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SSスレッ!!!!!!!!!!

59さくや:2014/07/20(日) 23:32:02 ID:V4n.RKYQ
「さくや、あつい」

初夏……というにはいささか暑すぎる陽気の日、漆黒の館から不快感を隠そうともしない声が漏れる。
声の主は言わずもがな我らが神流様。蒸し風呂のような室内で、あろうことか下着姿で愚痴を漏らしていた。

「……では、数百年ほど放置してある地下室に向かわれてはいかがでしょう」

きっと涼しくなれますよ……と、別の意味で肝を冷やすような発言を返すのはいつもの従者、サクヤさん。
この蒸し暑い館の中でも華麗にメイド服を来なしてみせる姿は、ある意味恐怖すら覚える。
……この館は漆黒である。故に、太陽光を余すことなく吸収してしまってる上に
彼女の服も漆黒……なのにサクヤは平然と、不思議なくらいに冷えたアイスティーを神流に手渡す。

「……扇風機は?」

「りんさんが扇風機の前で「あ゛〜」とやったところ、凍り付いて故障しました」

当事者の彼は現在、罰としてエントランスや食堂の冷房係として貢献中。
しかしそれらの施設はすべて一階。対してこの部屋は屋上の特別な個室。
……如何に彼の能力が強力とはいえ、ほぼ屋外のこの場所までは届いてこないようだ。

「……くーらー」

「ルキさんとKさんが改造してヒーターにしてしまいました」

無論、その二人は罰としてヒーターがガンガン付けられた部屋で鍋焼きうどんと洒落こんでいる。
現状、この館に冷房は存在しない。今存在するのは、二人の絶え間ないボヤキのみ。

「……さくや、あつい」

「……そうですね」

蒸し返すような日照りが差し込む夏の昼過ぎ。
闇魔館の夏は、まだ始まったばかりである。


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