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久「ロッカーって便利だと思わない?」
1
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/21(月) 16:02:11 ID:u2etGNEY
咲「京ちゃんっ! そろそろ、帰ろ……って?」
咲(あ、あれ? 部室にいない、ってことは……もう、帰っちゃったのかな?)
咲(そっか。まぁ、別にいいけど)
咲(一人でだって帰れるし。本だって読みながら帰れるし……)
咲「……ふんだ。京ちゃんの、バカ」
咲「帰ろっ」
久「――ね?」
京太郎「……」
久「いやー、こういう時……つくづく思うわ」
久「このロッカー、意外と大きいし。隠れるのには持ってこいなのよね」
京太郎「……うーん」
久「須賀くん?」
京太郎「いや……何だか咲に、ちょっと」
久「まぁ、いいじゃない。バレたらまずいかもしれないけど」
久「それに二人とも、そういう関係じゃないんでしょ?」
京太郎「それは、そうですけど」
久「そうよね。……それじゃ」
久「咲も行っちゃったし……続き、しましょっか?」
京太郎「……す、少し休みたいかもしれません」
久「ダーメ。男の子なんだから、気合い出しなさいって」
京太郎「うう……」
36
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/23(水) 16:38:50 ID:j.yI80hk
久「――っていうのは、ちょっと嘘」
久「須賀くん。ちょっと男手が欲しいのよ」
京太郎「……!」
咲「男手?」
久「ええ。部室まで、重い物を運んでもらいたいから」
久「日頃、雑用で鍛えてくれてる須賀くんにちょっと、ね」
京太郎「……」
久「来てくれる?」
京太郎「わかりました」
京太郎「それじゃ、咲。ちょっと行ってくる」
咲「う、うん……」
久「それじゃ、また後でね。咲」
咲「は、はいっ」
咲「……?」
久「――ふふっ。咲、何だか『?』って感じだったわね」
京太郎「……アイツ、勘が鋭い時があるんで」
久「そうなんだ。……それじゃ、今の嘘にも気付いちゃったかしら?」
京太郎「そ、それは……わかりません」
久「もう。頼りない幼なじみねぇ」
京太郎「……部長」
久「なぁに?」
京太郎「まさか……今から、ってわけじゃないですよね?」
久「……その『まさか』だったら?」
京太郎「!」
久「3年も通って、学生議会長なんてやってるとね」
久「まず、誰も通りかからない場所とか。隠れスポットとか」
久「そういう場所、大体わかっちゃうのよ?」
京太郎「……」
久「まぁ、須賀くんがイヤっていうなら話は別だけど」
久「とはいえ、それだったら……ここまで付いてこないわよね?」
37
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/23(水) 16:39:28 ID:j.yI80hk
京太郎「……部長。一つ、いいっすか?」
久「どうかした?」
京太郎「あのですね。さっき……俺と咲が話してる所、部長は見ましたよね?」
久「ええ、見たわよ」
京太郎「……どう思いました?」
久「うーん……本当に仲良しなのねぇ、って思ったわ」
京太郎「それだけですか?」
久「……」
久「ねぇ、須賀くん? もしかして、私が」
久「『独り占めしちゃいたいって感じちゃったわ』とか言うと思った?」
京太郎「……!」
久「図星? まぁ、そうよね」
久「でもね。私……別に、そういう風にあなたたちのことを見てるわけじゃないの」
京太郎「……そ、それじゃ」
久「どういう意味かって? ……まぁ、そうね。はっきり言っておきましょうか」
久「私ね、『世界でたった一人だけ』みたいな純愛って好きじゃないの」
京太郎「!」
久「もちろん、私は……須賀くんに、そういう気持ちを持ってるけど」
久「別に、須賀くんが別の誰かとそういう関係を結んでてもいいのよ?」
京太郎「……部長」
久「そうね。それこそ――」
久「咲と仲良く、どこまで行っても……私は気にしないわ」クスッ
38
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/23(水) 16:39:49 ID:j.yI80hk
京太郎「……」
久「というわけで、しましょうか?」
京太郎「ぶ、部長……ちょっと、今は」
久「あっ、もしかして萎えちゃった? ……でも」
久「そこ、おっきくなっちゃってるわね」
京太郎「!?」
久「え? もしかして……今の話で興奮しちゃった?」
久「須賀くんって、本当にエッチな子だったのね」
京太郎「……あ、あのですね。そんな話されて、こうならない男がいるとでも?」
久「うーん……うちの副会長なら、もしかしたら」
京太郎「副会長、立場ないっすね……」
久「あっ、こんな話してたら、もう時間ないじゃないっ」
京太郎「そ、そうっすね」
久「うーん……欲求不満ねぇ。お互い」
京太郎「い、いや。俺は別に」
久「言葉でそう言いながらも身体は……?」
京太郎「おっさんですか!」
久「ふむ。まぁ、そういうことならしょうがないわね」
京太郎「ですね。とりあえず、教室に――」
ピトッ
京太郎「……!?」
久「よしっ。不意打ち、成功」ニコッ
久「いやー……やっぱり須賀くんの口、なかなかいいわよ」
京太郎「ぶ、部長……」
久「それじゃ、戻りましょうか?」
京太郎「はいはい……」
久「『はい』は一回」
久「今のバツとして、肩を組んで歩いてもらいましょうか」
京太郎「……人目がある所に戻るまで、特別っすよ?」
久「了解っ」ギュッ
39
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/23(水) 16:41:03 ID:8i0cg7as
エロゲか何か?
40
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/23(水) 16:41:14 ID:j.yI80hk
これじゃ部長がTDN淫乱じゃないか(呆れ)
血なまぐさいことにはならないはずだから大丈夫大丈夫、ヘーキヘーキ
それじゃ、また
41
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/23(水) 16:52:36 ID:Dl9zzltg
ここまでがワカメの録画した映像でそれをキャップが観ているという訳だね?
42
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/23(水) 22:08:13 ID:j.yI80hk
京太郎「……」
咲「もう、京ちゃん。ボーッとしてたらダメだよ?」
京太郎「あ、ああ……咲」
咲「ほら。今日は部活もお休みだし」
咲「……一緒に帰ろ?」
京太郎「……そうするか」
咲「それでね。昨日、お父さんと……」
京太郎「……」
咲「京ちゃん?」
京太郎「い、いや……何でもない」
咲「もう。何だかさっきからボンヤリしちゃってない?」
京太郎「ほ、ほら。さっき、部長から頼まれた雑用がキツくて……」
咲「……そっか」
咲「そういうことなら、しょうがないね。うん」
京太郎「……咲」
咲「というわけでっ」
咲「今日は私が、クレープおごってあげよっか?」
京太郎「……え?」
咲「いつも、京ちゃんには頑張ってもらっちゃってるし」
咲「私も……いつもお世話になってるからね」
京太郎「さ、咲……」
咲「――美味しいねっ」ニコッ
京太郎「う、うん……」
咲「どう、京ちゃん? 少しは悩みとか吹き飛んだ?」
京太郎「……何というか」
京太郎「咲には悪いなって」
咲「もう、京ちゃんったら。別にクレープ一つくらい、いいんだって」
咲「京ちゃんが普段、私たちにしてくれてることって……それ以上の価値があって当たり前じゃない?」
京太郎「……」
43
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/23(水) 22:09:48 ID:j.yI80hk
京太郎(……どうしよう)
京太郎(何というか……俺は、ちょっと抜けててポンコツな所もあるけど)
京太郎(こんな出来た幼なじみを置いて……部長と、あんなことをしてて)
咲「……ねぇ、京ちゃん?」
京太郎「さ、咲?」
咲「えっとさ、悩みとかあるなら言ってほしいなって」
京太郎「……!」
咲「私、京ちゃんの役に立てるなら、えっと……何でもするよ?」
京太郎「……な、何でも?」
咲「で、出来る範囲で、だけど……」カァァ
京太郎「……咲」
京太郎「……ありがとな」
京太郎「今のままで十分、嬉しいって」
咲「……もしかして、雑用が大変とか?」
京太郎「い、いや、そういうことじゃ」
咲「そっか」
咲「話したくなったら、いつでも大丈夫だからね」ニコッ
京太郎「……お、おう」
京太郎(――ど、どうすりゃいいんだ?)
京太郎(たしかに俺は部長と……そ、そういう関係だけど)
京太郎(咲と一緒にいると、全然違う)
京太郎(どう言えばいいか分からないけど……安心感とかが、全然)
咲「だって私たち……幼なじみだもんね」クスッ
京太郎「……!」
京太郎(本当に……)
京太郎(どうしたらいいんだ? 俺……)
44
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/23(水) 22:14:48 ID:j.yI80hk
もしかしたら、一旦ここまでです
京ちゃんと咲ちゃんの描写を書いてたら和んでしょうがなかった
とりあえず何となくですが、落とし所は漠然と考えています。
45
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/23(水) 22:20:49 ID:fzSmwSBo
性欲には勝つのはダメみたいですね…(諦め)
46
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/24(木) 03:16:35 ID:2vDwDtKc
性欲の塊みたいな年頃の男子があんなフェロモンモンスターみたいな女の子にここまでされたら他のことなんか見えなくなる
47
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/24(木) 23:29:29 ID:oImKCxow
――咲の部屋
咲「……」
咲「はぁ」
咲(何だか京ちゃん……最近、調子悪そう)
咲(やっぱり心配だなぁ。何があったんだろ?)
咲(でも……しつこく聞くのもアレだよね)
咲「……京ちゃん」
咲(でも、やっぱり……こう思っちゃうよ)
咲(「どうして話してくれないの?」って。思うだけなら、いいかな?)
咲(京ちゃん。私は、京ちゃんのこと……)
咲「わ、わわっ!」カァァ
咲(い、今……何、考えてたの?)
咲(べ、別に、そういうんじゃないしっ! ただの幼なじみってだけで……)
咲(あれ? ど、どうして、顔赤くなってるの……?)
咲「……お風呂、入ってこよっと」
48
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/24(木) 23:30:07 ID:oImKCxow
――京太郎の部屋
京太郎「……」
京太郎「はぁ。……ん? メール?」
京太郎「差出人は……やっぱり」
『やっほー、須賀くん。
明日の放課後、部室で……どう?』
京太郎「『どう?』じゃないっての……」
京太郎(そうだ。俺には咲っていう幼なじみがいて)
京太郎(別に、部長がからかってくるような関係になりたいわけじゃないけど……それでも大事で)
京太郎(……こんな関係のままじゃダメなんじゃないか?)
京太郎(そうだ。「ごめんなさい。ちょっと用事が」とでも打てば、それで済む話だ)
京太郎(それで明日は……咲と一緒に帰りながら、クレープとかアイスとか食べて)
京太郎「……」
京太郎「…………」
――翌日・部室
久「んっ……須賀くんっ……!」
京太郎「……ぶ、部長っ」
久「あっ……やっぱり……」
久「気持ち、いい……わっ」
京太郎「……うっ」
久「そろ、そろ……?」
久「んっ……い、いい……出し、ちゃって?」
京太郎「……!」
久「んんっ!」
49
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/24(木) 23:31:09 ID:oImKCxow
久「……い、いっぱい出た、わね」
京太郎「……は、はい」
久「私も、満足したわ……」
京太郎「部長、グショグショでしたもんね」
久「い、言わないで……」
京太郎「おまけに足絡めてきますし。そのせいで、余計速く――」
久「す、須賀くん……イジワル?」カァァ
京太郎「日頃のお返しです」
久「ふーん……」
久「何だか」
京太郎「?」
久「今日は、ちょっと……調子悪い?」
京太郎「まぁ、ちょっと考え事が」
久「咲のこと?」
京太郎「……どうして、あっさり当てちゃうんですか?」
久「私、これでもあなたたちの部長よ?」
久「まぁ、気持ちは分かるつもりよ」
久「私は、こんな感じで……気持ちよければ基本的に何でもアリだけど」
京太郎「言葉にするとホントにアレですよね、部長……」
久「しょうがないじゃない。何だか、そうなっちゃっただけだもの」
久「……でも。初めては須賀くんよ?」
京太郎「……それは知ってます」
久「血、出ちゃったもんね。……思い出すと恥ずかしいけど」
京太郎「それじゃ、言わないでくださいよ……」
50
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/24(木) 23:31:57 ID:oImKCxow
久「――そうね。私が、こんなでも」
久「咲は……そうは思わないわよね」
京太郎「……べ、別に俺、咲とそうなりたいって」
久「そこは素直になった方がいいんじゃない?」
京太郎「……部長」
久「あくまで勘だけど……」
久「咲、あなたに惚れてるわよ?」
京太郎「部長がそれを言っちゃうんですか……」
久「言ったでしょ? 私は本当に何でもいいんだって」
久「もちろん須賀くんのことは好きだし、一緒にいたいわ。……でも」
久「須賀くんが誰を好きになろうと、それもまた須賀くんの勝手だと思うから」
京太郎「……俺は部長が好きですよ」
久「ありがと。きっと嘘じゃないと思うわ」ニコッ
久「……ところで、咲は?」
京太郎「……」
久「まぁ、そうね。きっと咲も、須賀くんと同じような反応するんでしょうね」
久「うーん……困った困った」
京太郎「咲にちょっかい出したりしたらダメですよ?」
久「うわー、バレちゃったかー」
久「なんてね。それは知ってるつもりよ?」
51
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/24(木) 23:32:44 ID:oImKCxow
久「――あら? 須賀くん、ケータイ光ってない?」
京太郎「え? あっ、ホントだ」
久「誰からかしら?」
京太郎「ちょ、ちょっと失礼します! ……あっ」
久「やっぱり、あの子?」
京太郎「……部長」
京太郎「今日は、一緒に帰れないと思います」
久「ん、いいわよ」
久「行ってらっしゃい、須賀くん」
京太郎「はいっ」
久「……んー、行っちゃったか」
久「それじゃ私も、っと……」
久「……」
久「うーん」
久(何だかんだで)
久(した後で一緒に帰るの……楽しんでたのね。私)
久(だって今、少し複雑な気持ちだもの。ねぇ、須賀くん?)
52
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/24(木) 23:34:10 ID:oImKCxow
一旦、ここまでです
何も思いつきませんでしたが、漠然と形は頭に浮かんできました
それでは
レス、ありがとうございます
53
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/24(木) 23:40:58 ID:NzDW3CMw
すでに泥中っ…!
54
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/24(木) 23:50:18 ID:umPytiOQ
(不穏な感じで)やべぇよ……やべぇよ……
55
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/25(金) 06:41:16 ID:cHnwr9iU
いいゾ〜コレ
56
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/25(金) 12:25:11 ID:vilKSB7E
待ちきれないよ、早く(続きを)出してくれ!
57
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/28(月) 22:31:04 ID:aZzhLpAM
――少し前・図書室
咲「……」
咲「はぁ」
咲(結局、今日も京ちゃんは、どっか行っちゃって)
咲(また一人ぼっちで帰ることになっちゃったけど……何でかな)
咲(どうして、帰りたくないんだろ……?)
咲「……京ちゃん」
咲(別に、京ちゃんがいなくたって)
咲(一人で帰れるし、またすぐに会えるのに)
咲(この胸騒ぎ、何なんだろ……)
ガラッ
咲「あっ」
和「……宮永さん?」
咲「は、原村さん。偶然だね」
和「そうですね。読書中ですか?」
咲「ま、まぁ……」
咲「図書室で読んでると、集中できる気がして」
和「あっ、それ私も分かる気がします」
咲「だ、だよね。そうだよね」
和「はいっ」ニコッ
咲(ああ、相変わらず可愛いな……原村さん)
咲(きっと、男の子も放っておかないだろうなぁ)
咲(……京ちゃんも、もしかしたら)
58
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/28(月) 22:31:43 ID:aZzhLpAM
和「……宮永さん?」
咲「あっ。ご、ごめんね」
和「どうかしましたか? 何だか調子が悪そうですが……」
咲「な、何でもないよ。ありがとね」
和「……」
和「宮永さん」
咲「は、原村さん?」
和「違ったらごめんなさい」
和「――もしかして、須賀くんのことでお悩みですか?」
咲「……えっ!?」
和「近頃、部活中も上の空なことが多いですし」
和「大体、視線の先には……須賀くんがいるような気がしますし」
咲「は、原村さん。ち、違うよ」
和「……敢えて聞かせて頂きます」
和「それでよろしいんですか?」
咲「……え?」
和「宮永さん。私は、同じ部にいる仲間の調子が悪いままでは困ってしまいます」
和「そして、恐らく……私が考えている通りで間違いないのだとしたら、なおさらです」
咲「原村さん……」
和「宮永さん。もしかして……今、須賀くんに会いたいのでは?」
咲「……べ、別に、そんなことないよ」
咲「いつも一緒ってワケじゃないし」
和「そうですか。その割には目線がブレるんですね」
咲「……」
59
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/28(月) 22:32:09 ID:dVwksEtg
もう始まってる!
60
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/28(月) 22:32:36 ID:aZzhLpAM
和「そういえば、宮永さんもケータイをお持ちでしたね」
咲「う、うん。やっぱり、無いと不便だからって……」
和「それでしたら……メールしてみたらいかがでしょうか?」
咲「メ、メール……」
和「もちろん、須賀くんにです」
咲「きょ、京ちゃんに……」
和「もし、文字を上手く打てないとかなら、私が宮永さんの話した言葉をタイプして送りましょうか?」
咲「……原村さん、どうしてそこまでしてくれるの?」
和「……」
和「大切な仲間の助けになりたいから、ではダメですか?」ニコッ
咲「――!」
和「とはいえ、宮永さんが決めることですし」
和「ごめんなさい。少し、差し出がましい真似をしてしまいましたね……」
咲「……ううん。ありがと、原村さん」
和「宮永さん?」
咲「わ、私……送ってみる」
咲「やっぱり、すっごい何となくだけど落ち着かないし。あんな京ちゃんでも、いなくなったら寂しいし」
和「……ふふっ」
咲「は、原村さん?」
和「いえ。宮永さんは可愛らしい方ですね、本当に」
咲「……うう」カァァ
61
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/28(月) 22:33:29 ID:aZzhLpAM
――数分後
咲「あっ、送れたっ」
和「お疲れ様です。……それでは」
咲「うんっ。ちょっと行ってくるねっ」
咲「……原村さん」
和「はい?」
咲「ありがと。本当に嬉しかったよ」ニコッ
和「……」
和「ええ。どういたしまして」ニコッ
咲「うんっ! それじゃ、またねっ!」
和「……」
和「あ、あれ?」
和(何でしょうか……私も、何となく落ち着かなくなってしまっている、ような)
優希「のどちゃーん! 用事、済んだかー?」ガラッ
和「あっ、優希。ええ、終わりましたよ」
優希「そうかっ! それじゃ、帰ろうじぇ!」ニコッ
和「ええ、そうですね」
優希「……?」
優希「何かのどちゃん、少し落ち込んでないか?」
和「……いいえ」
和「少し、そういう所があるのかもしれませんが――」
和「きっと、それ以上に……安心しているんでしょうね。私は」
62
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/28(月) 22:36:02 ID:aZzhLpAM
一旦、ここまでです
今日中に、もう少し書きたいと思います
63
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/28(月) 23:59:44 ID:aZzhLpAM
京太郎「……」カチカチ
京太郎(「いつもの場所で待ってるね」って)
京太郎(いつも登校する時の待ち合わせ場所ってことだよな……ってことは、もう着いたけど)
京太郎「……あっ」
咲「……京ちゃん」
京太郎「さ、咲。待たせちゃって悪かったな」
咲「う、ううん……大丈夫」
咲「来てくれただけで嬉しいから」
京太郎「……咲」
咲「……えっとね、京ちゃん?」
京太郎「な、何だ?」
咲「今から私がすること……怒らないでくれる?」
京太郎「……え?」
ギュッ
京太郎「!」
咲「……やっぱり、温かいね」
咲「そっか。京ちゃんの近くって、やっぱり安心しちゃうんだね」
咲「京ちゃんと、こんなことするなんて思ってもなかったけど……」
京太郎「さ、咲! い、いきなり何だ?」
咲「……それはね、京ちゃん」
咲「こ、こっちのセリフだよ……!」グスッ
京太郎「……咲」
咲「い、いきなり、何も言わずに一人になっちゃうんだもんっ」
咲「ずっと一緒に帰ってたのに……そ、そんなのズルいよっ!」
京太郎「……」
咲「……誰かと一緒にいた、とか?」
京太郎「!」
咲「も、もしかして、図星?」
京太郎「そ、それは……」
咲「……えっと」
咲「それって……部長?」
京太郎「――!」
64
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/29(火) 00:01:21 ID:kw2.HYXQ
咲「……そっか」
咲「やっぱり、そうなんだね」
京太郎「た、ただの雑用だって」
咲「雑用なら、何でそんなに慌てちゃってるの?」
京太郎「……」
咲「そっか。京ちゃんと部長って、そ、そういう……」
京太郎「……隠しても、しょうがないか」
京太郎「そうだよ。そういう関係だよ」
咲「……!」
京太郎「咲。もう、その手とか離してくれてもいいんだぞ?」
京太郎「分かっただろ? ……俺は他の女子とそういう関係なのに、お前の手を払えない卑怯者なんだって」
京太郎「キツいだろ、色々と……俺だってキツいんだから。咲が相手なら尚更」
咲「……べ、別にいいもんっ!」ギュッ
京太郎「……え?」
咲「わ、私……こうして抱きついて、初めて思ったの」
咲「きっと私も、部長と同じ気持ちなんだって」
京太郎「……!」
咲「分かっちゃった。京ちゃんの近くだと本当に落ち着いちゃって」
咲「この安心した感じって多分……そ、そういう意味なんじゃないかなって」
京太郎「……お、おい。それって」
咲「……京ちゃん」
咲「今日、京ちゃんのお家に……行ってもいいかな?」
京太郎「……咲」
65
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/29(火) 00:02:04 ID:kw2.HYXQ
もしかしたら、今はここまでかもしれません
次回から終わりに向かっていく予定です
66
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/09/29(火) 23:32:03 ID:Vh6.hjEM
ああ^〜
67
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/10/01(木) 23:50:57 ID:/Qtbi7c.
――京太郎の家
京太郎「……まぁ、上がってくれ」
咲「お、お邪魔します」
咲「……昔と、あんまり変わってないね」
京太郎「そっか? そういや、高校に入ってから来たことなかったっけな……」
咲「部活とか忙しくなっちゃったし」
京太郎「だよな……」
京太郎「ところで、咲」
咲「な、なに?」
京太郎「前に言わなかったっけ? 今日、俺の家は……」
咲「……うん」
咲「京ちゃんの、お父さんもお母さんもいないんだよね……」
京太郎「それ、知ってて来たのか?」
咲「ま、まぁ……」
咲「遅くなる前には帰るつもりだし……か、関係ないよ」カァァ
京太郎「そ、それもそうか」
咲「そ、そうだよ。もう」
京太郎「……咲」
――京太郎の部屋
咲「ねぇねぇ、京ちゃん? このマンガの続き、ない?」
京太郎「いや。今んとこ、そこまでしか出てないみたいだな」
咲「ふーん、そうなんだ……」
京太郎「というか、咲。俺のベッド、占領しすぎだ」
咲「えー、何か落ち着くし」
咲「ねぇ? 寝っ転がってもいい?」
京太郎「ダメだ」
咲「えー、ケチー……」
京太郎「お前がそこで寝入ったら、どうせしばらく起きないんだから」
咲「そ、それは……」
68
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/10/01(木) 23:51:52 ID:/Qtbi7c.
京太郎「――そういや、飲み物なくなっちゃったな」
京太郎「俺、下から取ってくるから、少し待っててくれ」
咲「う、うん……」
京太郎「……寝るなよ?」
咲「わ、わかってるよ!」
京太郎「それならいい」
咲「……むー」
咲(そ、そんなに寝てほしくないんだ……へぇ)
咲(どうしてなのかな? 調べてみるために、ほんの少しだけ横になっちゃおっと)
咲「――あ」
咲(京ちゃんの匂い……)
咲(いつも近くで感じて、その度に安心しちゃうあの感じ……)
咲(……京ちゃん)
咲「私、やっぱり――」
京太郎「咲。持ってきた、ぞ……」
咲「……」スースー
京太郎「お、おいおい」
京太郎(だから寝転がるなって言ったのに……!)
京太郎(コイツ、中学の頃から俺の部屋に来たら、すぐこうなるんだから……まったく)
咲「……ん」
京太郎「……あー、もう」
京太郎「ほら。風邪、ひいちまうぞ」
京太郎(しょうがない。布団でも掛けてやるか……)
キュッ
京太郎「……え?」
咲「……」
京太郎(さ、咲……い、いや。たしかに寝てるはずなのに)
京太郎(どうして裾を掴まれてるんだ、俺……?)
咲「……京、ちゃん」
京太郎(ね、寝言、だよな……?)
咲「いか、ないで……」
咲「寂しい、よぉ」
京太郎「……咲」
69
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/10/01(木) 23:53:04 ID:/Qtbi7c.
咲「――あ、あれ?」
咲「ど、どうして京ちゃん、近くに来ちゃってるの?」
京太郎「お前が裾を掴んでるからだよ……」
咲「え、えぇ……ど、どうして?」
咲「わ、私、たしかに京ちゃんが行っちゃって寂しかったけど」
京太郎「え?」
咲「……わっ。い、言っちゃった」カァァ
咲「そ、そうだよ。京ちゃんがいなくなって寂しかったの。悪い?」
京太郎「……咲」
咲「……京ちゃん」
京太郎(不安そうに俺を見る咲は、いつもとは何となく違ってるような気がした)
京太郎(火照った顔つきも、迷ってるような素振りも……ほんの少し違ってる。でも)
咲「も、もっと……近くに来てくれる?」
京太郎(……やっぱり)
京太郎(俺は、心の底から安心してしまっていた)
京太郎(そうだ。やっぱり俺は、コイツと一緒にいる時が一番――)
70
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/10/01(木) 23:54:29 ID:/Qtbi7c.
ギュッ
咲「……きょ、京ちゃん?」
京太郎「悪い。もう、我慢できなくなっちまった」
咲「ど、どうしちゃったの?」
京太郎「……やっぱり」
京太郎「俺、咲の近くじゃないと安心できないらしいな」
咲「……!」
咲「そ、それじゃ、京ちゃんも?」
京太郎「ああ。咲と同じ気持ちなんだ、きっと」
咲「……す、好き、ってこと?」
京太郎「そ、そうなるな……」
咲「……わ、わわっ」カァァ
咲「こ、心の準備とか出来てないのに」
京太郎「そ、それは俺もだ」カァァ
咲「……ねぇ、京ちゃん?」
京太郎「咲?」
咲「その……ぶ、部長とはやっぱり、そういうことまでしちゃったの?」
京太郎「……ああ」
咲「そう、なんだ……」
咲「……」
咲「ねぇ、京ちゃん?」
京太郎「咲?」
咲「実はね。私の家も……今日、お父さんいないんだ」
京太郎「!」
咲「お仕事の都合とかで」
咲「だ、だから……京ちゃんが良かったら」
咲「――私にも」
咲「部長と同じこと、してくれないかな?」
京太郎「……咲」
71
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/10/01(木) 23:55:12 ID:/Qtbi7c.
とりあえず、ここまでです
次は申し訳程度の行為描写の後で、決着をつけたいと思います
72
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/10/19(月) 01:22:48 ID:LlqedJRo
まーだ時間かかりそうですかねぇ?
73
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2015/12/25(金) 20:08:06 ID:iZT9DvWU
ロッカーの中とか雑巾草そう
74
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/01/27(水) 18:05:01 ID:9sveX1.6
あくしろよ
75
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/01/27(水) 18:08:39 ID:vkHCvY92
今更だけどスレタイがスピードワゴン小沢で再生された
76
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/01/27(水) 18:33:31 ID:9FJNfC6.
続きをクレメンス
77
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/06/12(日) 09:09:34 ID:sci7G3iE
あくしろよ
78
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/06/12(日) 11:00:17 ID:twxMnddc
あくしろよ
79
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/11/01(火) 17:36:52 ID:WzBHBIgw
続きあくしろよ
80
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/11/01(火) 23:03:19 ID:GQHTTXdo
久々に読んだけどいいですね
続きあくしろよ
81
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/11/02(水) 01:41:27 ID:1odkDRSU
なんだこの名作!?(驚愕)
続き書いてくれよなー、頼むよー
82
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2018/01/07(日) 15:09:16 ID:g/qeNBDc
続き……
83
:
<削除>
:<削除>
<削除>
84
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/10/17(日) 01:55:01 ID:0qIZ31aQ
アナスイくんも続きを熱望していらっしゃる
85
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2024/10/20(日) 14:55:36 ID:Y67lHdOY
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