッグを下ろすと、服に手を掛けた

>>69「あれ? あなたは確か……」


66 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 12:51:18 JcXr7HtM
文科省メガネ


67 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 12:54:42 2C38vYJg
継続高校3人


68 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 12:58:28 QGE9O0kI
巨人小笠原


69 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 12:59:16 gJAt4V9Y
ケイ


70 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 13:38:56 5d2bphx2
ケイ「ハァイ! こんなところで会うなんて奇遇ね!」

麻子「サンダースの隊長じゃないか」

なんと麻子に声をかけてきたのはサンダースの戦車道のリーダーだったケイである

もうすでに高校は卒業し、その後はサンダース大学に進学して戦車道を続けているとは聞いていたが、それ以来はまったく見たことがなかった

麻子「随分と見てなかったが、変わらない」

ケイ「そう? あなたはちょっと背が伸びたんじゃない?」

麻子「……そう見えるか?」

ケイ「ジョークジョーク! でも、クールな姿は一層素敵になったわ!」

半袖のジャケットを肩に掛けるケイは、ホットパンツに上半身はビキニという姿で、いかにもアメリカ人然としていた。日本人のはずなのに

どうやら以前に増してグラマーになった以外は性格も言動も変わっていないようだ

麻子「しかし、ここで会うとはな……まさか」

ケイ「Huh? ここはヌーディストビーチよ! もちろん、その為に来たわ!」

そう言ってケイはなんの躊躇いもなく、そのすべてを脱ぎ去った。いっそ清々しくもある

麻子「うおっ」

思わず声が出るほどナイスバディだ。五十鈴や癇癪な副会長もこれに勝てるかどうか

沙織は残念ながら、これと張り合うには身長が足りないだろう。セクシーとグラマーは似てるようで違う

ケイ「あなたもそのつもりで来たんでしょ? 折角のビーチなんだもの、もっと自分を解放しなきゃ!」

麻子「お、おい!」

あれよあれよという間にケイにより服装を剥ぎ取られた麻子は、他人の手で裸にされた羞恥心から秘部を手で隠すという僅かばかりの抵抗を示した

赤面するのも束の間、何をいまさら隠す必要があるのか、その為にここへ来たのではないかと言う考えに至ってすぐに全身を曝け出す

ケイ「イエス! それでいいのよ、レイ!」

麻子「そんな呼び方初めてされたぞ」

ケイ「いいじゃない! ここに来たのは二人の秘密にしましょ!」

相変わらずの笑顔で海に飛び込んでいく彼女に呆れはするものの、そのダイナミックさに釣られるように麻子も海へ繰り出した

眩い太陽の光を一身に受け、飛散する雫に髪を濡らす

時に他の客と会話を交わしたり、身体を日で焼いてみたりしながらたっぷりとビーチを楽しんだ二人は、夕焼けに染まる砂浜にその身を投げ出すのだった

麻子「……つかれた」

ケイ「AHAHA! ホントね! でも、すっごい楽しかったわ!」

麻子「そうだな。こんなに疲れ果てるまで遊んだのは、久しぶりだ」

ケイ「グレイト! レイも楽しかったんならよかったわ!」

麻子「一人だとわからなかったがな。ケイさんが……ケイが居てくれてよかった」

ケイ「うーん、嬉しいこと言ってくれるのね」

二人して笑いながら転がっていると、ふとケイが上半身を起こした

ケイ「レイはこの後どうするの?」

麻子「>>74と思ってる」


71 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 13:44:13 gJAt4V9Y
>>70
ああ^〜いいっすね^〜


72 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 14:12:36 N6eM9.Og
このケイは正解だった


73 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 14:43:04 Qsuet0dQ
ディナー


74 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 14:47:28 J1Fherto
学園艦に帰ろう


75 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 15:07:16 5d2bphx2
麻子「学園艦に帰ろうと思ってる」

ケイ「そうなの? 残念ね……」

麻子「そっちはどうするんだ?」

ケイ「夏休みは気が済むまでこっちで過ごすって決めてるの。たった数時間だけど、レイと過ごせたのは最高だったわ!」

麻子「お陰様で私も楽しかった――ありがとう」

ケイ「ノープロブレム! また一緒に過ごせる日が来るのを楽しみにしてるわ!」

麻子「ふっ、そうだな」

偶然の出会いは繋がりの薄かった二人に確かな友情をもたらした

自然な流れで互いのアドレスを交換し、別れを告げた麻子は惜しむように海岸を見渡す

こちらに手を振り続けているケイに手を軽く振り返すと、踵を返してその場を去るのだった

ホテルに戻ってチェックアウトを済ませると、ボーイから意味深なウィンクと土産物らしきHawaiiの絵葉書を貰って空港まで向かう

麻子(怒涛の旅行だったな……思い出にするには十分なくらい)

夜の最後の便に搭乗した麻子は、疲れからかそのまま日本到着まで眠りについていた

その表情に、確かな笑みをたたえながら


――夏休み四日目
――日本・学園艦・麻子の家・自室
――午前十時 晴れ

こちらに戻ってこれたのは朝になった

飛行機の中で睡眠はとれたものの、旅の疲労は身体にまだ残っている

麻子(今から寝るのもな……さて、どうしたものか)

どうする? >>79


76 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 15:14:44 d4TwGSz6
Ksk


77 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 15:30:30 heYHNjpc
ksksksk


78 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 15:30:54 N6eM9.Og
ksk


79 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 15:33:41 D/vOWFXQ
沙織に詰め寄る


80 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 15:36:06 ApgRTOoI
しゃーない


81 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 15:43:27 5d2bphx2
麻子「そうだ、沙織にあれがなんだったのか問い詰めなければ……!」ゴゴゴ

実を言うと、万引きという後ろめたさもあって麻子は沙織に対してどう詰問するべきか悩んでいたのだ

ある意味、あそこで彼女による謎の差し金がなければ、今頃は盗み取ったコンドームを机の奥へ仕舞いやって楽しかった旅行に水をさしていたことだろう

こう言ってはなんだが、沙織の差し向けた男たちがあったからこそ万引きの品を体よく引き離すことができたのだ

麻子(……まぁ、あれは気の迷いだったんだ。あまり自分を言い訳で正当化したくはないが、そういうことにしておこう)

ともあれ沙織を問い詰めなければならない

麻子は早々に自宅を出ると彼女の家へ向かった

ピンポンポポポポポポ!!!

沙織「やだもー! 連打しなくても聞こえるからー!」ガチャッ

麻子「よう」

沙織「」

麻子「言い訳を聞こう」

沙織「>>83


82 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 15:44:38 0fNILyd2
ダージリンさんに脅されて・・・


83 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 15:48:41 oAdqfFNE
みぽりんがやれって言ったの!


84 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 15:51:12 J1Fherto
みぽりんなら言いそう(適当)


85 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 15:52:15 0fNILyd2
Nみ何思


86 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 15:54:17 HXHYViQo
Nみ何思


87 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 15:58:16 5d2bphx2
沙織「みぽりんがやれって言ったの!」

麻子「……そんなこと西住さんが言うと思うか?」ゴゴゴ

沙織「ほんとだって! ねぇ、みぽりん!」

麻子(西住さんもいたのか)

自分の名を呼ばれ、奥の居間からみほが顔を出した

朝から沙織の家で何を、と疑問を抱く麻子を知ってか知らずか、彼女はいつもの様子で玄関まで来ると挨拶を交わす

みほ「あ、冷泉さん。おはよう」

麻子「ん、おはよう隊長」

雰囲気だけ見れば本当にいつもと変わりがない

確かに時折恐ろしいほど冷徹に見える彼女だが、到底あんなこを命令するとも思えなかった

麻子はみほ、あるいは西住という家に対して借りがあるといってもいい(※ヘリのチャーターの件含め)

もしここで彼女が言って事が事実であるとすれば、内容が内容でも強く出られないことは想像に難くなかった

麻子「……西住さん、沙織の言ってることは本当なのか?」

みほ「?」

沙織「ほら、冷泉久子耐久シリーズ 精液塗れ72時間!処女膜を貫く肉棒祭〜女狂師編〜だよ!!」

みほ「>>89


88 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 15:59:02 z.q9QVm.
そうだよ(その声は優しかった)


89 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:01:10 VRnuNHpk
そうです私が命令したんですよ


90 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:03:54 HXHYViQo
やっぱりな♂


91 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:05:39 5d2bphx2
みほ「そうです、私が命令したんですよ」

沙織「ほらぁ!」

麻子「沙織は何も疑問に思わなかったのか?」

沙織「いやだって、冗談だよね? ……ね?」

みほ「」ニコニコ

みほの変わらぬ無言の笑みは、言葉無き重圧となって空間を圧迫した

いっそむせかえるほどの息苦しさに耐えかねた麻子は、一息つくとみほに向かって言葉を投げる

麻子「ふぅ……西住さん、理由を教えてくれないか?」

みほ「>>93


92 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:07:53 pndhZbyc
TDN暇潰しです(ドス黒い笑み)


93 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:08:15 4os66qKo
早く目を覚ましてほしくて


94 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:08:21 z.q9QVm.
これも戦車道です


95 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:08:24 zebrYNaA
実は、廃校になりそうなんです!


96 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:11:54 HXHYViQo
それがボコだから(至言)


97 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:37:32 5d2bphx2
みほ「早く目を覚ましてほしくて」

麻子「――――ッ」

一瞬、ほんのわずかだが呼吸が止まった

まるで鳩尾を打たれたような衝撃に、詰まった息が肺を蹂躙して心臓の鼓動を一気に跳ね上げた

麻子「……内容は」

みほ「避妊具です」

沙織「えっ? ……えっ? 二人ともなんの話?」

ただ一人、この場での会話に理解の及ばない沙織は、あたふたと両者の間に行き交うこれまでにない雰囲気にあてられるばかりだ

そんな沙織の様子を気にも留めず、みほは笑みを崩して悲しそうな表情を見せた

みほ「冷泉さん、オスプレイに載ってHawaiiに行きましたよね、会長の口添えで」

麻子「……ああ」

みほ「会長は冷泉さんが一人で旅行に行くのを心配して、自分のコネをつかって冷泉さんが危険に巻き込まれないように監視させてたんですよ」

多大なる気遣い、もしくは余計なお世話、あるいは過剰な心配

杏の気を回した結果がこれだ

みほを無理やり戦車道に引き戻したときもそうだった。結果的に廃校は回避された

あの人のやることに間違いはなく、今回も例外なくそうだったのだ

麻子「西住さん……ありがとう。ごめんなさい」

杏は監視から麻子が万引きしたことを訊いてみほに事の顛末を話したのだろう

そしてみほは、タイミングよく沙織に連絡をとってきた自分に対してあんなことを言わせた

窃盗という犯罪への遠回しな警告であったそれは、みほから自分に対しての「そんなことをしてはいけない」というメッセージだったのだ

みほ「冷泉さん、人は誰でも過ちを犯します。私もそれは同じ……」

みほ「でも、それに気が付いて反省できる、間違いを償えるっていうのは、人間の特権なんじゃないかなって思うんです」

麻子「西住さん……」

みほ「あの商品は杏さんのお知り合いが適当に話を合わせてお店に戻したそうですから、安心してください」

みほ「もう、二度とあんなことをしないって約束してくれますか?」

麻子「うん、うん……すまなかった……」

様々な感情――主に自分に対する情けなさと、自分の間違いを言い諭してくれたみほに対する感謝とでいっぱいいっぱいになった麻子の瞳からは、自然と感情の波が粒となって零れ落ちていた

麻子「ぐっ……うっ、うう……」

みほ「大丈夫ですよ、大丈夫だから……」

沙織「麻子……」

みほの優しい抱擁に声を押し殺して泣いた麻子は、前日の旅の疲れの残りもあってそのまま寝入ってしまったのだった……


――夏休み四日目
――日本・学園艦・沙織邸・居間
――午後一四時 晴れ

沙織「あ、おはよう麻子。大丈夫?」

どうやら気が付けば寝てしまったらしい

泣き疲れて寝るなんて、まるで子供みたいだなと麻子は自嘲気味に笑った

こちらが起きたことに気が付いた沙織は、キッチンから離れると麻子の方を覗き見るように身体を傾けた

麻子「……西住さんは?」

沙織「さっき帰ったよ。なんか学校に用があるからって」

麻子「そうか……すまない、沙織。迷惑をかけた」

沙織「大丈夫だよぉ」

沙織「それより、お腹空いてない? ちょうどお昼できたんだ〜」

麻子「そう、だな。頂いてもいいか」

沙織「もちろん!」

どうやら沙織は何が起こったかという事を全く聞いていない様子だった

理由不明で泣いたというのに、気遣って原因を聞かないばかりかこちらを気遣う彼女には感謝の念も一入だ

麻子(また、西住さんに借りができてしまった……)

沙織「おまたせ〜♪」

なんにせよ腹ごしらえだ。腹が減っては戦は出来ぬ、と歴女の連中も言っていた

麻子(昼食をとったらどうしようか……)

>>101


98 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:38:06 5d2bphx2
続きは十時過ぎになりますぅ


99 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:40:35 HZlU8PLA
自分たちの4号戦車を観に行く


100 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:45:59 gJAt4V9Y
西住殿に精一杯のご奉仕


101 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:46:22 AIJG5XSQ
ガチムチパンツレスリング鑑賞


102 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:46:31 i8nrmXzw
戦車道の練習


103 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:47:14 9TRfPwS.
糞遊び


104 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 16:48:10 80wjKnlk
細かいこと気にするようですが桃ちゃんは広報で副会長は柚子ちゃんなんだよなぁ


105 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 18:06:24 .CKymcv6
>>101
あぁん?何で?


106 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 18:07:25 HXHYViQo
れま子の闇に触れない流れでいいゾ〜これ(錯乱)


107 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 22:24:02 5d2bphx2
>>104
申し訳ナス……素で間違えてたゾ


108 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 22:43:53 5d2bphx2
ふと麻子の脳裏に先日のアラモアナの一件が思い浮かぶ

そもそも、どうして自分は窃盗などしようと考えたのか。どうしてそれが避妊具であったのか

麻子も立派な女子高生。発育は他と比べればあまりいいとは言えないが、きっちりと一八回年を過ごしてきた

麻子(欲求不満……大洗は女子高だから出会いもないし、今まで恋愛沙汰には興味もなかったが……)

もしかすると、自分自身の肉体が若さを持て余していたせいであんな突飛な行動を起こしてしまった可能性もある

とするならば、対抗策か緩和策をとらねばなるまい

テレビタレント『へぇ、巷ではBLなるものがプチブームで――』

沙織「うーん、どうして男の人どうしなんだろ……女子力には必要なのかなぁ?」

麻子(決めた、対抗策にしよう)

麻子「沙織、ちょっと付き合ってくれ」

沙織「え?」

きょとんとする友人を急かし、麻子はとある場所へ向かうのだった


――夏休み四日目
――日本・学園艦・レンタルビデオショップ・一八禁コーナー
――午後一五時半 晴れ

沙織「ちょ、ちょっと麻子ってば!」

麻子「もう少し静かにしろ。誰かに見られたら不味いだろ」

麻子が訪れたのはレンタルビデオ店の、なんと一八禁コーナーである

麻子の考えた自身の欲望への対抗策とはすなわち、男同士の絡み合う生々しいビデオを見て性欲を減衰させようというものだった

沙織「ひぃぃ……なんかエッチなビデオがいっぱいあるよぉ……」

麻子「当たり前だろ」

居並ぶアダルトビデオの中で同性のもの、その中で更に異彩を放っていたいわゆる洋モノを手にした麻子は、それを沙織におしつけた

沙織「な、なんでわたしに?」

麻子「もう十八だろ。私はまだ一七だからな、レンタル頼んだ」

言うだけ言って颯爽と一八禁コーナーを離れ、沙織だけが一人ぽつんと残される

そして――

沙織「やだもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――!!」

そうして結局、沙織名義で洋モノアダルトゲイビデオを借りた二人は沙織宅での鑑賞会と相成るのであった

――上映終了後

麻子「>>110


109 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 22:47:21 fV1obT8I
洋モノアダルトゲイビデオ…パンツ取られたら負けかな?


110 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 22:51:13 HXHYViQo
なんだこれは…たまげたなぁ


111 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 23:51:37 5d2bphx2
麻子「なんだこれは……たまげたなぁ」

この手のものを初めて見たが、感想として出た第一声はそれであった

無駄に『パンツ一丁でレスリングをして負けた方が犯される』などという企画ものを借りてきてしまったということもあるが、とにかく内容は予想を遥かに上回っていた

レスリングの時点で身長一九〇オーバーの大男二人が汗水垂らしてくんずほぐれつしており、濃厚なぶつかり合いに沙織などは放心して未だに意識が戻らない

麻子「なんというか、ここまでえぐいとは……理解し難いな」

効果は覿面と言って差し支えない

麻子は現時点で性的なことを思考に入れると吐き気を催す程の衝撃を受けた

これを上回る衝動でもない限りは、一切の邪念を持たないと断言していいだろう

ホモホモ作戦、成功である

麻子「おい、沙織。沙織、大丈夫か、おい」

沙織「ハッ!? あっ、終わってる……」

麻子「ありがとう。お蔭で助かった」

沙織「?? ま、麻子……もしかして麻子も腐女子とかいう……」

麻子「そんなことあるか」

理由も知らねば沙織がこういった反応をするのも当然といえた

だが、わざわざみほが沙織に事を伏せていた気遣いを無駄にするつもりはない

ともあれ一先ずは目的を達成した麻子は、夕焼けの差し込む窓に目を細めた

沙織「麻子、これからどうするの? うちでご飯食べてく?」

麻子「>>115


112 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/23(土) 23:54:39 80wjKnlk
>>107
桃ちゃん態度でかいからね、しょうがないね
ちっちゃいこと気にして申し訳ないゾ
すごく面白いので頑張ってください


113 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 00:22:11 TVb3cI5k
昼間ビーチで見たであろうものと似た裸体が絡み合ってるのを見るってのは特に印象深いものがあるだろうなぁ


114 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 00:27:17 gsAqmaUI
私たちもあれをやってみないか


115 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 00:28:24 dL4H7FpM
ファイナルベント


116 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 00:29:11 qu1ihW8w
>>112
いや、こういう間違いは目についたとき残念な気持ちになるものゾ
重ねてお詫び申し上げるゾ
あと、応援ありがとナス! 頑張りナス!


117 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 00:55:17 qu1ihW8w
麻子「」ボソッ

沙織「え?」

何と言ったか聞き取れなかった沙織が麻子に耳を近づけると、おもむろに立ち上がった麻子は腕を上げ声高らかに叫んだ

麻子「――ファイナルベント!!」

その掛け声と共に、麻子の腹部のあたりにいつの間にか装着されていたベルトが開き、そこにカードが挿入される

カードを呑みこんだバイザーは輝き、電子音を発して麻子の台詞を復唱した

ベルト『FINAL VENT!!』

電子音は数段増し、激しい音叉が室内に反響して鼓膜を叩く

沙織「ま、麻子!!」

普段の眠たげな表情とは一転して鋭い目つきで沙織を見据える麻子は、電子音が静まったと同時に静かに腕を下ろした

シン……、と急激に音が失われた空間に沈黙の帳が降りる

先に静寂を破ったのは麻子だった

麻子「どうだった?」

沙織「なにが!!?」

沙織がそうツッコムのも無理はなかった

どこからか取り出した仮面ライダーのベルトを装着した挙句に劇中の真似をし、いつもの眠たげな表情で感想を求めて来たのだ

沙織の中の冷泉麻子という人物は、この夏で従来のイメージからどこか崩れつつあった

麻子「まぁ、なんだ、あんなビデオを見た後だから気分転換にな」

沙織「そんな気分転換いらないよぉ〜」

麻子が変になっちゃった〜、と嘆く友人を尻目に麻子はカーペットに座り直す

麻子(冗談はともかく、>>120するか)


118 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 00:58:21 LVO9hN.E
ご飯


119 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 00:59:09 d5WjDX/U
ハンガリーへ


120 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 00:59:34 dgoKtkM2
パンツレスリング


121 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 01:13:35 n.YXcIhY
ああ逃れられない!


122 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 01:21:29 qu1ihW8w
麻子「沙織」

沙織「今度はなに〜?」

不安げな様子でこちらに警戒心を向ける彼女の肩に、麻子を力強く手を置いた

麻子「脱げ」

沙織「え」

麻子「服を脱げ」

沙織「」

もはや、沙織の中で冷泉麻子は低血圧で朝起きるのが苦手な頭のいい天才操縦主などという存在ではなくなっていた

それに加えて変態になってしまったのだ、と天を仰ぎ見る

沙織「一応訊くけど、なんで……?」

麻子「レスリングをする」

沙織「えええぇぇ……」

もしや友人は影響されやすい性格をしていたのだろうかと沙織が勘ぐる暇もなく、麻子はするすると自分の服を脱いで下着だけになっていた

なんの飾り気もない白の下着だが、日焼けした肌が起伏の少ない彼女の身体を一段階上のなめかしさに押し上げている

沙織「そりゃ一緒にお風呂入ったりもしたから脱ぐの抵抗ないのはわかるけど、ちょっと躊躇いなさすぎじゃない……?」

麻子「お前も一日海岸に出て裸で過ごせばこうなる」

沙織「ねぇほんとになにがあったの麻子!?」

喚くばかりでいつまでたっても脱がない沙織に業を煮やした麻子は、彼女の服に手を掛けると一気に引き剥がした

着ていた服がワンピースのような服装だったのもあってか、大した手間もなく沙織を剥くことに成功する

脱がされて観念したのか、一度ため息をついて沙織はつぶやく

沙織「…………一回だけだからね」

友人の渋々の承諾を受け取った麻子は、沙織の「やだもー!」という口癖が出るまで見様見真似のレスリングもどきに勤しむのだった……


――夏休み五日目
――日本・学園艦・麻子の家・自室
――午前十時 快晴

鳥のさえずる声にゆっくりと瞼が開く

寝返りを打って時計を見れば、時刻は午前の十時。もう日も高くなる頃合いだった

昨日の自分はどうかしていたのかもしれない、と浮かび上がる記憶に頭を抱えながら身体を起こす

麻子(今日はどうするか……)

>>125


123 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 01:22:14 sYWRj58U
秋山殿に会いに行ってみる


124 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 01:28:37 xnt6yNjA
会長を尾行する。


125 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 01:30:41 y0u2wdYo
黒塗りの戦車に追突してしまう


126 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 01:34:49 4eMN9xPc
みんなでキャンプ


127 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 01:51:46 qu1ihW8w
麻子(適当にぶらつくか)

夏休みの最初から随分と飛ばしていた気もするので、当たり障りのない散歩をしようと準備を済ませる

朝食にパンを齧り、歯を磨き、髪を適当に整え、服を着替えていざ外へ

外は日本の夏らしい気候で、地面から照り返る太陽の暑さと湿った空気とで、新品同然だった服がみるみる汗ばんでいくのがわかる

だが、時たま通り抜ける風とセミの鳴き声は麻子の心にとても穏やかに流れる

空を見やれば巨大な積乱雲が水平線の彼方に群を成しているではないか

麻子(夏、だな)

ふっ、と微笑んだ麻子が視線を前へ戻したその時

ゴン! と、とてつもなく硬いものにぶつかってしまった

痛む額をさすりながら一歩後退すると、自分のぶつかったものの全容が視界に現れた

麻子「黒い戦車……?」

こんな往来に堂々と止まっていた戦車は黒く塗装されており、外観だけではどこの戦車か判別できない

そして、ぶつかった音が内部に響いたのか、ハッチが開いて逆光の中何者かが麻子に声をかけた

>>130「ん? お前は……」


128 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 02:17:24 TVb3cI5k
黒塗りのセンチュリオンに比べたらセンチュリーは高級車でもなんでもないですね...


129 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 02:35:18 OBCnrkKs
まほお姉ちゃん


130 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 03:04:54 uN/m3jd6
ちょうのまさよし


131 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 03:05:10 1nX13MX.
島田愛里寿


132 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 04:29:54 xLzlm0p.
893かな?


133 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 13:12:12 qu1ihW8w
蝶野正洋「お゛ぉ゛!? 大洗女子学園、あんこうチームの冷泉麻子ちゃんじゃないかァー!?」

腹の底に響くようなボイス、サングラスを掛けていても分かる厳つい顔立ち、麻子の何周りも大きい巨体

どれもが見た目だけで初見ならば恐怖を煽るには十分な要素を持っていたのだが、彼の満面の笑みはその全てを打ち消していた

蝶野「大洗に来て一番最初に会うのが君とはなァ」

麻子「……プロレスラーの蝶野、正洋さんか?」

蝶野「そうだぜェー! 知ってるのか俺の事!」

麻子「戦車道にハマったプロレスラーだって番組で特集を組まれてたのに、知らない奴は殆どいないだr……いないと思います」

蝶野「できればレスラーとしての俺を知っておいてくれたら嬉しかったけどなー、女の子にはバイオレンスだからな!」

蝶野正洋と言えば五〇歳を越えた今でも「黒のカリスマ」としてプロレス界隈では抜群の人気と知名度を誇る人気プロレスラーだ

同じスポーツ、競技とはいえ、彼が戦車道にのめり込んで急に宣伝や支援活動を積極的に行うようになったのはつい最近のことである

どういうことかと、先の話に出た番組内で問われた時、彼は「大洗に感動した」と言ったのだ

もちろんそれだけでなく、戦車道の競技としてのエンターテインメント性であったり、心技体や協調性の育成という所にもプロレスと同じ点を見出していてのことなのだが、きっかけは無名と化していた大洗の奇跡の優勝であるのは間違いなかった

麻子「ところで、どうしてこんなところに?」

蝶野「>>136


134 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 13:15:36 zj2gkjyI
バレー部のA.Sさんに会いに来た


135 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 13:34:06 lA4D0u0U
ここの会長に戦車道メンバーの特訓を頼まれた


136 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 13:42:24 TV3O7m1c
次回の絶対に笑ってはいけないに大洗が選ばれたのでその下見


137 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 13:56:50 lA4D0u0U
大洗女子学園がガースー黒光り女子学園になるのか


138 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 14:01:41 qu1ihW8w
蝶野「絶対に笑ってはいけないシリーズあんだろォ〜? あれの次の収録な、舞台が大洗らしくて下見に来たんだよ」

麻子「大洗が……」

そんな話は全く聞いていない

大方、会長あたりは知っているはずだが、私たちが関わらないから話してないのか、逆に私たちが関わらなければならないから話していないのかはわからない

麻子「どういった内容になるのか聞いてもいいですか」

蝶野「いや、俺は方正にビンタしろとしか言われてないから」

それはわざわざ下見に来る必要があるのか? とは恐ろしくて面と向かっては口に出せなかった

だいたい、なんで下見に戦車を持ち出してきたのか

よくよく車体を観察してみれば、これはノーナ自走砲である。120mm口径で空挺できるほど身軽かつ水上もへっちゃらの高性能自走砲だ

ついこの間、優花里が近所のプラモショップから調達してきたものと同一のものだったのですぐにわかった

蝶野「なぁ冷泉さん、もし暇なら学園艦案内してくれないか」

色々と考えを巡らせてるうちに蝶野から声がかかる

どうせ適当にぶらついていただけなのだ。断る理由もない

麻子「わかっtt……りました」

蝶野「ヨッシャ!! ありがとうサンキュー!!」

承諾を得た蝶野は、車体上から軽々と麻子を持ち上げてノーナ自走砲の中へ降ろした

麻子(まずは>>140に向かうか)


139 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 14:06:00 xnt6yNjA
大洗女子学園 生徒会室


140 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 14:07:40 1nX13MX.
バレー部が練習している体育館


141 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 14:14:27 gebLAs2.
(浮気は)まずいでしょ!


142 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 14:45:07 qu1ihW8w
――夏休み五日目
――日本・学園艦・大洗女子学園・体育館
――午前十一時半 晴れ

蝶野「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっす!!!!!!」

麻子が真っ先に向かったのは学校だった

広い敷地はテレビ番組――特に笑ってはいけないで使用するのなら必須であろうことから、下見をするにはうってつけであると判断したからだ

そして、学校で屋外以外の広い場所は体育館であるので、ノーナは運動場の端に停めてから向かったのである

典子「道場破り!?」

妙子「いや、あれは……」

忍・あけび「「蝶野正洋!!」」

蝶野「その通り!! アヒルさんチーム勢ぞろいとはなァ、会えて嬉しいなァー! はっはっはっ!」

どうやら体育館ではバレー部が練習をしていたらしく、蝶野の威勢のいい挨拶に驚いて飛び跳ねた

血気盛んな者どうしでキャプテンとは気が合うかもな、と麻子は微笑む

忍「なんでこんな所に蝶野さんが……」

典子「まさか、私たちに特訓を!?」

妙子「そんなわけないじゃないですか!」

麻子「まぁ落ち着け」

蝶野の巨体の影からスッと現れた麻子に、バレー部の面々はまたしても揃って声を上げる

とりあえずここを訪れた理由を告げると、各々納得したように頷いて蝶野を見上げた

麻子「?」

典子「……せーのっ」

アヒルさんチーム「「「「サイン下さい!!」」」」

蝶野「ヨッシャー!! いくらでも書くぜェー!!」

忍「バレーボールに!」

蝶野「ヨッシャ!!」

あけび「カチューシャに!」

蝶野「ヨシャァ!!」

妙子「鉢巻に!」

蝶野「ヒョッシャ!」

典子「ユニフォームに!」

蝶野「エイシャァ!」

アヒルさんチーム「「「「ありがとうございましたー!!!!」」」」

その後、あまり長居しても邪魔になると思ったのか、二人は少しだけバレー部の練習を見学すると体育館を後にした

蝶野「気持ちのいい子たちだったな!! 俺もバレーやってみようかなァ」

麻子「それはよかった」

次に向かう場所は? >>146


143 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 14:58:49 lA4D0u0U
学食


144 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 15:19:31 WSXuuUYk
戦車格納庫


145 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 15:20:44 xnt6yNjA
肴屋本店


146 : 妖怪画像貼ってけ :2016/04/24(日) 15:34:07 ???
生徒会室


147 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 15:38:31 qu1ihW8w
続きは十時ゾ。申し訳ないゾ
文章力でグダグダになってるけど、夏休みが七月二十四日から始まってるから三十七日目が終わりゾ


148 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 15:41:37 uN/m3jd6
嫌自分で書いといてあれなんですがちょうのまさよしって誰なんですかね


149 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 15:46:50 TVb3cI5k
まさひろもひさよしも黒いチョウノだから同じようなもんだゾ


150 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 22:25:50 qu1ihW8w
>>148
申し訳ナス
普通にちょうのまさひろと間違えたかと……


151 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 22:35:25 qu1ihW8w
二人は次いで生徒会室へと向かった

今は夏休みとはいえ、何名かの役員がいるはずである

それに、『現生徒会長』と『元生徒会長』にも聞いておきたいことがあったのだ

トントン、と生徒会室のドアをノックすると、中から「はーい」と返事が返って来た

麻子「邪魔するぞ」

蝶野「お邪魔するぜェ! 失礼しますだオラァ!」

麻子の静かさに比べて、体育館の時と変わらず威勢よく入室してきた蝶野をケタケタという笑い声が迎え入れた

杏「お〜、蝶野正洋だ。初めて見たな〜」

蝶野「そういう君は角谷杏!」

杏「まさしく。初めまして」スッ

蝶野「おう!」グッ

麻子もそうだが、杏も小柄な方なので蝶野の傍によると身長と体格の差が半端ではない

OBとして生徒会室に入り浸っている杏がいるのは想定内で、現生徒会長はどこかなと麻子が訪ねようとすると、後ろで扉の開く音がした

現生徒会長>>154「ただいま戻りました」


152 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 22:51:34 gebLAs2.
佐々木あけび


153 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 23:34:00 qu1ihW8w
ふぁ


154 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 23:43:58 mguXtmc6
>>152


155 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/24(日) 23:45:11 TVb3cI5k
果実の木の法則ですね


156 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 00:16:33 H0Q8iZKk
あけび「午前の練習が長引いてしまって……」

杏「お〜、ちょうどよかったね〜」

生徒会室に現れたのは、先ほど体育館でも遭遇したバレー部の一人、佐々木あけびであった

何を隠そう、彼女こそが角谷杏を次いで生徒会長となった人物である

二年生だとか細かいことを言ってはいけない。なったものはなったのだ

あけび「あれ? お二人ともどうしたんです?」

麻子「訊きたい事があってな」

杏「あー、わたしから話すよん」

そういって麻子を制した杏は、組んでいた足を組み直すと前のめりになってささやく

杏「実は、大洗があの人気番組のロケ地に選ばれたんだよ」

あけび「人気番組……」ゴクリ

杏「笑ってはいけない二四時、って知ってる?」

あけび「!! な、なんでもっと早く教えてくれなかったんですかぁ!?」

杏「わたしだって知ったのは昨日のことだもーん。話そうと思ったら佐々木ちゃんは朝練でずっといないしさぁ〜」

もー! と、猛烈な勢いで机上の書類を漁り始めたあけびを尻目に、杏は「関連書類はそこじゃないよ〜」と適当なヤジを飛ばしてこちらに向き直った

杏「で、蝶野さんは下見に来たんでしょ? よかったらこっちであんな所やこんなところまで案内するけど」

蝶野「俺は構わないが、冷泉さんはどうすんだ」

麻子「>>159


157 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 00:18:34 8mJfj/OU
ついてく


158 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 00:18:50 H0Q8iZKk
>>155
調べてもわからなかったゾ……


159 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 00:19:32 r.OiUv86
会長が案内しているうちに会長の家に潜入する


160 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 00:22:00 8mJfj/OU
>>158
「杏」「柚子」「桃」全て果実ってことじゃないっすかね
ついでにいえば角「谷」 小「山」 「河」嶋と全て地形から来ていますね


161 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 00:23:29 MZMnaQuE
>>158
杏と柚子と桃が全部果実で、他のキャラクターで果実の名前が付いてるのがあけびだけって話です


162 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 00:26:29 H0Q8iZKk
>>160
>>161
あっ(察し) しょせん自分はにわかなんやなって……
わざわざ教えてくれてありがとナス!


163 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 00:59:39 H0Q8iZKk
麻子「せっかく元会長が案内してくれるのなら私は必要ないだろう」

杏「んー、そっかぁ」

麻子「そういう訳で、私はここまでにしておきます」

蝶野「わかった……ここまでありがとう、冷泉さん!! 君に会えてよかったぜ!!」

麻子「ふ、こちらこそ」

こうして麻子は生徒会室を後にした

これからの行動に障害となる者を確実に縛り付ける、最高の形で


――夏休み五日目
――日本・学園艦・杏の家・玄関前
――午後一時 くもり

角谷杏という人物を、彼女を見た多くの者が「つかみどころがない」という

どこかひょうひょうとしていながらやることはキッチリやっており、かといって普段は真面目かといえば案外適当なことが多い

しかし、母校愛が強いというのは彼女を知る全員の共通認識である

麻子も杏の事は多く知らねど、彼女が有能であると理解していた

麻子(そんな会長……元会長は、卒業してからの進路は一向に口を割らないし、未だに学校に現れては誰かにちょっかいを出したりしている)

麻子(あんまりにも謎が多い)

極めつけは先ほどの生徒会室であけびがひっくり返していた中、目に飛び込んできた資料

麻子(納入品目一覧……ファイヤフライ、ルノー、パーシング、そしてノーナ)

麻子(どれも搬出元がANZU KADOTANI、会長の名前になっていた)

麻子(戦車は到底個人で購入できるようなものじゃない。例え購入手段があっても、資金が馬鹿にならない)

麻子(……なにか、ある)

心中に渦巻く好奇心とも不信感とも似つかない感情の赴くまま、麻子は会長宅へ侵入することを決意し、今に至っている

ざっと家の外周を回って監視カメラや温感センサーの類が無いのを確認すると、念のため電気メーターを確認して針が動いていないかを確認する

そうして慎重に玄関前の扉に近づくと、まずは鍵が空いてないか軽くノブを捻った

ガチャン、と音がして錠が掛かっていることを知らせる

麻子(………………ここだな)

だいたい用心深い人間や用意周到な人間というのは、自分の失敗を想定して別の手段というモノを用意しているものだ

どうやら麻子の読み通り、杏はそのどちらかであったようで、玄関前の植木鉢の裏側に合鍵が張り付けてあった

それを使って静かに杏宅に侵入した麻子は、そっと玄関に上がると>>166へ向かった


164 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 01:14:52 BXz9KYzg
エロ本の隠し場所


165 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 01:16:07 eqLDfiXc
寝室


166 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 01:17:16 ZDSrK4XI
会長の部屋


167 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 01:37:37 H0Q8iZKk
一番手っ取り早く杏の謎を暴くには、彼女の居城たる自室を攻める他ない

玄関、トイレ、キッチン、居間……最後に残った麻子の正面に聳える扉こそ、角谷杏の全てを遮る最後の障壁

麻子「…………」

知らず手汗を滲ませていた麻子は、意を決しノブを捻った

麻子「…………」

杏の自室は、一言でいえば『普通』

壁紙は真っ白だが、フローリングの床にはピンク色のカーペットが敷かれており、ベッドの上にはカメのぬいぐるみが置いてある

机などは至って綺麗に整頓されており、机上の写真立てには当時の生徒会役員の面々と共に写った写真が入っていた

本棚、カーテン、クローゼット、照明

あらゆるものが普通

麻子「…………」

しかし、見た目だけならいくらでも偽装する手段はある

RPGのように堂々と部屋の中央に宝箱が置いてあることなど現実ではありえない

麻子(……ん?)

しばらく部屋を物色していると、クローゼットの奥の木板ががたついているのを発見した

下部をこぶしで軽く叩くと板が段々とずれ、しまいには倒れてきてしまったではないか

なんと、隠されていたクローゼットの奥から出て来たのは>>170だった


168 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 01:39:19 zxlJjoww
西住みほのブロマイド


169 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 01:56:46 q2kAhM1Y
干し芋


170 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 03:36:13 XA.ETLrM
学園艦教育局長の個人情報ファイルが山ほど


171 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 15:05:56 H0Q8iZKk
麻子「こ、れは……」

隠されていたのは十数冊にも及ぶ、ファイリングされたとある人物の個人情報

黒く分厚いファイルには、たった一人の事についてのみ情報が纏められており、その収集量たるや素人のそれではない

麻子(どうして、あの役人の個人情報が……)

ファイルに記載されていたのは、大洗を二度も廃校に追い込んだ文化省の教育局長だったのだ

身長や体重、経歴といった基本的なプロフィールから、一日ごとの行動パターンまで

彼に関するあらゆる事が、このファイルすべてに詰まっていると言っても過言ではなかった

それにしても病的なまでに情報が多い。多すぎる

麻子は、ファイルに綴じられた情報にも、そしてこれを隠し持っていた杏にも恐怖を感じる事しかできなかった

麻子(廃校を言い渡した役人を相当に恨んでいるのか……?)

麻子(それもしかたない、か。口約束だとか言って、私たちが必死に掴み取った優勝に水を差したんだからな)

麻子(だが……会長はこれをどの段階で収集した? そして、どう活用した?)

麻子(…………想像もつかないな。恐ろしすぎて)

麻子はあの役人が、大学選抜チームとの試合の後にどうなったかを知らない

知らなかったが、予測はできてしまった

無意識に身を震わせた麻子は、ファイルを元の場所に戻して木板をクローゼットの奥にはめ込んで来た時と同様の状態へ戻した

汗ばむ額を拭って一息つき、深呼吸をする

麻子(どうやら、私の思っていた以上にあの人はやばいのかもしれないな……)

麻子(あまり探りすぎるのもよくないかもしれないが……)

どうする? >>174


172 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 15:54:54 g3o5y0zI
下着を漁って練りわさびを仕込む


173 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 16:50:22 mmHAycoA
会長の下着でオナニーして気分転換


174 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 16:56:37 /ksI5ITA
沙織の下着(脱ぎたて)置いて華さん家へ行く


175 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 23:43:09 H0Q8iZKk
麻子(……やめよう、これ以上は)

麻子(ただでさえ恩人の顔に泥を塗っているようなものだ。おばあにも……二人にも、顔向けできなくなる)

家宅捜索の続行は不要と判断を下した麻子は、来た時と同じように部屋の配置を元に戻して潜入の痕跡を消してゆく

仕上げに使うのは、昨日の晩に友人と戯れていた際に気絶した彼女から無理やり剥ぎ取った聖なる布

俗に言う所の――武部沙織の下着である

まだ彼女の肌を離れて半日ほどしかたっていない

おまけに『運動』のせいで彼女の肌から滲み出た汗が染み込み、しっとりとしていて生々しい状態だ

これを置いておけば、杏が空き巣の正体を突き止めるのが困難になる事を見通しての行動である

麻子(沙織は今日は何をしているか知らないが、どこかしらに居るのだからアリバイが成立する)

麻子(であれば、誰が家に入ったのか。どうして沙織の下着を置いて行ったのかでかなり混乱するだろう)

麻子(…………まぁ、勢いで剥ぎ取ったのはいいものの、よくよく考えれば持ってる意味もないしな)

そうして沙織の下着を適当な場所に投げやった麻子は、念を入れてポケットティッシュで触れた箇所と合鍵を拭いて指紋をも鑑識困難にし、杏宅を後にするのだった


――夏休み五日目
――日本・学園艦・五十鈴華宅・玄関前
――午後三時 晴れ

ピンポーン、と昼下がりの学生寮に軽快な呼び鈴が響く

華「はい……あら、麻子さんではありませんか」

麻子「ん」

麻子が杏宅を後にして向かった先は、同じあんこうチームのメンバーにして砲手を一挙に任されていた五十鈴華の家だった

華「珍しいですね。今日はどうかされたのですか?」

麻子「>>176


176 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/25(月) 23:47:11 2JNBDu5I
てきとーに一緒に街をぶらつかないか?


177 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 00:13:12 XRPPGnFA
麻子「てきとーに一緒に街をぶらつかないか?」

華「まぁ……!」

麻子の提案は華にとってこれほどまでになく喜ばしいものだった

華にとっても麻子にとっても、お互いは武部沙織という共通の友人を通した知人より少し上程度の関係でしかなかった

それは戦車道を始めてから練習、大会などを経て徐々に変わっていったものの、親交の度合いは交流の機会に比べてあまり深まってなかったと言える

苦楽を共にし、同じ釜飯を食った中である麻子とはもっと親しくなっていておかしくないのだ

かといって何か具体的な行動を起こすこともできずにいた華だったのだが、それは麻子も同じであった

華「是非、是非とも参りましょう。今すぐに準備してきますから」

麻子「慌てなくていい。急に私が押しかけてしまったからな」

こうして街に繰り出すことになった二人は、他愛のない世間話に花を咲かせているうちに>>179に辿り着いていた


178 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 00:19:39 dQhVRTgU
戦車同ショップ


179 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 00:26:12 6HhA/PiA
74アイスクリーム


180 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 00:50:10 XRPPGnFA
麻子「トリプルで、ストロベリーとクランベリーとラズベリーを」

華「わたくしはカップのチョコバナナと、トリプルでサワーミントとマカダミアナッツ、あとタピオカでお願いします」

二人が適当に街を歩いていると目に入ったのは74アイスクリームの看板だった

おやつを採るには最適な時間だったこともあり、二人は言葉を交わすまでもなく揃って店内に踏み出したのだ

色々と会って昼食を採っていない麻子と違い、華は絶対に昼食を食べているはずなのだが、頼んだ量は単純に重量換算で麻子より上である

麻子「相変わらず五十鈴さんはよく食べるな」

華「そうでしょうか……?」

麻子「ああ。五十鈴さんくらい――」

華「待ってください」

――食べられるのは羨ましい、と続くはずだった麻子の言葉は遮られた

スプーンを伏せ、両の手を膝の上に揃えて真剣な眼差しでこちらを見据える華に、麻子は自然と匙を下ろす

華「麻子さんは、わたくしのことをどう思われていますか?」

麻子「……>>182


181 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 01:32:26 zLd5yNfs
たくましい


182 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 01:34:16 if/NCmFM
大食漢


183 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 01:56:19 XRPPGnFA
麻子「……大食漢」

華「そ、それは! ……ま、まぁ、よく言われるので多少は自覚しているつもりですけど……今も麻子さんには言われたばかりで、って! そうではなくてですね……」

なんだ、沙織ばかりが相手だったせいでまったく気が付かなかったが、五十鈴さんも弄ると面白いじゃないか、と麻子は内心でほくそ笑む

そうして滅多になくわたわたとしている彼女に、麻子は言葉を重ねた

麻子「食事だけじゃない。戦車道でも、大食漢と呼ぶに相応しい撃破の数々だった」

華は麻子が続けざまに放った台詞に口を噤み、姿勢を戻して耳を傾ける

麻子「五十鈴さんは私と違って普段からキチっとしているし、戦車に乗ってもそれは変わらない」

麻子「目の前に敵が居ても冷静さを欠かさず、目標を指定されれば照準を合わせて離さないで、飛び出す弾は百発百中」

麻子「あんこうチームの、Ⅳ号の操縦主として、進路の障害を気にする必要がないのは心強かった」

華「麻子さん……」

麻子「そう言う五十鈴さんは、私の事をどう思ってるんだ?」

華「……>>185


184 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 02:00:15 ofyN8KRM
お前のことが好きだったんだよ!


185 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 02:01:54 JXTciB2E
お前のことが好きだったんだよ!


186 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 02:48:58 XRPPGnFA
華「……貴方の事が好きだったんですよ!」

麻子「は」

華の渾身の叫びは74アイスクリームの店内にくまなく響き渡った

窓際で談笑していた大洗の生徒が

ショーケースの前で新しいアイスを補充していた店員が

奥の事務所で発注をしていた店長が

誰もが突然の告白に目を見開いている中、華は立ち上がって麻子に詰め寄る

華「最初にお会いした時からずっと思っていました、貴女と仲良くなりたいと!」

華「低血圧で朝が辛いにも関わらず、早朝から麻子さんを見かけた日にはとても嬉しくなります!」

華「偶然、模擬戦で麻子さんが加わった時は思わず手を握ってしまいそうになりました!」

華「沙織さんが説得して麻子さんが戦車道を履修すると決めた時には、飛び上りたくなるくらいに嬉しかったんです!」

華「大会の決勝戦でわたくしがほんの少しでいいから停止射撃ができたらと言ったのを実現して、黒森峰のティーガーを撃ち斃した時にどれほど麻子さんに飛びつきたかったか!」

溜まりに溜まった心の内を一気にぶちまけた華の瞳には、うっすらと涙が浮かんできていた

華「もっと……もっと麻子さんと、早く仲良くなりたかったんです。今以上に、もっと……!」

決壊直前で尚ぐっと涙を呑んだ華の目尻を、麻子はそっと指で拭った

驚いたように硬直する彼女を、麻子は優しく抱きしめる

麻子「ありがとう、五十鈴さん」

華「っ……! く……っ、っ……!」

それでも決して嗚咽を漏らすまいと激情に耐えていた華が落ち着くまで、麻子はずっと彼女を抱き締めているのだった……

――一時間後

普段の調子を取り戻した華は74アイスクリームの会計をまとめて勝手に支払ってしまうと、顔を伏せって早足で外へ出た

何も言わない彼女の一歩後ろを追って歩いてかれこれどれくらい経っただろうか

太陽は水平線に半分近く身を潜めており、夕焼けは学園艦全体を朱く染めていた

華「…………その、麻子さん」

露店艦橋の展望台まで来た辺りで、ようやく華が口を開く

残念ながらここまで歩き通しだった麻子には彼女のように海を眺める余裕はなく、ベンチに座ってただ続く言葉を待っていた

華「今日の事は、できれば内密していただけると……」

麻子「誰に話すんだ?」

華「……沙織さん、とか」

ふ、と相好を崩した麻子が「沙織に言ってもしょうがないだろ」と冗談を飛ばし、それに釣られて華も微笑む

そうして再び二人の間を静かな時間が流れ、麻子の体力が回復してきた頃に華が振り向いて尋ねた

華「また今度、二人で遊びに行きませんか? できれば陸に上がった時などに」

願ってもないことだ

麻子は立ち上がって華に手を伸ばす

麻子「ああ、よろしく頼む――華さん」

淑やかに、しかし堅固に握り返された手を、麻子は感覚に刻み込んだ

これが、五十鈴華の、『友人』の手であるのだと

その日、二人は帰路が別れるまで饒舌に語り合い、麻子は眠るまで華と過ごした時間をひたすら反芻していたのだった


――夏休み六日目
――日本・学園艦・麻子の家・自室
――午前十時 快晴

こんなに晴れやかに目が覚めたのはいつぶりだろうか

久しくなかった快眠というものに、麻子は上機嫌で布団から身を起こす

麻子(今日は>>189でもするか)


187 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 03:09:50 jg/rg.cA
鉄人レース


188 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 05:17:24 J0GSHwzc
草野球


189 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 05:52:15 V6MCNewg
ゲーセンでレースゲーム


190 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 08:08:39 wWhcIkkE
宿題しなくて大丈夫なんですかね(トラウマ)


191 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 08:23:45 LZcJf4rc
>>190
まだ6日目だしへーきへーき


192 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 11:25:24 XRPPGnFA
麻子(久しぶりにゲームセンターにでも行こう)

思い立ったが吉日

すぐさま朝飯を済ませ、歯を磨いて身だしなみを整えた麻子は、意気揚々と街に繰り出した

――三十分後 ゲームセンター

騒音の荒波が麻子の耳を劈く

戦車の砲撃音にも似た轟音を束ねるゲームの数々は、余計に気分を高揚させた

その中で真っ先に向かったのはレースゲームが占めている一角であり、麻子は空いている筐体に腰をおろすと財布からワンゲーム分を投入する

麻子(久しぶりだと楽しいもんだな)

常連ゲーマー顔負けのテクニックでハンドルを切って無事にスコア一位をもぎ取った麻子は、満足げに自分の名前をスコアに入力する

>>194「いやー、凄いですねぇ」


193 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 11:39:10 WywT9JPw
ミッコ


194 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 11:42:36 JMOZIdGk
ツチヤ


195 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 12:10:20 XRPPGnFA
ツチヤ「うん、すごいすごい。一位なんだ」

麻子「ツチヤさんか?」

ツチヤ「うんうん」

振り返ってみればそこにあったのは、自動車部でありポルシェティーガーの操縦主を務めるツチヤの姿

非常に珍しいことに、彼女は大洗の制服を着ていた

同級生とはいえ普段から制服姿の彼女を見ることはほぼ皆無であったし、自動車部の面々といえば作業着と相場が決まっていたのだ

もの珍しさにしばし固まっていた麻子を置いて、ツチヤは隣の筐体に腰を降ろすとハンドル片手に財布を取りだす

ツチヤ「どう? 勝負しない?」

麻子「構わないが……」

ツチヤ「じゃあ一本勝負。勝った方がジュースの奢りなんてどうかな」

麻子「それでいこう」

ツチヤ「うん――うん」

常日頃からニコニコと笑顔を絶やさない彼女の笑みが不敵なものに変わったのを見て、麻子も再度集中してハンドルを握り込んだ

これはいわば、レースゲームを利用した大洗戦車道の操縦主同士の戦い

単純に軍配が上がった方が優秀な操縦主ということではないが、レオポンさんチーム結成前からⅣ号を手足の如く扱ってきた麻子からすれば簡単に負けるわけにはいかない

気楽に構えているように見えるツチヤとは対照的に、麻子は乾いた唇を舌で濡らしてハンドルを握りしめた


勝負の結果>>197


196 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 12:27:22 dQhVRTgU
>>190
麻子ならすぐ終わらせるだろうしへーきへーき


197 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 13:24:01 iJPODuuE
ツチヤの勝ち


198 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 14:05:06 XRPPGnFA
麻子「負けた……」

加速で劣る車を使用してのが仇になった

いくらハンドリングはこちらに分があったとしても、そこを運転技術で補われれば差を広げようがない

結果としてカーブでは大した差をつけることができず、直線で勝負は決してしまった

ツチヤ「いやー、危なかったなぁ。コーナリングでアウト・イン・アウトをあんな綺麗にやられちゃうとどうしようもないよ」

麻子「それに離れずついてきてたのは誰だと思ってる」

ツチヤ「そこはまあ経験の差かな?」

麻子「言ってくれる」

してやったりのツチヤが先ほどの麻子のスコアを上書きする

TUTIYA、MAKO、HOSHINO、HOSHINO、HOSHINO、NAKAJIMA……よくよく見れば、スコアに刻まれた名前は自動車部の人間ばかりではないか

これは負けたのも当然の結果だと、諦めもつく

麻子(とはいえ、悔しいものは悔しいな)

勝負は勝負だ。ここは潔く負けを認めねばなるまい

ツチヤ「さぁって、何を飲もうかなー♪」

早々に筐体を立って自販機前に陣取るツチヤの後ろから、麻子が小銭を投入する

先に自分の飲む物を購入して長椅子に座った麻子は、少し重たくなった腕を揉んで一息ついた

後からジュースを購入したツチヤが隣に座り、自販機に残ったおつりを手渡してくる

ツチヤ「ありがとー! はいこれおつりね」

麻子「ん」

ツチヤ「それにしても意外だなー。冷泉さんってゲーセンにはよく来るの?」

麻子「いや、久しぶりに来た。そっちは?」

ツチヤ「わたしも最近は滅法忙しくてねー。でも、結構来る方じゃないかな」

麻子「要するにホームグラウンドだったってわけだ」

ツチヤ「まあね」

もしかすると、ここのどのゲームをプレイしてもツチヤには一歩敵わないかもしれない

ツチヤ「冷泉さんでもこういうところに来るんだねえ」

麻子「ツチヤさんこそ、車が恋人だと思っていたが」

ツチヤ「うんうん、その通り。ま、偶には息抜きもね」

そうして適当な世間話を続けていると、いつしかカップの中身も空になっていた

ツチヤ「冷泉さんはこれから何すんの?」

麻子「>>200


199 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 16:31:44 4E72YSxI
レズバトルだ


200 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 16:43:01 rA9/eD0.
恋人に会いに(大嘘)


201 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 17:53:49 XRPPGnFA
麻子「恋人に会いに行く」

ツチヤ「へえぇっ!? 冷泉さんって恋人いるの!?」

ツチヤにとってはかなり衝撃的なことだったらしく、声が裏返るほどには動揺しているのが見て取れた

無論、そんなのは嘘っぱちである

麻子「冗談だ」

ツチヤ「んなっ……もー、真顔で言うもんだから信じちゃったじゃん」

麻子「そういうツチヤさんはどうなんだ。車だけが恋人じゃなかったりするんじゃないか?」

ツチヤ「>>202


202 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 17:58:23 Erc0CQMs
ホシノと付き合ってる


203 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 18:01:30 QLFeBx.2
ホシノといいかけて慌てて否定(疑惑が深まる)


204 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 18:19:16 XRPPGnFA
ツチヤ「ホシノ先輩と……」

まさかの返答に今度は麻子が言葉に窮する

照れ笑いなのか、もじもじと指先どうしを弄る姿は間違いなく乙女のそれであった

麻子「そ、そうだったのか……自動車部は全員親密な仲だと思ってはいたが……」

自分で振っておきながらこういう時にどう反応すべきかという手段を麻子は知らなかった

と言うよりも、これが男だったらまだしもまさかの同性である

別に嫌悪感を抱いたりはしないが、どうしていいかがわからない

ツチヤ「あ! そろそろ行かないと! お昼からラーダをレストアする予定なんだよねー」

麻子「そうか」

ツチヤ「ジュースありがとね! また遊ぼー!」

それじゃ! と、ツチヤは軽快なステップを踏みながら去って行った

予想外の部分からとんでもない事実を知ってしまった麻子だったが、気を取り直して立ち上がる

麻子(……>>206でもするか)


205 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 18:27:13 Erc0CQMs
ホシノを寝取りに行く


206 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 18:28:30 mcf.wjf.
帰ってオナニー (キャラはおまかせ)


207 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 18:37:36 XRPPGnFA
>>206
麻子がオナニーで想像する相手なのか、それとも適当に他のキャラでいいのか、これもうわかんねぇな?

>>208の判断に任せるゾ


208 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 18:38:41 mcf.wjf.
想像する相手です。

まぎらわしくてセンセンシャル!


209 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 18:47:27 XRPPGnFA
>>208
読み取り能力なくて申し訳ナス!
じゃあ安価もぴったりだし、その方向で行きまスゥゥゥゥゥゥ


210 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 19:49:27 XRPPGnFA
麻子(……帰るか)

時刻は十三時を回った辺りで、昼食を採るにはちょうどいい時間帯である

外食でもよかったのだが、気分的にはもう帰宅したいといった塩梅であった為、麻子は早々に自宅へ帰還したのだった


――一時間後 自宅

帰ってきた麻子は畳んである布団に倒れ込むと、載せてあった枕に顔を埋めた

麻子(……あんなにえげつないものを見たはずなのに、全く効果無し、か)

実を言うと麻子が素早く帰宅したのは単に昼食を採る為だとか、今日はもうだるいとかそういった理由からではない

麻子「っ……はぁ……」

何故だか急に身体が火照ってしまい、もはや我慢の限界だったからだ

点いているはずのクーラーは表面上の肌を冷風で包むが、体内を流れる熱い血流が身体を涼ませることを拒んでいた

最初は熱でも出てしまったかと思ったのだ。だが――

麻子(もう……こんなに湿って……)

下着の上から少し触れるだけで、自分の秘部が濡れているのが分かる

どう弁明しようもなく、発情してしまっていた

麻子「はぁ、はぁ……ん……あ、あっ」

突如として高まった性欲に困惑しながらも、麻子は自らの恥部に添えた指を動かしてしまう

割れ目をなぞりながら行ったり来たりする指先。それからもたらされる刺激に、自然と声が漏れ出す

麻子「んぅ……ふっ、ふー、ふー……」

自らのあえぐ声を抑えるために噛み締めた服の裾は、溢れる唾液が染みてきていた

布越しの感覚が煩わしくなった麻子は、ゆっくりと下着をずらすと直に濡れそぼった恥部に触れる

麻子「ふぁ……!」

大きくなった刺激は快感に変換されて下腹部から全身を打ちのめし、指先は勝手に自身の最も快感となる場所に辿り着いてしまう

麻子「っく、あ、あっ! や、こんな……うぁっ、あぁっ!」

無意識に空いていた方の手が胸元へ伸び、ツンとした桃色の蕾がこねくり回される

麻子「んっ、あっ、あっ♡」

的確に自分の弱点を自分自身が貫き、膨れ上がった快感が今にも爆発せんと子宮の中で暴れていた

そして――

麻子「あ、あ、いく、くる……♡ イクっ……♡」

麻子「あっ……あぁぁぁぁぁっ♡」

指先を締め付ける痙攣と腰が浮き上がる程の絶頂

久方ぶりの快楽は麻子の全身を隅々まで蹂躙し、電撃のような快感だけが感覚を支配する

しばらく仰向けになって余韻に浸っていた麻子だったが、日が傾いてきた頃には立ち上がってシャワーを浴びていた

麻子「はぁ……」

麻子も健全な女子高生である。そうであるからには性欲もあって当たり前

とはいえ、どことなく自分の欲望に負けた気がして素直に今日の行為を受け入れることができないでいた

麻子(……まぁ、たまにはな)

零れ落ちる水滴を払い、タオルで身体を丹念に拭う

そうしているとまた『やりそう』になってしまったので、麻子は手早く着替えと夕飯を済ませてしまうとこの日はかなり早く床に就いたのだった


――夏休み七日目
――日本・学園艦・麻子の家・自室
――正午 快晴

麻子(なんだか身体がだるい……)

麻子(今日は>>213するか)


211 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 19:59:30 2BGGNePE
武部殿の家に遊びに行く


212 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 20:02:14 LZcJf4rc
おばぁに会いに行く


213 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 20:02:55 ywMvBvMc
タンカスロン観戦


214 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 20:10:27 XRPPGnFA
想像する相手が抜けてました……この安価SS終わったらなんでもするんで許してください!オナシャス!


215 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 20:49:56 XRPPGnFA
麻子(タンカスロンの観戦にでも行くか)

強襲戦車競技(タンカスロン)――大雑把に言えば、軽戦車のみを用いたなんでもありの戦車道である

通常の戦車道と比べると衰退著しい競技種目だが、残留した競技者や支援団体は細々とタンカスロンを続けており、中には戦車道よりタンカスロンを主体に据えている高校もあるという話だ

麻子はタンカスロンについて、優花里の譲ってくれた戦車雑誌で目にして以降、時々関連の情報を読み漁ったりしている

何せタンカスロンは規定のある戦車道と違って殆どルール無用の情け容赦無用

しかも使える戦車は十トン以下の軽戦車ときている

装甲車や豆戦車ほどの小さな鉄の箱で、多くの場合個対個で鎬を削る競技であるのだから、さぞ操縦のし甲斐があるだろう

麻子は特別戦車が好きという訳ではないが、戦車道を通じて多少は興味を深めているので自分の腕をより振るえそうなタンカスロンに惹かれていたのだ

麻子(せっかくなら>>218と一緒に行くか)


216 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 21:03:11 wWhcIkkE
チョビ子


217 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 21:05:28 irv/0L4o
カルパッチョ


218 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 21:06:30 2BGGNePE
西住まほ


219 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 21:53:44 XRPPGnFA
麻子(……西住さんの姉で黒森峰の隊長だったまほさん)

麻子(その黒森峰は、彼女の在学中に当時の副隊長を頭に据えたタンカスロンチームを組んでいた)

麻子(今はどうなっているのか知らないが、改めて礼をする意味でも会っておきたかったしな)

麻子(まずは西住さんに連絡してお姉さんにアポをとってもらわないとな)

prrrrr! prrrrr! p!

みほ『麻子さん?』

麻子「ああ、おはよう西住さん。急に電話してすまない」

みほ『ううん、大丈夫。どうかしましたか?』

麻子「実は折り入って頼みがある」

事情を説明し終えると、みほは『とりあえず連絡とってみますね』と一度電話を切った

突然の申し出だ。あちらにも都合があるかもしれない、と麻子は携帯を置いた

……その数分後、麻子の電話が着信音を立てる

麻子「冷泉だ」

みほ『西住です。麻子さん、お姉ちゃん大丈夫みたいです』

麻子「そうか……ありがとう、西住さん」

みほ『いえいえ。学園艦までヘリで迎えに来るそうですので、学校のグラウンドで待っていてください』

麻子「迎えまで……わかった。何から何まで申し訳ない」

みほ『謝らないで下さい。わたしは何もしてませんから』

麻子「いや、前の事も改めて謝ろうと思ってたんだ」

みほ『もう過ぎた話です。ほら、麻子さん! あまり話してると遅れちゃいますよ!』

こうしてみほに促されて電話を切った後、麻子は再度身だしなみを確認して学校のグラウンドへ急いだ

――三十分後

いつしか自分が夢中で乗り込んだものと同じヘリが大洗の敷地に降り立った

操縦席から身を乗り出した西住まほが、「乗れ」と仕草で伝える

ローターによる激しい突風に髪を抑えながら、麻子はヘリの後部に乗り込んだ

麻子「ご無沙汰してます。急に誘ったりしてすみませんでした」

まほ「みほから連絡が来た時は驚いた。私も暇をしていたから丁度いいと判断しただけだ」

操縦席のみほはそれだけ言うと視線を外してしまい、ヘリはすぐさまグラウンドから離陸する

まほ「タンカスロン観戦だったか……どうして私を? みほや他のチームメイトもいるだろうに」

麻子「改めてお礼を言いたかったんです。おばあが倒れた時、このドラーヘを貸してくれた事を」

まほ「……そうか」

麻子「ありがとうございました」

まほ「ああ」

それからしばし会話のないままヘリは飛んでいたのだが、先に沈黙を破ったのはまほの方だった

まほ「>>221


220 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 21:59:32 2BGGNePE
卒業後の進路を聞く


221 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 21:59:58 7b6lH3Bg
喉乾いた…喉渇かない?


222 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:00:11 dQhVRTgU
>>219
みぽりんはヘリの操縦も出来たのか
安価だったら下で


223 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:11:36 XRPPGnFA
>>222
ヘリに一緒に乗ってるのはまほゾ
もし、みほも操縦できると解釈できる部分があるなら教えて欲しいッシュ……
おかしな箇所は指摘してほしいゾ


224 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:15:18 dQhVRTgU
>>219
>操縦席のみほはそれだけ言うと視線を外してしまい、ヘリはすぐさまグラウンドから離陸する

この部分が間違ってますね


225 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:16:10 dQhVRTgU
>>223だったゾ


226 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:19:39 XRPPGnFA
まほ「喉乾いた……喉渇かない?」

麻子「そうですね。今日も暑くて、喉も……」

すると、まほは隣座席に置いてあったバッグからペットボトルの紅茶を取り出し、麻子に投げ渡した

まほ「アイスティーしかないが、よかったか?」

麻子「はい。ありがとうございます」

キャップを捻り開け、紅茶に一口だけ口をつけて喉の渇きを潤す

紅茶の実態(普通の紅茶ならそのままタンカスロン観戦へ)
>>229


227 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:21:07 XRPPGnFA
>>224
ありがとナス!
こんなところ間違っちゃって恥ずかしいゾ……申し訳ナス!


228 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:22:32 ijo9JsaM
ローズヒップティー(ローズヒップの)


229 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:22:36 F0N12/yo
ジエチルエーテルで淹れたお茶


230 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:23:30 2BGGNePE
紅茶の以前に爆発しちゃったりしませんかね・・・?


231 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:30:35 XRPPGnFA
麻子(……?)

まほ「大丈夫か?」

妙に頭がふらつく

そこに目敏く気が付いたまほが声を掛けてくるが、上手に舌が回らず視界も横倒しになってしまった

ああ、倒れたのか、と理解した頃には麻子の意識は暗闇の中に沈んでしまっていた――


――???

麻子「う……」

重たい瞼、朦朧とする意識

気分的には最悪の目覚め方をした麻子は、ゆっくりと顔を上げる

麻子が目を覚ましたのは>>234(場所)だった


232 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:30:35 GsjG37c.
常温で水出しみたいにしたのかな?(すっとぼけ)
気化したのが機体の中に充満してヤバいことになりそう


233 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:31:15 irv/0L4o
地下闘技場


234 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:32:01 2BGGNePE
西住まほの実家


235 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:40:01 XRPPGnFA
麻子「和室……?」

まほ「目が覚めたか」

タイミング良く障子を開いて現れたのは、先ほどまで一緒に居たまほであった

至って冷静な様子の彼女は、横になる麻子の元まで近づいてくると顔を数秒見つめ、「ふむ」と頷く

まほ「意識ははっきりしているようだな」

麻子(……確かヘリに乗っていて、紅茶を飲んで……)

麻子「……私はどうしてここに?」

まほ「>>238


236 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:44:44 3Z5pZXHU
お前のことが好きだったんだよ!


237 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:45:43 irv/0L4o
邪淫についてお話します


238 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:46:05 F0N12/yo
全部私のせいだ!ハッハッハッハッハ......


239 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 22:56:38 XRPPGnFA
まほ「全部私のせいだ! ハッハッハッハッハ……!」

やはり紅茶に何かを含ませていたらしい

飲んだ直後に倒れたはずなので、特に体調も悪くなかったのに変だとは思っていたのだ

麻子「なんで私を……」

混入されていたのが何かは不明だが、どうにも上手に手足を動かすことができない

下手に刺激するのもまずいので、今は彼女の目的を探ろうと口だけを必死に動かす

みほ「どうして? どうしてだと?」

みほ「それは、>>241だからだ」


240 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 23:02:28 x.z.WCY6
妹のボコに


241 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 23:03:44 alQVFllc
復讐が目的


242 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 23:14:13 XRPPGnFA
まほ「復讐する為にだ!!」ダン!!

感情のまま拳を柱へ叩きつけたまほは、一転して憎悪を感じさせる表情へと変貌した

まほの行為に麻子は反射で身体をびくりと跳ね上がらせる

正直に言って、彼女から復讐をされるような原因を麻子は思いつかない

強いて挙げるのならば去年の決勝戦で優勝を逃したことだろうか

しかし、そんなことはありえないだろう

麻子「……あなたに復讐をされるような覚えはない」

まほ「私にはある! >>244


243 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 23:22:47 F0N12/yo
みほを私から奪った泥棒猫め!


244 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 23:35:37 4dyIuvas
お前のことが好きだったんだよ!


245 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 23:43:58 opzaiZdY
どういうことなの...


246 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 23:52:52 XRPPGnFA
まほ「お前のことが好きだったんだ!」

麻子「なっ……はっ?」

一体全体どうなっているのか

友人の姉と共にヘリに乗ったら眠らされ、挙句自宅とおぼしき場所に運び込まれて復讐だと言われたと思ったら今度は私の事が好きなどとのたまう

まほ「私が好きだったのに、五十鈴華は先にお前に愛の告白をした! だから私は!」

麻子「あ、愛の告白? そんなものは……」

まほ「一昨日! あろうことか高所恐怖症のあなたを連れて五十鈴華は展望台に行った!」

麻子「あれはそんなものじゃない、華さんはただ私と親しく――」

まほ「私にはそうは見えなかった」

まほが身体に覆いかぶさってくる

未だに身体の自由がきかない以上は抵抗しようがない

なんの冗談なのか、まほはどこからか大洗を、もしくは自分の事を監視していたようだ

だが、このような事態を誰が想定できようか

まほ「はー、はー……冷泉、冷泉麻子……!」

麻子「くっ……復讐というのはまさか、華さんを……」

まほ「そうだ!」

麻子(非常にマズイ。どうにかしてこの状況を切り抜けなければ……!)

麻子(そうだ、>>248があった!)


247 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 23:54:11 dQhVRTgU
さっきの紅茶が残っていた


248 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/26(火) 23:57:23 opzaiZdY



249 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 00:21:27 wncDX5nQ
麻子(さっきの紅茶! ミニサイズのペットボトルとはいえ、よく手放してなかったもんだ!)

痺れる手足を這わせている内に自分の服からペットボトルの感触を探り当て、麻子は興奮状態のまほに悟られぬよう慎重にキャップを開く

徐々にだが四肢も自由を取り戻しつつある今、このチャンスに賭けるしか方法は残されていない

まほ「ふーっ、ふーっ」

段々とまほの顔が近づいてくる

――そして

麻子「悪いが……!」

ドン、と麻子は渾身の力を込めてまほを突き飛ばした

横転したまほが起き上がる前に紅茶を口に含み、仰向けになった彼女の肩を押さえつけて素早く接吻を行う

まほ「!!」

突き飛ばされたことに激高したはずのまほだったが、麻子から即座に口づけされたことで受け入れてくれたのかと恍惚とした表情になった

だが、麻子の口を伝って流し込まれた液体がなんであるかにハッとなると、今度はまほが麻子を突き飛ばす

麻子「口に含んだ程度でこれか。そりゃ一口飲めば倒れるはずだ」

まほ「冷泉……ま、こ……」

尻もちをついた麻子がそう言って口元を拭ったのが、まほの意識が途絶える前の光景だった

がくりと力尽きたまほを尻目に、麻子は大きなため息を吐く

麻子(勘弁して欲しい……映画の主人公にでもなった気分だ)

麻子(とにかくまずここを出よう。家人にも見つかったら何をされるか……)

>>251「そこにいるのは誰だ!」


250 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 00:27:03 gqqNo2Fo
新井貴浩


251 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 00:27:55 uZ4lCX9Y
ルクリリ


252 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 00:37:43 wncDX5nQ
ルクリリ「そこにいるのは誰だ!」

麻子「! ……? お前こそ……いや、見覚えがあるようなないような……」

まほが昏倒している部屋を出た矢先に見つかってしまった麻子だったが、見つけた相手がどうみてもこの家の人間じゃなかった

加えてどこかで見たことがあるような気もするが、肝心の場面は思い出せないでいた

ルクリリ「あなた、大洗の! Ⅳ号の乗組員ね!」

麻子「悪いがお前の事は思い出せない。それよりどいてくれ。なんでここい居るのかは知らないが邪魔だ」

ルクリリ「>>253


253 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 00:38:47 0gE6LsLg
バレー部に会わせろや


254 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 00:50:22 wncDX5nQ
ルクリリ「バレー部に会わせろや」

麻子「ああ、お前は二回も――」

ルクリリ「誰が二回もパーキングに誘い込まれたアヒル以下の脳みそしかない間抜けですって!?」

麻子「そんなこと言ってないだろ。バレー部に会わせるくらいならしてやるから、ここから出るのを手伝え」

ルクリリ「約束破ったら許さないから!」

――こうして、無事に西住邸を脱出した二人は熊本からフェリーを乗り継いで学園艦に帰還することに成功したのだった

学園艦に到着したのは翌日

事が事なのでみほに報告をしておき、一緒に連れて来たルクリリは昼間には体育館に送り込んでおいた

麻子は前日のショックもあって、その日はそれだけで一日を静かに終えたのだった


――夏休み九日目
――日本・学園艦・麻子の家・自室
――午前十一時 晴れ

麻子(はぁ……)

麻子(今日は>>256するか……)


255 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 01:02:17 85p3G58c
おクスリ


256 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 01:02:30 uZ4lCX9Y
大洗女子廃校


257 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 01:03:11 gqqNo2Fo
アマゾン狩り


258 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 01:04:13 cm/whafM
前半の会長宅訪問が伏線になるのか...?


259 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 01:12:01 wncDX5nQ
これは麻子が大洗を廃校に追い込むって解釈でいいんですかね……?(震え声)


260 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 02:29:33 wncDX5nQ
麻子(今日は……)prrrrr! prrrrr!

思考を遮るコール

自分の携帯に着信があるのは珍しいと、麻子は電話を手に取る

麻子「もしもし」

沙織『あ、麻子? やっとでたぁ〜』

麻子「沙織か。どうした」

沙織『どうしたもこうしたも……と、とにかくお昼には学校に来てね! 絶対だよ!!』

それだけ言って電話は一方的に切られてしまった

着信履歴を見返せば、朝の九時過ぎあたりから五分おきに沙織の着信がある

よくよく見れば沙織だけではない。それに混じってみほや華、優花里からも着信があったようだ

あの慌てぶりは余程の事があったに違いない

麻子「厄介続きだな。鬼か蛇か……」


――一時間後 大洗女子学園

どこへ集まればいいかは一目瞭然だった

灼熱の太陽が照り付ける真夏の昼下がり、麻子は格納庫の前に集合していた面々と合流を果たす

麻子「遅れたか」

沙織「あ、麻子!」

優花里「冷泉殿!」

声をかけると真っ先に反応したのは沙織だった。次いで優花里が駆け寄ってくる

みほ、華も次いでこちらを確認し、近寄って来た

麻子「なにがあった」

沙織「ええっと……」

華「…………」

集められたメンツは現在の大洗戦車道を履修している者だ

卒業してしまった三年生メンバーは流石にいないものの、今年戦車道を履修した一年生も全員集まっている

なんとなく、麻子はこの後誰かから告げられる内容を予測できてしまっていた

麻子「西住さん」

他の四人は言いよどむばかりで肝心の集合理由をまったく話してくれない

であるのならば、我らの隊長に訊くしかないだろう

みほ「…………」

麻子「…………」

みほ「大洗が、また廃校の危機に瀕しています」

麻子(やはり……)

大会や練習、事前に告知されていた集合以外での呼び出しだった時点で嫌な予感はしていたのだ

電話口の沙織の慌てようといい、誰も招集理由を口にしようとしなかったことといい、不安な材料が多かった

そして見事、予感は敵中してしまったのだ

麻子「今度はどこと戦うんだ? プロリーグか? それと海外の選抜チームか?」

麻子の冗談にみほは真剣な表情で首を振る

みほ「それをこれから会長――杏さんと佐々木さんが説明してくれます」

ざわついていた声が一斉に静まり返る

視線は格納庫の一点を集中した

杏「やぁやぁみんな。久しぶりの人は久しぶり、初めての人は初めまして」

杏「元生徒会長の角谷杏だよ〜」

あけび「みんな集まってくれてありがとう」

蝉の鳴き声だけが広大な敷地を駆け抜けていく炎天下

誰かの汗が頬を伝って地面に落ちた

あけび「みんな聞いたと思うけど、大洗女子学園がまた廃校にされようとしています」

ざわ、と新一年生の面々が騒がしくなるが、二度も廃校を回避した去年からのメンバーは微動だにしなかった

それに倣ってか空気を読んでか、一年生たちも静かになる

梓「……今度はどこが相手なんですか」

杏「どこが相手、か……」

梓の質問に杏の視線が僅かに下がる

杏「大洗以外の全部、かな」

戦車道メンバー「「「「「!!」」」」」

どういうことだ、と流石の二年生や三年生も騒がしくなるのを乾いた音が鎮める

あけび「……学園艦は大洗女子学園が県立であるので、茨城県がその管理権を持っています」

あけび「学園艦の運営は私たち学園艦で生活する生徒が担っていますが、それ以外は県に決定権があるんです」

あけび「例えば、学園艦の破損個所や老朽化した部分を取り換えるのは私たちでもできますが、部品自体は県が予算から購入しなければなりません」

杏「まぁ要するにさぁ、県からお金がでなきゃ学園艦だけじゃ一年ともたない訳よ」

杏「でもさー、学園艦にかけるお金も馬鹿にならないじゃん? だから学園艦にも資金を割り振れるように県への給付金を国が渡すことになる」

杏「――国から県にその分のお金がカットされたらどうなると思う?」

エルヴィン「……県は持ち得る予算から少ない額を割り当てざるを得なくなる」

杏「せいかーい」

杏「じゃあ、県の予算でも学園艦が補えなくなったら?」

おりょう「……廃艦」

杏「結果として?」

左衛門佐「廃校……」

杏「そ。つまりそういうことだよ、今回は。どこと戦うとかじゃないんだ」

おりょう「あんまり怒りよると、腹もなんも立たんようになるとは言えど……これは……」

猫田「な、何か救済措置はみたいなものは……」

杏「……>>263


261 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 02:39:01 mO2JOHNU
金、暴力、SEX


262 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 02:46:36 Q4AocAik
アメリカ戦車道プロ代表チームとの国際交流試合に日本代表の代わりに出て勝利


263 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 02:53:38 7aKIM8MY
錬金術の本が


264 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 03:00:43 wncDX5nQ
続きは明日書きまスゥゥゥゥ
今更ながらに安価でやるには夏休みは長すぎると思ったゾ……(池沼)


265 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 03:44:03 WuiIBDZM
最後の一週間とかにすりゃよかったのに
これじゃ何スレ使っても終わらんぞ


266 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 10:08:38 umwckitg
このスレがここ数日一番の楽しみだよ


267 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 14:01:57 wncDX5nQ
>>265
まったくその通りだゾ……
どっかで上手い具合に切り上げるつもりゾ
要領悪い人間が安価やっちゃダメってはっきりわかんだね

>>266
ありがとナス!
そう言ってもらえるだけでもウレシイ……ウレシイ……


268 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 14:04:07 wncDX5nQ
杏「錬金術の本がある」

カエサル「れ、錬金術の本?」

桂利奈「錬金って、真面目な方ですか? それともアニメみたいにどばーってなる方ですか!」

杏「う〜ん……真面目にどばーっとなる方かな」

どちらにせよ不明瞭な錬金術の本の実態だったが、麻子は先日の出来事を思い出してはっとなる

杏が納入したとされている戦車の数々、もしかすると錬金とやらを使って手に入れたものではなかろうか

ツチヤ「急に戦車が増えたなーとは思ってたけど、学園の予算が増えたわけじゃなかったんだねぇ」

エルヴィン「そ、そうか! 錬金術の本で金塊を作って、それを換金して……!」

杏「そーんなことしたらすぐバレちゃうって」

典子「じゃあ……」

杏「作った」

忍「え?」

杏「戦車は作った。錬金術の本で」

「「「「「えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」」」」

あまりの非常識さには誰もがそう声を上げないでいられなかった

しかし、マジもマジ。本気と書いてマジと読むくらいには大真面目に杏は言い放ったのだ

みほ「――それで」

場が静まり返る

ここにいながら沈黙を保っていた隊長が、ついに核心に触れたからだ

みほ「どうやって錬金術の本で廃校を回避するんですか」

杏「>>270


269 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 14:42:04 kjC.nd7c
金を錬成して賄賂として贈ろう


270 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 14:43:14 vikxaego
人体錬成でなんとかしよう


271 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 15:26:46 wncDX5nQ
杏「人体錬成でなんとかしようかなって」

みほ「じ、人体錬成……?」

桂利奈「ホムンクルス……」

エルヴィン「クローン人間……」

あゆみ「わ、わかんない。わかんないけどやばそう……!」

人体錬成、と言われてピンと来る人間なんて少ない

文字通り人間を作れたとして、それでどうしようと言うのか

麻子「…………………………挿げ替えるのか」

麻子の独り言は、小さな声量だったにも関わらず辺りに届いてしまった

彼女の言葉を耳にしたあんこうチームの四人は、意味を理解してしまったせいで、だからこそ理解できないといった驚愕の表情を見せる

杏「まぁさ、こっちでなんとかするよって話」

あけび「皆さんにまた廃校の話が届いてしまったら混乱させてしまうので、先にこうしてお話しました」

あけび「ですが、かいちょ、角谷さんが何とかしてくださるようなので安心してください」

あけび「その上で皆さんの協力が必要になった時は、改めてわたしから説明させてもらいます」

優季「じゃあ、なんとかなるんですね!」

杏「うん。なーんか余計な心配させちゃったみたいでごめんねぇ〜」

パゾ美「はぁー……解決策があるならよかったぁー」

おりょう「具体的には明らかになってないというか、ちょっと不穏な感じもするぜよ……」

各々思う所はあるようだが、今回の廃校は単純に戦車道で回避だ! とはいかないので杏に任せるしかない

だが、またもや大洗が廃校の危機に陥ってると知った面々は、杏の秘策が失敗したときに備えて各自が何らかの準備をし始めるのだった

――解散後 生徒会室

杏「どうしたのー五人でマジな顔しちゃって」

本来ならば役員が在室しているはずの生徒会室

今は生徒会役員が四方八方に飛び回っており、OBである杏とあんこうチームの五人しかこの場にいなかった

華「廃校を止める手段について、お話があります」

杏「ん〜? こっちでなんとかするって〜」

優花里「人体錬成と仰ってました」

杏「そうだねぇ」

沙織「つまり、新しく人を作る……?」

杏「そうなるよねぇ」

みほ「その新しく作る人というのは……」

杏は窓の外を眺めるばかりでこちらを見向きもしなかった

しかし、窓ガラスに反射する瞳は五人を見つめているようにも思える

麻子「人体錬成で学園艦の教育局長を、もしくは瓜二つの人間を作り上げる」

麻子「――そして、本物と入れ替える。言うことに従う傀儡と」

杏「………………」

参ったね、と杏が降参のポーズを示すまでにざっと二十分は黙っていただろうか

いい加減に緊張も限界にきていた優花里は、大きく息を吐き出すと姿勢を正す

杏「そうだよ。人体錬成であの役人と同じ人間を作って、入れ替える」

杏「身長体重、女の趣味から癖、日常のルーティンから細かい行動パターンまで全く同じ複製と入れ替わってもらうんだ」

みほ「入れ替えたとして、その役人さんはどうなりますか」

杏「知る必要ないよ」

ついに杏は会話すらする必要なしと判断したのか、直立不動で控える五人の横を通って生徒会室から退出した

その間際、麻子の耳元で「見つけた時に焼き払ってたら、こんな馬鹿なこと思いつかなかったのにね」と囁いて

麻子「…………」

沙織「みぽりん……」

優花里「どうしましょう、西住殿。どうしたら……」

華「少なくとも私は、決していい方法とは思えません」

みほ「………………」

麻子「どうする、隊長」

みほ「…………ふぅ……」

みほ「>>273


272 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 15:38:13 kjC.nd7c
やっぱり倫理的にちょっとね…


273 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 15:41:44 Q4AocAik
役人に危機を伝えて身の安全を確保、代わりに各学園艦の劣化して廃棄されるパーツ等を融通してもらえるよう交渉する。廃品は錬金術で再利用して学園艦を自給自足する


274 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 15:57:45 wncDX5nQ
続きは10時過ぎになりまスゥゥゥゥ


275 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 22:47:11 f2BqhrKU
続き楽しみにしてるゾ


276 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 23:47:04 wncDX5nQ
みほ「お母さんに役人さんと会えるようにしてもらいます、すぐに」

華「みほさん……!」

みほ「早急に交渉しなくてはなりません。杏さんが、罪を犯す前に」

沙織「待ってみぽりん! 一人で行くの!?」

みほ「もしかすると、何かあった時に皆さんがとばっちりを食らってしまうかもしれないので……」

こんな局面でも心配するのは自分の身でなく仲間の身であるところにこそ、みほの神髄があると言っていいだろう

だが、その『仲間』は心配されるままに大人しく従うような簡単な者たちではない

優花里「それでも構いません! これだけ重要なことを西住殿お一人にお任せする気など……不肖、秋山優花里、粉骨砕身の心でお供いたします!!」

華「そうです。わたくしたちもお役に立てるかもしれません。是非、共に行かせてください」

沙織「わたしだって! 一緒に行って何かできるかわかんないけど、みぽりん一人で危ないとこに行かせられないよ!」

みほ「みなさん……で、でも――」

麻子「隊長」

仲間の意思を示されて尚、交渉後の処遇を案じて食い下がるみほに麻子が待ったをかけた

麻子「どうして最初の廃校を回避できたと思う?」

沙織「麻子……?」

突然の質問

至極真面目な表情の麻子に、みほも向き合って答える

みほ「皆さんが協力して、一致団結できたから」

麻子「そうだ、全員の勝利だ。その勝利は、西住さんが絶対に仲間を見捨てなかったからこそ掴み取れたものだ」

麻子「西住さんは私たちを信頼してくれた。だから私たちも西住さんを信頼して勝利できたんだ」

みほ「…………」

麻子「二回目の廃校の時も同じ」

麻子「西住さんには信頼があった。信用もあった」

麻子「だからこそ他の高校から援軍も駆け付けてくれた」

麻子「そして、また勝利を掴んだんだ」

バラバラの鉄材は一本に纏まった

纏まったそれは強固な輪になった

輪は連なり、より大きな輪で一つになった

――どんなに険しい道をも踏破する無限軌道に

麻子「今回は、三回目だ」

麻子「西住さんは……隊長は、私たちを信頼してくれないのか?」

みほ「……………………」

みほが目を閉じ、大きく息を吸い込む

長い時間をかけてゆっくりと吐き出された息は、夏の空気に混ざって消えた

みほ「――わかりました」

華「みほさん……!」

優花里「西住殿……!」

みほ「華さん、沙織さん、優花里さん、麻子さん。一緒に来てください」

沙織「当たり前だよぉ!」

麻子「ふっ」

みほ「これより、>>279作戦を開始します!!」


277 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 23:47:59 wncDX5nQ
>>275
ありがとナス!
大幅に時間過ぎたけどユルシテ……ユルシテ……


278 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 23:54:02 mO2JOHNU
おちんぽ


279 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 23:55:46 XRiQG246
ボコボコ


280 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/27(水) 23:55:57 XAKgfzy.
絆☆パワー


281 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 00:20:11 V4LdkU/.
みほ「これより、ボコボコ作戦を開始します!!」

みほの号令により開戦の火蓋は切って落とされた

五人は生徒会室を出るとそれぞれが前準備に向かう

みほは母親に連絡して文部科学省の学園艦教育局長にアポを取ってもらいに

華は一旦実家へ戻って母にこのことを伝え、何か手がないかを相談しに

沙織は戦車道のメンバーに、今回の廃校回避における内容をかいつまんで説明をしに

優花里は文部科学省に向かうまでに杏の動向を監視しに

そんな中、麻子はまずみほについて行った


――西住邸

みほ「すみません、わざわざ……」

麻子「直接会いに行くなら二人の方が心強いだろうしな」

二人は解散後にみほが手配したヘリで熊本の実家にまで来ていた

麻子としては、未だに彼女の姉にトラウマがある中での行動だったが、背に腹は代えられない

常夫「みほ」

実家を堂々進んでいくみほに声がかかった

また使用人か、と麻子が振り返ると、どうにも反応したみほの様子は使用人に対するそれとは違っていた

みほ「お、お父さん……」

常夫「しほはこの部屋だ。みほを、待っていた」

どうやらこの男性はみほの父親であったらしい

みほは久しぶりの再会を喜ぶように笑顔になったのだが、母が待っているという言葉に表情を引き締めると先行して部屋へ入っていった

麻子も部屋の前に立つ常夫に会釈だけし、後に続く

常夫「みほを、よろしく頼む」

麻子「……はい」

既に部屋ではみほと母親のしほが相対して座しており、麻子はなるべく静かにみほのやや後ろへ座った

みほ「……お母さん」

しほ「言わずともわかっています。こちらからの連絡は済ませました」

みほ「……ありがとう」

しほ「…………」

みほ「それで、アポは取れたの?」

しほ「>>283(取れたor取れなかった)」


282 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 00:21:32 K9uFfGu6
取れた


283 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 00:25:41 xu3Cy7SE
取れた


284 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 00:45:46 V4LdkU/.
しほ「取れました」

ふぅ、というみほと麻子の安堵の息が重なり、思わず顔を見合わせる

しほ「みほが来るのは予想外でしたが、私も準備をするので――」

みほ「大丈夫です」

しほ「……?」

みほ「今回は、わたしが――私たちが行きますから」

しほ「…………」

母親であるしほからすれば、何て無謀な事をと思っているのかもしれなかった

しかし、みほが有無を言わせぬ強い口調でそう言ったのを考慮してなのか、しばしの沈黙の後に僅かに頷いた

しほ「……わかりました」

みほ「お母さん……!」

しほ「ですが、こちらもそれなりの準備はしておきます。あなたが行くと言った以上、その準備を無駄にしてもらわなくては困ります」

みほ「……うん。任せて」

しほ「いいでしょう――行きなさい」

無事に役人へのアポを取り終えたことを確認したみほはすぐさま大洗へ戻った

麻子はというと、実家へ戻っている華の下へと向かっていた

華「麻子さん」

麻子「華さん、どうだった。何かいい案があったか」

実家の母親に今回の件を相談することで良い案を得ようとしていた華は、麻子が熊本から到着する頃には話し合いを終えて帰路につこうとしている最中だった

そこに合流した麻子は、学園艦行の定期便の中で彼女に結果の如何を問う

華「>>286


285 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 00:58:25 v./jLl6Q
ここの運営はお遊びでやってるんですかね
これで宝具レベルアップしてなくて鯖も消えてたらもうゆるさねぇからなぁ?


286 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 01:29:57 K9uFfGu6
タイマン張ってきました


287 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 02:25:19 V4LdkU/.
華「タイマン張ってきました」

麻子「えっ」

到底、お淑やかなお嬢様である華の口から出たとは思えない暴言に麻子は目を丸くした

華「お母様はわたくしが戦車道を進むことを良しとしてくれました」

華「ですから、わたくしがお母様に今回の事をご報告した時に叱られてしまったのです」

華「『自分の道は自分で切り開け』と」

麻子「そうだったのか……」

華「ふふ、タイマンを張ったというのは一対一でぶつかった時の事を言うのでしょう?」

麻子「あながち間違いでもないが……ううん」

微妙に華の言い回しに納得のできない麻子ではあったが、彼女が妙に晴れやかな顔をしているのを見て口を噤んだ

華「お母様の言う通り、わたくしが信じて歩んできた戦車道です。ならば自分で道を拓くのが筋というもの」

華「まだまだお母様に甘えて独り立ちのできていなかったわたくしの負けですね」

どうやら一旦帰省したのが華にとっていい刺激となったらしい

そもそもみほの案がある以上は、華が持って帰ってくる案に関しては保険か補強になる可能性が高かった以上、これはこれで最良の結果だったと言える

麻子「逞しいな、華さんは」

華「皆さん程ではありませんよ」

このように、華に関して自身に成果ありとして麻子と共に学園艦に帰還

麻子は華と別れ、優花里の下へ向かった

麻子「秋山さん」

優花里「あ、冷泉殿!」

優花里は解散後に真っ先に杏宅の周辺の監視に移っていた

杏宅を見渡せる場所に陣取る優花里は手にした双眼鏡を下ろすと、手元の水筒を煽る

麻子「何か動きがあったか?」

優花里「いえ、帰宅してから数時間、一歩も外に出ていません」

家はどこもカーテンが閉め切られていて外から内部を覗き見る事は出来そうにない

麻子「本当に家の中にいるのか……?」

優花里「それに関しては確実です。これを」

そう言って彼女が麻子に渡したのは、やたらとごてごてした頭部装着式のゴーグルだった

言われた通りに被ると、視界の殆どが黒と青に移り変わり、一部だけが暖色のグラデーションになっている

麻子「熱源探知ゴーグルか」

優花里「そうです。それで二階の右の部屋を見てみて下さい」

言われるまま右の部屋を見ると、窓越しにくっきりと人の形をした熱源が表示される

椅子に座って机に脚でも乗っけているのか、まるでハンモックにでも寝転がっているような体勢だ

麻子「……確かにいるな」

なるほどこれなら杏が家にいるのは一目瞭然である

しばらくゴーグル越しに杏を監視していると、優花里はいつもの調子を落として麻子にこう問いかけた

優花里「冷泉殿、どうして会長殿はあんな強硬策に出たのでしょう。わたしはあの人がそんなことをするだなんて未だに信じられないのです」

それは言わないだけで全員が思っていたことだ

杏には謎のコネもあったし、目的を達成する為に多少の無茶は辞さない性格だった

だが、無責任に他人へ面倒を押し付けるようなこともしなかったし、誰かを見捨てるような冷徹な人間でもなかったのだ

麻子「あくまでも私の予想だが……」

麻子「多分、会長は廃校を知った時点で前と同じように手を尽くしたんだろう」

麻子「それこそ人脈も資金もフル活用して」

麻子「それでもどうにもならなかったから、こんな事になったんじゃないか?」

優花里「………………」

麻子「大洗には戦車が急に増えた。あのプラウダや黒森峰に負けないくらい、もしくはそれより強力な戦車が何台も」

麻子「あれは会長が言ってた通り、全て本人が調達してきたものだ」

麻子「恐らく、今回の廃校もどこかとのエキシビジョンマッチを組んで指定された相手に勝つために揃えたものだったんだろう」

優花里「だけど、それが外れてしまった……?」

麻子「そうだ。廃校を回避する為にどこかと戦うという手段が取れなかった。用意した戦車は軒並み役立たずになったというわけだ

優花里「………………そうだとしたら、会長殿はいま何を考えているのでしょう」

麻子「さぁ、な」

杏が想像を絶する苦境に立たされていたというのは容易に考えつくことだ

しかし、本人の口から語られぬ以上はただの予想でしかない

麻子はゴーグルは外すと優花里にそれを返し、立ち去りがてらに彼女へ尋ねた

麻子「全部が全部無事に終わったとして、私たちは会長になんて言えばいいと思う?」

優花里「……>>290


288 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 02:39:18 S3sEqapU
もっと仲間を頼って欲しい


289 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 10:05:53 1Shzy6R2
抱き締めましょう


290 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 10:10:46 4xkrm2zo
ボコになって…?


291 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 11:15:20 V4LdkU/.
優花里「……ボコになって? と」

麻子「えぇ……」

優花里「いえ、西住殿なら会長殿が一日ボコになることで許してしまいそうな気がして」

麻子「はは、会長が大洗のマスコットになるのか。見ものだな」

そうだ、それくらいの冗談を言えるくらいには平穏に事が済んでもらわなければ困る

ちょっと硬くなっていたかもしれないと気持ちを切り替えた麻子は、そのまま優花里と別れると、最後に沙織の下へ向かった


麻子「沙織」

沙織「あ、麻子」

学園の戦車整備格納庫内

現在、そこには戦車道を履修している全員が再集結していた

生徒会室からの解散後に沙織はメールを送って再度集合を促し、杏のやろうとしていることをかいつまんで説明していたのだ

話は終えた後だったらしく、麻子が訪れた頃には全員が気難しい顔をして黙り込んでいた

おりょう「非人道的ぜよ……しかし」

カエサル「うん……少し、それでいいという気持ちがあるのも事実だ。無論、許されることではないが」

あや「だいたいさぁ、なんでそんなに大洗を廃校にしたがるの? わたしたち何かした?」

エルヴィン「古今東西、いつの時代のどの国も資金繰りには苦労している……日本だって例外じゃない」

梓「でも、他に方法はあるんじゃないですか? 募金、とか」

左衛門佐「募金は基本的に短期で多額を集める手段だ。長期になると自然、集金額も減る」

優季「……どうしようも、ないんでしょうか」

どうやらずっとこの調子らしい

当然と言えば当然か。いったい何度、大洗に住む者は上に振り回されねばならないのか

こうに何度も廃校だ取りやめだとやられれば、精神的に摩耗して心が擦れてしまう

沙織「み、みんな落ち着いて! みぽりんには話し合いの材料がちゃんとあるから……」

猫田「それが上手くいく保証が、ない」

沙織「そ、それは……」

麻子「まぁ落ち着け」

言いよどむ沙織を差し置いて麻子は面前に立った

麻子「確かに西住さんの交渉が上手くいく保証はない」

麻子「でも、その交渉が全てでもない」

忍「どういうことですか?」

麻子「要は大洗が存続するには、学園艦を自力で補えるようにすればいい」

麻子「募金は確かに一時の手段だ。だが、長期的に定額で補助してくれる支援団体なんかがいくつもあれば話は違う」

麻子「大洗は立派な戦車道強豪になってしまった。今回の件をネットに流して支援を募集すればスポンサーがつくはずだ」

妙子「……国が邪魔してきたりとか……」

麻子「そうならないように、そうできないようにするしかないだろうな」

典子「その方法は」

全員が息を呑む中、麻子は一言告げた

麻子「――プロパガンダだ」

プロパガンダ――心理、意識の誘導。世論の扇動

それをするのだと麻子は言った

麻子「歴女はこういうの得意だろ」

おりょう「偏見ぜよ! いや、できなくもないと言うか……」

麻子「交渉の成果に関わらずプロパガンダを行う」

麻子「こうすることで、交渉が成功した時には国がまた大洗を廃校にしようとすれば世間的にはかなり批判を浴びる格好になって簡単には廃校だと言えなくなる」

麻子「失敗した時には厳しい説明要求をされるだろうし、同情する人間も多く出てくるだろう。スムーズに民間支援を受けられるはずだ」

あゆみ「先輩、わたしたちは何をすればいいんですか!」

麻子「全員でまた大洗が廃校になりそうだと喧伝するんだ。インターネットが一番効果的だろう」

麻子「世間は私たちが一度目の廃校を戦車道大会の優勝で回避したことを知っている」

麻子「二度目なんかは国が明らかに潰す気満々だったのも知っている」

麻子「そして手段を選ばなかった三度目だ……火は簡単に点くんじゃないか?」

「いけるかも……」という誰かの呟きに、段々とメンバーの瞳に光が戻ってくる

一人、また一人と顔を上げ、全員に強い意思が宿るのを感じた沙織は、高らかに右手を上げて戦闘開始の号令を放った

沙織「私たちでできることやるよ!! パンツァー――」

「「「「「フォー!!!!!!」」」」」

こうしてそれぞれが自分なりのプロパガンダを考え、それらをインターネットへ拡散する作業が始まった

麻子はその場で沙織と別れると自宅へ戻り、みほから連絡が来るのを今か今かと待つのであった


この時点で杏は行動を起こしているorいない? >>293


292 : チーズケーキ鍋 :2016/04/28(木) 17:45:10 ???
ksk


293 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 17:57:47 2cN0QcBM
起こしている


294 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 19:06:13 V4LdkU/.
日もすっかり落ちた宵闇に、手にした携帯が光を灯した

みほから連絡が届いたのは麻子が自宅に戻ってから一時間後のことだ

早急に学園に集合するよう伝えられて向かってみれば、そこにはパンツァージャケットを装着したみほ達が神妙な面持ちで顔を突き合わせていた

麻子「私が最後か」

小走りにかけよると、沙織が無言でパンツァージャケットを羽織らせて来たので袖を通す

みほ「麻子さん、状況は最悪です」

麻子「何があったんだ」

みほ「会長は既に動いていました。先ほど教育局長さんから私の実家に連絡があったらしく、私たちとは絶対に会わないと」

みほ「どういうことかはわかりませんが、東京千代田区周辺には検問も敷かれているようです」

麻子「なんだと……」

みほ「更に今日の東京往定期便は、フェリー、飛行機、バスを含めて全面運休」

みほ「極めつけに大洗からの定期便は何処へも行けなくなってしまいました」

麻子「会長は動いていないんじゃなかったのか」

それを聞いた優花里は、いえ、と首を振った

優花里「あれからあまりに動きがなかったので気になって玄関を叩いてみたのですが反応がなく、仕方がないので扉を破って強行突破したのですが……」

優花里「中はもぬけの殻。二階にあったのは、会長そっくりの……息をしているだけの人間がいるだけでした」

すっかり抜けていた、と麻子は臍を噛む

人体錬成が出来るのだからダミーを用意するくらいは朝飯前だろうに、それを失念したお蔭であっさり動向を見失ってしまうとは

麻子「急ごうにも行く手段がないのはな……くそ」

みほ「大丈夫です」

そう言ってみほが頷いた瞬間、大地を揺るがす轟音が空から覆いかぶさってきた

見上げると地面すれすれを降下してくる巨大な航空機が一機

それは学園の正門から続く大通りに滑らかな着地を決めると、停止後に後部の貨物室が開かれる

同時に戦車整備倉庫からはあんこうチームに馴染み深いⅣ号戦車が現れて目の前で停車した

ツチヤ「パラシュート取り付け完了したよ」

上部ハッチを開けて出て来たのは自動車部のツチヤだ

みほの指示があったのか、車体側面の追加装甲が取り払われ、車体後部には長方形の箱が鎮座している

みほ「ありがとうございます。これで、なんとかできます」

ツチヤ「どってことないよ。私に出来るのはこれくらいだし……絶対、帰って来てよね」

みほ「はい」

ツチヤはⅣ号から降車してあんこうチームの面々に対して一度小さく頷くと、そのまま格納庫内へ戻って行った

みほ「皆さん、乗車して下さい」

いち早く乗り込んだ彼女の号令に、全員素早く所定の位置へ入り込む

麻子は座席に置いてあったインカムを耳にかけると、エンジンを始動させて操縦桿を前へ押し込んだ

訊かずともわかる。この戦車を輸送機に乗せろと言うのだろう

道路の中央を占領する輸送機の後部から車体を乗り入れた後に一旦エンジンを最小回転数にまで落とし、車長席を振り向く

それは装填手の優花里も、通信手の沙織も、砲手の華も同様

みほ「……搭載完了です。離陸、お願いします」

四人の視線を受けたみほはそれだけ告げると四人それぞれの顔を見返して表情を引き締める

みほ「――これより作戦の概要を説明します」


295 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 19:37:18 V4LdkU/.
現在、文部科学省のある東京都千代田区は厳戒態勢となっており、検問が敷かれていて立ち入りができない状態になっている

同様に東京都二三区内の進入は、陸空海の各定期便が緊急運休となっている

そして大洗から外へ出るにも全てが規制を掛けられてしまっている為、身動きがとれないはずであった

これに関しては搭乗している輸送機のお蔭でクリアできている

だが、ここから文部科学省へ向かうには輸送機のままではどうしようもない

なので、輸送機は一般の航空路を避け千代田区内まで飛行した後に日比谷通り付近で匍匐飛行を行い、後部ハッチを開いてⅣ号を降下

そして、空挺降下したⅣ号は進路を文部科学省へ執り、そのまま乗り付けて役人の身柄を確保する

みほ「――以上が作戦の内容です」

訊けば聞くほど無茶な作戦だったが、無理ではない

限られた時間と状況でこの作戦を立案して実行に移すあたり、やはり西住みほは『怪物』であった

麻子「かなりヤバめの作戦だな。封鎖された場所を戦車で無理やり突破するなんて、客観的に見れば犯罪者みたいじゃないか」

みほ「……はい。皆さんには、すごくすごくご迷惑をおかけすることになります」

麻子「責めてるんじゃない。それに、私たちはちゃんとわかった上で付いてきたわけだしな」

沙織「そうだよ、みぽりん! 絶対に会長を止めて役人に話つけちゃわないと!」

華「わたくしも覚悟は決めています」

優花里「自分もです!」

みほ「みんな……うん、みんなの力、借りるね」

五人の結束がより深まり、それぞれの手に力が籠る

輸送機は高度を下げているのか、機体の振動が戦車を通じて身体を震わせていた

パイロット《あと三分で目標へ到達する》

みほ「わかりました。空挺降下用意!」

みほの掛け声に操縦手である麻子以外は落下の衝撃に備えて手近なものへしがみつく

麻子は暖めておいたエンジンを再び吹かすと、操縦桿を握る腕に力を込めた

パイロット《目標地点付近に遮蔽物無し! 後部ハッチ開放!》

貨物室が開くと共により大きく揺れ出した車内に緊張が走る

風の音さえ装甲を突き抜けて耳に届くほどだ

パイロット《道路はガラガラだ! 行け、大洗!!》

みほ「降下!!」

車体が滑り落ちるが如く輸送機から飛び出した

みほが車長席に伸びたレバーを足で踏みつけると車体後部に取り付けられていたパラシュートが展開し、落下の衝撃を和らげる

それでも盛大にバウンドしたⅣ号をなんとかなだめすかした麻子は、大通りを直進しながら前方に気を配る

ここからが、あんこうチームの本番だった


296 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 20:09:06 V4LdkU/.
みほ「沙織さん、状況は?」

沙織「ええっと、有楽町の交差点と内幸町の方からパトカー来るって!」

警察無線というのは無線の周波数さえあわせれば簡単に傍受することができる

検問所が張ってあるにも関わらず侵入すれば、当然どこかしらから緊急車両が駆けつけてくるわけだが、それを無線傍受で知ることで安全な進路をとることができるのだ

みほ「麻子さん、日比谷通り終わりの交差点右手に公園があります。そこを突っ切って下さい」

麻子「了解」

それにしても本当に車も人もいない

これが人口密度ナンバーワンの東京都は思えない有様だ

指示通りに交差点が来たところで右手の日比谷公園へ進入し、公園の中央を進んでいく

沙織「み、みぽりん!」

みほ「どうしました?」

沙織「霞が関二丁目が完全封鎖だって!」

みほ「わかりました。麻子さん、そこの大通りを直進。虎ノ門を通過して外堀通りから向かいます」

麻子「了解」

麻子は言われるままに操縦桿を繰るだけだ

隊長がそう言うのだから、これが一番最善の道であることは保証されている

砲を使う事がないであろう華と優花里は、緊張で冷や汗を流しながらも覗き窓から周囲をしっかり見ていた

沙織「霞が関、三丁目も封鎖!!」

Ⅳ号は上限速度ギリギリで手一杯の走行だ

警察車両が封鎖するかしないかの微妙な頃合いで走破することになるだろう

ハッチから身体を出していたみほは、眼前に見えてきた巨大なビルを見上げて唇を噛み締める

そして、もう少しで通りを抜けるというところで沙織が悲鳴のような声を上げた

沙織「たくさん来るよ!!」

麻子はそれを聞いてこれでもかとアクセルを踏み込んだ

エンジンは軋みを上げながらもこれに答え、警察車両がまさに正面を塞がんとした直前に通りを抜けることに成功した

そのまま階段を飛び上って文部科学省の正面ロビーに戦車を突っ込ませる

ガシャアアアァァァァン!!!! という盛大な破壊音とガラス片を撒き散らしながらロビー内に停車したⅣ号から全員が降車し、パトカーが追いつく前にエレベーターへ乗り込んで最上階のボタンを押した

沙織「はー、はー……」

華「ふぅ……なんとか、ここまで」

優花里「そうですね、無事に突破できました」

荒い呼吸が小さな箱の中を満たす

やがて、五人が息を整え終えた頃に長い長いエレベーターは終わりを告げた


297 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 20:28:01 V4LdkU/.
最上階は部屋が二つしかない

文部科学省大臣と、学園艦教育局長のもの

その二つだ

そして、二つあるうちの片方の扉はあけっぴろげになっていた

みほ「…………」

沙織「…………」

華「…………」

優花里「…………」

麻子「…………」

全員で顔を見合わせ、意を決して扉の敷居を跨ぐ

果たしてそこにあったのは、瓜二つの容姿の男に取り押さえられている役人と、奥の机に座った杏の姿だった

杏「あんな無茶してくるなんてねぇ。前々から西住ちゃんはぶっ飛んでると思ってたけど、これほどとは思ってなかったよ」

みほ「……会長」

みほ「いえ、杏さん」

歩みを進めたみほが、極めて冷静に杏への降伏勧告を出す

みほ「こんなやり方は間違ってます。もう、終わりにしましょう」

杏「無理な相談だよ、それ。来るとこまで来ちゃったんだもん」

机から降りた杏は、役人の傍に近寄ると膝をついて彼の首筋を指でなぞった

ただ触られているだけでも恐怖心を煽られるのか、役人は怯えてか細い悲鳴をあげる

みほ「……杏さん、私に役人さんとお話をさせてください」

杏「いいけど、もたもたしてたら全員お縄だよ?」

みほ「時間は取りません」

杏「ま、いいけどさぁ。ほい」

杏が役人の猿轡を解いてその場から引くと、みほは役人に近づいて頭を下げた

みほ「大洗女子学園、三年生の西住みほです」

みほ「私の話を、聞いてください」


298 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 20:54:04 V4LdkU/.
みほ「私は元々黒森峰女学園にいたんですが、訳あって大洗に転校してきました」

みほ「私、引っ込み思案な方なんで最初は全然友達ができなくて……」

みほ「でも、ここに居る沙織さんと華さんが声を掛けて下さって、初めて大洗での友達ができたんです」

みほ「本当はそのまま普通の学園生活を送って終わり……のはずだったんですけど」

みほ「そこにいる杏さんはそうさせてはくれませんでした」

みほ「『戦車道をやれ』……会長は、そう言ったんです」

みほ「私が大洗に転校してきた理由は、実は戦車道にあって、その戦車道と距離を置くために転校したんです」

みほ「それなのに結局、戦車道をやることになってしまって」

みほ「でも、黒森峰で戦車道をやっていた頃より楽しかった。戦車を純粋に楽しむみんなを見てたら、気づいたときには私も戦車道を楽しんでいたんです」

みほ「どうして会長が私に戦車道を履修させたのか……それを知った時、私はかなり困惑しました」

みほ「だって、あんなに大切な場所がなくなるかもしれないなんて、想像していませんでしたから」

みほ「廃校が私の双肩にかかっていた……そんな重荷があってもなんとかできたのは、ここに居る皆さんと戦車道のみんなのお陰なんです」

みほ「二度目も、そう」

みほ「私は皆さんの事が、皆さんの住む学園艦を大切な場所だと思っています」

みほ「学園艦は、私にとってとても大事な場所なんです」

みほ「お金がないから船を維持できないのは仕方のない事だとわかっています」

みほ「――だから私は交渉をしに来ました」

交渉……? と、役人の弱弱しい応答が返ってくる

みほはそれに頷くと、交渉の内容を彼に告げた

みほ「各学園艦の劣化して廃棄されるパーツを融通できるようにしてください」

みほ「学園艦は艦船である以上、どこの船も似たり寄ったりのパーツを使っているから、場合によっては同じ型のものや似た型のものもあるはずです」

みほ「パーツさえあればこっちで新品同様にできる手段があります」

みほ「これで、学園艦自体にお金をかけなくてもよくなるでしょう? 廃艦に、廃校にする理由はなくなるはずです」

みほ「どうですか、役人さん……駄目でしょうか」

役人「…………>>300


299 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 21:21:24 9JQAkdtE
ン拒否するゥ


300 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 21:22:04 K9uFfGu6
ダメです(ヤーマン)


301 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 21:59:33 9JQAkdtE
そういえば細かい指摘だけどどっかで杏がOGでなく、OBになってたゾ。
もっとも女性をOBと言うこともありますし、杏が男の娘だったら僕は興奮しますので。


302 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 22:05:15 V4LdkU/.
役人「………………ダメです」

実に、実に、腹の立つ表情でそう告げた役人にみほは項垂れる

杏「ッ――!!」

華「!!」

次の瞬間、役人の顔を蹴りあげようとした杏に対して麻子が割り込み、鈍い音が麻子の顔を歪ませる

優花里「冷泉殿!?」

沙織「麻子っ!!」

麻子「大丈夫だ、ちょっと腕に響いたが……」

杏「あんたは、お前は!! 私以外にもその顔でそんな事を言う!!」

みほ「会長!!」

麻子を押し退けて役人に飛びかからんとする杏をみほが押さえつけにかかり、華もそれに続いた

組み伏せられた杏は、今まで決して見せたことのなかった憤怒の表情で抵抗を示す

杏「どいてよ西住ちゃん!! そいつは何にもわかってないんだ!!」

みほ「だからといって会長が人を殴るところを見たくはありません!!」

杏「みほ!! その男が私たちに廃校を突き付けたのは至福を肥やすためなんだよ!!」

みほ「なっ……!?」

麻子「おいおい……」

杏「こいつは多少の資金難を理由に、海外に適当な学園艦を売りつけて、余った分を総取りしようとしてたんだ!!」

役人「そんなのは嘘っぱちです! 何を根拠にそんなことを!」

杏「証拠ならある! 河嶋があんたの取引先から聞いたこのテープと、小山が調べた文部科学省の支出表とあんたの口座内容が!!」

役人「な、なに?」

杏「国から金が出ないから実績のない学校は廃校? ハッ、金がないのはあんたが横領してたからだろうに!!」

杏「しかも取引先のロサンゼルスには、新しい学園艦と交換して要らなくなった学園艦を貰ってくれだなんて言って!!」

杏「あんたがお金を欲しいが為に三回!! 三回も廃校を言い渡された私の気持ちがわかるかぁっ!!!!」

語られた内容はとんでもないものだった

杏の語った通りならば教育局長は国の金を横領して尚、自分の為にありはしない理由をでっちあげて学園艦を売り払い、更に金を得ようとしたクズ中のクズだ

麻子「……このヤロー……」

沙織「麻子までダメだって!」

思わず頭に血液が昇ってしまった麻子だったが、すぐに沙織に取り押さえられて拳を下ろした

杏「……この男はこのまま生かしてちゃいけないんだよ」

ぽつりと呟かれた杏の言葉にみほが彼女の拘束を解いて立ち上がった

そうして複雑な表情で佇むあんこうチームの面々に向き直る

みほ「……私はそれでも、会長がしようとしていることは駄目だと思う」

みほ「華さんは?」

華「わたくしは……怒りもありますが、相応の場所で罪を償ってもらうのが正しいことではないかと」

みほ「沙織さんは?」

沙織「正直、かなり許せない。みぽりんの言う通りダメなのはわかるんだけど……」

みほ「優花里さんは?」

優花里「自分も、武部殿と同じ意見であります……西住殿の言うことは最もなのですが……」

みほ「麻子さんは?」

麻子「>>304


303 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 22:06:16 V4LdkU/.
>>301
すまないゾ……指摘の通り、OBと書いてる部分があるゾ
杏は男の娘じゃないからOG、いいね?


304 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 22:14:32 dX6u9SM.
公表しよう


305 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 22:29:23 9JQAkdtE
>>303
アンズハオージーアンズハオージー…


306 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 22:49:49 V4LdkU/.
麻子「世間に公表しよう」

みほ「…………ふぅ」

意見的には二分していたものが偏った

ということは、普通は多数決的に多くを占めた意見の方が可決されるのが常套というもの

みほ「わかりました。この件については証拠をはっきりさせた上で公表しましょう」

杏「……例え刑務所に入っても、出てきたらなにするかわかんないよ」

みほ「それでもです」

杏「ま、どちらにせよこうなった時点で私にはもうなーんにもできないしね……好きにしなよ」

みほ「いえ、会長にもやってもらわないといけないことがあります」

杏「わかってるよ。テープと資料の提出と、証言もしなくちゃいけないかな、今回のことで」

みほ「はい」

杏「ん、万事任せてよ。身体ん中が空っぽになるまで話すからさ」

やっぱり西住ちゃんは凄いや、と杏の零れた言葉と同時に、五人は雪崩れ込んで来た警官に身柄を取り押さえられるたのだった……



――八月三十一日

夏休み最終日。麻子は一人で学校の戦車格納庫を訪れていた

朝からここに来た麻子は、何をするわけでもなくⅣ号の車体へ寝そべって格納庫の天井を見つめていたのだ

激動の夏だった

全てが真夏の夜が見せた幻と思えるくらい、濃密な八月であった

あの後――身柄を拘束されたものの、翌日には五人は解放されていた

残念ながら杏の姿はそこにはなかったのだが、話によると今回の証言を全て話している最中なのだと言う

そして数日経った後、文部科学省学園艦教育局長は在任期間中の横領と権限の私的利用、その他諸々の罪状で逮捕された

あの日の千代田区閉鎖は教育局長がやったことになっており、加えてあんこうチームと杏の行動はなかったことにされていた

恐らく戦車道連盟からの、何らかの交渉もあったかもしれない

同日に大洗の戦車道メンバーがインターネット上に撒いたプロパガンダは、その数日後に教育局長が逮捕されたことも受けてかなりの広がりを見せた

お陰でいくつものスポンサーが大洗についたばかりか、多くの民間企業や私営団体が各学園艦の支援に乗り出したのだ

全ては上々の内に終わったと言ってもいいだろう

しかし、杏だけは教育局長の裁判が終わり、証言という役割を終えた後にぱったりと姿を消してしまっていた

麻子(なんで黙って勝手にいなくなるんだか。せめて西住さんくらいには声をかけてあげればいいのに)

大洗は無事に存続した

その立役者はここにはいない

自分のしようとしたことに罪の意識を感じたのか

はたまた自分がここに居座るには汚れてしまったと旅へ出たのか

麻子が際限の無い思考を繰り返す中、軋みを上げて格納庫の扉が開かれた

顔を上げると、そこに居たのは>>308だった  (※ラスト安価)


307 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 22:53:55 9JQAkdtE
冷泉夫妻


308 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 22:55:02 BvwxtW..
角谷杏(OG)


309 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 23:17:37 V4LdkU/.
杏「お、珍しいねぇ〜、こんなとこで一人なんて。昼寝でもしてた?」

麻子「あ……な……」

言葉になりきれない文字が喉を通り抜け、ぱくぱくと餌を求める金魚のように口を開閉させる

麻子が取り落とした雑誌を拾い上げた杏は、近くに会った木箱を台にⅣ号へ飛び乗ると麻子の横に寝転んだ

杏「ああ〜、車体が冷たくて気持ちいいねぇこれ。あ、そのブランケット貸してねー」

わなわなと身体を震わせる麻子を無視してくつろぐ杏に、ついにげんこつが振り下ろされた

ごんっ、という音がして、杏が頭を抑える

杏「ったー!! ブランケット取られたくなかったらそう言ってよ冷泉ちゃーん」

麻子「そういうことじゃない! なんで、こんなひょっこり出てきて……」

拳骨に涙目になっていた杏だったが、麻子の心底心配そうな声に「ごめんね」と頭を下げた

杏「廃校についてはさ、たぶん一番いい方法で解決したと思うんだ」

杏「最初からみんなに相談してれば……私一人が暴走しなくても済んだんだよね」

杏「学校が好きとか言っときながら、私と同じように学校が好きなみんなには何も言わなかった自分がさ……」

杏「なさけ……情けなくて、それで……っ」

杏は泣いていた

自分のしでかした事としてきた事、両方を踏まえたうえで自分の悪い部分を理解してしまって

それで、なかなかみんなの前に姿を現せずにいたのだ

ボロボロと涙を零す杏を、麻子はそっと腕に抱いた

杏「冷泉ちゃん……」

麻子「結果はどうあれ、会長がいなければどうなっていたことやら」

麻子「確かに会長のやり方は汚かったかもしれませんが、結局それは私たちの隊長が未然に防いでくれた」

麻子「反省しているのなら、もういいんじゃないですか」

麻子「…………ありがとうございました、会長。ずっと大洗を、支えていてくれたんですね」

杏「うぅ……っ、うううぅぅぅ……!」

杏は泣きに泣いた

それこそ枯れ果てるほどに泣いて、泣き終わったころには、みんなのよく知る角谷杏がそこには居た

杏は明日から戦車道のメンバーへ顔を出すことを約束し――



――こうして、冷泉麻子の長い夏休みは終わりを迎えたのだった


〈了〉


310 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 23:19:53 V4LdkU/.
いやぁ、麻子メインだったのに最後らへんはみほが主役っぽくなってるんだよなぁ
安価SSのクセしてグダグダだったのに安価してくれた人ありがとナス!!
次やる時は手際よくやりナス!!
終わり!閉廷!以上、解散!


311 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 23:20:19 quS3eKcs
NaNじぇいってたまに>>1みたいな職人湧くよな
オツシャス!


312 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 23:22:00 9JQAkdtE
お疲れ様でした!
安価で大洗廃校とか書いてしまったばっかりに
迷惑かけたゾ。


313 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 23:28:23 BvwxtW..
お疲れナス!

最初から参加してたけどとても良かったです。
ここ数日の楽しみになってました。感謝しナス。
また気が向いたらやってほしいゾ。


314 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 23:31:30 KKb7fpAw
乙でした


315 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/28(木) 23:47:21 4.FVeEBk
レズレイプしたりオナニーしたりコンドーム万引きしたりしていたとは思えない素晴らしい終わり

良い腕してんねぇ!通りでねぇ!


316 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/29(金) 00:05:09 RIm0h7p6
初SSだから一個一個お返事しても……怒られへんか

>>311
ありがとナス!
職人とか言われたら舞い上がっちゃう……舞い上がらない?
でもそう言ってもらえてウレシイ……ウレシイ……

>>312
むしろその安価でこうして閉められたゾ
あのままやってたらグダってて、いやーキツイっす
ありがとナス!


>>313
ありがとナス!
楽しみだったとか書いてあるだけでア-ナキソ
またすぐに麻子で書き始めるからヨロシクゥ!

>>314
ありがとナス!
一言乙があるだけでも(嬉しくて)笑っちゃうぜ!

>>315
あのままだと麻子は淫乱コースでしたね間違いない
申し訳ないが、褒められると調子に乗るのでNG(大嘘)
ありがとナス!


317 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/29(金) 01:15:12 B7oZQCmU
お疲れ様でした
次の劇場版はこれでいこう(提案)


318 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/29(金) 03:26:40 2QLRDKiI
オイラー乙ゥ〜
イかれた安価にも対処できててすごいと思った。毎秒立てろ(無茶振り)


319 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/29(金) 12:14:51 RIm0h7p6
>>317
ありがとナス!
しかし、これを劇場版にすると興行収入0円不可避

>>318
ありがとナス!
イかれた安価通りにぶっ飛んだ内容が思いつかなかった(小並感)
毎秒立ててたら手首が壊れちゃーう


320 : YAHOO速報君 ◆t.n4Yzmvgc :2016/04/29(金) 12:15:15 Za08QvF6
熊本地震の発生から2週間が経過する中、被災者の今後の住宅事情が深刻化している。仮設住宅の完成はまだ先で、無償の公営住宅には応募が殺到。熊本市は28日、民間の賃貸住宅を借り上げる「みなし仮設」の相談窓口を設置して対策に乗り出したが、さまざまな問題が残っている。

 「それでうちはどこかに入居できるんですか」。熊本市東区役所東部出張所に設置された窓口。区の窓口担当者が「すぐには無理です」と返すと、首を振りながら帰路につく被災者の姿も見られた。

 同区の永田由美さん(48)は自宅に倒壊の危険を表す赤紙をはられ、夫と3人の娘と熊本県菊陽町の夫の実家に避難中。「相談フリーダイヤルはつながらない。不動産会社を回ってようやく物件を見ても、持ち帰って考えている最中に予約が埋まってしまうし、わらをもつかむ思いで来た」という。

 エコノミークラス症候群やノロウイルスの発生が問題となる中、車中での寝泊まりや避難所生活の解消は喫緊の課題だ。

 熊本県と熊本市は仮設住宅の建設を計画しているが、着工時期が決まっているのは、西原村の1件だけ。完成は早くても6月になる見込みだ。政府は約3千戸分の資材を確保、県は2100戸の建設を発表したが、用地の見通しも立たず着工が遅れている。

 無償の公営住宅も戸数が足りていない。5月2日まで県営住宅70戸と熊本市営住宅250戸の計320戸の応募を受け付けているが、市営住宅では28日時点で定員の10倍を超える応募が殺到している。

 熊本市の担当者は「他にも空いている部屋はあるが、安全確認も修繕もできていない以上、受け入れるわけにもいかないし、いつ入居できる状態になるかも分からない」と話す。

 課題はほかにもある。みなし仮設の申し込みには自治体が発行する罹災(りさい)証明書が必要となる。しかし、被害の大きかった益城(ましき)町などを中心に人手不足が続き、発行に必要な現地調査が追いつかないため、発行までには1、2カ月かかることもあるという。

 みなし仮設となる民間賃貸物件を貸し出す側の不動産会社も課題に直面している。県内の不動産会社でつくる団体は震災後、建物の倒壊危険性を調べる「応急危険度判定士」による安全性確認を進めるが、被害の大きさと資格保有者が少ないため順調に進んでいない。

 県は27日、2100戸分のみなし仮設を提供するための予算を計上したが、県と防災協定を結んでいる不動産団体の関係者はこう実情を明かした。「現状で用意できるのはその半分ぐらいだろう」


詳細
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160429-00000080-san-soci


321 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/29(金) 15:18:00 Z6phWuTI
初ss!?うせやろ…
また書いてくださいオナシャス!


322 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2016/04/29(金) 15:33:45 RIm0h7p6
>>321
早速書いてるゾ〜(反省を知らない)
初めてだからすっげぇグダってた、はっきりわかんだね
でも見てもらえてウレシイ……ウレシイ……


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