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30闇の名無しさん:2014/05/05(月) 20:48:59 ID:V4n.RKYQ

「既に勝敗は決したようなものなのに、何故抗うのかしら――【従者】」

冷たい雨が地に伏した私の頬を打ち付けては消えていく
既に意識は風前の灯火。ふと意識を緩めれば、掻き消えてしまうほどの小さな火。

……幸い、腹部を抉る裂傷が、この微かな火に僅かながらの油を注いでくれているが。

「ああ、単騎で私に挑んでくるからそれなりの実力者だと思っていたのだけれど」

傷ひとつ無い端正な顔を持つ女性はそう呆れる。拍子抜けだ、と言わんばかりに

かたや私は満身創痍。戦闘用に仕立て上げられたメイド服は惨めに千切れ、露出した肌には無数の傷。
止めどなく溢れる鮮血が私の頬を、髪を、四肢を紅に染め上げて行く。
ああ、手元にあった筈のナイフも既になまくらで、目の前の女性に一太刀入れることすら叶わぬのだろう。
最初からわかっていた結末だった。唯のメイド長である私が、「闇」そのモノに勝てるはずがなかったんだ。

「ま、これだけ痛めつけてもまだ生きているその往生際の悪さだけは認めてあげる」

こちらへと歩み寄る一つの足音。それは顔を挙げなくとも、女性のものであると確信するほどで
指一つ動かせぬ私の首を掴み上げれば女性は笑い、軽々と私の矮躯を持ち上げてみせる。

首に食い込む指の感覚が不快感を逆撫でする。それを悟ったか、手のひらには徐々に力が込められてゆき
やがてはあと一息で首を折れるであろう力を込めながら女性は妖艶な笑みを浮かべ笑う。
声が、出ない。息が、出来ない。我が四肢が「逃げろ」と警鐘を鳴らすように、全身に血を巡らせる。

「貴女を殺したら次はあの館。闇の名を借りて好き勝手やってる子たちには、お仕置きが必要だものね」

――そうさらりと言葉を吐くと、手に濃縮された「闇」の塊を生み出してみせた。
本能が悟っている。あの「闇」は全てを飲み込み喰らい尽くす深淵の闇であると

「どうせなら、壊してしまえばいい。この世界もろとも、全て―――」


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