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SSスレッ!!!!!!!!!!
289
:
闇の名無しさん
:2015/12/31(木) 04:59:37 ID:6DJo1oZo
一ヶ月経っても君は帰ってこない。
君の席にはいつの間にか埃が積もって、主の帰りを寂しげに待っている。
今日の献立はニンジンのポタージュ。いつものようにスープは冷めて、それを黙々と厨房へ下げる・。
悲しいな、食べてもらえないって。流しに捨てたスープの残り香が、私の鼻孔にこびり付くようで。
ふぅ、と意味もなく溜息を零した。明日もまた、君は帰ってこないんだろうね。
「さっくやー!!」
ある日、王女様が声をかけてきた。どこか嬉しげな様子で、薄茶色の紙袋を片手に。
こんなに機嫌のいい王女様を見たのは久しぶりだな、なんて思いながら、彼女の言葉に耳を傾けると
「これ!けーちゃんの好きなモノ!ようやく取り寄せられたんだ!」
手渡された紙袋を覗くと……これは、馬鈴薯?
袋いっぱいに詰め込まれた馬鈴薯――ジャガイモ――は小ぶりだが、色艶もよく形も良好。
これが君の好物なのだと聞かされた時、言葉に出来ない嬉しさが込み上げてきて、王女様にひとしきり頭を下げて厨房へ。
ことことと、思いを込めたスープの出来上がり。
君がいなくなって数ヶ月、きっと帰ってきてくれるよね。心成しか浮足立って、湯立つスープを食卓へ。
ほのかなスパイスの香りが鼻孔をくすぐる。匂いにつられて帰ってくるなんて、そんなお伽噺を期待して。
……結局、君は帰ってこなかった。
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