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SSスレッ!!!!!!!!!!

280闇の名無しさん:2015/11/19(木) 18:14:39 ID:/i8Ox0j6
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手を取り合って散歩してみたり、腕を組んで並んで据わってみたり、抱き合って寝てみたり。憧れだった恋の真似事をやってみる。
会話も無く、ただ漠然とした共通意識で慣れ合う二人。お互いに思っていることが何となく伝わってくるのは、生まれ落ちてから今までを共に過ごした腐れ縁のせいか。
どちらも認識することはなかったけど、この場でようやく自覚し始める。お互いに、お互いが、紛れも無い“自分”なのだと言うことを。
好き、とはまた違う感情。恋愛感情とは別方向の、友情と言うにも違う、不思議な間柄。互いに無くてはならない存在。
……それが、自分という感覚。十二兆七億四千三百九十万五千百三十八年の堕落の末、微かに芽生えたその感覚が、お互いに突き刺さる。
いずれ受け入れなくてはならない事実。けど、受け入れたら終わってしまう。消えてしまう。この愛しくてくだらない、モノクロのパッチワークが。


自分を目の前にして何年経っただろう。疲労もなければ成長もしない、けど意識だけは明瞭で淀み無く。
モヤモヤとした、言葉にもカタチにも出来ない言い知れぬ感覚を抱きながら、ひたすらに時が過ぎていく。

「……帰ろっか?」

また、私達は背を合わせて座っていた。前とは違う、背を預け合うような座り方。そんな時にふと、いつか問いかけた言葉をもう一度。
答えはなかなか返ってこない。珍しいな、いつもはすぐに答えを返してくれるのに。寝ているのかな、死んでいるのかな、とちょっと不安になって。
“私(きみ)”の手をちょっと強く握ってしまう。暖かな肌の感覚。すると“私(きみ)”は握り返してくれて、そのまま一言。


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