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【咲SS】末原恭子「(めげるわ・・・)」【百合】
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つらいつらい
なんでこんなんなったんやろ
もうそんな、憐れむ目で見るのやめて
あかん
涙が
止まらへん
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−2年前−
春
姫松高校に入学した私は憧れだった麻雀部に入部した
全国でも屈指の強豪校である姫松高校麻雀部
そこで私は最悪の出会いを果たす
愛宕洋榎
麻雀特待生として入学した彼女
1年生ながらも早速頭角を現した彼女は、自他共に認める天才だった
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「よろしくお願いします」
卓に着き挨拶をする私に
「ん〜、よろしゅ〜」
イラッ
なんやねんコイツ、特待生やからって調子乗ってるんちゃうか
「カーン!リンシャン・・・ならずや!」
「・・・・・・」
「なんやも〜暗いな〜、暗い暗い!もっと楽しくやりましょ〜」
「・・・・・・」
タンッパシッタンッ
「おーっと・・・そいつは入り目やで〜」
「・・・愛宕さん、三味線とかやめてもらえません?」
「おっとすまんな悪気はないねん・・・ってなんやねん『愛宕さん』って」
-
「えっ?」
「『洋榎』や、洋榎って呼んでや!恭子」
「えっ!」
「ウチらはもう友達やし当然やろ」
なんやコイツ
どちらかと言えば人付き合いが苦手であった私は圧倒されてしまった
勝負をする前から勝負はついていたんやな、なんて思ってしまう
鬱陶しい奴、と思いつつも
第一印象で損をするタイプってのはどこにでもいるわけで
だんだんと興味を惹かれてしまう
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彼女は誰からも好かれる、誰とも仲良くなれる、そんな不思議な力を持っていた
彼女は私のことを友達と言ってくれるが、私にとっての彼女は次第に憧れとなっていった
麻雀がとても強く、人を引き付ける魅力のある彼女
不器用で、無愛想な私とは全く違う彼女
そして2年という月日は、『憧れ』を『焦がれ』に変えるには十分すぎたのだった
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3年生となり彼女は部の主将に、そして私も部の中心として活躍するようになり
彼女への秘めた思いを隠すために私は、彼女を『主将』と呼ぶようになった
「なぁ恭子〜」
「・・・なんですか、主将」
「あぁ、そのな〜、主将って呼ぶのやめてくれへん?」
「主将は主将ですし、下級生に示しがつきません」
「なんでや!由子のことは由子って呼んでるやろ〜、それに由子は洋榎ちゃんって呼んでくれとるで?」
もうこの会話は何度繰り返しただろうか
これでいいんだ
女同士の恋愛なんて叶うはずもない
今の関係で十分満足なんや
彼女への淡い気持ちを封印するために、忘れるために
なんと言われようと私は彼女を『主将』と呼び続けた
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「どうしたの恭子ちゃん、最近元気ないのよー?」
真瀬由子
私と同じく3年生であり、共にレギュラー入りを果たして喜び合った親友である
由子は女性の私から見てもとても可愛らしく
私も由子みたいに女の子らしく可愛くなりたい、なんて密かに思っては溜息をついてしまうのだった
「恭子ちゃん3年生になってから頑張りすぎなの、ちょっと気負いすぎてるのよー」
「せやなー・・・ちょっと最近考え事多くて疲れてるんかもなー」
事実、彼女への思いを抑えようとすればするほど、彼女への思いが溢れてきてしまうのだった
そんな夜は決まって眠れない
考えて考えて、結局自己嫌悪の連鎖に陥ってしまう
-
「悩み事なのねー、あ!恋の悩みなのよー」
「え?あ、えっ??ちゃ、ちゃうわ!」
「も〜、恭子ちゃん嘘つくの下手なのよー?目泳いでるのよー」
普段の私ならきっと肯定なんてしなかっただろう
だけどその時は私も精神的に相当参っていて、少し吐きだして楽になりたいと思っていた
「・・・まあ・・・そんなところ、やな・・・」
目を爛々と輝かせる由子
「へぇ〜意外なのよー、で誰なのよ?」
「は!?言えるわけないやん!」
「ん〜、漫ちゃん?」
「ちゃうわ!」
「じゃあ赤阪代行なのねー」
「じゃあってなんやねん!てかなんで女ばっかしなん!?」
-
いいゾ〜
-
無邪気に、いたずらっ子のようにケラケラと笑う由子、私とは違って笑顔がまぶしいな
「なら洋榎ちゃんなのよー」
「・・・・・・」
「・・・え?・・・・・・そーなの?」
一瞬にして気まずくなる帰り道、無言の中歩き続ける私達
生真面目で、嘘をつけない自分の性格がほんと憎い
きっと今私はひどい顔をしている
耳が熱い
顔が熱い
「そ、そんなわけ・・・」
今更何を言っているんやろな、嘘つくならもっとましなつき方があるだろうに
ほんと不器用や
-
俯いた顔を恐る恐る上げると、いつも以上に目を丸くしている由子と目が合った
「びっくりしたのよー」
「まあ・・・普通はそうやろな」
由子と親友で良かった
堅物の私が同性愛者であるとわかっても、由子はいつもと同じように接してくれる
今まで私の心の中で悶々としていた思いをここぞと打ち明けたのだった
そんな私の話を由子は何も言わずに聞いてくれる
「で・・・私はどうすればええんかな」
結局私はこれが聞きたかったのだ、親友の口から、この恋への前向きな言葉をもらいたかった
「もちろん、恭子ちゃんを応援したいのよー・・・でも洋榎ちゃんも大事な時期だから」
「せ、せやな、せやったな!」
-
彼女は麻雀プロ入りを有望視されていた
そんな彼女にとっては、私達以上に今年のインターハイは特別だった
プロ入りを確実にするためには当然成績を残さなければならない
なんでそんな大事なこと忘れて、自分のことだけ考えて浮かれてたんや私は
最低だ
今夜も自己嫌悪の夜がやってくる
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−インターハイ団体戦−
辛くも2回戦を突破し、準決勝を翌日に迎えた夜に事件は起こった
蒸し暑い夜
喉の渇きを覚えた私は目を覚まし、寝静まった部屋を見渡す
彼女がいない
飲み物を求めて宿の部屋を出ると、自販機前のソファに彼女は腰を掛けて外を眺めていた
-
「ん?なんや恭子か」
「主将、眠れないんですか」
「まあな、こう見えても繊細なんやで」
とてもそうは見えませんけど、と心の中で思う
「私も目が覚めてしまって」
飲み物を買い、彼女の隣へ腰掛ける
しばしの沈黙
いつもはうるさいくらいの彼女も、私と二人きりのときにはいつもより静かで
そんな彼女の姿を知っていることに優越感を覚えてしまう
-
「なあ恭子」
「なんですか、主将」
「その主将っての、やめへん?」
またこの話か
私は、私の密かな思いを隠すためにも、止めるわけにはいかないのだ
「ですからそれは」
「いやな・・・明日は特別な日なんや」
「はい?」
「明日勝てば団体戦でベスト4行って、ウチのプロ入りも確実と思うんや」
「そうですね」
「だから恭子には、麻雀部の主将やなくて、親友としてウチを送り出して欲しいんや」
-
親友、か・・・
私は彼女にとって親友以上の存在になれるんかな・・・
きっと無理やろな
改めてそう自分に言い聞かせると、かえって心が軽くなってきた
「そうやな、わかったわ、ひろ・・・え・・・?」
-
ん?
なんやおかしいな
納得したはずなのにな
やっぱり、自分を縛っていた封印を解いたからなんやな
顔をあげられへん
目頭が熱いわ
「・・・恭子?どうしたん?」
心の封印を解いたことで堰を切るように彼女への淡い思いが湧き上がってくる
頑張って忘れるようにしたのに、めげるわ・・・
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つらいつらい
なんでこんなんなったんやろ
もうそんな、憐れむ目で私を見るのはやめて
もうあかんわ
「あんな・・・私は・・・洋榎のことが好きなんや」
涙が止まらない
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いいゾ〜これ
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ああ^〜
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ハラデイ
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沈黙が続く
しかし先程とは違い、明らかに空気が重い
気まずいなぁ、でも顔上げられんなぁ
「いやぁ・・・冗談きついで恭子」
「冗談なわけあるかい!!!」
深夜なのに思わず声を荒げてしまった
「きょ、恭子、声大きいって」
「・・・私は主将のことが、洋榎のことが大好きや」
「それは友達としてって、わけないか」
「・・・・・・」
「恭子の気持は正直嬉しいわ、でもたぶん気持ちに応えてやることはできん」
「・・・・・・」
-
「恭子のことは大事な親友だと思ってる、いや、親友以上や」
「だったら」
「ウチら女同士なんやで」
まあ、そうやろな
普通だったらそう考えるやろ、なんて冷静に思ってしまった
でも一番聞きたくなかった言葉だ
嫌いだから、って断られるんなら納得もできる
でも女同士だから、ってなんやねん
断られるとは思ってたけど、やっぱ納得できんわ
やっぱりという気持ちと、納得できんという気持ち
頭の中をいろいろな思考が巡る
と、そんなとき
「お姉ちゃん?・・・と末原先輩?」
-
突然の声、私も彼女も一斉に声の主に振り向く
愛宕絹恵
彼女の妹だ
「絹か、起こしてもうたか」
私の涙はもう乾いていたが、異様な雰囲気を隠すことはできなかった
「何してんの、こんな時間に」
「あぁ・・・恭子が寝れん言うから少し話してたんや」
「・・・そう、ま、ほどほどにしとき」
-
そう言い部屋に戻ろうとするが、一瞬振り返り
「末原先輩もおやすみなさい」
「う、うん、おやすみ絹ちゃん」
あれ?睨まれた?
何かを言いたそうな、とても熱い目だった
「参ったな〜、絹に聞かれてもうたかな〜」
頭をかく彼女
「絹もな・・・ま、ええか、明日も早いしもう寝んで、恭子」
気分が昂っていた私はなかなか寝付けなかったのだった
-
翌日の試合は最悪だった
私も彼女も明らかに本調子ではなかった
やっぱり心が乱れると手配もツモも乱れるんやな
名門姫松高校麻雀部、団体戦準決勝敗退
個人戦でも彼女は手痛い失点をし、思うような結果を残せず
私達の最後のインターハイはここに幕を下ろした
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針のムシロのような、真綿で首を絞められるようなミーティングが終わる
誰を責めるわけでもなく、皆が暗い顔をしていた
部屋に戻り早く寝てしまおう、と考えていると
「末原先輩、ちょっといいですか?」
私を呼びとめたのは絹ちゃんだった
二人でソファに腰掛ける
「・・・・・・」
「絹ちゃん?」
人を呼びとめておいてなんやこの子
「末原先輩・・・お姉ちゃんに何したんですか?」
「・・・は?」
-
「こないだの夜、お姉ちゃんに何言ったんですか?」
「そんなこと、絹ちゃんには関係あらへん」
「関係なくないです!なんかあったから・・・お姉ちゃん負けてしまったんや!」
そう言われてしまうと、思い当たる節はあるわけで
でも認めるわけにはいかん
「な、なんでそうなるん!関係あるかいアホ!!!」
「アホとはなんですか!だいたい泣いてたくせに、なんもないわけあるかいアホ先輩!」
一応先輩とは言ってくれるんやな
てか泣いてたのバレてるし・・・
-
「泣いてたら悪いんかい!それがあんたとなんの関係があるんかい!」
「お姉ちゃんが困った顔しとったわ!お姉ちゃんが悲しんだら・・・ウチも悲しいわ・・・」
「はあ?意味わからんわ!」
「だけぇお姉ちゃんを困らすアンタが許せんのや!」
絹ちゃんに両肩をつかまれる
「ちょ、痛いって、離せやアホ!」
「離さへん!お姉ちゃんに何したんや!!!」
「意味わからんわ!アホンダラッ!!!」
思わず強く突いてしまった
-
ソファに倒れこむも、絹ちゃんは私を睨み続けている
「あ・・・おい、大丈夫なん?」
「・・・お姉ちゃん悲しませんといて・・・」
震える声、強気な目から溢れる涙
「お姉ちゃんが・・・好きなんや・・・」
ああこの子も、彼女に恋してるんやな
-
「でも・・・お姉ちゃんはウチの気持ちを受け止めてくれんかった」
「・・・・・・」
「姉妹だからって・・・なんや・・・姉妹だからってなんなんや!そんなん納得いくか!!!」
大声を上げる絹ちゃんを思わず抱きしめてしまった
「末原、先輩・・・?」
「ハッ、あはははは・・・はは・・・」
渇いた笑い声をあげる私
「何が可笑しいんや!」
「私達・・・フラれ仲間やんな」
-
私達二人は笑い合い、抱き合いながら、お互いの健闘を称え、涙を流すのだった
私達の異様な空気を察した部員達が集まってくる
傍から見たら、私達はインターハイ敗退を嘆いて涙を流しているように見えたのだろう
次から次へと貰い泣きする部員達
選手も、補欠も、先輩も、後輩も
「なんや恭子に絹も、顔がグチャグチャやないか」
いつものおちゃらけた声で、彼女も泣いていた
あれだけ重苦しかった部の空気が、皆の涙で清められていく
この出来事は結果、私達の部にとって良い結果をもたらしたのだった
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部活を引退した私は受験生として受験勉強に没頭する
我ながらすごい集中力だ
この集中力をインターハイに活かせたら、なんて考えても詮無いことだ
さて、プロ入りを有望視されていた彼女は、インターハイの成績がふるわずにプロ入りは叶わなかった
しかしプロ入りの夢は捨てられず、高校卒業後は実業団に入りプロ入りを目指すとのこと
つまり私達は別々の道を歩むことになった
てっきり会う時間も少なくなり、会っても他愛のない会話をするだけになっていった
-
そして春、卒業式の日
私は後輩に告白された
「末原先輩、卒業しないでください」
涙を浮かべながら私の目を見つめる
かわいいもんやな
「ありがとうな漫ちゃん、もう漫ちゃんも3年生や、私がいなくても部をひっぱっていかなあかんで」
「・・・最後に・・・伝えたいことがあります」
「なんでしょうか・・・」
何故か改まる私
「末原先輩はずっと私の憧れでした、好きです末原先輩、私と付き合ってください」
-
あまりにも突然で、予想もしていなかったことで
何と答えれば漫ちゃんを傷つけなくてすむのかとても迷った
きっとあの夜の彼女も、こんな気持ちだったんやろな
「ありがとうな、漫ちゃん・・・でも気持ちに応えてあげることは出来そうもないんや」
ごめんな、まだ自分の気持ちに整理がつけられないんや
すると漫ちゃんは、目に涙を貯めながらもにっこり笑って
「やっぱりそうですよね・・・でも、先輩に気持ちを伝えることできて、とてもうれしいです」
「漫ちゃんは、偉いな」
漫ちゃんは偉いな、私と違って
ちゃんと自分の気持ちを、自分の意思で伝えたもんな
なし崩しで告白して、気持ちの整理もできずウジウジしている私なんかよりよっぽど偉いわ
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「恭子、一緒に帰ろうや」
漫ちゃんと別れ、一人で帰る私に彼女が駆け寄ってきた
相変わらずの他愛のない会話
と
「あのな恭子・・・さっき漫と話してるの、聞いてしまってん」
「・・・そうですか」
「なあ恭子・・・まだ、ウチのこと、好きなん?」
は?なんでそんなこと聞くの?
これはもしかして
「す、好きや!あれからも気持ちは変わっとらん!」
少し嘘をついた
-
「そっか・・・ありがとうな」
「・・・・・・」
「いやな、さっきの立ち聞きして、インハイの夜のこと思い出してん」
私はあまり思い出したくない
「ウチから聞いててあれなんやけど・・・まだ、わからないねん」
「・・・は?」
「だから、どう応えればいいか、ウチの気持ちもわからないねん」
きっと、彼女も大真面目なんやろな
「だから・・・恭子は、恭子がイヤになるまでウチのことを好きでいてほしいんや」
絶句してしまった、なんて図々しいお願いや
「そうすれば・・・いつかウチも、恭子の気持ちにどう応えればいいかわかると思うんや」
-
サンキューガッツ
-
いつか?
いつかっていつなん?
いつかっていつや!!!
なんでそんなに私を苦しめるんや
そんなこと言われたら、あきらめきれんやん・・・
いっそ『穢いレズビアンめ』とか罵ってくれたほうがどんだけ気持ちが楽か
「まあ、そういうわけや、お互い頑張ろうな」
何がそういうわけなのかわからないまま、私達は最後に握手をし、それぞれの道へ進むのだった
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晴れて大学生となった私は、新しい恋をすることもなく退屈な授業を受ける日々を過ごしていた
『いつか』を待っているほどお人好しではないんやけどな
そんなある日のこと
地元の本屋で課題用の本を探していると、背後から声をかけられた
「恭子ちゃん?・・・やっぱり恭子ちゃんなのよー」
「由子か、久しぶりやな」
高校卒業後は麻雀部と疎遠となっていたため、親友との再会はとても嬉しかった
涼しい喫茶店で近況報告をする私達
「そういえば恭子ちゃん、全然麻雀部に顔出さないのねー」
「んー、なんか顔出しにくくってやな・・・それに、私ら現役のときOGが来るのってイヤだったやん」
「わかるのよー」
ケラケラ笑う由子
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これで終わりなんてそんなんめげるわ…
-
「そういえば、洋榎ちゃんのこと、知ってる?」
「な、何?」
一瞬ドキッとしてしまった
「洋榎ちゃん、プロテスト合格したのよー」
知らなかった
「その様子だと知らなかったのね、洋榎ちゃんすごいのよー」
連絡する勇気もなかったので、知らなくても当然といえば当然か
「ねぇ・・・まだ洋榎ちゃんのこと、好きなの?」
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「は?ま、まあ由子にならええか・・・好きって伝えてんけど、保留なんや」
「ほりゅう?」
「考えさせてくれ、って・・・」
「そうなの・・・なら、会いに行くべきなのよ」
「え?」
「恭子ちゃん、前に、どうすればいいかって聞いたのよー」
「あぁ、覚えとる」
由子に、私の恋がバレたときのことやな
「なら会って『おめでとー』って言ってあげなきゃ、まだ洋榎ちゃんのこと好きならね」
「せやな・・・せやな!」
勇気が湧いてきた
-
「なんや久しぶりやなー、まさか恭子から誘ってくるとはなー」
由子との再会の後、私は彼女に連絡を取った
メールで
電話にせんかったんはヘタレてたと思うけど、それでも私にしては頑張ったほうや
「プロになったんやってな・・・おめでとう」
「あ、うん・・・ありがとさん、なんや知ってたんや」
「教えてくれてもよかったんちゃう?」
「まあそれは・・・なんか自分から言うのは、恥ずかしかったんや」
こういうかわいい一面も持ってるんよな
「で・・・そっちはどうなん?恭子」
-
私か・・・
私は、あなたへの思いを捨てられず、あいかわらずうじうじうじうじしています
なんて言えるわけないよな
「え、あぁ・・・え〜と、そうや!由子!由子に会ったんや!そんでな・・・」
なんで由子の話なんか始めてしまったんやろ
勇気を出して会ったのに、わけがわからんわ
「あー・・・恭子?恭子さんや?」
「・・・あっ?ああ・・・そんでな、由子が」
-
「恭子!!!」
「あっ、はい・・・」
「そんなに由子由子言わんといてや、ウチも辛くなるねん・・・」
「・・・?」
「ウチな・・・恭子のことが好きなんや・・・」
-
「・・・・・・フッ・・・ハッハハッハッ・・・なんて顔しとるんや恭子」
あーあ、また泣いてもうた
せっかく精一杯のおめかししたのに、涙と鼻水でグチャグチャや
でも
こんなに気分の良い涙は久しぶりやな
「・・・・・・ありがとう」
「愛してるで、恭子」
-
−エピローグ−
高卒ルーキーとしてプロ入りすることは叶わなかった彼女だが
実業団を経てプロ入りしてからは早速頭角を現し、麻雀新人賞のタイトルを獲得した
それからは麻雀プロとして非常に忙しく、充実した毎日を送ることとなった
私はあいかわらず、大学で退屈な授業を受ける日々だが変わったことがある
あれだけ私を縛り続け、思いを封印してきた言葉を今では堂々と口に出すことができる
小さなことだけど大きな幸せだ
-
「・・・・・・もう朝か・・・」
体を起こし伸びをする
カーテンの隙間から差す日差しがとても心地よい
横を向くと、小さな寝息が聞こえる
「朝やで、洋榎」
fin
respect『青い花』志村貴子作
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おつやで〜
末原さんてかわいいんやな
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オツシャス!
ひきずる展開すき
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おつかれナス!
心の変遷も丁寧に描かれていて(涙が)で、出ますよ
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まさかnanじぇいでまともなSSがよめるなんて…
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普通に他の所で出しても評価されそう
洋恭すき
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洋恭の名ssやな
改めてサンキューガッツ
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『青い花』respect、通りでねえ!
何にせよすばらでした!
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はえ^〜すっごいSS
お疲れナス!
-
SS専のブログにちゃんとまとめてもらった方がええんとちゃうか
こんな場末のホモ掲示板に埋もれさせてはいけない(使命感)
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えすえす咲ちゃんねるとか非アフィだし管理人ちゃんも丁寧な人だし
とはいえAILEくんの許可がいるね
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1です
初めてのSSでしたが皆さん感想ありがとうございました
本当に皆さんのコメが嬉しいです
私としてもいろいろな方に意見とか感想聞きたいと思っているので
>>58-59さんの意見が気になるのですが
具体的にどうすればいいのかわかりません
ちなみにこのSSはNANじぇい以外では未発表です
転載する方法とか許可取る方法とか
私が出来ることがあれば、教えてください
よろしくお願いします
あと次回作の相談なんかもしたいと思ってます
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素直にAILEくんがまとめれば咲アンテナにも載るから人目には付くやろうけどNaNじぇいのカラーに合わんやろうからなぁ
これもう分かんねぇな、お前どう?(丸投げ)
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他の板で張ればいいんじゃないんかな
このssは完結済です
以前他の提示版で貼ったことがあります。
よろしくお願いします。
みたいな感じで
転載云々は自分の作品だからいいと思うけど
良作だから
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AILEくんもまとめると思うけどなぁ
>>62です
連投ごめん
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すばらでした
そういったサイトに転載してほしいのなら
NaNじぇいで書かないでええのかもね・・・
ただ「ここから出てけ」と言っているのではないのであしからず
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アフィとかそういうの気にしないんだったらSS速報とかにそのまま載せるっていうのもありだと思う
SS速報だと転載自由だから色んなSSまとめサイトに転載されるしね
まあここで書き続けるっていうもの好きな道もあるで
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皆さんいろいろとありがとナス!
無知ですまんな
掲示板書き込んだ時点で権利は全部AILE君にあるとか思ってたけどそうでもないんかな
他の板調べてみて良さそうなところに>>62のように書き込んでみます
あとNANじぇいが好きなんで今後もまずはNANじぇいに投下していこうと思ってます
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いや普通にここから転載したらいかんでしょ
他所からロンダはダメってやってるんだからここから無断で転載するのはよくない
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やっぱり猛虎弁のやつってくさいな
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AILE君はまとないようなスレはすぐ落とすからそれで判断すればいいんじゃない?
2か月前のスレとかよくまとめてるし
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>>67
まあ確かに一理あるな
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たびたびすいません
けっこうグレーゾーンなんですね
それなら今は他の板に貼るのは控えておきます
いろいろとありがとうございました
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遅レスごめんね
pixivは二次利用の心配ないからいいんじゃないかな
余所に上げた作品の記録用に使ってる作者けっこういるから
-
めげはらさんすき
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