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【俺能世界】俺が能力授けるからこの世界で戦え【新世界】Part46

57【聖剣】刃 ◆y7XUmHaaYQ:2020/07/20(月) 21:06:34 ID:Rhr7wwrs
>>56
「その通りだ。俺はただの人殺しで、所詮は望まれたままに選んで殺しているだけの大罪人でしかない。
 だからこそ、今更引く道などありはしない。俺は、この身が折れて木端と砕け散るその時まで無限の修羅道を歩み続ける」

その時、これまで無感情だった男の言葉と表情に始めて諦観と共に自嘲するように笑みが浮かぶ
結局はそういうこと
殺すという手段を取った時点で我も彼も等しく悪で、屑でしかないのだから。いや、殺した数で見ればきっと男の方がよほどだろう
それを自覚して尚、止まらない、止まれない。今なお悪を殺せと心の内で声が聞こえ続けているのだ。
祭り上げられ望まれた。望まれるがままに殺し続けた。
それだけが生存理由だと生まれた時から共にあった自身の半身たる刃が告げている

あぁ、だが
女の触腕が肉体が損傷していようが意思で動かせるのを知っていながら、わざわざ近づいて止めを刺そうとしたのは何故だろう?
斬撃を飛ばした方が、まだしも安全だっただろうに

その事実を、自身を刀剣と称する男は人間の様に気づかないふりをした

「…違いない。」

何て様だ
自ら腹を刺したときも、数多の悪を殺したときも、大を救うために小を切り捨て犠牲としたときも砂漠の様に凪いでいた心が、僅かに揺れ動いている
それはきっと、先日に我が身が傷ついても他者を救おうとする本物と出会ってしまったからだろう
言葉ではなく行動で、自身が間違っていたことを突き付けられて、気づかぬうちに男の刀身に罅が入っていた
だが所詮は今更で、もはや変われるとも変わろうとも思わなぬ男は揺れ動く思いさえ断ち切って剣を一息に振り下ろして、これまでの数多の悪と同じように女を切り捨てた

「…次だ。次の悪はいったいどこだ。全て切り裂き地獄の底へ送ってくれる」

片眼は潰れ、片足も潰れ、血も大量に流して死に体も同然。それでもなお止まらない、止まれない、止まってはならない。なぜなら刀身砕けて散り行くその時まで、悪を斬って進むのだと決めたから
月さえ隠れ、明かり一つなくなった深淵を、鋼の断罪者は怨念だけを頼りに歩いて、消えた

/こちらこそありがとうございましたー!

58【ディオド】 ◆y7XUmHaaYQ:2020/07/23(木) 23:51:50 ID:jIR/fiTI
新月の夜
月明かりさえ失われるはずの暗闇は、今では人口の光によってその多くが照らされ昼と変わらぬほどの光量でもってその多くが照らされている
故にこそ、その隙間に生まれる影はより一層の深淵となって逃れられない恐怖を否応なしに叩きつける
昼行性に生まれた人類種の宿命として、暗闇は冷たく恐ろしい

「あっるくのーだいっすきー、どーんどーんいっこっおー♪」

その暗闇の一角で響き渡る、およそ恐怖というものから掛け離れた楽しげな童謡はどこか幼さ残る少年が、手にボールか何かを持ちながら笑顔満面で小躍りするように出鱈目なステップを刻みながら発しているものだった
それは恐怖を誤魔化そうとしてでのものではなく、また恐怖を克服したが故のものでもない
只々純粋に楽しくて楽しくてたまらない、と誰が見てもそれだけでしかないと分かるもの

深淵においてなお欠片たりとも陰らぬ笑顔と声はまるで太陽のようであり、ここは恐ろしい場所ではないのだと聞くものに安堵と安心の感情を想起させる
だがしかし心せねばならない
前述したように光の下には影ができ、それは光が大きければ大きいほどより深く暗いもの
遠くより聞こえりその声は、薄暗がりで見えるその影は、本当に光と呼んでいいものか?
それが本当に美しく光と呼べるものならば、あたりに漂うこの血腥さはなんだ?
少年がその手に持っているそれは果たして本当にボールか?

それが確認できるほど近づいたのならば、覚悟せねばならない
その時あなたは昼を統べる人類に対する夜を統べる者──深淵の覇者たる一角、吸血鬼と相対することになる

「んー、今日は軽くデザートも食べたいところだなぁ」

──散乱する木乃伊の如く干からびた死体の中央で誰かの頭蓋を弄ぶそれに気づかれれば、その食事が再開するのは確実だ


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