の導入がまだ原稿用紙10枚分だができてしまった
…見たいだろうか？
熱くさせてくれるものは確かにあったはずなのに、それも奪われてしまった。
場所が悪いとか、育ちがよくないだとか、そんなことじゃあないはずだ。なのに、ぼくはさっぱりうだつが上がらない。
「おい、まだかよ」
…こんな身分にずっといたいわけじゃないんだ。一人ビークルも動かせず、ただ仲間のそれを修理する毎日なんて。
だけど、どうしても、いつまでたっても動いてくれない。みんな当たり前にできてることなのに、ぼくは、ビークルが動かせない。
技術だって精一杯勉強して、無理言って相乗りして、手元だって盗み見てよおくアタマに焼き付けた。
だけど、動いてくれなきゃ仕方がないじゃあないか。
夢は捨てちゃえば楽かもしれない、だけど、とてもあきらめきれない。こいつでぼくは走りたい…
「ああ」
思わずため息が漏れた。こんなつまらない今も、街も。全部振り切って自由になりたい…
何かが欲しいんだって、その時気付いた。ぼくのエンジンを弾けさせる何かが。
言葉通りに人々は殖えゆき、ついには自ら住む天地さえも創り変える。聖句が地に堕ち、人が神になり替わった瞬間である。
神話は繰り返し、神は新たな子を作る。機械が、それとなった。彼らもまた拡がり殖えて、人を貶める存在となる。これは、そんな遥かな未来。
しかし、どれだけの時を経ていようとも、変わらず『スピードの世界』が人を、機械を惹きつける。
太陽軌道９０億キロの、広大なる果てなき旅路。流れ星となって、少年が駆ける！
発掘される資源は底を突き、人間達は太陽系の星々へと巣立って行った。もはや中継地点としか見向きもされないさびれた星となったのだ。
…軌道エレベーターでつながるここ、『オービットベース』も例外ではない。
黎明期の宇宙開発を支えた巨大輪形状拠点だが、今では500万人ほどが管理社会を形成し細々と暮らすのみである。
人々は成人までに職業適性を検査され、決められたそれへの従属を義務付けられる…よくある話だ。
だが、すでに今の太陽系では何度も失敗を重ねた政治だ。この第７チューブ区画でも歪みはすでに表れ始めていた。
ビル街が囲む、この区画で最も重要と言えるであろう４車線幹線道路。そこにその歪みはあった。
通勤で込み合うそこを４台の暴走ビークルが車線も迷惑もお構いなしに駆けてゆく。彼らが、それだ。
人間の欲とはまったくいつでも抑えがたいものであり、この区画の管理者階級はいつしか秘密に富をたくわえるようになっていた。
その煽りを食らった下層階級の労働者たちが、監視の目を欺いてゴミ捨て場に産み落とした子供たち。
それがビークルを盗んで、閉塞した社会に自由を求めた結果なのだ。
「決まってるよ！噂のゴーストを相手取ってやれば、他の奴らだって俺らに目が行くようになるってことだ」
そう、この幹線道路近隣には彼ら不法ビークル乗りに伝わり始めた噂がある。
それは彼らによって『ゴースト』と名付けられており、意味はかつて寂れた言葉で『幽霊』と言う。
その言葉を名付けられた所以、それは、無人機だからだ。信じられないことに、発見者の車載カメラに映ったそのビークルには誰一人乗ってはいない。
それでもなお走り、その速度は並ではなく追いつけた者は今まで唯の一人もありはしない。だからこそ、リーダーと呼ばれる少年は目をつけた。
この一大クエストを、自らのクランが成し遂げ勲しとすればその名と勢力はさらに広がるだろう。つまるところ支配欲ゆえの挑戦であった。
「速い！」
そうしたチャレンジの甲斐あってかそれとも僥倖ゆえか、それは本当に来たようであった。白く輝くほとんど新車のような流線型車体。
４輪のビークルのようだが、そのタイヤはどうにも妙だった。それは球体で、しかも発光しつつ車体から浮いて回っているのだ。
到底、走りをできる構造には見えなかった。だが現に、自分たちのビークルを遥かに凌駕せんというような速度でそれは迫っている。
このリーダーは何も無謀なチャレンジを始めたわけではない。当然、それなりの自信を持てる策があったのだ。
２号、３号と呼ばれた少年二人のそれぞれ乗った２輪と３輪のビークルが速度を上げ、それと裏腹にリーダーと１号少年二人の４輪ビークルはゴーストの後ろに付くまで速度を落とす。
当然追い越してゆくゴースト、しかしその行く手にはなんとクロスする形で蛇行運転を始めた２号・３号少年の姿があった。
これでは当然、速度をそのままに突撃することはクラッシュを意味する。まごつくゴーストを、リーダーと１号少年が左右後方から追い上げる。
そして以って捕獲に追い込まんとする。これこそがリーダー少年の作戦だったのだ。
徐々に近づき来る、確約された成功を前にして内心ほくそ笑んだリーダー少年。実際彼はこれを始めるにあたってを周到なる準備を重ねに重ねた。
２号と３号少年には自らその名前を与え蛇行をよく練習させておき、手順をイメージし脳内で繰り返しシミュレーションした。
そして幹線道路のどのような場所から現れてもいいようにパターンを組み、それを部下によく知らせておいた。
――ゴーストはそんな稚拙な準備と行動の、遥かに上を行く存在であった。
外装が内部から突き破られ、見るも無残な姿となった四台のビークルを見て、リーダー少年はただ呆然とするほかなかった。
成功していたはずの作戦だった。もちろん今日のための整備も欠かしてはいなかったはずなのだ。
それなのに、ゴーストをついに囲んだ瞬間に、四台のビークルの内部構造は熱を持ち始め一瞬で同時破裂。そのままクラッシュしたのだ。
やがてそうして呆けている内にサイレンの音が近づいているのをリーダー少年は聞きとった。管理局が事故を嗅ぎつけたのだろう。
周りを少し見回すと、他のメンバーはいない。散り散りに逃げて行った様子であった。
…精一杯をしたはずだった、それがこのたった一瞬で何もかも失われたという事実だけが凄惨な現場に残った。
リーダー少年は、腕を引かれて連行される間もしばらく呆けたままだった…
所と日は変わって、第７チューブ廃棄区画の荒れ果てたビル内。ゴーストとその一連の絡みの噂はこの屋内に住む子供たちに届いていた。
彼らもまたビークルを三台持つ集まりである。その一角で、少年二人の噂話が聞こえる。
「ゴーストが噂通りなら、どうすりゃどうにかできるんだ？なんかねえのかよ」
「…無理、だと思う」
理不尽に怒りをぶつける黒髪の少年と、昨今では珍しい短い金髪をした気弱な少年。
黒髪のそれは名前を持ち合わせていないが、金髪の方のそれは、名をスターという。
だが名づけ親の顔は見たことがない。何分彼らは生まれた時からこの廃棄区画で育ってきた捨て子なのだ。
捨て子にわざわざ名前を付けるような人情味はここではとうに失われている。だが、スターはそうではなかったようだった。
さて、スターがなぜこのような仕打を受けているかと言えば、ビークルを動かせないということと、修理に秀でているということの２つが理由だった。
そのせいで彼は今のように、まるで便利な機械のように扱われている。格差というものが仲間内で完成してしまっているのだ。
「…チッ、まったく」
大きく鳴った舌打ちにスターはいつものように萎縮してしまう。こうなると、もう彼には何も言えない。
黒髪の少年はそれを一瞥すると、外に散り散りにいる仲間を呼び集めてきた。
「…え？ダメだよ！無理だ、近寄ったらビークルだって爆発するってお前が言って」
「うるせえな！やってもいないコトだろう！」
無謀すぎるというのが、黒髪の少年に対してスターの思った気持ちだった。当然、それを言葉で戒めようとする。
しかし、わかっていても怒鳴り声が上がっただけで大きく心が揺らされる。…だが、仲間の危険とあってはさすがのスターも引き下がれない。
自分の修理したビークルで無謀をして壊されたらたまらないということでもある、しかし、それ以上に捕まったりしてほしくはない。
精一杯の勇気を振り絞って、自らの最大限の妥協点を叩きつけた。
「だ、だっ…たら、ぼくも乗せて行けってことだよ！」
「はあ…？ふざけてんのか、邪魔なだけなんだよ」
一声の後、しばらくの静寂。すると黒髪の少年は仲間二人に向けて同意を求め始める。
「………どうするよ」
両者ともどうでもいいだとか、こちらに言われてもだとか。そういった困惑の表情を浮かべている。
やがて少し迷ったのち、黒髪の少年はスターに決断を下す。
「…今度だけだぞ、知恵を貸せ」
「うん！」
ホモは文豪
ええ現在やこれは…
続きはまだ書いてないので強制終了だ、慈悲はない
はーホンマつっかえる…続けたら！？この文章…
忍殺語が達者だと思えば創作力も文章力もあるなんて…ええやん！気に入ったわ
すまんな、本当にすまん
やはりヘッズのニンジャ言語能力は格が違った(ブ並感)
続き待ってます
おね要素も楽しみにしてます
パパパッと新人賞にでも応募して、どうぞ（応援）
先がわからないからだけど、モノローグからリーダー少年の話にとぶと人物がごっちゃになるかも
スターくんはまだちんしゃぶ度が足りませんね…
どうせならスレタイもかっこいいので立て直したらエエんちゃうやろか？
いちおう【オリジナル】とか注は入れてさ
政治でも幸福実現党と公明党は受け入れてるんだよなぁ・・・
やっぱ・・・ニンジャのSSを・・・最高やな！
ニンジャヘッズらしからぬスチームパンクなことだが、それにしたって随分よく書けてるゾ
ガンバレー！ガンバレー！ガンバレー！
おう無理せず早く続きかくんだよあくしろよ
はえ〜こんなのあるんすねえ
今までメモ帳かワードで書いてたゾ……
応援しとるよ
早く続きを書いて差し上げろ